ブリザポスとレイスポスからフリーズ村を守り抜いたサトシ達。その際に2体の鬣を手に入れてバドレックスの元へと急いだ。バドレックスと初めて会った場所に向かうとバドレックスと宙に浮いた状態のピオニーがいた。
バドレックス「先程は村を守ってくれて感謝である。」
ピカチュウ『気にしなくていいよ。』
サトシ「俺達がやりたくてやったからな。」
バドレックス「故にそこの人の子よ、サトシと言ったか?」
サトシ「なんだ?」
バドレックス「先程のあの力は確かに波導の力であった。だが同時にあの男と同じ雰囲気だった。」
ヒカリ「あの男?」
バドレックス「波導の勇者と呼ばれていた人間の男だ。」
ハルカ「それって!?」
サトシ「アーロン!?」
バドレックス「うむ。」
ジンダイ「まさかこのガラル地方にも来ていたとは。」
ダンデ「アーロンといえば、カントーで有名な波導の勇者伝説に出てくる・・・。」
アルセウス「実はサトシは、何故かは分からないがそのアーロンと同じ波導を持っているのだ。」
バドレックス「なんと!?」
サイトウ「そうだったんですか。」
バドレックス(道理でどこか懐かしい感じがしたわけだ。もしかしたらあ奴らも・・・。)
バドレックスは心の中で何かを確信した。
シンジ「それよりあいつらなんだが・・・。」
バドレックス「ああ。本当ならば余があ奴らを御するべきであるが、思念を飛ばし立ち去らせるのが精一杯であった。絆の手綱があれば容易く御しきれたであろうに・・・。」
ケルディオ『今のバドレックスはその絆の手綱がないと無理ってことか。』
サトシ「心配はいらないぞバドレックス。」
バドレックス「なに?」
シンジ「村長さんが言うには、絆の手綱はお前が咲かせる花とお前の愛馬達の鬣で作るとできるらしい。」
バドレックス「なに!?余が咲かせる輝く花と愛馬達の鬣で作るだと!?」
マオ「輝く花?」
セレナ「愛馬の鬣ってさっきサトシが拾った?」
サトシ「ああ。」
カキ「気づかないうちに取れたのか。」
バドレックス「花・・・花・・・そうか・・・そうであったか!人間が絆の手綱を捧げなくなったのは余への信仰を忘れたからと思っていたが・・・その材料を作れなくなったからであったか。」
ラングレー「ずっと勘違いをしていたのね。」
バドレックス「うむ、そのようだ。輝く花は多くの力を使わねば咲かぬゆえ数百年咲かせられなかったが、先程から力が湧いてくるである。どれ、久方振りに輝く花を咲かせてみよう!」
リーリエ「頑張ってください!」
バドレックス「うむ・・・クラウス ブルムス!」
バドレックスが力を込めると輝く花弁ができた。
バドレックス「人の子よ、これを。」
マーマネ「これがバドレックスが作った花。」
スイレン「綺麗。」
サトシ達はバドレックスから輝く花弁を受け取った。
バドレックス「フゥー・・・フゥー・・・花一輪は流石にきつかったである・・・。」
ノゾミ「大丈夫?」
バドレックス「ああ。足りるかどうか分からぬが、その花弁を用いて絆の手綱を作ってほしいである。」
セレナ「分かったわ。」
ヒカリ「任せて!」
サトシ「だったらハハコモリ、お前も手伝ってくれ!」
ポーン
ハハコモリ「ハハーリ!」
バドレックス「では頼んだであるぞ。」
サトシ達は一旦バドレックスと別れて絆の手綱を作るためにフリーズ村にあるジンダイの母屋に向かった。
サトシ「さて、必要な材料は揃ったな。セレナ、ヒカリ、ハハコモリ、頼む。」
セレナ「ええ!」
ヒカリ「うん!」
ハハコモリ「ハハリ!」
セレナ達は早速絆の手綱を作る作業に入った。
シンジ「しかしバドレックスもうっかりな奴だな。村の人達から忘れられた理由が自分にあったとも気づかず。」
ノゾミ「まあまあそう言わない。」
リーリエ「皆さん、実はこの村の御伽話に絆の手綱に関する本がありました。」
マオ「そうなの?」
スイレン「読んでみて。」
リーリエ「はい。」
『愛馬を手懐ける際に王が力を込めしタヅナ。実りを与えてくださる王に我ら人が捧げた物。王とその愛馬だけでなく我ら人との繋がりでもある。年の始めに王へと捧ぐことを忘れるべからず。輝く花と馬ポケモンのたてがみを幾重にも重ね織る。その作り方は子々孫々に至るまで語り伝えよ。』
リーリエ「とのことです。」
シンジ「あの村長も先祖が手綱を作っていたと言っていたが・・・。」
マーマネ「バドレックスが花を咲かせなかったことで伝わらなかったんだね。」
そして数分後・・・
セレナ「やった!」
ヒカリ「できた!」
ハハコモリ「ハハーリ!」
遂に絆の手綱が完成した。
ハルカ「やった!」
ラングレー「流石セレナ達ね!」
サトシ「早速バドレックスに知らせよう!」
ピカチュウ『おう!』
サトシ達は早速バドレックスに絆の手綱が完成したことを知らせようと母屋の外に出たらそこにピオニーがいた。
ピオニー「よーお前さんら。」
サトシ「ピオニーさん。」
ピオニー「やー、気づいたらまた立ったまま外で寝ちまっててよ!体が冷え切ってっからアジトでシャワーを浴びようとしたら冷てぇ水が出てきちまう始末!村の村長に修理を依頼に行ってたんだ!」
ダンデ「それは災難でしたね;」
セレナ(多分それは・・・;)
リーリエ(バドレックスのせいですね;)
ピオニー「オレぁド・ビックリして素っ裸のまま・・・てょわわわぁ~ん。」
マーマネ「これって・・・。」
カキ「バドレックスだな。」
同時にバドレックスが上から降りてきた。
バドレックス「人の子達よ!絆の手綱は作れたであるか?」
ヒカリ「ええ、この通り!」
完成した絆の手綱を見せるとバドレックスは嬉しそうな顔をした。
バドレックス「ああ!嬉しや嬉し!」
ジンダイ「これでブリザポスとレイスポスを御することができるのだな?」
バドレックス「うむ、嬉しいことは続くもの!余は先程愛馬達の居場所を遂に突き止めたである!」
リーリエ「本当ですか!?」
バドレックス「ブリザポスとレイスポスはカンムリ神殿を根城にしているである!嘗て余とあ奴らが共に過ごした場所!」
ダンデ「カンムリ神殿といえば、カンムリ雪原の北部の山奥に建っている神殿だな。」
ジンダイ「今では誰も近寄らないと聞いている。」
サイトウ「確かにあそこなら人目に付かず暮らせますね。」
バドレックス「嘗てを思い出すので余は足が遠のいていたが・・・まさかあ奴ら、余との思い出を浸って・・・?いや、まさかな。」
シンジ「その神殿に行けばあいつらがいるんだな。」
バドレックス「そうだ。北の山の頂点に聳え立っておる。絆の手綱とニンジンを携え登ってきてほしいである。」
ヒカリ「分かったわ。」
バドレックス「では、余は急ぐゆえ先に向かうである。頼んだであるぞ。」
バドレックスはピオニーを連れて一足先にカンムリ神殿へと向かった。
サトシ「俺達も行こう!」
ピカチュウ『うん!』
登頂トンネル
サトシ「皆大丈夫か?」
セレナ「なんとか。」
ケルディオ『山を登るの大変だね。』
ラングレー「そうね。」
マーマネ「というか、バトルコロシアムかバトルピラミッドで飛んでいけばよかったんじゃ?」
アルセウス「それだとブリザポスとレイスポスが警戒して近寄らなくなってしまう可能性がある。空を飛べるポケモンでも突然吹く吹雪に巻き込まれてしまう。贅沢を言うな。」
カキ「そうだぞマーマネ。」
マーマネ「う、分かったよ。」
ノゾミ「ねえ、あれ何かな?」
ノゾミが登頂トンネルから外の景色が見える場所から巨大な木を指さした。
スイレン「大きい。」
ジンダイ「あれはダイ木の丘に生えているダイ木という巨大樹じゃ。」
ダンデ「ガラル地方で一番高い木と言われている。」
サトシ「へえ~。」
気になりつつもサトシ達はカンムリ神殿を目指して登頂を続けた。
サトシ達はカンムリ神殿を目指して様々な障害やポケモンなどを乗り越えて漸くカンムリ神殿の入り口手前に着いた。
サトシ「これがカンムリ神殿か。」
ピカチュウ『大きいね。』
ハルカ「バドレックスもここにいるんだよね?」
マオ「早く行こう、待ちわびてるかもしれないし。」
サトシ「そうだな。」
バドレックスと合流すべくカンムリ神殿の中に入った。
カンムリ神殿に入ると真ん中にバドレックスと宙に浮いていたピオニーがいた。
サトシ「バドレックス!」
バドレックス「人の子達よ、待ちわびたぞ。カンムリ神殿は嘗て余が住んでいた場所、ブリザポスとレイスポスは力を失いし今の余を侮りここを根城にしているのだ。」
シンジ「なるほどな。」
セレナ「あ、そうだ、バドレックス。」
ヒカリ「はい、これ。」
バドレックスに絆の手綱を渡した。
バドレックス「おお、絆の手綱。感謝する。この手触り、この色、艶・・・ああ懐かしや、懐かしや・・・。」
サイトウ「後は2体の愛馬ですね。」
バドレックス「ブリザポスとレイスポスはとても気ぐらいが高いポケモン、あ奴ら以上の力を見せねば主として認めてくれぬが・・・絆の手綱を用いて直接余の力を送り込む。さすればあ奴らは再び余に寄り添ってくれるである。」
ダンデ「よし、早速ニンジンを使っておびき寄せるか!」
バドレックス「そのことなのだが・・・。」
カキ「どうした?」
バドレックス「サトシよ、愛馬達の好物のニンジンを持ってここに立っていてくれないだろうか?」
サトシ「え?」
バドレックス「どうしても確かめたりことがあるのでな。」
ケルディオ『ちょ、ちょっと待ってよ!それはあまりにも危険過ぎるよ!』
リーリエ「そうですよ!もし愛馬達がサトシを襲ったりしたら!」
バドレックス「いや、何故かは分からないがそうはならない。そんな気がするのだ。どうか余を信じてほしい。」
サトシ「バドレックスがそう言うなら、俺はやるよ。」
アルセウス「・・・お前達、ここはバドレックスを信じてみよう。いざとなったら我々が助ければいい。」
シンジ「ま、こいつがそう簡単にくたばるとは思えないがな。」
ノゾミ「シンジ。」
ヒカリ「アルセウス。」
セレナ「・・・分かったわ。」
アルセウスの説得で全員が渋々頷く。
バドレックス「では我々は身を隠すとしよう。あ奴らは脅威となるなるものには好んで近寄らぬからな。」
一同はサトシを残して近くの大木の根っこに身を隠した。
それから数分後
サトシ「・・・来ないな。」
ピカチュウ『そうだね。』
マオ「中々来ないね。」
スイレン「うん。」
ケルディオ『僕達がいることに気づいているのかな?』
サイトウ「可能性はありますね。」
ジンダイ「ならば日を改めてまたこの神殿に来るしかないな。」
ダンデ「・・・いえ、その必要はないようです。」
ダンデの発言に疑問を持つが入り口の方向を見るとブリザポスとレイスポスがやって来た。
リーリエ「ブリザポス!」
ハルカ「レイスポス!」
ダンデ「皆、静かに!」
ダンデの指示に従い、一同は息をひそめた。一方のブリザポスとレイスポスはサトシの存在に気づいた。
ブリザポス「バシロォース!」
レイスポス「バクロォース!」
サトシ「・・・っ!」
それと同時に2体はサトシの元に走り出して一気に近づいた。
セレナ「サトシ!」
セレナは思わず叫んだが次の瞬間その心配は杞憂に終わった。何故なら、
ブリザポス「バシロォース♪」スリスリ
レイスポス「バクロォース♪」スリスリ
サトシ「よ、よせってくすぐったいよ。」
ブリザポスとレイスポスがサトシに頬を擦り付けていたのだ。あまりにも不思議な光景に一同は頭が真っ白になった。
ピカチュウ『え?・・・え?』
ヒカリ「うそ。」
ケルディオ『サトシに・・・懐いてる?』
サイトウ「これは一体?」
バドレックス「やはり思った通りだ。」
マオ「どういうこと?」
バドレックス「実は昔、あ奴らが心を開いた人間が1人いたのだ。」
ハルカ「それってアーロン?」
バドレックス「そうだ。アーロンも今のサトシと同じようにあ奴らの心を開いたのだ。」
リーリエ「そうだったんですか。」
バドレックス「さあ、今度は余の出番だ。」
バドレックスは絆の手綱を手にサトシの元に行った。
サトシ「あ、バドレックス。」
バドレックス「カム、カムクラウ。」
サトシ「・・・っ!分かった。」
バドレックスの言うことを理解したサトシは冷たいニンジンをブリザポス、黒いニンジンをレイスポスに与えた。
サトシ「ほら、お前達の好物だぞ。」
ブリザポス「バシロォース♪(´~`)モグモグ」
レイスポス「バクロォース♪(´~`)モグモグ」
ブリザポスとレイスポスは美味しそうにニンジンを食べており、その隙にバドレックスが絆の手綱を最初にブリザポスの口に巻き付けた。
バドレックス「!」
ブリザポス「!」
ピカチュウ『おお!』
サトシ「スゲー!」
力が漲ったのを感じたバドレックスはレイスポスに飛び移り同じように絆の手綱を口に巻き付けた。
バドレックス「!」
レイスポス「!」
ラングレー「本当にあの木像と同じ姿だわ。」
ジンダイ「あれがバドレックスの本来の力ということか。」
カキ「俺は今、ダイナミックフルフレイム級に感動しているぅぅ!」
全てを終わらせたバドレックスはレイスポスから降りる。
ピオニー「な・・・なんじゃこりゃあ!!」
セレナ「あ、ピオニーさん。」
サイトウ「気がついていましたか。」
ピオニー「頭でけぇし!?乗ってたし!?」
バドレックス「クラウ!ムカイ、ムカイ!ランバ、ウンバ!」
ピオニー「げぇっ!?喋った!!」
バドレックス「カムゥ、カンムリ。」
ピオニー「な、なんだよ・・・?」
バドレックス「カムルム、カムンバ。」
ピオニー「あ、ああ!?分かんねーけど、そ、そうなのか?」
シンジ「本当に分かってるのか?;」
ピオニー「っつーかお前さんは一体何者・・・ってまた来たてょわわわぁ~ん。」
サトシ「またこのパターンか;」
バドレックスがピオニーを使う度にこうなる光景に最早慣れてきたサトシ達であった。
バドレックス「人の子達よ、お主らのお陰で余の元に愛馬が戻った。お陰で全盛期の力も取り戻せた。信仰を無くしたと思い込み愛馬をもなくし、孤独の淵にいた余を・・・お主らは救ってくれたのである。感謝してもしきれぬとは正にこのこと。」
ダンデ「困った時はお互い様だ。」
バドレックス「そうか。特にサトシよ、お主は本当に感謝しているぞ。」
サトシ「礼なんていらないさ。」
バドレックス「・・・してどうであろうか、余を仲間にしてみないか?」
サトシ「え?」
バドレックス「ブリザポス、レイスポス、余はこの人間についていこうと思う。お主らはどうする?」
ブリザポス「バシロォース!」
レイスポス「バクロォース!」
バドレックス「どうやらこやつらもお主のことが気に入ったようだ。」
サトシ「でも好物のニンジンはどうするんだ?」
ミュウツー『その心配はいらん。』
サトシ「ミュウツー!?」
ミュウツー『私の力でバトルコロシアムにそれぞれニンジンが育つ栽培施設を増築した。これならいつでも育てることができる。』
マオ「それなら大丈夫だね!」
サトシ「よーし!一緒に行こうぜ!」
バドレックス「だがその前にこの者は元の場所へ帰しておくであるな。無暗に寒空の下で凍てつかせるのも哀れであるから。」
バドレックスは念力でピオニーをフリーズ村に送った。
サトシ「じゃあ改めて、行けモンスターボール!」
サトシはモンスターボールを3つ投げてそれぞれバドレックス、ブリザポス、レイスポスに当たり、3体は何の抵抗もなくボールの中に入りサトシにゲットされた。
サトシ「バドレックス、ブリザポス、レイスポス、ゲットだぜ!」
ピカチュウ『ゲットだぜ!』
バドレックス『サトシよ、これからよろしく頼むであるぞ。』
こうしてサトシはバドレックス、ブリザポス、レイスポスを新たな仲間に加え、彼の仲間達も微笑ましく見ていた。
ダンデ(これはまたお前とバトルできる楽しみが増えたな、サトシ。)
サイトウ(会って間もないバドレックス達の心を開かせて仲間にするなんて、益々魅力を感じてしまいました///)