狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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ギリギリになりました

弓「ふむ」


第121話 船上で

〈そうか…あいつらがいなくなった、か。〉

 

「うん…」

 

嵐が過ぎ去った海上。ドレイク船長の黄金の鹿号の甲板上で、復旧した通信を開いてカルデアにいるメンバーと話をしていた。

 

〈……どうだ、ロマン。〉

 

〈すまない、ダメだ…特異点全域を調べてはみたけれど、強いジャミングでもかかっているのかルーパスちゃんとジュリィさんの反応が感知できない。…六花。ルーパスちゃんたちは無事なんだろう?〉

 

〈あぁ。無事に生存していることは明らかだ。だが同時に、今現時点で分かるのはそれだけだ…くそっ、礼装にGPS機能でも付けておけばよかったな。〉

 

お兄ちゃん曰く、お兄ちゃん製の魔術礼装には標準で着用者の生存を確認する機能があるらしい。GPSやAIサポート、ジャミング相殺とかの機能は必要に応じて付けるオプションなんだって。

 

〈5期団がいなくなったか…〉

 

「大団長さん…」

 

「あんたがジュリィの言ってた大団長、とやらかい。」

 

〈あぁ。〉

 

「そうかい…すまないね、あんたの組織の人員を2人も削いじまってさ。」

 

〈なぁに、気にすることはねぇよ。大団長の俺が言うのもなんだが、新大陸古龍調査団はギルドの中でも変人揃いだからよ。それと…あの2人の生存に関してもあまり気にすることはねぇだろ。〉

 

「……随分と冷たいね?あんた。」

 

〈俺はあの2人を信用してるだけだがな。…おい、リューネ。いつまで凹んでやがる。〉

 

「…」

 

〈あいつの───ルーパスの力を一番知っているのはお前さんだろ?…なぁ、ルーパスと同じく調査団に推薦されてたハンターよ?〉

 

推薦されてた……?

 

「……2年前だったか。同時に推薦されたが…僕は大陸に残った。新大陸で何が起きたかはそこまで知らないが…僕は大陸の守護者として残ったのがあるからな…生まれた地に行ってみたかったのもあるが。」

 

〈カムラの里か。そういや最近だか去年だかに百竜夜行の原因が分かったとかっていう話上がってきてたな…〉

 

うーん…話してることが分からない。

 

〈…ま、ともかくあいつらなら大丈夫だろ。なんせ調査団の導きの青い星だしな。〉

 

「導きの青い星?」

 

私が聞き返すと、大団長さんはそうだったそうだった、ってぼやいた。

 

〈お前さんらこの世界の奴等は知らなかったな。おとぎ話の1つ、“五匹の竜の話”を。───昔、白い世界の真ん中に五匹の竜と人々が暮らしていたという。そこにあったのは太陽と永遠の時。永遠の時のお陰で人々は何も失わなかったが、何かを得ることもなかった。〉

 

「あるとき、始まりも終わりもないことを不思議に思った人々がその理由を竜に尋ねた。すると竜達は口から水を吐いて海と空を作り、泳いでいってしまった───」

 

〈───長いから話すのはやめるが、その五匹の竜に会いに行こうとした青年がいたんだ。そしてその青年が目印としたのが青い星───この星が、“導きの青い星”なんだ。5期団そのものの紋章は“白き追い風”。5期団の傾向はハンターを中心とした構成だ。そしてその中でも高い能力を持つルーパスは古龍渡りを解明すると同時に導きの青い星と呼ばれるようになった。知ってるか?ルーパス1人のために、新大陸行きの船の出航が遅らせるほど期待がかけられてたんだぞ?〉

 

ルーパスちゃんってそんなに凄かったの!?

 

〈で、新大陸に着いたときなんざ船に乗ってない───いや、船から落ちて新大陸に降り立ったらしいからな。一部の人間は“空から来た5期団”なんて言うけどな。なんせあいつらよく落ちるからよ。新大陸に来たときも、今回もな。〉

 

あ、あはは……でも、そう考えると…

 

「もしかして、新大陸…だっけ。それに帰ってたり…?」

 

〈───いや、それはないだろう……って言いたいが、可能性はあるかもしれないな。アルテミスが来たのも砂嵐、帰ったのも砂嵐だったか。もしも調べに行ってもらったあの穴があるなら、帰っている可能性はあるぞ。〉

 

「……マスター。貴様の勘はどうだ。」

 

「……分からないけど……合流はできる気がする。」

 

〈なら大丈夫だろう。あいつらも伊達に推薦組じゃない…つーか、未知のモンスター相手に恐れず戦り合うからな。俺達調査団は何度あいつら2人に助けられたことか。…ったく、40年も新大陸にいた俺からすればちょい凹むっつの。〉

 

その言葉にリューネちゃんが笑った。

 

〈やれやれ…やっと笑いやがった。〉

 

「あぁ、すまない…」

 

〈悪いとは言ってねぇよ。〉

 

「…貴方は優しいな、新大陸古龍調査団大団長───アスラージ殿。」

 

アスラージ……?

 

〈なんだ、知ってたのか。〉

 

「思い出した、の方が正しいのだろう。最初に顔を会わせた時には忘れていたのは事実だ。」

 

〈そうか……んじゃま、改めて自己紹介とでもいくか。新大陸古龍調査団大団長、“アスラージ・アドミラル”。あいつらほどできるとは思えねぇが…まぁ、あいつらの代わりとして戦ってやらあ。必要になったら呼べよ、リッカ。〉

 

「は、はい!」

 

私が咄嗟に返事をすると、大きく笑った。

 

〈いい返事だな。アルテミスみてぇな…レンジャー、っつったか?あれじゃねえっていうのに敵に立ち向かう目付きをしてやがる。さて、いつまでも留まっちゃいられねぇぞ!駆け足───じゃねぇや、全速前進!!時間は待ってくれねぇぞ!〉

 

「お、おう!野郎共、船を出しな!」

 

「いいんですかい?」

 

「───リッカ?」

 

「うん。───お願いします。今は、先に───」

 

〈リッカちゃん!生体反応を確認した!人じゃないのは確かだ!〉

 

ドクターの声。それを聞いてギルが周囲を見渡した。

 

「……ふむ。ミルドよ、くすんだ青を基調とした体色に黄色も混じった大きな翼、細長い尻尾を持つ存在はいるか?」

 

「“メルノス”?なんで───あの紋章、どこかで…」

 

紋章?

 

 

結局、そのメルノスはジュリィさんの宝具で、伝書鳩みたいに伝言を伝えに来ただけだった。




一応大団長の名前を設定しました。

裁「アスラージ……アスラとラージの組み合わせ?」

ん。

オケアノス終了後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 騎兵、槍兵、弓兵
  • 弓兵、弓兵、弓兵
  • 暗殺者、裁定者、剣士
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