狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
裁「今回も間に合ってないよね。」
うぐっ…
「…勇ましき者よ。実に勇ましい。それでこそ、当代のローマを統べる者。」
ブーディカさんを救い出して、決戦へと赴くちょっと前。なんか……大きい人が話しかけてきた。
「……ほう。これはまた、随分と面倒なものをよびよせたものよ。」
〈……む…まさか、とは思ってはおったが……〉
なんか…ネロさんの様子がおかしい?
「そうか。お前が、ネロか。なんと愛らしく、なんと美しく───なんと、絢爛たることか。その細腕でローマを支えてみせたのも頷ける。」
その人は手を広げて言った。
「さぁ、おいで。過去、現在、未来───全てのローマがお前を愛している。」
「───ぁ」
「ネロさん?顔色が優れませんが───」
「まさか───いや。しかし───これは、夢か?悪夢の中───なのか?」
「───現実だ。現実だとも、ネロ。今こうして、私は此処にいる。」
「ぁ───あぁ───まさか───そんな───」
「さぁ、おいで───
……?
「私だ。私こそが、連合帝国なるものの首魁。」
「あなただけは───ない。そう、信じていたかった───だと言うのに───あなたは余の前に立ちはだかるのか───!」
少し、嫌な予感がする。
「ローマ建国王───神祖、“ロムルス”よ───!」
ロムルス───そう、言ったの?
「───そうだ。
「先輩、敵の一団が接近中!恐らくネロさんを狙うものかと!」
マシュの声。敵が接近中───ネロさんは気を失いかけてる。…なら
「ネロ皇帝に代わり、私が一時的に指揮を取ります!全一般兵士一度後退!追いつかれないように敵勢力の撃退も並行して行ってください!」
「……は、はっ!リッカ様の采配の通りに!」
少し呆けてるような状態だった兵士の人達が意識を取り戻す。ネロさんが動けないときやネロさんが指示を出来ないとき。そう言うときは、私に全権限を任せる、って言ってたんだよね。だから指示が通るんだけど…
「荊軻さんとブーディカさんは兵士の皆さんの護衛をお願いします!他の客将さん達は私と共に連合の本陣へ!」
「ふむ…分かった。」
「了解、ってなわけでネロ公。あんたの兵士達はあたしと荊軻で安全な場所まで護衛する。リッカ、護衛終わったらどうすればいい?」
「出来ればそのまま護衛をお願いします。戻る場所がなくなっては大変ですから!何かあれば通信をいれます!」
「…ん、りょーかい。頑張ってね。でも無理するんじゃないよ?」
そう言ってブーディカさんと荊軻さんは後退する兵士達についていった。…うぅ、慣れない大声で喉が痛い。あ、通信機は渡してあるよ。
「ははははは!傾国間近なり!圧制者の潰えるときはここだ!!」
「■■■■■───!!」
戦闘に戻ってきた瞬間、先頭で暴れるスパルタクスさんと呂布さん。2人には遊撃指示を出しておいたからまぁ別に良いんだけど───
「───ローマ、ろーま───万歳。神祖───ばんざい」
相手の兵が明らかにおかしい。もしも一般の兵士達をここにおいたままだったらあんな状態になってたかもしれない。
「ふん、これも神祖とやらのカリスマか。狂ったように彼奴を称え、狂ったように身を投げ出す───もしも彼奴が“死ね”とでも言えば喜んで身を投げるのであろうな、こやつらは。」
それは……もう、洗脳に近いような───
「……大丈夫?ネロさん。」
「……あぁ、リッカか。すまぬ。」
反応が鈍い。もしかしたら、カリスマに囚われるギリギリだったのかも。
「ロムルス───神祖が敵、とは。もしや間違っていたのは、余なのかもしれぬ。」
「…」
「余のローマを侵されまいと、ここまで戦い続けてきたが………全て、余が間違っていたのかもしれぬ。そんなはずはない、余こそローマ、第五代皇帝である故。…しかし…」
私は黙って話を聞く。
「かのお方の声を聞いた瞬間、思ってしまったのだ。ほんの僅かであっても、余が間違っていたのでは、と。あろうことか、余も神祖に下れば良いのでは───否。正直に言おう。」
ネロさんはこっちをしっかりと見た。
「下りたくて仕方がない。それが、余の偽らざる本心だ。相手は神祖!曲がりなりにも建国王その人に他ならぬ!余の道が誤りであるのなら、そう断ずるのならば───余も連合の“皇帝”となって任せてしまいたいのだ!…しかし……それは、できぬ。出来ぬのだ……神祖のローマ、余のローマ。決定的に、何かが違うのだ───」
「……ねぇ、ネロさん。」
私は口を開いた。
「このローマと貴女のローマ…姿形は似ている。だけど…貴女の言った通り、決定的に“何か”が違う。」
「……」
「私が見たネロさんのローマはみんな笑顔で───活気に満ちていた。でも、このローマは?私が見た限り、兵士さんや町の人々に、笑顔なんてない。それどころか、町の───一般の人ですら私達に襲いかかってくる。まるで何かに囚われたかのように…まるで、自分の意思を失ったかのように。」
「笑顔…」
「こんな町……はっきり言って好きじゃない。どこであっても笑顔あれ───なんて。見ていて楽しいと感じた貴女のローマとは逆に、このローマには悲しみすら覚える。…永遠の都ローマ。そのローマが、こんなローマで…本当に良いの?」
「……いや。ない。」
「私達への名乗り。覚えてる?───貴女は、誰?」
今さら聞くことでもない。けれど、私は聞く。
「余は───そうだ。余こそは───」
ネロさんの声に覇気が戻る。
「余こそ、真のローマを守護する者。まさしく、ローマそのものである者。必ずや帝国を再建して見せる、そう神々・神祖・自身───そして民へと誓った者!!余こそ、ローマ帝国第五代皇帝、“ネロ・クラウディウス”である───!余がローマ。であるならば!例え相手が神祖であろうと構わぬ!敵として立ちふさがるのならば、それを間違いだと言うのなら───今一度、民へと誓おう!余は間違った神祖を、ローマの敵を打ち砕く!なぜなら余は、真のローマを守護するものであるからだ!」
その言葉に私は頷いた。ちょっと暴論めいてきてるけど、これでネロさんは大丈夫。
「皆の者───行くぞ!もう余は迷わぬ!余は成すべきことを成すのみだ!」
「すみません、戻りました───あれ?何かありましたか、先輩。」
マシュの言葉に首を横に振る。
「ふ、やるではないかマスターよ。」
「私は事実を話しただけだよ。ネロさんが立ち直れたのは、ネロさんの心の───大本の強さだったんじゃないかな。」
〈───さて。来るぜ、お前らの望みがな。〉
通信先からお兄ちゃんの声が聞こえた。私達の、望み?
〈すみません、英雄王───オルガマリー・アニムスフィア、観測に復帰いたします!〉
「───マリー?」
〈えぇ、お待たせ…!〉
「ほう?最終局面に間に合わせたか、六花にダ・ヴィンチ。たいした手腕よ。」
〈んなわけねぇだろ。三重結界なんてこんな短期間で普通間に合わねぇっつの。マリーの吸収力が凄まじすぎるんだよ。〉
「ふ。」
〈英雄王───それに、ジュリィさん。復帰を、許していただけますか?〉
「我は良い。ジュリィよ、貴様はどうだ?」
「……行きましょう、オルガマリーさん。最期は全員で───です!」
〈───ありがとうございます!〉
こうして、こちらの戦力は十分。あとは───連合の首魁。そして宮廷魔術師だけ───
セプテムも終わりが近いですね───次回は100話ですが特に何もやることはないです。
弓「それでよいのか?」
本当は何かやりたかったんだけど思い付かなかったの。
裁「ボイスマテリアルは?」
無理。
セプテム修正後に召喚するサーヴァントは?
-
剣士、剣士、魔術師
-
魔術師、騎兵、剣士
-
槍兵、狂戦士、弓兵
-
暗殺者、剣士、剣士