昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#22 いざクエストへ! わたしがとは言っていない。byネプテューヌ

「お姉ちゃん、少しはやる気出そうよ。このままじゃ、いーすんさんかわいそうだよ」

 

 

 基本的にネプテューヌの味方であるネプギアだが、今回はさすがにイストワールが気の毒なのでイストワールに味方することにしたようだ。

 

 

「えー? ネプギアまでそんなこと言うのー?」

 

 

 ネプテューヌは不満そうに口を尖らすが、「だって、いーすんさん本当にかわいそうだし……」ネプギアは真剣にイストワールのこと思って悲しい顔をする。

 

 

「あー! そんな顔しちゃダメダメ。ネプギアは笑ってた方がかわいいよ」

 

 

 ネプテューヌは手を横に振りながらそう言うが、「だって……」と言ってネプギアは黙ってしまう。

 

 

「仕方ない。それじゃ、クエストに行こうかなーー」

 

 

 ネプテューヌが観念したかのように立ち上がって伸びをすると、「本当!」とネプギアの顔が喜びの表情に変わる。

 

 

「ほんとほんと」

 

 

ネプテューヌはそう言うと、直後に「うっ!」と、呻いてお腹を抱えてうずくまる。

 

 

「お姉ちゃん? どうしたの!」

 

 

 ネプギアがとっさに心配の声を上げると、「クエストに行こうとしたらお腹が……これはちょっと無理かも……」とネプテューヌはとても残念そうに言う。

 

ネプギアも、「そんな……」と落胆の声を出す。

 

 

「ああっ……だれか代わりにやってくれないかな……」

 

 

ネプテューヌはうずくまりながらそう言うと、「チラッチラッ」と言ってネプギアに視線を向ける。

 

 

「へ? 私?」

 

 

 ネプギアはキョトンとした顔で言うと、少し考えるような仕草をして、「ええと、お姉ちゃん行けそうもないので、私に出来るお仕事でしたら私がやりますけど……」とイストワールに提案する。

 

優しく純粋なネプギアは人を疑うことを知らない。

 

 

「……そうですね……お願いできますでしょうか」

 

 

イストワールからすれば、ネプテューヌの行動はバレバレの芝居なのだが、それを指摘するもの疲れたようで素直にネプギアの提案に乗る。

 

 

「やったー! じゃ、お姉ちゃんはゲームの続きしてるねー!」

 

 

 ネプテューヌはこれ幸いとバンザイするとゲームに戻る。

 

遊びに夢中のネプテューヌ。

 

それを諫めるイストワール。

 

両者の間を取り持って仕事に励むネプギア。

 

プラネテューヌではこれがいつもの光景である。

 

 

「あ、そうだ。お姉ちゃん、お昼ご飯できてるよ」

 

 

 ネプギアが本来の目的を思い出してネプテューヌに伝えると、「これが終わったら行く~」ネプテューヌはゲームをしながら返事をする。

 

 

「それでは私達二人で先に食べてしまいましょう。それで食休みをしたら一緒に行きましょうか」

 

 

 イストワールはそう言ってネプギアの顔の真横まで飛んでくると、「え? いーすんさんも来るんですか?」と自分一人で行くつもりだったネプギアはイストワールの同行を驚く。

 

 

「最近は運動不足ですし、何よりストレスが溜まっていますから」

 

 

 イストワールはちらりとネプテューヌの方を見るが、肝心のネプテューヌは我関せずの顔で口笛を吹いてゲームをしている。

 

 

「あはは……発散のお手伝いが出来るよう頑張ります」

 

 

 ネプギアは苦笑いを返しながらそう言ってイストワールと一緒に食事の置いてある部屋に向かった。

 

 

****

 

 

 昼食をとりながらネプギアはプラエのことをイストワールに話した。

 

 

「……まずはネプギアさん」

 

 

 食事を終えて専用の箸を置いたイストワールが神妙な顔でネプギアを見ながら口を開く。

 

 

「はい……」

 

 

 同じく食事を終えたネプギア。

 

こういう時は軽くお説教をされると知っているので、元気のない返事をしながら小さくなる。

 

 

「プラネタワーは国の中枢であり、国家機密も山ほどあります。その内部に部外者を入れるというのは感心できませんよ」

 

 

 ネプギアの予想通りお説教を始めるイストワール。

 

更に、「それが例え衰弱した子供とは言えです。病院なり他に適切な方法があったと思います」と言葉を続ける。

 

 

「……ごめんなさい。以後気を付けます」

 

 

 素直に頭を下げて謝るネプギア。

 

プラエのことを信用していたとは言え、少し軽率であったことは彼女も理解したようだ。

 

 

「教祖としてのお説教はこれぐらいにしまして……」

 

 

 イストワールの表情がにこやかなものに変わると、「困った子供を助けるという行為、一人の人としてとても感心できます。よくできましたね、ネプギアさん」とネプギアを褒める。

 

その姿は子供を褒める母親のようであった。

 

 

「街中でも目立っていたらしく、モンスター退治と合わせて、【みんつぶ】で話題になっていますよ」

 

 

 イストワールは更に笑顔になってネプギアを褒めた。

 

時には叱ることもあるが、基本的にはネプギアは褒められることの方が多い。

 

イストワールとしても、ネプギアを褒めるとネプテューヌの相手で溜まったストレスが癒されるので少々ネプギアには甘いところもある。

 

ちなみに【みんつぶ】とは色々なことを呟けるゲイムギョウ界のSNSで、現実世界のツイッターのようなもの。

 

大抵の人が自分によく似たアバターを使い他者との交流を行っている。

 

イストワールは人口生命体の能力で、手を使わずにこのようなSNSの閲覧ができるので、食事をしつつ、ネプギアの話を聞きながらも、みんつぶを見ていたのだ。

 

 

「本当だ。好意的な意見がいっぱい……うれしいな」

 

 

 イストワールに言われて、Nギアを使って、みんつぶを確認するネプギア。

 

そこには好意的な意見が山ほど書かれていた。

 

 

「あっ……なんだかシェアエネルギーが上がっている気がします」

 

 

 ネプギアがつぶやく。

 

ネプギアの行為が、みんつぶで拡散されたことにより彼女に対する信仰が上がり、シェアエネルギーを得ることが出来たのだ。

 

 

「ふふっ、この調子でよろしくお願いしますね」

 

 

 イストワールはそう言って微笑むと、「それではプラエさんと直接面会をしましょうか」と提案をする。


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