狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
裁「そういえば宝具……」
……
「粉砕する───」
「……!てぁっ!」
迫る剣に自分の剣を打ち合わせることでその攻撃を防ぐ。行うこと数回、既に数本の武器は砕け散っている。私は即座に次の剣を取り出して、迎撃体勢をとる。
足りないもの───欠けている何かを掴みとる。それが、私がアルテラとの単騎戦を望んだ理由。
「無駄だ。なんどやったとしても、結果は同じだ。そこを、退け。」
「退かない。」
「何故、そこまでして護ろうとする。お前が、私の前に立つ意味など、ない。」
「───そうかもしれない」
「ならば───」
「“未来を破壊させない”。ただそれだけのために、私はここにいる。」
「…無駄だ。」
アルテラの剣がしなる。
『起動せよ、メグレズ───その一陣の風を。』
それに対して虹架さんが起動したメグレズの力、疾風がその剣を阻む。
「何をしたとしても、無駄だ。私は破壊する───貴様も、国も、何もかも───」
『───起動せよ、セプテントリオン!!死を司る星々の力を!』
虹架さんが私の知らない起動式を紡ぐ。それによって放たれる、八色の光線───
「煩わしい。貴様を破壊すれば、これも止むか。」
それを容易く弾くアルテラ───ううん、一色の光線にだけ被弾した。あの色は───確か、アルコルと同じ。性質は───“反射”。
「星は砕けない───星たる私は砕かれない。」
「───何を。私は破壊する。過去、未来、現在───何であろうと。」
「虹よ、虹よ───今こそここに氷結を起こさん。我が声に応えよ、鈍身の氷───虹翔の奇術、二十五の式“冰界・永久凍結”」
そう唱えた瞬間、私を中心として付近の全てが凍りついた。
「これは───」
「イヴェルカーナの凍結に似てる……」
ルーパスさんがなにか言ってるけどよく分からない。
「この程度───」
「虹よ、虹よ───今こそここに幻惑を起こさん。我が声に応えよ、幻惑の影───虹翔の奇術、二十三の式“三稜鏡幻惑之参・空蝉”」
『虹よ、虹よ───今こそここに幻惑を起こさん。我が声に応えよ、幻惑の歪───虹翔の奇術、二十七の式“三稜鏡幻惑之肆・歪空”!』
私はスパルタクスを救ったときと同じ術を放ち、虹架さんが別の術を放って私を上空へと転移させる。
「───粉砕する!」
氷は粉砕され、私の空蝉───脱け殻も消え去った。
side リッカ
───よいか、リッカ。無銘の戦いに手を出してはならぬ。絶対とは言わぬが───そうさな、お主の直感に従うがいい。お主の直感が、支援が必要だと判断したときに、支援を行うのだ。
「アル……」
私はアルとアルテラさんの戦闘をみていた。
アルテラさん───あの人の言葉から推測すれば、匈奴の大王。匈奴の大王というと───フン族の大王、“アッティラ”。
〈…リッカ?〉
「マリー……」
〈………ネロさんから言われたことを気にしてるのかしら?〉
「うん…」
あんなこと言われたけど、やっぱり心配。
〈…観戦しているだけではダメよ。いつでも支援を行えるように準備なさい。必ず、私達にもできることはあるわ。〉
「……“無銘の思いを無駄にするな”、か…」
にしても、何を支援すれば良いか分からない。直感に従うならなにか支援をした方がいいみたいなんだけど……回復じゃない、強化じゃない、防御じゃない、敏捷じゃない……一体、何を…
「ふむ…せっかくだし何かを弾くか?」
リューネちゃんの提案。そういえば、狩猟笛って確か支援できるんだっけ…?
「じゃあ…お願いできる?」
「ふむ。なにか弾く音楽にリクエストはあるかい?」
「弾く曲……じゃあ───」
私は1つの曲をリクエストした。
「ふむ……聞いたことの無い音楽だな。その音楽の音源はあるかな?」
「……お兄ちゃん」
〈ちょうど手元に音楽プレイヤーあるからそれ渡すわ。お前が言った曲も入ってるぞ、ちゃんとな。〉
その言葉と共にイヤホン付きの小型音楽プレイヤーが送られてくる。……あ、あった。
「これ。」
「借りていいかな?…えっと、使い方は…」
「これを耳に着けるの」
私はイヤホンの使い方と音楽プレイヤーの使い方を教えた。
「ふむ…こうか。……ふむ。いけるだろう。…僕が奏で、君は歌う……それが僕らの理想の音楽のカタチ。ここに示すは1つの夢───“
突然詠唱を始めたと思ったら、周囲に色んな楽器が現れた。三味線だけじゃない、ギターやベース、マリンバにドラム、グランドピアノ───明らかに在るのが狩猟笛だけじゃない。
〈これは───宝具なのか!?〉
「そうだね。僕の宝具の1つ、“
───その時、私達はリューネ・メリスという少女の演奏の本気を見た───
side 無銘
もうどれくらいの時間が経っただろう。
既に砕け散った近接武器は30を越え、遠隔武器は既に弾薬が尽きた。しばらくすれば修復・補充されるとはいえ、戦闘中に補充される可能性は低い。
───残る近接武器は、2本。最後の剣、銀色の細剣を喚び出して構える。
「…何故だ。何故そこまでして護ろうとする。名の無き者よ、何故。いずれ消え去るものを、何故そこまで。」
なんで、か……
「それが私の思いだから。絶対に壊させない。私はこの世界の未来を護る。」
「…理解できない。」
「理解できなくても構わない。私は私の思いに従うだけ───ただ、それだけ。」
「思いなど、無意味だ。私は破壊する───どんな思いであろうと、どんな可能性であろうと───ん?」
不意に、アルテラが不思議そうな顔をした。同時に、周囲に音色が響き、私の力が強化された気がした。
「───なんだ、これは。」
その方向をみると、いくつもの楽器に囲まれたリューネさんがいた。リューネさんの前にあるあの楽器は───確か、ピアノ。
「耳障りだ───粉砕する。」
「っ、させない!」
咄嗟に地面を蹴り、剣を打ち合わせ───ようとする。
「な───」
変化を感じた。さっきより、身体が断然軽い。
「───やぁっ!!」
「ぬ───!」
細剣の一撃がアルテラを吹き飛ばす。確信した。身体が軽くなり、動きが早くなっただけでなく───一撃が重くなった。
「これなら───!」
『無理、油断は禁物だよ!』
虹架さんの忠告に頷きながら、私は歪空で距離を詰める。
「───シッ!」
「なん、だ───いや、関係など、ない。全てを、粉砕する───!」
『起動せよ、メグレズ───その一陣の風を!』
メグレズの風が剣を阻む。その時、鳴り響いていた音が一定のリズムを刻むようになった。
『音楽が変わるぞ!感覚の変化に気を付けろ、無銘殿!』
音楽が、変わる───どういうこと、と問おうとしたとき、本当に音の調子が変わった。
「なんでお兄ちゃんアイリスの、しかもBW2のBGMいれてるの…?」
〈好きなんだが悪いか?〉
「いや悪くないけど……!」
〈ちなみにこの後に流れるなら恐らくギラティナだろうな〉
「お兄ちゃんの選曲よく分からないよ……」
そんな声が聞こえたけど、どうでもよかった。私の視界に映る景色───音が発せられる度に現れる色とりどりの音符。
「この、音符は……?」
『え───む、無銘!見えるの、この弾幕が!?』
『知ってるの、虹架さん?』
『音弾───本来なら音を操る力、音を見る力がないと見ることができない音を封じこめた特殊な魔力弾!見れたということは恐らく───』
「耳障りだ───粉砕する、音も、国も、何もかも、総て───」
説明の最中で相手の剣が光り出す。
『───説明は後ね、宝具が来る。無銘、出来るだけ音を前に集めて!私も私で対処は考える!』
音を───集める?どうやって───
───いや、何となく分かる。なんでか知らないけれど、何となく分かる。
私はまず、周囲にある音に意識を繋げる───
「───っ!」
予想以上に、負荷がかかる───!だけどそれをこらえて接続済み音弾10個を私の前に集める。
〈アルちゃんは一体、何をしているんだ…?〉
「わ、わかんない…でも、多分、大丈夫……」
ドクターとリッカさんの声が聞こえる───そこからいくつもの音符が生成される。接続、誘導───
『誘導できたら意識の接続は少しだけ残して切った方がいい、じゃないと処理しきれない!』
「私は───フンヌの戦士である。」
前方に配置できた音弾は20。切断、接続、誘導───
「人は、言う。私は───神の懲罰なのだと。」
前方に配置できた音弾30───
『もう無理ね。あっちの宝具が早い。少し心もとないけど、やるしかない。タイミングを合わせて。』
虹架さんの声が聞こえる。
「文明を───」
『虹よ、虹よ───今こそここに花咲を起こさん。我が声に応えよ、魅惑の花───虹翔の奇術、九の式“蒼天彼岸花”』
「───オール・トーン・バースト」
接続したことのある音弾に、全音炸裂の式句。それと同時に現れる蒼い彼岸花。音弾が爆発して爆音を周囲に撒き散らし、その音に反応して彼岸花が爆発する。
「───っ!」
その爆発によって私は吹き飛ばされて地面へと転がり、アルテラは宝具を強制的に停止させられた。
「───」
その時に見上げた、夜空。虹架さんが第一宝具を常に展開しているから、夜天の結界が張ってある。そのなかに浮かぶ、音符達。
「…綺麗」
戦闘中にそんなことを思うのもどうかと思う。だけど、どうしてもその光景から目を離せなかった。夜天に浮かぶ、無数の星。音が発せられる度に流れる光───
「───ぁっ。」
パチリ、と。心の中で欠けていた何かがはまったような音がした───
…どれくらいの時間をそのまま過ごしたかは分からない。けれど、そこまで時間は経っていないはず。私は身体を起こして、アルテラの方を向いた。
「…無駄だと言うのが、何故分からない。どうせ、破壊されるというのに───」
私は無言で細剣を構え、アルテラに対して突きを放つ。アルテラの剣がしなる。
「だが───終わりだ。これでお前は、もう戦えない。」
それはどういう、と聞こうとしたとき、右手の感覚が消えた。
「───っ!」
リッカさんの息を飲む声。次いで、痛み。
「───え?」
細剣が───いや。
右腕が、根こそぎ消えていた───
side リッカ
「…っ!アルッ!スキルアク───」
「ならぬ!!」
回復をかけようとしたところを、ネロさんに止められた。
「どうしてっ!!」
「あやつの目をよく見よ!あやつの目に未だ闘志は消えておらぬ!!」
「……!」
「信じるのだ───あやつのことを。それがリッカであろう?」
「……」
私はそれに従い、スキルの起動を停止した。
side 無銘
「………っ!」
『だ、大丈夫…じゃ、ないよね?』
『大丈夫じゃ……ない。』
そのまま私はその場にうずくまる。
「これで、本当に終わりだ。」
───終わり?
「……違う。」
「───何?」
「違う───終わりじゃ、ない。」
リッカさんじゃないけど、そう思う。でも、魔力も尽きた。何が───
「終わりに、変わりはない。お前は、これで、終わりだ───」
私は動くこともせず、その剣を見つめるだけだった。だけど───
ガキィッ!
「………!?なん、だ!?」
「……そういう、ことか。」
私とアルテラの剣の間に現れた紫色の光。
「何故、阻まれた。何を、した。」
「……ようやく、分かった。“心意”の意味───」
心意。フランスを修正しているとき、夢の中で聞いた言葉。私の持つ力の、1つ。
「Immortal Object───破壊不能オブジェクト?アルが…?」
〈SAOなんかにある建物とかに攻撃した際に出るシステムウインドウと同じ…だよな。なんで、あるんだ?〉
「───お前は」
「…っ」
私は右半身に意識を集中させる。
グチッ…ギュルルッ!!
「な────」
〈うわわ!?グロいグロい!!〉
結構すごい音と血飛沫を立てて、喪った右腕が完全に再生した。
「そういう、こと。心意───私の思った通りの現象を起こせる。限界はあるみたいだけど───一時的な回復には十分、か。」
「お前は───そうか。可能性の、具現化か。だが、私は粉砕する。」
私は最後の武器───錆びた杖を喚び出し、息を整える。
「ただ、破壊する───“
迫る剣。私が構える前に、私とアルテラの前に割り込んだ人影。
「宝具───展開します!“仮想宝具
「───強化せよ。護りの盾をより強固に───!」
マシュさんに強化をかけ、アルテラの宝具を耐えきる。
〈───“
同時に夜天の結界が掻き消され、真っ白な世界へと放り込まれる。
「ふはははは!食らうがいい!“
英雄王の投影した宝具がアルテラの移動を妨害する。一対一───攻撃に関しては私に任せてくれてるみたい。でもその宝具で、基礎の結界は破壊される。次いで、第一心情、砂嵐の砂漠が顕現する───
〈今よ!〉
「アル!」
リッカさんの声。
「残る令呪───
マスター───
「───貴女の全力を───見せて!!」
「───はいっ!!」
令呪が発動して私に魔力が戻る。
「───目覚めよ、星の流れ。開かれよ、夜の息吹。総ては流転し、我が声に応える流れる星───」
私は飛翔し、その背後が夜天に変わる。そこに現れるはいくつもの星々。
「刻は巡り巡って訪れる。巡り巡ってあなたのもとへ。ここに示すは夜天の絶景。今こそ目覚めよ、その神秘───」
星々を───否、無数の小惑星を背に私は杖をペン回しと似たような感じで片手で振り回す。
「───第二宝具、稼働。“
その真名を告げた途端、総ての小惑星が流星となってアルテラへと殺到した。
その流星は令呪で対界となったのか心情を切り裂き───そこに現れたのは花畑。
「これは───」
「綺麗な花…そう思わない?」
「……これは…破壊、できないものか。」
「破壊の大王、アルテラよ。この世界には貴様でも破壊できぬものは存在する。」
英雄王が私の方を向いた。
「例えば、こやつの心よ。無銘───名もなく、力もそこまでなく───それでいて貴様に挑んだ者。勝てる見込みなどないというのに、挑んだ者。最後まで貴様はこやつの心を破壊することは叶わなかったのだ。」
「───そう、か。私でも破壊できないものはある、か───」
そう言い残してアルテラは消滅した。
えっと……すみません。無銘の第二宝具名、変えるかも知れません
弓「設定不足か。」
…うん。実は第五宝具とかまで組んだはいいんだけど、本編に出てくる前にPCが動かなくなって……使えない状況なんだよね。
裁「あらら…」
あ、一応追加で書き込みしました。(2021/06/07 09:19)
セプテム修正後に召喚するサーヴァントは?
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剣士、剣士、魔術師
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魔術師、騎兵、剣士
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槍兵、狂戦士、弓兵
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暗殺者、剣士、剣士