狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
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それと、冬木のアンケートは第14話投稿時点、2021/01/25 18:00で打ち止めとさせていただきます。
「えっと……これでいいのかな」
そういった彼女の声は人を自然と魅了させるような、そんな声だった。
「あなたの…名前は?」
「私は……ミラ。“ミラ・ルーティア”。…………“ミラ・ルーティア───シュレイド”。東シュレイド所属の召喚師です。」
なぜか三回に分けて名乗った。なんでだろう?それと…召喚師……?
「えっと……ミラちゃん、でいいのかな。」
なんだろう、少し呼びにくいような…
「…呼びにくかったら、ミルティと呼んでいただければ。」
「ミルティ…ちゃん?」
でも、確かにこっちのほうが呼びやすい気がする。
「…えぇ。こっちはネルギガンテのネルル。」
「ォォ」
ネルギガンテっていうモンスターがこっちに対してお辞儀した。…え、古龍って人に対してお辞儀とかするものなの?
「…それで、あなたたちは…?」
「あ、私は“藤丸 立香”。えっと…人理継続保証機関フィニス・カルデアのマスターです。それから…」
「“マシュ・キリエライト”です。私が背負っているのが所長の“オルガマリー・アニムスフィア”さん、私の足元にいるのが…」
「フォウフォウ!」
「…フォウ、っていうの?」
「え」
「フォウ!?」
マシュが名前を言う前にミルティちゃんが───いや、やっぱりミラちゃんの方が良いかな。ミラちゃんが名前を当てた。
「私、獣魔の言葉分かるの。」
「獣魔…?」
ミラちゃんはそれに答えずに、クー・フーリンさんの方を向いた。
「お兄さんは?」
「おう…お兄さんに見えんのかい、俺は。」
私から見てもクー・フーリンさんはお兄さんレベルだと思うけど…?
「俺はクー・フーリン!キャスターのサーヴァントだ。」
「サーヴァント?」
ミラちゃんが何それ?っていう感じで聞き返した。
「……その様子、ルーパス達と同じで別の世界からの漂流者か?おい、軟弱野郎。あのミラっつう嬢ちゃんのクラスはわかるか?」
〈きみ酷いな!?でもってキャスターだ!間違いない!〉
「ほぉ…」
「……なに、その薄っぺらいような弱々しいような腑抜けっていうかなんとも言えない弱者だけどずっと気を張っているような声は。」
〈ひゃっほう幼女にもガチの毒舌で言われちゃったぞ!!泣いていいかなぁ!?〉
いやでも実際今すっごい毒吐いたよね、ミラちゃん……幼女……幼女?なのかな?私より身長低いけど……いや、そうでもないかな……目測で115cmくらい?…十分小さいね、確か幼稚園年長さん───つまり6歳5ヶ月の女の子の平均くらいだ。
作者コメント:こんな時ですがちょっと身長解説
藤丸 立香…158cm
マシュ・キリエライト…158cm
オルガマリー・アニムスフィア…162cm
ルーパス・フェルト…140cm
ジュリィ・セルティアル・ソルドミネ…146cm
リューネ・メリス…150cm
ミラ・ルーティア・シュレイド…114cm
忘れないようにっていうのとついでで書きました。ハンターたちはほぼほぼ独自設定です。では本編に戻ります。……何気にミラの身長が全サーヴァント中最低身長。(by.Luly)
〈…っと、ボクはロマニ・アーキマン。よろしく…〉
「…まぁ、よろしく。」
〈いきなりで申し訳ありませんが、ミス・ミラ。あなたはルーパスちゃんと同じ世界の方ですか?〉
「…そう思った理由は?それとミスと敬語はいらない。」
〈……言葉だよ。先程使っていた言葉。そしてルーパスちゃん、リューネちゃん、ミラちゃんの先程の会話。僕らの知らない言葉だったけど、君達には通じていた。そうだろう?〉
「…えぇ、まぁ。」
〈ならば同じ世界出身と考えた方がいいのだろうけれど、どうだろうか。〉
「……」
ミラちゃんは少し顔を伏せてからルーパスちゃんの方を見た。
「…ハンター、ね…」
「ミラちゃん?」
「…ねぇ、あなた…ルーパス、だっけ。」
ミラちゃんがルーパスちゃんに話しかけた。
「なぁに?」
「あなたの世界に、召喚術師……“サマナー”っていた?」
「サマナー……?」
ルーパスちゃんが聞き返した。
「…ううん、いない。」
「…やっぱり、か……」
「やっぱり?」
私はその言葉に聞き返してみた。
「…私はミラ。ミラ・ルーティア・シュレイド……恐らく。私は…そこにいる彼女らとは、
「「よく似た別の世界…?」」
思わず私とマシュは同時に聞き返した。
「言語も同じ、地名も同じ、存在する生き物も同じ。だけど、決定的に違う点が一つ。」
〈それは?〉
「「「
ミラちゃん、ルーパスちゃん、リューネちゃんが同時に言った。
「自然…ここでは古龍のことですね。古龍に対してどういった対応をとるか、それが私たちのいた世界とミラさんのいた世界の違いです。」
「どういった対応をとるか…?」
ジュリィさんの言ったことにも聞き返してしまった。
「さっき、ルーパスさんはネルルに…古龍である滅尽龍“ネルギガンテ”に躊躇いなく弓を引いて矢を当てた。私たちの世界じゃこの行動は基本的に考えられない。私達ならまず、威嚇でそのモンスターの周囲に矢を当てる。基本的にそうすれば気は引けるからね。それをせずに矢を当てたっていうことは、余程の野蛮人か、別世界の人間───それこそ、古龍達と戦うのを主とした世界の人間か。それくらいしか私には考えられない。」
ミラちゃんもしっかりしてるなぁ…私より小さいのに…
「私達の世界でのモンスターたちとの接し方は“信頼”。小型でも、中型でも、大型でも。それこそ古龍でも、その世界に生きるものとしての対話を用い、契約し、使役し、モンスターと人が協力し合う世界。…あなたたちは?」
「接し方は“抗争”。人とモンスターの縄張り争いです。小型中型大型古龍、どんなモンスターだとしても狩猟技術による対話を用い、自然と人間が調和しあいます。稀にモンスターと人との間に信頼関係が生まれることもありますが、ごく稀です。対立し、時に狩り、時に狩られる。生と死が隣り合わせの中で戦い続ける、それが私たちの世界です。」
ジュリィさんがそう説明した。…結構ルーパスちゃんたちの世界、物騒というかなんというか。ドクターも向こうで苦笑いしてる…
「…私達の世界では、“術式”を用い、モンスターと契約し、使役する者を“召喚術師”。通称“サマナー”という。サマナーはほとんどギルドに登録されていて、ギルドからの要請で世界中を飛び回ったりするけれど。あなたたちの世界では?」
「私達の世界だと、“武器”を用い、モンスターを狩猟、または討伐し、自然との調和を図る者を“狩人”。通称“ハンター”というね。ハンターはほとんどギルドに登録されていて、ギルドからの要請でいろいろ世界中を飛び回る。此処にいるリューネがいい例だよ。」
そういえばルーパスちゃんたちって結構高レベルのハンターさんたちなんだっけ…
「……似ているけど違う、か…」
〈…ミラちゃん、一つ聞いていいかな〉
「?」
〈君は英霊かい?〉
「英霊?」
あ、この反応は理解してなさそう。
「英霊っていうのはこの世界独自の…なのかな、英雄って言われた人がなくなった後になるもの、だったはず。ちなみに私達は死んでないから英霊…じゃないはずなんだけど。」
ルーパスちゃんがそう説明した。ざっくりとしてるけど大体あってると思う。
「…?私、まだ死んでないはずだけど……だよね、ネルル。」
ネルギガンテが頷いた。…結構長い関係なのかな?
〈参考までにここまで来た経緯を御聞かせ願えますか?〉
「ん……と、空間の穴みたいなのができてて、それの調査を依頼されて調査に来たら穴の中に吸い込まれていつの間にかここに…」
「ルーパス達と同じか…そして死んだ記憶もない、と。状況は僕らと同じなのかな?」
「…まぁ、実際他の人よりは死に近いかもしれないけどね。」
ミラちゃんがそんなことを言った。…なんでか知らないけど、ミラちゃんのその言葉には力強い重みがあった。
(ミラちゃんって、一体…?)
「…ところでここは?」
「2004年の冬木、っていう都市らしいよ?」
「へぇ…燃えてるのは………なんか、嫌な予感がする」
とりあえず、所長が気を失ったまま戻らないし私達は霊脈の場所まで戻ることになった。…流石にミラちゃんに許可されたからと言って古龍の背中の上に乗って空を飛ぶのは怖かったけど……あたりを一望できたからいいかな。…すっごい燃えてたけど。
「……相棒。」
「ん?」
「…とてつもなく、嫌な予感がします。何か、大切なものを失ってしまうような……そんな予感が。」
「……」
ルーパスちゃんの目が鋭いものになっていたのと、私の直感が激しく警鐘を鳴らしているのに強い不安を覚えながら、私達を乗せたネルギガンテは空を翔けた。
キャラ別の過去に関してはまたいつか。これであらすじに出てたの全員揃いましたね。
冬木修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?
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狂戦士、魔術師、槍兵
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魔術師、裁定者、暗殺者
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槍兵、騎兵、弓兵
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弓兵、魔術師、魔術師
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狂戦士、騎兵、槍兵