この素晴らしいセシリーさんにも貢物を!   作:ツーと言えばカーな私

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強化フラグ

 前にセシリーが探してと言われていた子がこんなに早く見つかるとは思わなんだ。

 

 ゆんゆんという名前は紅魔族特有なんだろうと納得して受け入れつつ、彼女が紅魔族の名乗りを恥ずかしがっていることに少し疑問を持つ。紅魔族に会うのはこれで二人目であるのでまだ断定は出来ないが、紅魔族の中でも紅魔族特有の自己紹介をするのが恥ずかしい者も居るのだろうと勝手に結論づける。いつか、紅魔の里には行ってみたいものである。何でも、アルカンレティアとも距離的に近いと聞くし。セシリーと新婚旅行という事で行ってみるのもいいかもしれない。セシリーにとっては帰郷ともなるだろう…なかなか名案を思いついたな。

 

 …それはそうと、2人の取っ組み合いは格差社会が歴然と見えて物悲しくなる。見た目は同じ歳くらいなのに…セシリーにも負けないのではないかという巨峰を持っているゆんゆんに純粋な疑問を持つ。発育が良いにも程があるだろう。

 

 ジロジロ見てたら隠されたので、誤解を解くためしょうがないと思いつつ正直に『誤解させたらすまない。いや、君の胸部がなんでそんなに歳不相応なんだろう?と興味を持ってね』と言ったら、今度は睨みつけられた。それに、先輩からも睨みつけられた。面白いことに先輩はゆんゆんを守るかの様に動いていたので、二人の仲の良さが伺えたが、二人からの評価は落ちたらしい。

 

 もう決まり文句ではあるが、『私は嫁以外に体の興味がない』と言うと、ゆんゆんはホッとしていた。正直、ちょろいと思った。父でもないのに、将来の心配をしてしまった。

 流れでアクシズ教に勧誘しようかと思ったが、まだ練習不足の私では勧誘は断られそうなので、セシリーに全部丸投げする形で『今度アクシズ教会に来てみないか?』って言ったら、頷いてくれた。

 

 途中まで渋っていたんだけど、種族関係なく友達を作る事だって出来るんですよ?って言ってからガラリと雰囲気が変わってしまって、余りの豹変ぶりに彼女の過去を想像せざる負えない…。

 先輩に猛烈に反対されていたけど、結局は来ることになったので、私は大満足である。

 

「彼女を邪教に染めないでくださいよ…あの娘は純粋ですから…」

「私はきっかけを与えただけだよ。あとはセシリーの手腕と彼女の意思次第だね」

 

 途中、先輩からそんな事を言われたが、私としてもアクシズ教は狂っているが素晴らしい宗教だと思い始めているのでオススメしたいところだ。

 一応、エリス教の清貧が美徳という点や、気遣いがやがて自分に巡り回ってくるので人にいい事をしましょう的な教えは人間性で言えば素晴らしいと思う。

 

 ただ、やはり押さえつけられた欲求というものは時に爆発してしまうもの。アクシズ教は欲に実直なまでに従う半分獣みたいな人たちの集まりだ。常に法を破らない程度で欲を満たし、本人達的には満足している。その様子を見ていると、社会に馴染めない個性的な人たちが行き着く最終的な楽園…とも言える。その好きなように好きな事をする教えというのは、最も人間の事を思ってる事なのかもしれない。まあ、調和や平和というのとは無縁であるが。

 

 アクシズ教の素晴らしさを金運アップや、恋人がすぐ出来るなどの詐欺紛いな嘘で偽るのは良くないと私は思う。アクシズ教本来の素晴らしさはその一度だけでもいい自由意志の解放だ。

 一時的にでも本当の自分というものが解放される解放感からの心地よさは尋常ならざるものである。その心地よさの度合いによって今後のアクシズ教の存続が決まるのではないだろうか。その心地よさがずっと続けたいと思えばアクシズ教に入り続ければいいだけの話で、たまに普通の生活に戻ってアクア様の事を慕えばいいと、私は思う。

 

 まあ、そんな簡単にまとまる奴等じゃない事は結婚式の時に分かったので、結局は迷惑集団の集まりとなってしまうのだが。

 

「ところで、今日はなんのクエストをやるのですか?まだ何も聞かされていないのですが」

「今日受けた依頼は、ジャイアントチキンっていうモンスターの討伐依頼だよ。気性が荒くて、鉄とか簡単に砕けちゃうほど硬い嘴持ってるから、この装備だと普通に骨が折れたり四肢とか吹っ飛ぶ可能性あるけど…まあ、回復するから問題ないね」

「いや、十分問題ありますよ!?なんでそんな死にに向かってるんですか!?」

「死ぬつもりなんて一切ないけど…?」

「何ですかその『なに言ってるだコイツ?』みたいな表情!?私おかしい事言いました!?いや、おかしい筈がないんですよ。いいですか!冒険者とは常に危険と隣あわせの夢溢れる仕事なんですよ?そんな気持ちでやっていたらですね……」

「大丈夫だよ。私強い(人の体と能力貰ってる)から」

「あ、いや、確かに貴方は強いですよ?上級悪魔と殴り合える人間なんて早々に…」

 

「あ、見て、あいつじゃない?」

 

「いい加減にしないと貴方の頭に爆裂魔法を叩き込みますよ!!?」

 

 先輩の怒号を聞き流して、遠方に見えるジャイアントチキンを観察する。ジャイアントトードよりも少し小さいくらいの鶏で、前世の鶏とそう変わらない。…いや強いていうならば足が長くダチョウっぽく見える…だろうか?あとは結構な数で、赤と白が頻繁に入り混じるせいか見てると目がチカチカとしてくることぐらいだろう。

 なにかを啄ばんで食べている事は分かるが、その何かはここからでは認識できない。

 

 あの大群の腹を満たすというのは大変そうだ。それ相応の狩場みたいなのが必要だろう……これから殺してしまうから、別に気にしなくていい事なのだが…自分はどうでもいいことを考える癖があるのでしょうがない。いけないことだと分かりつつも、治しようがないもので…この癖の様なものは一向に治る気配を見せない。セシリーに「それ、治してもらえますか?」とお願いされない限り無理だろう。

 

「取り敢えずここから爆裂魔法で爆殺しようと考えてるんだけど、届く?」

「はぁ…全くこの人は……えぇ!十分届きますよ!丁度餌を食べてるようですし、いい感じに纏まってるので一掃も可能でしょう!!」

「そっか……それじゃあ、先輩」

「何ですか?まだ何か?」

 

 

「最強の爆裂魔法って撃ってみたくないですか?」

 

 

 そう先輩に微笑み掛けると、赤く輝いた双眸が私を射抜いていた。

 

 私の能力である『純化させる程度の能力』というのは、言ってしまえば『神を生む力』だ。

 ここでの『神』という言葉の意味は、森羅万象に宿る本質であり、名付けられる前の自然や道具が持つ純粋な力の事だ。

 この純粋な力は()()()()()()()()()()力の大部分を失ってしまうが、現世に顕現し力を発揮できる。その失った部分をこの能力の効能で取り戻すことができるのだ。

 純粋な力というのは計り知れない…分かりやすい例えを言うなら単騎で国を相手取れる程の力を得るのは確実…更に、その気になれば簡単に世界を滅ぼせるとんでもない能力だ。本当にただの人間にこんな力を与えるってどうなってるんだろうか神様たち。私ももう現人神の様なモノなんだけど……まぁ、今はそんな事を考えたってしょうがないか。

 話は少し戻るが、この『純化させる程度』は自身だけではなく、第三者にも掛けることが出来るのである。つまりはそういう事。

 

 

 

 

「おおぉ!?何ですかこの漲るような魔力は!?ちょっ、待っ、や、ヤバイです!!今この場で爆裂魔法を撃たなければ私が爆裂しそうです!」

 

 私の能力を使い、杖の『魔力増幅』という機能と、魔力『そのもの』を純化させ人間の限界を軽く超えてしまった先輩は魔力の渦の中心で騒いでいた。まあ、一気に増えた自分の力に驚いて魔力の制御が乱れたんだろう。あの冷静沈着なピッコロだってネイルと同化した時は『フハハハハ!!!勝てる!!相手がどんな奴であろうと負けるはずがない!!!!』とかハイテンションで言っていたのだし、こうなるのも仕方のない事だろう。今度は『爆裂魔法』という名前を純化させてみたいが…多分先輩自体を純粋な存在にしないと人間の体が耐えられず決壊するだろう。解除はいつでも可能なのでまあ、後々検討しておこう。

 

「もう、打ちたくて仕方ありません!正直こんな状態で爆裂魔法を撃てば史上最高の爆裂魔法になる事は間違いありませんが、どうなるかは私にも分かりません!何かあったらお願いします!…刮目せよ!我が史上最大にして最高の爆裂魔法を!!『エクスプロージョン』!!!」

 

 

ドオォォオオオオオオオオオオン!!!!!!

 

 

 天地開闢…とまではいかないが、天と地がひっくり返ったような衝撃と轟音が人体の五感を通して伝わってきた。想像以上に威力が高すぎて、正直この離れてる地点でさえ危険なんじゃないかと…考え始め薄眼を開けると。

 

 (えっ…………最強ってこう言うことを言うのかな?)

 

 目の前には前と比べ物にもならない程に炸裂した爆裂魔法…いや、第三者目線でこれを見るのは初めてだけど、明らかに前喰らった時よりデカイ爆発だ。前の爆裂魔法が人類最強の魔法だとしたら、コレは何て表現したらいいんだろう……人外最強?…いや…変なTシャツの事を考えるとそうでもないのか?だけど、あれも規格外の存在だからなぁ…あれと比べるのは少し可哀想か…でもこの世界で最強火力の魔法は?と聞かれれば私はこの魔法以外考えられない身体になってしまった。

 それ程までに今の光景は強烈過ぎた。この光景を作り出したのが先輩だと考えると、本当に先輩が魔王に見えてくる。

 …もし仮に私がこれに直撃でもしたら普通に死ぬな私……紙装甲だから簡単に焼け切るんだろうなぁ…。前は生き延びたけど。

 

 魔法も出し終え、煙と未だ残っている風の残り香しか残っていない爆裂魔法使用の跡地を見る。

 …綺麗に向こうの山が消失していた。勿論、討伐対象であるジャイアントチキンも、というか先ほどのジャイアントチキンが過剰火力を食らって可哀想だな。原因私だけど。まあいいや討伐依頼されていたくらいの魔物なんだから。

 

 ()()()()()笑い声をあげる先輩に目を向ける。

 

「フハハハハ!どうですか我が力の爆裂魔法は!不死身だろうが不老不死だろうが、我が爆裂魔法で葬って差し上げましょう!!フハハハハ!!」

 

 最高にHighッ!!って奴ですね先輩。分かるようで分かりません。

 高笑いを上げている先輩の横でもう一度爆裂魔法を放ったところを見る。

 ……今回は初めてとんでもないものを生み出したんじゃないか?と思ったのだが、最強の片鱗も見えたし別にいっか!と考える事にした。

 

 相変わらずの自分の狂った思考に苦笑を浮かべるが、今は取り敢えず先輩を宥めることにした。

 

「先輩?今、最高にHighッ!!って事は分かりますが、落ち着いてください」

「落ち着く?この状況に落ち着いて入られますか!今までの爆裂魔法とは常軌を逸しているこの高揚感と開放感、そして撃ったというのに立っていられる新感覚…!!なんなら()()1()()()()()予感すらします!」

 

 こんなありきたりな言葉じゃあ先輩が落ち着かない事は一夜過ごして理解はしていた。

 完全に同化したピッコロ…又はジョースターの血を吸収したDIOみたいになってるなぁ……と思いつつ、先輩をどうするか考える。

 漫画でよくある首トンで気絶させるか?とも思ったけど、私の力でやったら首トンではなく首ズバになってしまいそうなので却下。 もっと上の爆裂魔法を撃たせて落ち着かせる…?いや待てどうしてそうなった?逆に興奮するだけ……いや、単純に2発目を撃たせて大人しくさせるか?確か先輩って本来なら爆裂魔法1発を撃つともう何も行動できなくなるとか言ってたし。(喋れたりはできるらしい)

 あと1発撃たせたら流石に行動不能になるでしょ。

 

 いや、そもそも先輩が落ち着くのを単純に待とうかな……。

 

「次の獲物を探しに行きましょう!今日は絶対に2回目の爆裂魔法を放てる気がするんです!……何をしてるんですか早く行きますよ!」

 

 ああ…いや別に先輩が先に言ってくれるんならいいや。

 じゃあ適当に探すとするかぁ、どっかに居ないかな…先輩の目にかかるモンスター。

 

 

 

 

 

 

 先輩が適当なモンスターの集落を爆撃して自然破壊が順調に進む中…私はとんでもない化け物を生み出してしまったと二回目で確信させられた。

 

 いや、1回目で思っているのが普通なんだろうが…それはホラ、まだ賢者タイムに至っていなかったというか…まあ、ともかく完全燃焼した先輩は白く変わり果てていた。魔法の代償だろうか…とも思ったけど先輩本人から久し振りにこんな興奮して疲れました…と言っていたので多分違うと思う。多分白く見えているのはA.T.フィールドの所為だ。一方通行みたいに紫外線を遮っちゃって色素抜けちゃった☆とかそういう理由だろう。きっと。

 

 これからの冒険が楽しみですね〜…なんて悠長な事を先輩は言っているが、アレはこれからの冒険全てをつまらなくさせる一撃だと思う。当たりさえすれば絶対的な勝利を得られるとかとんでもない魔法である。それでも私が原因でそういう威力になっているので、結局のところ解除すれば元どおりになるのだが先輩のあの興奮具合からみるに多分それを良しとしない。いや、もしかしたら先輩の中にある浪漫に突き進む意志がその爆裂王道を邪魔するかもしれないが…その可能性は薄いだろう。

 

 軽々しく人を純化させるもんじゃないな…と少し後悔した。

 自分からこれからの仲間と共にする苦楽という楽しみを潰してしまい、落ち込んだ。

 

 なんて馬鹿なんだろうなぁ…と街に戻っている最中。

 アクセルの街の衛兵さんが少し怒った様子でこちらを睨みつけていたのでなんだろうと話しかけてみたら、先輩の爆裂魔法の振動と轟音のお陰で、古い建物や建造中の建物が崩れるは、飼育していた動物たちが驚いて何処かに逃げ出すはで街が大惨事になり大変だったらしい。

 

 しかも、他の街では先輩という異常が日常化されていないので、この世のものとは思えない魔力の波動が二度にも渡って放たれたので魔王軍の新兵器かなんかと勘違いして街全体が警戒態勢に入り……と多大なご迷惑を掛けたらしく、衛兵の人たちから小一時間ほど怒られた。力尽きてるにも関わらず、怒ってる衛兵に反抗している先輩の姿には逞しいとしか思えなかった。私も真似しようと思う。その場で宣言したら、やめてくれ…と衛兵さんから言われた。

 

 

 

 

 また明日も爆裂しましょう!と、衛兵さんから2週間爆裂魔法禁止通告を受けたというのに、全く守ろうとしていない先輩の姿に軽く尊敬を抱く。

 スキップと鼻歌を歌いながらの帰宅なので大分機嫌が良い様だ。

 

 そんな先輩に手を振りながら別れて、私も教会に戻る。

 私も嫁に会えると分かってスキップ気味になってるので先輩の事を言えないが、愛妻なんだから会えて嬉しいのは当たり前で、仕方の無い事だと私は思う。

 

 ふと、そういえばセシリーにプレゼントなんて送った事なかった…と思い立ち、商業が盛んなエリアまで来て、何か買おうとはしたものの。

 

(……セシリーって、ところてんスライムやロリショタ、アクシズ教とか入信書以外何が好きなんだろう?)

 

 セシリーの買って喜ぶモノというのが全く知らなかった。

 私は妻を世界一愛している自信が大いにあるし、情事の際はセシリーの弱いところなんかも知り尽くして彼女をちょろっと苛めてたりして楽しんでる節があるが、好意の対象が分かりやすすぎるセシリーの行動からセシリーの好きなものの種類が極端すぎて分からないのだ。

 何かプレゼントはしたいがセシリーが買ってきて喜ぶものといえばところてんスライム…しかしそれは毎日貢いでいるので余り喜ばれるとは思えない…いやセシリーの事だから飛び回って喜ぶ可能性はあるけど…流石にそれはプレゼントとは言えないだろう。

 

 私はこういう時にセンスというものが皆無に等しいな。前世の彼女の最期のプレゼントは確か……何だったか…思い出せないな。

 過去の経験から何か得ようとしたが何も得られず途方に暮れている内に『ウィズ魔道具店』という一風変わった店舗に辿り着いていた。

 

 ウィズ?……何処かで聞いたことがあるような…?

 冒険者たちの会話から知ったんだったか…何処で聞いたかは自分でも覚えていないが、まあ聞き覚えのある店だったので中に入ってみた。

 

カラン

 

「いらっしゃいませー!ウィズ魔道具店へようこそ!」

 

 店員らしき人から迎えの言葉を頂いたが特に何も返さなかった。やけに良い声質をしているのでなんとなくそちらの方を見てみれば、かなり美形の顔立ちをした店員の人が立っていた。しかも私の嫁のセシリーよりも大きいかもしれない胸も持っていて普通の男性なら顔よりも胸の方に視線が集まるだろう。

 成る程、確かに自分の欲求に素直な輩が多い男性冒険者なら話のネタにしていてもおかしくは無い人物だ。そういう尾籠な話をギルド内でするのも可笑しくはないし、私も何処かで聞いていたのだろう。

 

 店の名前からある通りウィズという人がこの店の店主なんだろうけど……なんで店員がアンデッドなんだろうか?しかもこの雰囲気はかなり和らいでいるが、相当な手馴れ…最上位の存在と言っても可笑しくはないな…こういう存在を純化すればどうなるんだろうか。探究心が芽吹くが今はそんな物は踏みにじった方が身の為だろう。多分、私じゃ経験値的な問題と相性的な問題から絶対勝てない。

 

 こんな存在をしている人が店員をしているとか…ウィズと言う人は一体何者なんだ?

 量産型なろう系主人公かなんかなのだろうか?

 …疑問は絶えないが適当に目の前のピンク色をしたポーションを手に取る、色合いからして回復用か媚薬の類だろうか。

 

「すみません。このポーションの効能ってなんですか?」

「はい。そのポーションは衝撃を与えると爆発するポーションですね」

 

 何それ面白そう。パーティグッズかな?

 

「じゃあこの横の棚にあるのは?」

「空気に触れると爆発するポーションですね」

「さらに横にあるのは?」

「水に触れると爆発するポーションです」

「これは?」

「魔力を注ぐと爆発するポーションです」

 

 爆発オチなんて最低! ……確かこんな感じのニュアンスだった気がするが、違っているような気もする…。

 爆発物ばかりで少し危ないがどうせクラッカー程度の爆発しか起こさないんだろう。小さな小瓶だし、そんな危険なものを易々と店の棚…しかも最初の街に置いてあるとは思えない。

 それにクラッカーといってもモンスターに飲み込ませてから爆発させるとかしてそこそこのダメージを与えるのも良いかもしれない。

 

 まあセシリーを喜ばせるというより驚かせる…いや勧誘にも使えそうな気がする…取り敢えず買っておこう。

 

「このポーション買います」

「えっ!?」

「えっ」

「あ、いえ、すみません。その商品棚の所は中々売れなくて…まさか即決で買われるとは思っていなかったので…」

「こんな面白そうなのに売れないんですか?なんて見所のない…あ、因みにいくらですかね?」

「はい、一本10万エリスです」

(結構高いな……いやでも、クラッカーってこの世界の技術じゃあまだ中々生み出せないものだろうし…爆発ポーションっていう形になってるから更に値段が加算されたのか…だとしたらこの商品は中々のお買い得商品なんじゃ?)

 

 そこまで考えてそれぞれ別種の爆発ポーションを2本ずつ買い、80万エリスを店員の人に払い、泣きながら「やっと砂糖水だけの食生活から抜け出せます!」っと喜んでいる店員さんを横目にセシリーにこのポーションでどんなドッキリをしようか考えていた。

 

 セシリーも爆発の一つや二つでビビるような女じゃないって事は私は十分理解しているつもりだ。……逆にそれで怖がっていたらギャップ萌えで私が死ぬ。……やばい想像したらめっちゃ胸が苦しい…。すっごい今セシリーに抱きつきたい。そして頭を撫でたい…!

 店を飛び出して教会に帰ろうかと考えたがこの店にはまだ面白そうな物が沢山ありそうだ。残りは20万エリスしかないが、何か買おうと思い、適当に商品を見ていると気になる品が目に入った。

 

「店員さん。この虹色のポーションって何ですか?」

 

 なんか昔のアニメのゲロを表現した物にも思えるが、普通に虹色のポーションという物に惹かれたのだ。虹色というと、モンハンの虹色の着彩設定があったが、一々アレをやる為にフリークエスト又は村クエを全てやらなければいけないのだから面倒くさかったな。

 

「あ、それは昔とある冒険者の方が……『店主さん、何も言わずにこれをこの店に置いてください。効果は保証します。そして出来ればリア充のクソ野…幸せそうなカップルの彼氏のクソy…彼氏の方に譲って飲ましてください。お金は出来る限り高めで』……と言ってここに置いて行ったんです。確かドキドキノコ?という変わったキノコを使用したポーションらしくて…効能は分かっていないんですが、彼の気迫から並々ならぬ思いを感じ取り、今までこの棚に置いていたんです」

 

 成る程、私以外の転生者の遺産という訳か…いや死んだかどうかは分からないが、ともかくドキドキノコを使用している時点で日本人なのは間違いない。どんな特典かは分からないが大方、モンハンに関連する物を取り出せる能力か、錬金術やら調合術と言った類の能力持ちなのだろう。店としては効能の分からないポーションを置いておくという行為に少し疑問を持つが、まあ、私もドキドキノコのポーションというのは気になる。というかドキドキノコのポーションならば普通緑色ではないのだろうか、アイテムアイコンでは常に緑色のキノコの表示だったのに…何故虹色のポーションになったのだろうか。流石ドキドキノコだな。

 

 

「店員さん。これ買います。いくらですか?」

「なるべく高く…とあの方は言っていましたが、効能すら分かっていないポーションなので値段は5万エリスに設定してあります。一応、ポーション類の中でも破格の値段なんですよ?」

 

 大分値引きされた値段の様だ。

 五万エリスを支払い、ありがとうございました!と喜色を含めた声で言ってきた店員の人に軽く手を振って応える。あちらも笑って見送ってくれたので今は気分が良い。美人の笑顔を見るというのは何処か心が高なるものだ。それは男女問わずだろう。

 

 しかしまあ、効能が分からないと言っていたが効能が分からないのはこのポーションを作った本人もそうだろう。というか、ドキドキノコを何故ポーションにしたんだろうか?別にそのままキノコ単体で売ってもいいと思うが……いや、単に食用として誤って食べられるのを危惧したからか?このポーションを作った転生者の意図は知らないが、まあ、物好きな日本人もいたものだ。

 

 物好きといえばあの店もそうか、今度行ってみたら更なる面白い商品があるかもしれない。金に余裕が出来たらまた行こう。

 

 

 

 

 







Q.純化した人間なら知力高い筈では?何故オリ主はそのままなの?
A.演算能力とか理解速度とかは爆上げされてるんですが、知識の幅自体は変わってないので…というかもう充分主人公最強なのに、これ以上最強にしたくなかったなんかわけわかない抵抗感から…なんかよくわかんない設定追加しちゃった…。(というかそもそも作者より頭良い人物なんてこの小説に存在しないじゃん)(超メタ)

Q.ぶっちゃけめぐみんの爆裂魔法ってどれくらいの威力なの?
A.魔王を魔王城と結界ごと葬れるくらい。(しかし、設定上の話なので主人公たちはまだこの正確な威力を知らない(魔王幹部4人のみ結界維持の場合)


Q.オリ主がめぐみんを純化させた理由って何?
A.面白そうだったから(有罪)。先輩(めぐみん)を喜ばせてあげようと思ったから。(無罪)


全然関係ないけど、ジョジョ第六部アニメ化決定したぜぇえ!!!
そして主人公の徐倫ちゃんの声優がまさか『このファン』でのセシリーの声優『ファイルーズあい』さんなんだから喜ばずにはいられない!!ここで言うけど『ファイルーズあい』さん夢叶っておめでとう!
いや私も最初は『沢城みゆき』さんが声優だったらいいなぁ…とか思ってたんですけど、『ファイルーズあい』さんだって分かった瞬間、もうこれどっちもイイなっ!!!!!ってなりましたね!
というかどっちもはまり役過ぎるでしょ…『やれやれだわ』の所とかもう本当に…アァァアアア!!(語彙力喪失)

……はい(賢者タイム)
……また漫画見返さないと…(超wkwk感)




2021年 11月23日

みえる様、数々の誤字報告をして頂き誠にありがとうございました!!
本当にすいませんでしたぁ!!


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