狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
弓「……おかしくなったか。」
「ど、ど、ど、どうしよう!?観測も出来ない、反応も見当たらない……!このままじゃ、リッカちゃん達が……!」
2015年の人理保障機関フィニス・カルデア。そこでは、ロマンを含めたほぼ全職員が慌てふためいていた。
「リッカちゃん達は既にこのカルデアにとってなくてはならない存在だ…!このままみんな意味消失なんて嫌だぞ、ボクは……!!…っていうか六花!君も何かしてくれ!?特に君はリッカちゃんの兄だろう!?」
その叫びに、六花がため息をついた。
「落ち着け、馬鹿。全員な。慌ててたら出来ることも出来ねぇよ。」
「逆に君はなんで落ち着いてられるのさ!君の妹が危険なんだぞ!」
「こういうときに慌てても何にもならねぇ。まずは自分が出来ることを把握しろ。」
「……自分が、出来ること?」
「…とりあえず、そこ代われ。ロマン。」
「…何か打開策でもあるのかい?」
「さて、な。ムニエル、すまねぇが俺の部屋からピンク色のノーパソ持ってきてくれ。」
「お、おう?ピンク色のノートパソコンだな?」
「あぁ。多分、机の上においてあるはずだ。」
六花がそう告げると、ムニエルと呼ばれた人物は管制室を後にした。
「さてと……ロマン、ロストしたタイミングは?」
「君が来る少し前さ。」
「そうか。座標は?」
「ギルのすぐとなり、かな?」
「…ふーん。まぁ、いいか。あとは…」
「おい、これで良いのか?」
ちょうど戻ってくるムニエル。
「ナイスタイミングだ。貸してくれ。」
「何をするつもりだ…?」
「俺の結界術がロードより遥かに上回ってるっていうのはさっき言った通りだ。その結界を操る俺が、なにも対策をしてないとでも?」
そう言いつつ、六花は開いたノートパソコンのキーボードを使って何かを打ち込んでいた。
「でも、情報断絶は情報的に断つって言ったのは君じゃないか?」
「まぁな。だが方法はある。簡単な方法は断絶に断絶をぶつけてやりゃ良いんだよ。断絶結界っていうのは要は結界を境界として別の世界を作り出すようなものなんだが………それは言っちまえば“裏”なんだ。」
「裏?」
「おう、裏。俺達には見えない裏側に新しい空間を構築しておく。当然その空間は俺達は知らない別空間。そしてその空間は外界から閉ざされている───それが俺達のいる表と別空間のある裏の関係。術者はその裏から術式という触媒を用いて空間を表に呼び出すのさ。基本的に断絶結界は表にありながらその内面は常に裏にあるっていうような性質を持つ。ま、そんなことはさておき───」
タンッ、とエンターキーを叩く音がした。
「これでよし。」
「…?えっ!?リッカちゃん達の反応が戻ってる!?」
ロマンの言う通り、消えていたはずのリッカ達の反応が元に戻っていた。
「断絶結界で干渉を阻害されているならその断絶をもう一度断絶してやれば良い───つまり裏に行った結界をもう一度表に呼び戻してやりゃ良いんだよ。負の数に負の数を掛けて正の数に戻すようにな。」
「す、すごい…さ、早速通信を…!」
「あ、通信は復旧させてねぇぞ。召喚もな。」
その言葉にロマン含め数名がずっこける。
「なんでさ!」
「結界の主だよ。」
「結界の主?」
「今介入したときに、少しだけ結界の内容が見えた。意思持つ巨大迷路───“迷”だ。大規模な結界だと“結界の主”がいることがある。今回の主は“迷”。クロウカード“THE MAZE”───どこから現れたか知らんが。反則を許さねぇんだよ、あのカードは。さっきの干渉の際に反則ギリギリを攻めた。その結果が観測の復旧、意味消失の防止。結界そのものはなんとか出来ても、結界の主は外部からじゃどうにもならねぇよ。ま、これで中が難しくなってねぇと良いけどな…」
「術者と主は違うのかい?」
「一緒の時もあるが大抵は違うな。術者っていうのはその結界を作り出した者だ。対して主っていうのはその結界を正常に維持する者だ。術者はそのまま術者だが、主は言ってしまえばその土地に住み着いた土地神様。基本的にどうにか出来るような相手じゃねぇよ。…じゃ、俺は休む。あとは任せた。」
そう言って六花は席を立ち、管制室の端にある揺り椅子に腰かけて寝息を立て始めた。
「……そっか、六花は休憩時間か。……悪いことしちゃったなぁ……」
ロマンはそう呟き、元の席に座って観測を再開した。
場面変わって60年ローマ。英雄王ギルガメッシュとエルメロイ二世は攻撃しようとすれば払われ、防御しようとすれば打ち砕かれ───そんな戦闘を繰り広げていた。
今もまた、波紋を展開し武具を手に取ろうとしたギルガメッシュの手を落石が阻害した。
「…ちぃっ」
「忘れるか……忘れるものか!貴様は覚えていなくとも、私は覚えている!!英雄王ギルガメッシュ!!」
落石、風、光線───それらに加えて様々な策や罠がギルガメッシュに襲いかかる。
「この最大の警戒と精密な妨害───なるほど、確かに貴様も我という存在を知っているな。」
「知っているとも───貴様は本来なら王と共に挑みたかった果て。ある意味でも私の目標の頂点!忘れるか───いや、忘れたくとも忘れられるものか、その姿を!!」
再度襲いかかる罠や炎を始めとした魔術の数々。それに対し、ギルガメッシュは波紋から武具を撃ち出すことで対処する。
「ならば理解しているであろう。このように罠をいくら張ったところで、策を張り巡らせたところで我に届くことなどないと。」
「承知している。本来ならば私は貴様の前に立つ資格すらないのだ。何故ならば、私は英雄として偉業もなにも残していない。しかし───」
パチンと指を鳴らす、同時に炎が地面から吹き出す。
「なんの因果かは知らんが私は現代ならざるこの場へと召喚された。とある軍師の依り代として。現代はどうなったのか。未来はどうしたのか───それを考えている最中に、貴様を見つけた。」
ギルガメッシュに襲いかかる風。それをギリギリで回避する。
「この力は私のものではない。借り物の力で真の英霊に敵うとも思えぬ───知るかそんなこと!!確率や勝率などどうでも良い!無理であろうが、誰に何を言われようが───例え無能で虎の威を借る狐大いに結構!!無理無謀など私でも分かっている!それでも王に真っ向勝負を挑む我が思い上がり、実に愚かだという評価を甘んじよう!」
「……」
「そのような些事、全て捨て去り愚者となる!そうでなければ頂点など望めぬ!!頂は遥か遠くに。しかしそれで良い!その頂を目指すからこそ我らは力をつける!例え届かぬとしても───挑む者は挑み届かなかった事を無念に思いはしても後悔はしないだろう!そしてその無念は次に挑むことに!無念を残して散ったならば次に挑む者に繋がるのだ!今の私のように───!!」
エルメロイ二世の魔力が高まる。宝具が、起動する。
「かつて貴様に挑み、私に覇道を示したあの王のように、私も挑もう!今出せる全てを懸けて!!」
空中より飛来する石柱がギルガメッシュの周囲に落石し、取り囲む。
「刮目せよ!これぞ大軍師の究極陣地───」
地理把握、地形利用、情報処理、天候予測、人心掌握───エルメロイ二世に宿る英霊の十八番たる奇門遁甲を十分に利用した、先に発動せしマスター達を遮断する迷路よりもさらに強い閉鎖空間───!
「───“
その陣は成立し、ギルガメッシュを迷宮へと叩き落とした。
「───」
無音───その場に音を発するものはない。
「───届いた、のか?」
エルメロイ二世はそう呟く。あの英雄王に、未熟者の策が通じたのか、と。
特異点に召喚された際に、ギルガメッシュを感知した。そのマスターの存在もろとも。
一対一で戦うと決意した───そのために、マスターがいては一対一にはならないと考えた。
ならばどうするか───最初にマスター達を迷いの結界へと落とせば良い。あらゆる情報を断つ、その結界で。
その点、相手の陣営に藤丸六花がいたことは予想外の何者でもない。藤丸六花の結界魔術はこちらよりも高度。私の迷いの結界などすぐに破壊されてしまうだろう、と。
しかし今現時点で破壊は成されていない。こちらの力が上回ったのか、それとも破壊できない理由があるか。全てを知るわけではない結界魔術。それでも、外界を断つという点において強い力を発揮する。
いくつもの策を放ち───最強に、僅かでも届いたのか?
「ライダー……私は───」
「───思い出したぞ。いつだったかの聖杯戦争で、征服王めに付き添っていた臣下がいた。」
その言葉の直後、石兵八陣が吹き飛ぶ。全て木端微塵───
「な……」
「“ウェイバー・ベルベット”───それが貴様の本来の名であったか。全く、ロード・エルメロイなどと言うから分からぬわ。」
土煙の中から現れるはギルガメッシュ。右手に持つは───乖離剣。
「未熟者の分際で、よくぞ我を此処まで陥れた。…全く、我は未熟者に弱い決まりなどあるのであろうか。」
「まさか───馬鹿な。貴様が、私ごときに───それを抜く、だと?」
その言葉にギルガメッシュは鼻を鳴らした。
「ふん、勘違いするな。これは乖離剣そのものではない。その力を一部抽出した、投影品に過ぎぬ。」
「なん…だと?」
「乖離剣ではこの特異点ごと破壊しかねぬのでな。“物質の破壊”のみを目的として抽出し、投影しただけに過ぎん。もっとも、贋作者よりも数ランク上だがな。」
そう言い、ギルガメッシュは投影した乖離剣を破棄した。
「そして1つ教えてやろう。貴様は我がマスターを甘く見すぎだ。」
「なん…だと?」
「我がマスターは───あの娘は、サーヴァントと共にいることこそが自らの戦い。そしてあの娘の兄は藤丸六花よ。恐らく結界を突破するために既に動き出している。こちらに戻るために───な。そうであろう?───藤丸リッカよ。」
そう言った直後、パキッ…と言う音がした。
「───まさか」
パキパキッ
「どうやら、予想以上に早かったようだな。」
リッカ side
此処が迷路の果て───あとはこの壁だけ!!
「それなりに硬いな───!」
迷は私達を飲み込もうとする様子はない。恐らく正攻法で攻略したから。
「全員宝具全開!」
「「「「「「了解っ!」」」」」」
「先に行きます、アステラ料理長、セリエナ料理長仕込みのネコ飯をどうぞ、召し上がれ───“
ジュリィさんが宝具を展開して料理を作り振る舞う。軽めにしてくれてるから全員食べれたけど。
「我が奥義───お見せしましょう!我放てし矢たちよ、この場を制圧せよ!」
「我が奥義───お見せしよう!音と共に踊り狂え!」
「これは私が旦那さんといた軌跡───歴戦の技、お見せするときにゃ!」
「これは私が旦にゃさんといた軌跡───歴戦の技、此処にあり!」
「アオォォォォン!!」
「お願い、ネルル!我、契約のもと此処に汝の真名を告げる───!」
「我が声に応えし16の星───今こそ此処にその力を!星が告げる運命は此処に在る!」
「燃え上がれ!我が炎の力よ、眼前の敵を焼き尽くせ!」
「森の息吹を!我が森の力よ、眼前の敵に安らぎを!」
「宝具───展開します!」
それぞれが宝具を発動する。魔力十分、マシュの守護も万全───!
「“
「“
「“
「“
「アオォォォォン!!」
「真名、滅尽龍“ネルギガンテ”───“
「オォォォォ───!」
「“
「いっけぇ!“
「“
「“仮想宝具
矢が、打撃が、連撃が、猫の一撃が、獣の一撃が、龍の突進が、雷が、炎が、森の力が───果ての壁に激突する。それぞれの威力がかなり強い故に、こちらに来る圧も凄まじい。でもその圧は、全てマシュが耐えきってくれた。
「く───足りないか!」
だけど、足りない。それでも今ので崩壊ギリギリまで行ったんだと思う。ならあとは───
「マシュ!一緒に壊すよ!みんな、スイッチ!」
「はい──はいっ!?」
スイッチの呼び声でみんなが後ろに下がる。
「これで───壊れて!」
マシュは盾をそのまま壁にぶつける。壁に、穴が開く。本当に、最後の一押し───
「攻撃強化術起動!やって、リッカさん!」
「攻撃強化旋律は吹いておく!」
「鬼人の大粉塵も撒いたよ!」
「攻撃力強化の笛ですにゃ~!」
「強化太鼓の技ですにゃ!これぐらいができる限界ですにゃよ!」
そんな声に頷いて私は壁に手を当てる。手に装着するはお兄ちゃんからもらったスマブラのルカリオを再現する波動グローブ───蓄積120%!運動量の発生、接触面への導き、作用───同時進行!
「───発勁!」
技を放った瞬間、壁が粉々に砕け散り、全員が外に放り出される。戦闘服への礼装変換は終わってる、なら───
「───
礼装のスキルを発動させる。
「馬鹿な───あの迷路を攻略し、結界の壁をも破壊しただと!?」
「見るが良い。あれが今回の我がマスターよ。意思が薄いような兆候はあるが───それでいて、諦めぬ心は持つ。征服王めも言っていたが、まこと強い娘よな。」
ギルがそう呟いていたのが聞こえた。
「ギル!」
「了解した、マスター。魔力の貯蔵は十分か?」
「うん…!」
「ならば魔力を回せ。すぐに終わらせる。───アルトリア、貴様の聖剣を借りるぞ。───
そう言ってギルの手元に現れる聖剣。その聖剣を見て、エルメロイさんが後ずさる。
「束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流。しかして此処に在るはその贋作───」
贋作。けれどその剣は、強い光を放つ。
「受けよ!“
「……あぁ。すごいよ。完敗だ───ほんとすごいな、お前は───こんな王に、真っ向から挑んだんだもんな───」
そう言った直後、エルメロイさんは光に飲み込まれた。
「……我は頂にて待つ。いつでも挑みに来るが良い。また挑むのならば、今度は征服王も共に来るのだな。」
ギルはそう呟いて聖剣を破棄した。
うにゃー…
裁「……大丈夫なの?」
いや、色々ダメ。
セプテム修正後に召喚するサーヴァントは?
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剣士、剣士、魔術師
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魔術師、騎兵、剣士
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槍兵、狂戦士、弓兵
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暗殺者、剣士、剣士