WZ/Ark Commanders Story   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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あけましておめでとうございます、ノアです。
今回はいつもよりグダグダしてる気がしますが、今回もごゆっくり、見て行ってください。


第5話

年が明け、タージ基地にも新年が訪れた。

まあ年が明けたと言っても、休暇という休暇は特になく、基地から前線へと往復するヘリや人形、兵士たちがいる。

もちろん僕も新年が明けた1/1は流石に休みだったが、2日からは通常業務に戻っていた。

 

新年になってからというもの、少し出撃することが増え、僕は書類仕事に追われている。

新年になってテンションが上がっているのか、テロリストにしろ鉄血にしろ、活動が活発になっているのだ。

これはいけないと思った上層部がいつも後方支援に当たっている部隊を前線へと送ることが増え、被害も無視できないものとなってきている。

しかも鉄血ハイエンドまで現れるというオマケつきだ。

くたばりやがれ。

 

うちの部隊が鉄血ハイエンド、しかもジャッジクラスと戦える訳もなく、つい先日入ったタンク指揮官のジャッジ討伐の報告は聞くだけで勝てるわけがないと悟ったほどだ。

なんなん、エイブラムスの主砲耐えるって。

 

そんな事を思いながら書類を書き終え、一息つく。

そして副官席をチラ見し、1つ、今度はため息をついた。

 

「MDR、何もそんなに怖がらなくても…もう怒ってないから」

 

「ひっ…は、はい……」

 

ため息の理由は1つ。

MDRのこのビビりっぷりである。

去年の初回訓練の時に叱ってから、訓練時に別の教官を呼びつつほぼ毎回5回は叱っているとこのザマである。

そんなにビビられるとヘコむんだわ。

いや僕よりあのハートマン軍曹みたいな人の方が怖いでしょ普通。

なんなのあの毎回のように卑語を芸術のように織り交ぜながらの罵倒って。

教官ってすげぇや。

 

ってそうじゃないんだ。

ここまでビビられると作戦時にも影響が出る。

なんとかして恐怖心を克服させたいものだが……そうだ、あのネタで行こう。

 

「そうだMDR、グリフィンタージタレコミ掲示板なんだけどさ、MDR割と人気だよね、特に戦場から遠い職務の人達に」

 

「ひっ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、訓練の内容とか指揮官の悪口とか教官の悪口とか書き込んでごめんなさい……」

 

……逆効果だったようだ。

さてはPTSDみてぇになってんな?

にしてもMDRの戦術人形は炎上バッチコイの今どきネット民の悪いお手本みたいな子って聞いたが、ここまで心が弱いものなのだろうか。

この弱さだと炎上したら絶対泣くやん。

さてはI.O.P.、騙したな?

まあ銃と同じで個体差が…とも思ったが極端すぎるだろう。

どうしたもんか……

 

そう思っていると、執務室のドアがノックされ、1人の完全装備をした兵士が入ってきた。

 

「リーダー、諜報部隊から速報です」

 

そう言って男は1枚の書類を渡してくると、MDRの方を向いてはにかむと、

 

「リーダー、女の子をビビらせたらダメじゃないですか、モテませんよ?」

 

「うっせぇ、そんな事より自分の明日を考えとけ、いつバレて潰しにかかられるかわかんねぇんだぞ?」

 

そう渡してきた書類を読みながら言うと、男はやれやれと言ったような反応を見せ、

 

「まあ大丈夫でしょう、ここまで踏み込んでもバレてないし、もう何年も経ってるのに気づく雰囲気もない。それにちゃんとやってくれてるんでしょう?」

 

「そりゃあやってるさ、上手く出来てないなら今頃全部取り上げられてるし、俺だって無事じゃない」

 

「ははっ、そりゃそうだ、で、どうします?」

 

「そうだな…侵攻には一つ目と暴風を使う、それで対応できないなら鹿を使え、ターゲットが抵抗してこちらが危険になれば元も子もない、確実に、そして正確に行え、良いな?」

 

「了解、総員に通達します」

 

「ああ、そして命令はいつも通り3つ、『死ぬな』、『死にそうになったら逃げろ』、そんで『隠れろ』、『運が良ければ不意をついてぶっ殺せ』、いいな?」

 

「了解、それとリーダー、いつも言ってますがそれだと4つですよ」

 

「いつものネタだよ、気にするな」

 

「了解、では俺はこれで」

 

そう言って男は部屋から出ていき、執務室には僕とMDRだけになった。

話の話題に取り残されたMDRがさっきからポカーンとしているが、まあ問題はないだろう。

 

「……指揮官、あの人誰すか…?」

 

「え?僕の持ってるPMCの社長、総合的なトップは僕だけどね」

 

「へえ……ところで潰されるーだのなんだの言ってたのってなに?」

 

そういいネタを見つけたとばかりのキラキラした目を、MDRは僕に向けてきた。

やはり根はそういう子らしい。

 

「……知りたい?」

 

そうにっこりとしながら聞くと、MDRは何故か青ざめ、震え始めた。

 

「い、いやいいです、やっぱり遠慮しときます……」

 

「まずそうだなぁ……なぜ僕がPMCが持てない装備を持ってるかってとこから話そうか」

 

「ちょ、いいって言ってるじゃん!」

 

「まあまあ遠慮せずに。ところでミクロネーションって知ってる?」

 

「え?ミクロネーション?知らないよ?」

 

「じゃあ1分以内に調べてみよう、はいスタート!」

 

「え!?ちょ、ええ!?」

 

そうMDRは言いつつも、僕に言われたように携帯端末を使って検索を始めた。

 

「どう?わかった?」

 

そう1分経った辺りで聞くと、MDRは苦笑いを浮かべながら、

 

「い、一応…簡単に言えば国際的に承認されてないすごくちっちゃい独立国家でしょ?」

 

「そそ、んでPMCが持っちゃいけない兵器って把握してる?」

 

「なんとなくだけど……正規軍とかが使う戦車とか兵器とかがダメなんだっけ?」

 

「だね、でも僕は持ってる」

 

「それがおかしいんだよなぁ……その辺のこと、タレコミ掲示板でも話されてたりはしたけど全く情報がないからわかんなくてさぁ!他の人なら色々情報出回ってるのに!」

 

「そりゃあそうだろうね、情報統制してるもん」

 

「え?」

 

そうMDRが驚きのあまりかフリーズしているのを見て苦笑いしつつ、僕はそのまま続けた。

 

「ほら、MDRも僕について調べようとして何も得られなかったでしょ?まあそもそもネットの海にほぼほぼ情報がないのと、僕について調べてたりする輩を片っ端から監視してるから知ったところで消すしね」

 

「ヒェッ……なんで知ってるの……?しかも消すって何を……?」

 

「そりゃもう……色々?」

 

「こy…これがネットの闇……!」

 

「あながち間違ってないねぇ、だからMDRもネットで何かをする時は気をつけた方がいいよ、リアルも然り。誰が見てるかわからないからね」

 

そう言いながら、残っている書類の仕上げを始める。

そうしていると、MDRがおずおずとしながら、あることを聞いてきた。

 

「あのー、指揮官?ところであの暗号みたいな『一つ目』だの『暴風』だの『鹿』って……?」

 

「……言ってもいいけど、その後の行動によっては…ね?」

 

「ひっ……やっぱり?」

 

「……まあ、訓練の時に結構酷いことしてるからお詫びとして言ってもいいけど。信用してない訳じゃないし」

 

「本当に!?」

 

「うん、その代わり情報を漏らしたら…ね?」

 

そう言って釘を刺すと、MDRは目を輝かせながら、うんうんと頷いた。

 

「…まあ、全然暗号でもなんでもないんだけどね、知ってる人なら多分わかるよ。まず一つ目だけど…正規軍のサイクロップスって知ってる?」

 

「うん、あの無機物感やばいやつでしょ?」

 

「そそ、それ」

 

「え?」

 

「んで残る暴風と鹿だけど……それも正規軍のテュポーンとケリュネティスのことだよ、なんの捻りもないでしょ?」

 

「ちょちょちょ、ちょっと待って!?なんでそんなの指揮官が持ってんの!?」

 

「正規軍は一体なんの正規の軍なのか、それとあと今までに出てきた内容をまとめてみて?」

 

そう言ってうーんと唸るMDRをほっておいて書類仕事へと戻る。

そして書類の最後のサインを書いた頃に、MDRが信じられないと言った風に僕を見てきた。

 

「まさか……ミクロネーションのトップ……だから正規軍みたいな装備を……?で、でも、ミクロネーションって基本的に主要な国際機関に認められてないんじゃ……」

 

「さあ?あとはMDRの想像に任せるよ、じゃ、僕はこの書類提出したら定時だから今日は終わっていいよ、じゃ、お疲れ様~♪」

 

そう言って執務室から出る時、MDRが、

 

「えぇ……本当だとしても誰も信じるわけないじゃん、そんなの……」

 

と呟いたのを聞き、僕はそれに、ニヤリとした笑顔で返した。




いかがでしたか?
思ったより文字数が多いと思ったらそうでもなかったです。
ではまた次回、お会いしましょう。
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