狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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謎の空間(参の始)

「…んぁ?」

 

本を読んでいた男……に見える少女、彼方がふと本から顔を上げた。

 

「………まじか。記録が増えた。…ったく」

 

本だらけの空間を迷うような素振りも見せずに歩いていく彼方。やがて一つの本棚の前で止まった。

 

「やれやれ、また何か始めるならせめてどれか一つでも連載終わらせてからにしやがれっての……」

 

彼方は愚痴を呟きながら跳躍し、跳躍した先で一冊の本を本棚から抜き出した。

 

「……“狩人達と魔術師達の運命”、ね。原作は“Fate/GrandOrder”……はてさて、一体どんなことになることやら。」

 

彼方はため息をついて虚空を見つめた。

 

「……Luluna姉さんもそうだが、あいつも色々無理してんじゃねえのか?」

 

ポツリと呟いたその言葉が空間内に広がった。

 

「…まぁ、俺が言うことでもないか。…それで」

 

彼方はこちらを見つめた。

 

「…さっきからずっと俺の後をついてきてるあんたは一体何のようなんだ?」

 

その言葉に私は硬直する。何故なら、私は透明になっていて見えないはずなのだから。

 

「言っておくがこの世界の中で俺に透明化は通用しない。何故ならこの世界の全体が俺の支配領域だからな。」

 

彼方の言葉をじっと聞く私。彼方はため息をついて手を広げた。

 

「大方ここが何なのか、気になってるんだろ?…簡単さ、ここはあいつの中。…あいつの、記憶の中だ。」

 

私はその言葉に首を傾げた。

 

「ここに来たってことはあいつの記憶が知りたいってことだ。ここは、あいつの記憶が全て保管されている。思いついた物語、楽しかった思い出、作り出したキャラクターの情報……なんでも保管されている。ここは、書庫の形をした記憶倉庫なのさ。ここにある全ての本はあいつの記憶。まぁ、それでもいくつか欠けてるんだがな。」

 

そう呟いた直後、彼方は私をまっすぐと見つめた。

 

「あんたは読者。あいつは作者。ここは人と人を……創作と読み手を分断する境界。そして俺はその記録を護り読者を導く者。さて……あんたは、ここで何を観ると望む?」

 

その彼方が持つ本から浮き上がった文字には、こう書かれていた。

 

 

 

 

 

 

本来交わるはずの無かった3つの並行世界。それらが交わった時、この物語は始まった。

 

 

「相棒!こっちに何かありそうですよ!」

 

「嬢、あまり先に行かないで?私心配になるから…」

 

「大丈夫です、かの黒龍を退けた相棒なら絶対に!!」

 

 

とある大陸の青い星と。

 

 

「……よし。一狩り行こうか。」

 

「にゃ~」

 

「分かった、連れてくから待ってくれ」

 

 

とある村々の英雄と。

 

 

「ここは……どこ?あの本はあるけど、何があるかもわからないうちは何もできないかな…」

 

「オォォォォォ…」

 

「ネルル、周辺の警戒お願いできる?」

 

「オォォォォォ」

 

「ありがとう」

 

 

棘の生えた小さな龍を従えた謎の本を持つ少女と。

 

 

「あ、あなた達は誰なの!?」

 

「先輩、所長、私の後ろへ。敵意はなさそうですがあちらもサーヴァントの様ですので。」

 

「頼んだわよ、キリエライト!」

 

 

大盾を持つ少女とその側にいるオレンジ髪の少女と銀髪の少女。

 

 

出逢うはずの無かった英雄と魔術師が重なったその時、運命は変化を告げる。

 

 

 

 

と───




始めてしまいました新連載。何してるんでしょうね、私は…
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