鬼の住む街 海鳴市 皆一度は 寄っといで。

月村さん家の鬼姫ちゃんが今夜何かを企むようです。

* * * *

思い付き短編小説です。

暇潰しの足しにしてもらえれば幸いです。

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海鳴の鬼姫

暗く閉め切った部屋の中。

カーテンの隙間から入ってくる月の光に照らされた一人の少女。

ふんわりとした濃い紫色の髪を弄りながら椅子に腰掛け、目を閉じ何かを待っている。

ざわり、ざわり、と何処からか蠢く音が聞こえて来る。

少女が目を開けた瞬間、先程まで居なかった【ナニカ】が其処に居た。

30以上の大小様々な【ナニカ】達。

それを見た少女は、まるで愛しいモノを見た様に優しく柔らかな微笑みを浮かべ、その可愛らしい口を開く。

 

「おかえりなさい、みんな。さあ、聞かせて?この街で、何が起きてるのか」

 

少女の質問に【ナニカ】達は次々に答え出す。

 

あるモノは、聞くに堪えないおぞましい声で。

あるモノは、餓えに苛まれ苦しむ声で。

あるモノは、誰もが羨む美しい女の声で。

あるモノは、恨みに(まみ)れた粘着質な声で。

あるモノは、何処にでも居る平凡な声で。

あるモノは、嫉妬に狂った金切り声で。

あるモノは、縋り付く様な無様な声で。

あるモノは、憎しみに身を焦がす怒り声で。

あるモノは、老若男女の全てが混ざった声で。

あるモノは、傲慢と愉悦を浮かべた声で。

あるモノは、全てを見下した高貴な声で。

 

「そっか……。最近、なのはちゃんの様子とか、街の雰囲気がおかしいのもコレ(・・)の所為なんだね……」

 

【ナニカ】から仄かに輝く蒼い宝石を受け取り、指先で弄びながら少女は思案する。

 

原因は解った。というか親友の一人が変身して空を飛んでるとか、何なんだろう。

杖を振り回して光の玉を飛ばしたり、ビームっぽいモノ撃ったり。

この間拾ったフェレットを肩に乗せながら飛び回る。

パンツ全開で(・・・・・・)

絶対気付いてないんだろうなぁ、なのはちゃん。

下から見たら丸見えとか。

 

ぷーくすくす、とニヤニヤしながら今度写真撮って来てもらおうと思いつつ考えを纏める。

 

とりあえずコレ(・・)は邪魔だよね。排除は決定として、あんまり派手に動くとばれちゃうよね。

私はばれてもいいと思うんだけど、ノエル達やお姉ちゃんが凄く気にしてるし。

ノエルは真顔で淡々とお説教して来るだろうなぁ。

ファリンは………うん。泣いてる顔しか思い浮かばない。

ちょっと見たくもあるけどね、ファリンの泣き顔。…ふふっ♪

お姉ちゃんは仕方ないかな、人間の部分が多いから。恭也さんも居るしね。

 

姉と将来義兄になるだろう人、そして従者達を思い浮かべ、さっきとは違う笑みが浮かぶ。

 

問題は、なのはちゃん以外の人達だよね。

特に金髪の娘。

敵対してるみたいだし、ヤっちゃってもいいかなって思ったんだけど、なのはちゃんはお話したいみたいだし。

んーー、捕まえちゃう?それでなのはちゃんにあげちゃう?手っ取り早いし。

逃げられない様に厳重に縛って、なのはちゃんのお部屋に置いて来ればいいかな?

あ、置いて来る前にちょっと位なら味見してもイイヨネ?

ダイジョウブダヨ?イタクシナイヨ?ムシロキモチイイヨ?

ホントホント。

よしっ!そうしよう!

他にも、この宝石を捜してるっぽい、いっつも擦り寄ってきて「俺の嫁」とか「恥ずかしがるなよ」とか言って触って来ようとしたり、ニタニタ気持ち悪く笑いながら近寄ってくる男の子達とか、なのはちゃんやアリサちゃんの周りを嗅ぎ回ってる他所の学校の人達とかは、全部処分しちゃおう。

ワタシノマワリヲカギマワッテタヒトタチミタイニ…ネ?

 

「ウふフふふ、あハ、アハはハはは!」

 

愉しそうに嗤う少女に【ナニカ】達が話し掛ける。

 

『御前の望みを叶えましょうぞ』

『御前よ』

『姫よ』

『『『『いかがいたそう』』』』

 

少女は閉め切ったカーテンを全開まで開けきり、振り返る。

 

そこには、禍々しい鬼気を溢れさせる【鬼】の群れ。

 

床に、壁に、天井に、クローゼットに、ソファに、机の下に、ベットに、テレビの中に、少女の髪や影の中に。

 

赤子の様なモノ、小人の様なモノ、蜥蜴の様なモノ、蜘蛛の様なモノ、蛇の様なモノ、一つ目のモノ、髪が異様に長く頭だけのモノ、硬い鱗や皮を持つモノ、武者鎧を身に着け太刀や槍を持つモノ、牛や馬の頭を持つモノ、見上げるほどの巨体を持つモノ、十二単を着た女の様なモノ、魔性の美女であり項にもう一つの貌を持つモノ、学生服を着た少年の様なモノ。

 

人間が居たら【鬼】に堕ちてもおかしくない程の鬼気を、気持ち良さそうに浴びながら少女は告げる。

 

「なのはちゃんがお話したがってる金髪の娘を捕まえて来て。その娘の関係者も居るなら一緒に。

その他で宝石を狙う者達、私のお気に入り(・・・・・)の周りを嗅ぎ回ってる者達は、スキニシテイイヨ。

ただし、お残し(・・・)したり後片付け(・・・・)を忘れたりしない様に。

宝石は……一応集めておこうか。なのはちゃんが欲しがるかもだし。一緒に渡しちゃおう」

 

少女は笑う。

 

楽しそうに。

 

少女は嗤う。

 

愉しそうに。

 

「さあ、みんな頑張ってね。あんまり時間が掛かると、アリサちゃんが拗ねちゃうから」

 

今宵もまた鬼姫の命により百鬼夜行が動き出す。




《人物設定》


『月村 すずか』

原作知識なしの憑依転生者
神様達のお遊び転生ゲームの被害者No152

特典
1:漫画・鬼切丸の鈴鹿御前の全て
2:鬼切丸に出てくる全ての鬼の完全使役

原作メンバー・月村すずかに憑依するが原作知識がない為、「美少女でラッキー」位にしか思っていない。
その後、ハーレム狙い達に群がられキレた。彼らは仲良く鬼達のお腹の中へ。

なのは・アリサとは群がる男共を片付けた後、別の群れに追い駆けられている二人を発見。
姉に連絡して車を出して貰い二人を拉致。
最初は警戒していた二人だったがすずかもアレの被害者と分かり意気投合。
小学校に入学する前に親友になる(親友だと思っているのはすずかだけ)。

特典の影響でお気に入り以外の存在をモノ扱いする傾向がある。
お気に入りであれば男女問わず喰う性質(性的な意味で)
邪魔なモノ・いらないモノも男女問わず喰う性質(食肉的意味で)

最近は金髪魔導師を狙っているとか。



『高町 なのは』

すずかのお気に入りその1
神様達のお遊び転生ゲームの二次被害者

良い子になろう活動の最中に知らない男の子達に突然囲まれ混乱の末、恐怖心が天元突破。
重度の男性恐怖性に陥る。
自分を助けてくれたすずかに依存指数が振り切れた。
百合の気・若干ヤンデレ・ペット願望あり。

将来の夢:すずかちゃんの傍に居られるなら何でも良い



『アリサ・バニングス』

すずかのお気に入りその2
神様達のお遊び転生ゲームの二次被害者

「たまには一人で外を歩きたい」と思ったが運の尽き。
鮫島達のガードの高さから鬱憤が溜まっていた男共に見つかり追い駆けられる。
血走った目と荒い息に嫌悪感MAX。
重度の男嫌いに陥る。
自分を助けてくれたすずかに乙女回路が全力稼動。
今日はすずかの家にお泊り。
現在風呂場で全裸待機中。
ガチ百合・ツンデレデレ・嫁願望あり。

将来の目標:すずかの嫁



『金髪魔導師さん』

すずかのお気に入り候補
神様達のお遊び転生ゲームの二次被害者

母親の為に今日も西へ東へエンヤコラ。
群がる謎の魔導師達を切り伏せながら宝石探索を頑張ります。
度重なる襲撃に辟易気味。
彼女に鬼姫の毒牙が掛かるまで後一分。
純真・マザコン・どM気質あり。

本日の一言:うわっ、また何か来た。



『フェレット』

高町さん家のペット
神様達のお遊び転生ゲームの二次被害者

死亡フラグが乱立しまくってる小動物。
男共が怖すぎて一人での探索は不可能。
鬼姫に人間だとばれたら、即エサEND。



『転生者』

神様達のお遊び転生ゲームの被害者No1~151・No153~500

えさ。
スタッフが美味しく頂きます。

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