狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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……

?「……」

……ぁ。

?「……」

あれ……ここは………

?「目覚めたか。」

……!星見の観測者。

星見の観測者「身体を起こすな。そのまま横にしていろ。」

……ねぇ。なんであなたが下にいるの?

星見の観測者「悪いか?」

その位置スカートの中見えそうなんだけど……

星見の観測者「例え見えたとしても君は気にしないだろう?君達の術式で隠されているのだから。」

いや気にするからね?流石に気にするからね?うまく身体動かせないからいまこのままだけどさ……

星見の観測者「ふむ…私の塔よりも高い場所に君を連れたが、君には不評だったか。」

……その前に、なんで私はここにいるの?

星見の観測者「何故、か。私が君の精神をここへ連れてきた。」

どうして………!

星見の観測者「理由などない。あるとするならば───君は少し休んだ方がいい。」

……休む?どうして?

星見の観測者「君の身体はボロボロではないのか?既に状態はかなり悪いだろう。」

体調は大丈夫だけど。

星見の観測者「私には分からないが…体調は大丈夫でも君の身体は既に限界を迎えかけているのかもしれないぞ?現に君は、身体の重みがずっと取れていないだろう。」

いつもの事だもの。身体が重いのなんていつもの事。

星見の観測者「最近は食欲もないのではないか?」

ないわけじゃないけど……元々、食に興味を持ってないからね。食事のタイミングとかは全く興味がない。

星見の観測者「時折全てがつまらなくなるというのはどう説明をつける?」

私が退屈だと思っただけ。一瞬とはいえ全てに飽きてしまっただけ。

星見の観測者「……そうか。まぁいい。いまはここでゆっくりしていけ。」

……何が目的?

星見の観測者「なにも目的ではない。君をここに連れてきたことで、既に私の目的は達せられている。」

……そう。

星見の観測者「大人しく星を見上げているがいい、創り手よ。」

…はいはい。


第135話 作戦を考えよう

「ねね、マシュちゃん。男女経験とかある?」

 

「あ、えと、いえ……」

 

「もしよかったら最初のお相手に───ぐべっ!」

 

オリオンさんが変な声を出したのは私が首の近く掴んだから。

 

「は、はなじて!ギブギブギブ!!!極ってる!」

 

「あ、ごめん……駄目だよ、オリオンさん。彼女さんがいるのに…」

 

「ごめんと言いながらまだ極ってる状態なんだけど!?はなじでぇ!!」

 

緩くはしたんだけどな……?と思いつつ私はオリオンさんを解放する。

 

「っは───窒息で死ぬかと思った。」

 

「私そこまで剛力じゃないよ?」

 

「いや…なんだろうね。剛力っていうか巧いっていうか…リッカちゃん、俺とお付き合いしな───いでで!!」

 

頭を掴んでアルテミスさんのほうに投げる。

 

「ありがとー!」

 

「うげぇっ、アルテミス!」

 

「人の恋路を邪魔するやつは巨人に蹴られて死んじまえ。恋の邪魔なんてしないよ、私は。」

 

〈それ元ネタじゃないぞ。確か“馬に蹴られて死んじまえ”が大元じゃなかったか?〉

 

あ、そうだっけ?

 

「でもよぉ…こいつ重いんだよ、色々と。いやめっちゃ重い、こんなぬいぐるみにはかなり負担が大きいんだよ。」

 

「でも…そもそもだけどオリオンさんってアルテミスさんだけじゃなくてエーオースさんやプレイアデス七姉妹とも恋に落ちてなかったっけ。」

 

「ギクッ」

 

「そしてエーオースさんが仕事が速い事を不審に思ったアルテミスさんと出会い、恋に落ちて……確かあなたの最後に愛した人がアルテミスさんだよね?最初の結婚者のシーデーさんはヘラさんの怒りを買って冥府に叩き落とされてるし…メロペーさんに関してはそもそもよく思われてなかったらしいし。」

 

「……リッカちゃん、もしかして俺の事好きだったりする?」

 

「というよりはギリシャ神話が好きなだけなんだけど……オリオンさんが浮気性みたいな感じなのは薄々気がついてた。駄目だよ、自分を想ってくれる女性は大切にしなきゃ。」

 

「……へい」

 

「ということで、オリオンさんのことはアルテミスさんに任せるね。」

 

「ありがとー!優しいね、アナタって!」

 

「別に…」

 

『先輩、遠い目をしてますが……?』

 

『大丈夫…うん、大丈夫。』

 

私が好きなのは相思相愛系だからね…それ以外が嫌いって訳じゃないけど。でも寝取りとかは苦手なタイプ。

 

「お幸せに、女神アルテミス。私が言ったとしても説得力なんてないけど。先生の言葉を借りれば……えっと。神よ、この者の幸福の加護ぞあれ───みたいな?」

 

〈その言葉……あの先生か。〉

 

「お兄ちゃん、知ってるの?」

 

「あぁ、俺も何度かお世話になった。人理取り戻したら会いに行ってみようぜ。」

 

その言葉にに頷いたとき、アルテミスさんが顔を上げた。

 

「決めた。リッカちゃん、私の信者になって!それでもって私とオリオンの結婚式の…神父さん?だっけ?それやって!!」

 

「はぇ?」

 

「いきなりなに言い出しやがるこの馬鹿!?」

 

「だ、だって…私そのものの幸せを考えてくれる子なんだもん。自分の事じゃなくて私の事を。ごく少数なんだもん、そんな人!」

 

えーっと……まず訂正からかな?

 

「一応、結婚式の挙式で愛を問いかけるあの人は神父さんじゃなくて牧師さんね。あと頼むなら私じゃなくて先生にお願いした方がいいかも。」

 

「どうして?」

 

「あの先生、お父さんが神父さんでお母さんがシスターさんなんだよ。で、お母さんのお父さん、つまり先生からすればお祖父さんにあたる人が元牧師さんなんだって。」

 

〈……おい、そんな話初めて聞いたぞ。つーか話していいのか、それ。〉

 

「先生は良いって言ってたけど。というか、お祖父さんが暇そうにしてるから挙式とかするときは任せてって言われたくらいだし。」

 

〈お、おう…〉

 

「ふんふんふん……ともかく、覚えたよ!アナタまだ処女みたいだし、祝福いっぱいあげちゃう!」

 

「あ、うん……」

 

「先輩が神様に気に入られてしまいました……」

 

「……処女ってばらされた………」

 

〈気にすんな。処女だろうが非処女だろうがリッカはリッカだろ。〉

 

うん…それはそうなんだけど。そうなんだけど……うん。そこまでフォローになってない気がするの気のせい?

 

「……?アナタ……」

 

「?私?」

 

ミラちゃん?

 

「アナタ……色々と()()()()()?処女のようだけど……普通の人間じゃない。人間、呪詛、加護……だめ、読み取りきれない。少なくとも7つくらいの何かが混ざりあって融け合って1つの存在としていまここに存在してるみたい。そんな状態で、よく存在意識を保ててるとおもうほどよ。辛く、ないの?」

 

「……別に」

 

「そう……」

 

混ざってる、ってどういうことだろう…

 

リッカ様、マシュ様、オリオン様、アルテミス様、ミル姉様、どうぞ。

 

エスナさんが私達にお茶を持ってきてくれた。

 

ありがとう、エスナさん

 

いえいえ…

 

「ねぇねぇ、エスナちゃん。よかったらこの後───」

 

はい?

 

「───愛している人がいるのに私の妹に手を出したら容赦しないよ?」

 

「───はい。」

 

あ、ミラちゃん怒らせちゃだめだ……特に家族関連で怒らせちゃだめなタイプだ。オリオンさんに思いっきり威圧と火を向けてる。

 

あの……何を言われたのかさっぱり……

 

気にしなくても大丈夫だよ、エスナ。

 

そ、そうですか…

 

「……こうしてみると、ミラちゃんの方がお姉ちゃんって感じするよね。」

 

「はい。容姿的にはエスナさんの方が年上に見えますが、実際の年齢と言動はミラさんの方が年上ですね。」

 

それにしても…

 

「もしも、私が男の子だったら…マシュをお嫁さんにしてるんだろうなぁ…」

 

「そうです───ふぇっ!?」

 

〈惚気か?〉

 

「もしもの話だよ。お兄ちゃんも自分が女の子だったらとか考えたことないの?」

 

〈…まぁ、なくはないが。もしそうだったら俺はロマンやムニエル、後はギルとかを婿にしてるっつーの。〉

 

〈ボク!?〉

〈俺ェ!?〉

 

お兄ちゃん、さすがにギルは辛いんじゃ…って言いたいところだけど確かギルはお兄ちゃんの事結構気に入ってたね。

 

〈あ、ちなみに性転換術式なんかも開発中だからやろうとすれば出来なかねぇぞ。〉

 

「ほんとお兄ちゃん趣味で色々作るよね…」

 

私が持ってる魔術礼装ってほとんどお兄ちゃんの趣味で作られたものだったりするし。

 

「あ、そうだリッカちゃん!祝福、何がいい?世界で3番目の弓の腕とか?」

 

弓かぁ…一応ルーパスちゃんやエミヤさんに習ってるんだよね。あとルーパスちゃんが持ってる弓はほとんどが重すぎて引けない。ルーパスちゃんもリューネちゃんもそこまで筋肉質ってわけじゃないのになんで引けるんだろう?それにしても欲しいものかぁ……

 

「…新たな出会い?」

 

「オリオンはあげないっ!」

 

「いやオリオンさんはアルテミスさんのでしょ……?」

 

「あははははっ!面白ーい!」

 

そんな話をしてる最中、ミラちゃんが呼ばれた。着いていっちゃだめ、って感じでもなかったから私も一緒に着いていく。

 

「さて…と。ヴァイキングの海図が役に立たなくなる頃合いだ。それはいいんだが…問題は糞髭のやつさね。」

 

「一応いまの設備を説明するね。撃龍槍1門、これはまだ動力が足りないから使えない。次に大砲に付与した各属性刻印は限界突破最大のLv.30、総合属性値は60+30+30+30+30+30+30+30+30+100+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40+40で1200に到達するよ。その大砲が各属性につき5連砲台となって1門ずつ、1回撃つだけで6000もの属性値攻撃になる。」

 

うっわぁ……

 

「衝角には紅魔属性の属性刻印をセット、同じく限界突破最大のLv.30。そこに加えて属性倍率強化刻印Lv.5、属性値1.5倍で火属性2700、龍属性900。さらに反応術式として炎王龍と炎妃龍のとある技の術式をセット。反撃障壁は前回よりも強固に、強烈に。それと───」

 

ミラちゃんがアイテムボックスから弾倉を取り出した。

 

「以前言っていた弾丸の製造がやっと安定したの。これで他の海賊達もサーヴァントにダメージを与えられる。」

 

「へぇ……結構準備を整えたじゃないか。」

 

「属性付与に関してはエスナの力があってこそだよ。たった1人でLv.30の付与刻印ができるのなんてそう多くない───無論、()()()()()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()。言ったでしょ、付与に関してはエスナの方が上だって。」

 

そういうことだったんだ…

 

「バリスタ、速射砲、固定型竜炎砲台、反撃のドラなんかの運用はリューネさんとアイルー達に任せた。…私からの報告は以上。」

 

「ふむ…どう進むのがいいかね。総督、何か案はあるかい?」

 

「我に答えを求めるか?まぁ、よいが。」

 

そう言ってギルは海を見つめた。

 

「海には基本的に障害物などない。沈没船や珊瑚礁、氷山などは除いてな。だが、既にそれらがないことは我が確認済みだ。ミルド、1つ聞くがナバルデウスとやらはどんな龍なのだ?」

 

「ナバルデウス───別名、大海龍。古龍種の一種で超大型古龍と呼ばれる存在の一体。ゾラ・マグダラオスもそんな古龍の一体だけど。」

 

「ふむ…超大型、と言ったな。どのくらいの大きさなのだ?」

 

「ナバルデウスは大体6000cm前後。ゾラ・マグダラオスは大体20000cm以上。ルーパスさん曰く、ルーパスさん達の世界で村を守るために戦ったナバルデウスは全長5837.2cm、新大陸古龍調査団5期団として追ったゾラ・マグダラオスは全長25764.59cmっていう話。」

 

お、おっきい…

 

「話を戻すね。ナバルデウスは元々攻撃的じゃないけど、外敵と判断した場合には積極的に排除を試みるような性格をしてる。恐らくこの海にいるナバルデウスは私達を外敵と認識してる可能性が高い。そして、ナバルデウスは水中からあまり出てこない関係上、必然的に水中戦になる。リッカさんの直感に従えば、ナバルデウスと出会うのはまだ先だから段階的な船の強化を施してる。」

 

あ、修理中に聞かれたのってそれだったんだ。

 

「そうなのかい。……それにしても、段階的?一気にやっちゃだめなのかい?」

 

「んと……正確に言えば、この船そのものを作り替えてるの。“ただの船”から“魔力を持つ船”に。船の建材である木材に魔力を染み込ませて、術式の補助になるのが主な目的。ただ、この魔力の量を一気に込めすぎると……実際に見せた方が早いか。」

 

そう言ってミラちゃんは木の棒をアイテムボックスから取り出した。

 

「これはさっきの森にあった木の枝の一部。これに私の魔力を注ぐと───」

 

ボンッ、と木の枝が爆発した。

 

「……こうなる。反撃障壁みたいに表面に展開するのとは訳が違うの。獣魔特有の素材───鱗とか皮とかは、結構魔力に耐性があったり元々魔力を持ってたりするからさっきの枝みたいに即座に使い物にならなくなる訳じゃない。だけど鉱石、木材、果実、虫───天然環境由来のものだと耐性が0に等しいから、少し多く込めただけで使い物にならなくなる。だからこそ慎重に扱わないといけないの。」

 

「なるほどねぇ…するとなんだい、技術顧問サマの杖はそれが出来てるってのかい。」

 

「まぁね。この行程を魔力性質同調処置って言うんだけど…この方法も3つあって、1つはいま私がやっているじわじわと魔力を注ぐ方法、通称“魔力調質”。2つ目が作るときに魔力を混ぜ混む方法、通称“加工時魔力含有”。そして3つめが使()()()()()()()()()()()()()()方法、通称“常時適合魔力加工”。」

 

「体の一部……だってぇ?」

 

ミラちゃんはその問いに頷いた。

 

「3つめの方法で作られたものは使い手にとってよく馴染む武具になる。当然と言えば当然、使い手の魔力を使って作られているんだから。武具に使用した体の一部は素材に魔力を馴染ませる楔となり、また使い手本人と共鳴する。ただ…高いんだよね。作るのにかかる金額。当然といえば当然、既にある武具と違ってこの方法で作られるものは世界に1つしかない一品だもの。」

 

「オーダーメイド、というやつか。それは高いであろうな。しかし、その値段はいかほどなのだ?」

 

「まぁ、作る人と使用する素材にもよるけど…ルーパスさんが着てたレザー一式、覚えてるよね?」

 

「む?うむ。」

 

「それに最初の杖であるアイアンロッドIを加えて全部常時適合魔力加工で作ってもらうとすると……そうだね、あれ普通に生産すると700z(ゼニー)位なんだけど…まぁ、3500zから7000zくらいは平気でかかるよ。」

 

「うげぇっ!?5倍から10倍!?騙されてるんじゃないのかい、それ!?」

 

「それ、海賊の貴女が言うの?言ったでしょ、人によるって。5倍から10倍が相場ってだけで本来の生産価格より少し高い金額で請け負ってくれる人もいれば、その1000倍近い金額を吹っ掛けてくる人だっている。それにこの加工って結構難しいんだよ?さすがに1000倍はやりすぎだけど、5倍から10倍程度ならむしろ当然。」

 

「……でも、そこまでして求める理由ってなんだい?ただ馴染むだけだろう?」

 

「馴染むだけ…ね。」

 

そう言いながらミラちゃんは槍を取り出した。

 

「まぁ、いまの説明だけだとそう思っても仕方ないけど。こればかりは体験してみなきゃ分からないかなぁ…話を戻すね、反撃障壁を展開しているとはいえ、それだけでナバルデウスの攻撃を防げるとは思えない。だから、内面の強化のために魔力調質をしてる。魔力調質が終われば───」

 

「……終われば?」

 

「……化けるよ、この船は。」

 

「へぇ…信じていいんだね?」

 

「もちろん。魔力調質自体は何度かやったことあるし。英雄王、私からの話はこれくらいでいい?流石に疲れたんだけど。」

 

「ふ、別に構わぬが貴様はいつまで我を英雄王と呼ぶ?貴様もマスター共のように“ギル”と呼ぶがいいというのに。」

 

「少なくともいまはお断り。速く話を進めよう?」

 

「むぅ……そうであるな。速度はこちらの方が上、ならば混乱に紛れて突っ込んではどうだろうか。」

 

「混乱、ねぇ。いいね、最高に楽しそうだ。」

 

「海の災いと言えば嵐だが…ミルド?」

 

「嵐龍“アマツマガツチ”や風神龍“イブシマキヒコ”、鋼龍“クシャルダオラ”がいる。ただ、直接的に嵐を引き起こせるのはアマツマガツチだけかな。」

 

「マジで!?い、いや、やめておこう。海を好きに弄っちゃいけない、嵐の王に怒られちまう!」

 

それを聞いてミラちゃんは小声で“アマツマガツチって天の神とかって呼ばれてたりもするんだよね…”って呟いてた。天の神って……

 

「ふむ、海賊にとって縁起は重要な意味を持つ、か。」

 

「当然だろう?海に生きるものにとって毎日が死の淵みたいなもんさ。良い縁に恵まれてなきゃいま生きてられるかすら定かじゃないんだからさ。」

 

「そういうものか。ならば───」

 

「はいはぁい!作戦なら私達女神~ずにお任せ♪」

 

「うぷっ───」

 

「だ、大丈夫?ギル。」

 

「……大丈夫よ、問題ない。」

 

「いやそれ前も誰か言われてたような……」

 

そういえばギルって神様嫌いだっけ?でもエウリュアレさん大丈夫だったよね。ステンノさんは…まぁ、何かしたらしいけど。

 

『……心配そうな顔をするでない……と言いたいところだが。すまぬ、マスター。酔い止めとか言うものはないか。』

 

『酔い止め?あるけど…使う?』

 

『すまぬ、頂こう。吐いてはいないゆえ、そのまま飲ませるがいい。』

 

私はギルに酔い止めを飲ませ(ちゃんと水も飲ませた)て、元のように座らせる。

 

「…で、案とはなんだ。」

 

ギル、まだ顔が青い…大丈夫かな。

 

「あのねあのね?遠い時はエウリュアレちゃんに矢を撃ってもらって、同時に私が相手の船で暴れたら良いと思うの!」

 

「───」

 

───え?

 

「あ、ダーリン!AUOが私の事ゴミを見るような目でみてくる!」

 

「貴様、脳筋であったか……?」

 

「えっとさ…アルテミスって(オリオン)として召喚されてる───つまり俺が本体な訳なんだけど。それで俺の能力も使えるわけ。それが───」

 

「水の上を歩けま~す!それだけ!!」

 

「それだけって言うんじゃねぇ!!」

 

「───よもや、海神の息子としての能力がそれか?」

 

「あぁそうですよこんちくしょう!!俺だってもっとかっこいい能力欲しかったよ!!」

 

「いや、結構便利だと思うよ?水の上を歩けるって陸と同じ動きが出来るようになるってことでしょ?水の上を歩けるだけで行動範囲結構広がると思うんだけど。」

 

「リッカちゃん……好き!結婚しt───ぶぎゃ!」

 

近づいてきたオリオンさんを掴んで即座にアルテミスさんに投げ返す。軽めに投げてるから痛みはないと思うんだけど。

 

「まったく、女の子は大事にしなきゃ。」

 

「───ふぁい。」

 

「大変だね、アルテミスさんも。」

 

「う、うう~ん……でもオリオンだから大丈夫!私はオリオンの事大好きだもん!」

 

「ふむ。まあいい。切れるカードも増えた…我も一手打つが、もう一手欲しいところよな。」

 

〈……ならば、私が出よう。〉

 

通信から聞こえた声。それは確か───

 

「やだ、アタランテ!?アタランテなのね!?」

 

〈……はい、アルテミス様。〉

 

なんか……声が疲れてる

 

〈船へ向かう際、アーチャーたるアルテミス様を私が護衛しよう。マスターと英雄王の同意を得たいのだが───良いだろうか。〉

 

「私は…いいけど。」

 

「我もよい。しかし解せぬ、アーチャーたる貴様がアーチャーたる者を守護するとは。一体どういう理屈で成り立つ?」

 

〈あぁ…話していなかったか。実は、私にはもう1つ宝具がある。〉

 

「ほう。」

 

〈私自身、なぜこれを持っているのか不明だが…狩人として使えるものは使うべきだろう。〉

 

「…アタランテさん、ルーパスちゃんに染まってきた?」

 

〈…かも、しれないな。彼女は同じ弓使いとして、同じ狩人として目標にもなり得る人物だ。狩猟の女神であるアルテミス様の方が腕は上だとは思うが…実際のところどうなのであろうか。〉

 

「ふーん…その子、どんな子なの?気になる!オリオンを狙うようだったら警戒しなきゃだし!」

 

〈どんな子、ですか。そうですね…リューネ、どう答えれば良いだろうか。〉

 

「なぜ僕に聞く。」

 

〈君の方がよく知っているだろう?〉

 

「そうは言ってもな……そうだね、元気で優しい子、かな?」

 

「ふーん……要注意した方がいいかも。」

 

ルーパスちゃん今はいないんだけど……大丈夫かなぁ。くしゃみとかしてないといいけど。

 

〈ともかく、そのもう1つの宝具を使えば護衛は容易いだろう。アルテミス様の祝福と令呪が1画あるとなお良いのだが…〉

 

「もちろん良いよ~!でも、後でそのルーパスって子の事詳しく聞かせて?」

 

〈は…はは……はい。…マスターはどうだろうか?〉

 

「私も大丈夫。使う時に使わないでどうするんだろ。」

 

「あっはっは!さて、役者は揃ったね!それじゃああの糞髭に復讐といこうじゃないかい!」

 

その言葉で黒髭さんを本格的に探して動き始めた。ギルはと言えば……

 

「………」

 

「だ、大丈夫…?」

 

「……うむ。我は大丈夫だ。大丈夫だ、問題ない……」

 

〈無理はするな、英雄王。恐らくはアルテミス様が原因でそうなったのだろう。こちらで私ができることならやろう。何をすれば良い?〉

 

「……贋作者の料理を───軽食でよい、よこせ。すまぬ、少し口直しをしたいのだ。」

 

〈分かった、エミヤに頼んでこよう。〉

 

「迷惑をかける、アタランテよ…」

 

……本当に大丈夫かなぁ。ちなみに送られてきたのはサンドイッチだった。




私は一体何者なのだろう。

私はなんのためにいるのだろう。

私は───

───あぁ、そうだ。

私は“私”だ。

(ぼく)(わたし)で、(おれ)(わたし)で。(じぶん)自分(わたし)で、自分(わたし)(じぶん)

自分(わたし)の欠片を持つ、目的のない(じぶん)

何かを作るための基礎構成(フォーマット)

私は私の全てを知った。

私は私の運命を知った。

私は。

あぁ。

あぁ…どうか。

どうか、私を───



───殺してください




星見の観測者「っ!?」

…あ、起きた。

星見の観測者「今のは……」

……どう、したの?

星見の観測者「…なんでもない。気にするな。」

そう……

星見の観測者「……1つ、聞こう。」

うん?

星見の観測者「君は殺されたいと願ったことはあるか?」

………どうして?

星見の観測者「不思議な夢を見た。人の声だけがし、最後に自分を殺せと言う夢だ。私が見た夢で聞こえた声は───君の声だった。」

………そう。

星見の観測者「答えろ。君は殺されたいと願ったことはあるか?」

ない。それは適当に組み上げたちょっとした機構によるものだよ。

星見の観測者「…なに?」

自殺志願ジェネレータ……気まぐれで組んだやつ。それが作動したんだね。

星見の観測者「…何故そんなものを作った。」

さぁ。私もよく分かってない。

星見の観測者「…君は、時折変なことをするな。」

たまに言われる。

オケアノス終了後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 騎兵、槍兵、弓兵
  • 弓兵、弓兵、弓兵
  • 暗殺者、裁定者、剣士
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