狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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前書きって書くことなくなるんですよねぇ…
UA3,000突破、お気に入り10件突破ありがとうございます!(なんで投稿してなかったのに増えたんだろう…?)


第9話 笛と奥義と宝具

「限界、です───これ以上の連続戦闘、は───すみません、クー・フーリンさん──」

 

あれからマシュは戦い続けて、今、体力が切れた。

 

「こういった根性論ではなく、きちんと理屈にそった教授、を───」

 

「…はぁ」

 

クー・フーリンさんがため息をついた。

 

「───わかってねぇなぁ。こいつは見込み違いかねぇ。ルーパスとリューネっつったか、あいつらのほうがよっぽど見込みがあるな。」

 

「え…」

 

「ほれ、見てみ。」

 

その言葉に私達がルーパスちゃん達の方を見ると、()()()()()()()()()()して、リューネちゃんがこっちを見つめてた。

 

(あの、短時間で───?)

 

「あいつらが相手にしてたのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。それを、()()()使()()()()()()させやがった。骸骨どもより多く、骸骨どもより強い。そんなやつを、()()()()()()()()しやがった。同じ人間なんだろう?なんでこうも違うかねぇ。」

 

「っ…」

 

「…まぁいいか、そん時はそん時だな。んじゃあ次の相手は俺だな。」

 

「え……」

 

「味方だからって遠慮しなくていいぞ。俺も遠慮なしで立香を殺すからよ。」

 

その言葉からは、本気の意思が感じられた。私の直感も、強く反応してるから本気で間違いない。

 

「クー・フーリン殿。その話、僕も入っていいだろうか?」

 

「あん?別にいいが、流石に二人がかりは酷じゃねぇか?」

 

「いや…僕は攻撃しない。だがクー・フーリン殿を補助することはできるだろう。」

 

リューネちゃんが相手になる。それだけで、どれだけの差ができるのか、考えたくもなかった。

 

「お前さんもキャスターだったのか…?…ともかく、邪魔だけはすんなよ。」

 

「あぁ。約束しよう。…ルーパス。」

 

「一応用意はしておくけど…無理させすぎちゃだめだよ?こっちも調合量に限りはあるし。」

 

「あぁ、分かっている。」

 

そう言ってマシュとクー・フーリンさん、リューネちゃんは向かい合った。

 

「…マスター、下がってください…!私は───先輩の足手まといにはなりませんから……!」

 

「…うん。信じてる。」

 

「そうこなくっちゃな。んじゃあまぁ、まともなサーヴァント戦と行きますか!」

 

そう言ってクー・フーリンが杖を構え、リューネちゃんがハンマーを構えた。

 

「ならば最初の支援だ。」

 

リューネちゃんはそう言って、数回ハンマーを振った後、ハンマーの持ち手の部分に口を付けた。

 

「…え?」

 

「あ~…」

 

 

ピュォォォン、ピュォォォン……

 

 

少しした後、ハンマーの先からそんな音が鳴った。

 

「お?おお??」

 

クー・フーリンさんが不思議そうな声を出した。それと同時にリューネちゃんがハンマーの持ち手から口を離す。

 

「どうかな?」

 

「なんだこりゃ…?不思議と力が湧いてくる……?リューネ、てめぇ何しやがった…?」

 

「さて、ね。ルーパスならわかるだろう?」

 

その言葉にルーパスちゃんが頷いた。

 

「リューネが使ってるそれ、私の生まれ育った場所の武器だよ?しばらく触れてないといってもその()の旋律忘れるわけないでしょ。」

 

(…ふ…え?)

 

ルーパスちゃんはリューネちゃんの持ってる武器を“笛”って言った。あれって、ハンマーじゃないの…?

 

「…まぁいい、おら、気を引き締めろよ!全力でかかるからな!」

 

「……っ!」

 

マシュが盾を強く構えた直後、ドクターの慌てたような声が聞こえた。

 

〈まずい…リューネちゃん、キャスターの霊基になっている……恐らくは純粋な補助型だ!攻撃のクー・フーリン、補助のリューネちゃん!補助も何もないマシュは不利だぞ!!〉

 

「そんな…!」

 

「少しは補助できるから何とかなるかな?」

 

ルーパスちゃんはそう言って緑色の粉を撒いた。

 

「…!?体力が…!?」

 

「…()()()()()か」

 

リューネちゃんが呟いたのに気が付いた。生命の粉塵、って何だろう。

 

「……ねぇ、ルーパスちゃん。」

 

「ん~?なぁに?」

 

「リューネちゃんが使ってるのってハンマーじゃないの?」

 

「え?ちがうよ?」

 

「え…」

 

ハンマーじゃ、ないの?

 

「あれは“狩猟笛”。別名“ハンティングホーン”。確かにハンマーから派生した武器種だけど、リーチの長さとかで区別化はできるよ?」

 

「えっと…笛、っていうことはあれは楽器なの?」

 

「もちろん。一流の笛師はまさに攻奏一体で狩猟を行うけど。」

 

「“攻奏一体”……?」

 

「うん。」

 

そう言いつつルーパスちゃんは黄色い粉を撒いた。

 

「何だぁっ、いきなり硬くなりやがった!」

 

「ルーパスからの支援だな。僕も支援ができるがルーパスも支援はできる。流石に僕が相手にいるのは不利だと感じたのだろうよ。」

 

「はっ、戦いがいがあるな!!」

 

クー・フーリンさんは楽しそうだった。

 

「リューネは…さ。」

 

「うん?」

 

「リューネってさ。私が知る中で最高の支援師なんだよね。だから、リューネが敵に回ると結構辛くなる。」

 

「……」

 

「こっちも粉塵には限りがあるし…早めに終わってほしいんだけど。」

 

この言葉を聞いた時、私は思った。

 

「…ルーパスちゃん…ってさ。」

 

「うん?」

 

「リューネちゃんのこと、どう思ってるの?」

 

「……」

 

ルーパスちゃんはすぐには答えなかった。

 

「……私の、最高の相棒、かな。だって、ずっと一緒にいるもん。」

 

「ずっと…?」

 

「物心ついたころから、私が新大陸に行くまで。ずっと、私達は一緒に戦ってきた。」

 

「…」

 

「…この先、多分、リューネはリューネの奥義を使うよ。」

 

「え…?」

 

ぽつりと言われた一言。それは、ルーパスちゃんのあの射撃みたいなものがマシュを襲うことを意味していた。

 

「そんな…相棒、危険です!今の状態でもぎりぎりですのに、奥義なんて…!!」

 

「大丈夫だよ」

「大丈夫ですにゃ。」

 

ジュリィさんの危険だという言葉を、即座にルーパスちゃんとスピリスちゃんが否定した。

 

「……どうして、そう思うのですか?」

 

〈僕も聞きたい。どうして、そう思うんだい?〉

 

ジュリィさんとドクターが同時に聞いて、ルーパスちゃんが小さく笑った。

 

「だって、この中で一番といっていいほどリューネと付き合いが長いのは私だよ?幼馴染の───親友の奥義を、私が忘れるわけない。知ったうえで、私は大丈夫だって言ってる。」

 

「……」

 

「17年。それだけの年月を、私はリューネと共に過ごしてきた。当然、奥義の効果だって知ってる。」

 

「そういえば私とルルは旦那さん達が6歳の頃からの付き合いですにゃ。ですから私は11年、ルルは13年の付き合いににゃるんですにゃ?」

 

「私の知っている限り、旦那さんの奥義が増えたというのはありませんですにゃ。すなわち、ルーパスさんが覚えている奥義だけですにゃ。」

 

ルーパスちゃん、スピリスちゃん、ルルちゃんがそう断言した。

 

「ふむ。マシュ殿!」

 

「は…はい!」

 

「少し…こちらも本気を出そう!」

 

そう言って、リューネちゃんがハンマー、じゃなくて狩猟笛の手元に口を近づけた。

 

「クー・フーリン殿!」

 

「あぁ?」

 

「決めるといい!今より此処に捧げるは僕の奥義だ!僕の真髄……みせてあげよう!」

 

「お?お、おう…?」

 

クー・フーリンさんが困惑している中、リューネちゃんが笛を吹き始めた。

 

 

♪♪♪~♪♪、♪~

 

 

それはさっきみたいなただの音じゃなかった。何度も連なる、長い音色。

 

「これ……音楽…?」

 

私が呟くとルーパスちゃんが頷いた。

 

 

 

 

{戦闘BGM:古代の息吹}

 

 

 

 

「そもそも、ハンターたちはモンスターと戦うときにこんな楽器を付けているの。」

 

そう言ってルーパスちゃんが私に渡したのは小さなオルゴールだった。

 

「この楽器は不思議でね?モンスターと会ったとき、自動的に鳴り出すの。私達の世界には楽器にも種類があって、この楽器みたいな“自奏楽器”、狩猟笛みたいな“狩猟楽器”、あとは…演奏団、っていうのがいてね。その演奏団が使う“娯楽楽器”。基本的に、音楽の演奏は娯楽楽器で行うものなんだ。」

 

そう言ってルーパスちゃんはリューネちゃんの方を見た。

 

「でも、リューネは音楽演奏の楽器としての扱いが難しい狩猟楽器を使って演奏しながら戦う。戦いながら、音楽を演奏する。…私には無理だよ、そんなの。これでも多少笛の扱いには自身あったんだけどね。だからあれは、リューネの奥義なんだよ。」

 

「あれが…奥義。」

 

「…旋律効果は、“鼓舞”。味方と認識した相手に、鼓舞…なんて言ったらいいかな、やる気を出させる?みたいな。」

 

「鼓舞……」

 

「生粋の補助師。“戦闘爆音を用いる笛師の少女”…それが、リューネの通り名だよ。」

 

戦闘爆音ってなんだろ…って思ったけど、そこでクー・フーリンさんの笑い声が聞こえた。

 

「ははっ、最高に気分がいい!そら、行くぜ!主もろとも燃え尽きなぁ!!」

 

〈まずい、宝具が来るぞ───!〉

 

「我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める杜───」

 

さっき、私達を救ってくれた詠唱。それが、今は怖く感じる。

 

「倒壊するはウィッカー・マン!オラ、善悪問わず土に還りな───!!」

 

先ほどの巨人が現れる。すごく、怖い。でも、守ろうとしてくれてるマシュは───

 

「ぁ……あ………」

 

もっと、怖いはず。なら、私ができることは───

 

「……お願い…頑張って…マシュ!!」

 

「…ああ、あぁぁぁぁぁぁ───!!」

 

そのマシュの叫びが聞こえたとき。

 

マシュの盾が、光を放った。

 




…BGM、古代林より火山が良かったですかね?“汚染炎上都市”ですし。
それと、楽器に関しての話はこの作品オリジナルなので悪しからず。ゲームではBGMがシステムの制御で流れますけど、現実では流れないと思いますから…謎の工房技術で作られた“何もしていないのに音楽を発する楽器”を所持しているということで。工房技術ということにしておけば大抵のことは何とかなるという精神で。
……ところで読者の皆さんってルーラーとアサシンが好きなんですか?アンケートで募集してるクラスは召喚予定のサーヴァントの中でも追加召喚クラスなので話が分かれるんですよね。ちなみに冬木修正後の召喚話の予定は下記の通り。

1話目 ハンター達の召喚

2話目 もともと召喚を予定していたサーヴァント達の召喚

3話目 アンケートで一番票が多かったクラスの追加召喚

冬木修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 狂戦士、魔術師、槍兵
  • 魔術師、裁定者、暗殺者
  • 槍兵、騎兵、弓兵
  • 弓兵、魔術師、魔術師
  • 狂戦士、騎兵、槍兵
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