狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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……ねぇ、星見の観測者。

星見の観測者「なんだ?」

私はいつまでここにいればいいの?

星見の観測者「この週くらいはいるがいい。」

そう…着替えとかどうすればいいの?

星見の観測者「……君は着替えてるのか?」

こっちでも着替えてるよ?同じデザインの服装多いだけで。

星見の観測者「そうか。……明日までに用意しておこう。」

あ、うん…


第136話 氷結と大爆発

「……ん?お。おーい、船長。奴さんたち、またおいでなすったぜい。」

 

黒髭の船。その船に乗る一員、緑のランサー───ヘクトールがそう声を上げる。

 

「んん?BBA来たの?……ん~?勝ち目がないと見て捨て身の特攻ですかな?」

 

「………あのフランシス・ドレイクとギルガメッシュ、そしてあの王女が意味のない特攻……?」

 

「確かに船底に大穴を開けたはずなのですが。手を抜きました?」

 

「いや、んなことしてねぇさ…だが、気になるな。」

 

「…?何が?」

 

「連中、特攻っていうんならそのまま突っ込んできておかしくねぇ。この船を中心に回ってやがる。船長、警戒はしておいた方が───」

 

「エウリュアレ氏!はやく拙者の胸に飛び込んでくるでござるよ~!!」

 

「───ダメだこりゃ。聞かねぇか。」

 

「殺したらもとに戻りますでしょうか。」

 

「ダメだよ、アン。こいつまだ使い道あるんだからさ。せめて半殺しまでで───」

 

 

ヒュンッ

 

 

「「「「─────えっ?」」」」

 

黒髭の顔すれすれを何かが通ったと同時に───

 

 

グシャッ!ガリガリガリガリ!!

 

 

「うわぁっ!?」

 

「メアリー!」

 

「わわわわ、おおおお落ち着くでござる落ち着くでござるおちおちおちちおちおちけつ!!」

 

「座礁───!?いや、そんなはずはねぇ!今までこの海域に障害物なんざ───!!!」

 

 

ドスッ!パキパキパキ───

 

 

その時ヘクトールは見た。船に刺さった氷、その氷の起点───

 

「───マジかよ。」

 

いくつもの光が海に落ち、その場所から氷の塊が現れる。

 

「ヘクトールおじさま……?」

 

「嘘だろ……」

 

「一体何を見たって言うのさ?」

 

「聞いたこともねぇ。そもそもそんなもんが存在してたまるか!───()()()()()()()()()()()()()()なんてよ!!」

 

 

 

side リッカ

 

 

 

「……外してしまったわ。いえ、無意識に外してしまったのかも…なんというか……矢が汚れる、みたいな。」

 

「ま、真面目にやってくださいませんか!」

 

「うるさいわね!そもそもあの王も外しまくってるじゃないの!」

 

そう言われてギルの方を向く。

 

「我はこれで良いらしいがな。」

 

「まぁイヴェルカーナの力を引き出して放たせてるから人に当たるのはちょっとね。」

 

氷妖イヴェリア───イヴェルカーナの素材を使用した弓って聞いたことがある。標準スペックは鋭利336、精密0、氷属性値240…だっけ。本来今使ってるような力はないらしいんだけど、ミラちゃんがちょっと特殊な処置を施したらしい。

 

「しかし、ミルドも無茶をする。素材になった者の力を強制的に引き出すなど。」

 

「あまりやりたくないんだけどね。嫌われる要因になるから…ただ今回は結構非常事態だから、かなり謝って力を貸してもらった。」

 

「ふむ…しばらくこの弓を持っていたのはそれが理由であったか。」

 

そう言いながらギルがまた弓を引いて矢を放つ。放たれた矢は黒髭さんの船の近くに落ち、氷塊を作り出す。

 

「…しかし、我は基本的に倉から財を放つだけであるが、弓を使って放つというのも存外よいものだな。」

 

「結構遠距離武器好きな人はいるよ。私もその部類だし…さてと。」

 

ミラちゃんが船長の方を向いた。

 

「そろそろ行けるよ、船長。反応術式の調整も万全。」

 

「あい分かった、野郎共!取り舵一杯、あの糞髭の船のどてっぱらに大穴開けてやりな!!」

 

「「「おおーーー!」」」

 

 

 

side 三人称

 

 

 

「HEY、同士諸君!エウリュアレ氏の矢に中ったら即座にぶち殺すから覚悟してね♪」

 

「へ?船長、何言って───」

 

そう言っている途中にその船員にエウリュアレの矢が刺さる。

 

「───あぁぁ!!お前らぁ!エウリュアレ様のために死ねぇ!」

 

「はいアウト~♪」

 

直後、黒髭の持つ銃が火を吹く。その火を吹いた先は、矢に中った船員。

 

「───え?船長…なん…で……」

 

「指示の通らないやつは要らないんだよね。ま、いいや。残ってる奴ら、死にたくないなら矢を避けながら聞きなよ。エウリュアレ氏の矢は魅了の矢。それに中ったってことはエウリュアレ氏の操り人形になるって訳。つまり拙者の船にいながら拙者の敵になるんだよね。…で、次は誰?」

 

「あ、当たりません!ぜったいに───ぐあっ!」

 

別の矢に中った船員が中った場所から凍りついていく。その光景に、普通の船員のみならずサーヴァント達も絶句した。

 

「───アン氏!あいつら撃てる!?」

 

「無理ですわ!不安定すぎてまともに射撃などできません!」

 

「アーチャーにこんな滅茶苦茶なやつがいたなんて……!予想外だ!!」

 

「船や人間凍らせる矢とかヤバすぎでしょ!何、BBAおこ?激おこぷんぷん丸なの??」

 

そう誰にともなく問いかけた直後、上空に影。

 

「はぁい、立て続けでbad news♪」

 

「上───誰ぇ?」

 

「アルテミスですっ!全員射殺しちゃいます♪」

 

光の矢がばら蒔かれ、船員を貫き無力化していく───

 

「魅了されて船長に殺されるのと、氷漬けにされるの。それから私に殺されるの、どれが一番楽かしら…?」

 

「ぐぇぇっ!」

 

「メアリー氏!」

 

「分かってる!アーチャーなんて、近づいてしまえば!」

 

メアリーが駆け、アルテミスに迫る。

 

「ん~…それは確かに困っちゃう。だから───」

 

その瞬間───氷から船へと、魔獣が乗り込む。

 

「───!?」

 

「よろしくね~♪アタランテ。」

 

麗しの狩人アタランテ───しかしそこにいたのは麗しの狩人ではない。

 

「───我が真名、アタランテ。だが…今の私はただの獣だ。夢も現もよくわからない───それでも。今はただ、アルテミス様を守護するために───」

 

宝具名“神罰の野猪(アグリオス・メタモローゼ)”。アルテミスの神罰として都市国家カリュドーンを襲った猪の皮を身に纏うことで存在を変貌させる宝具。

 

「若干信仰の方向性と尊敬を見失いかけたこの衝動!とりあえずマスターの道を阻む貴様達にぶつけてくれる───!!!」

 

………まぁ。ただの、八つ当たりである。

 

 

ところ変わって、黒髭の船の火薬庫。

 

「フォーウ……」/『これはここで……こっちはここかな』

 

 

ヒラヒラ……

 

 

『え、違う?こっち?あぁ、うん…こっちにやっておけば被害は大きくなるのね。了解了解。』

 

フォウ、オリオン、そして紅い蝶の三匹が火薬庫で細工をしていた。

 

「……あんた、そんなキャラなの?可愛いのは見た目だけって感じ?」

 

『随分と失礼だね。この程度のいたずら、可愛いものじゃないか?人理の崩壊とかに比べればさ。』

 

「いやそうかもしれないけどさ…てことはあれか、あんた悪戯小僧みたいな感じか。」

 

『せっかく得た生だ、色々やりたいんだよ。…まぁ実際のところ、出番が少なくて暇なのさ。これくらいやってもいいと思うけどね。』

 

「さりげなくメタい…まぁメタいかもよく分からんが。つうかこの蝶便利だな。」

 

『ミラが作り出した使い魔みたいなものだね。言葉は話せないけど感覚は繋がってるらしいし、こっちの声も聞こえてるだろうね。』

 

「マジで……」

 

『……まぁ、出番が欲しいなんてのは建前に過ぎなくてさ?ボクだって何かしてあげたいのさ。最後に何があるとしても、いまは皆の仲間には変わりないんだし。』

 

「……アンタ……そういう話しはタイマー起動する前にしない?」

 

「ファーッ!?」/『やっべぇやらかした!?爆発オチなんてサイテー!逃げろぉぉぉ!!!』

 

「早ぇ!?ちょっと待って見捨てんなーーー!!」

 

紅い蝶は呆れたように揺れてからオリオンを魔力で出来た紐みたいな何かで縛り、そのまま出口へと飛んだ。

 

 

そして場所は戻って甲板。

 

「私は───負けぬ!」

 

メアリーが弾き飛ばされる───

 

「例え信仰していた女神が恋愛脳(スイーツ)だったとしても!」

 

ヘクトールの槍が捌かれる。

 

「くそったれ!」

 

「それが高じてオリオンとして顕現していたとしても!」

 

アンの銃撃は弾かれる。

 

「───私の信仰に揺らぎはない!例え、反転したとしても───ウォォォォ!!」

 

獣の咆哮が周囲を揺らす───!!

 

「私の信仰心は変わらない!理不尽な現実を直視して、私は進む───!!」

 

「何言ってるでござるかこの人───!?」

 

……まぁ、なんというか既に壊れかけである。

 

「待たせたな、アルテミス!!」

 

『フォォォォォウ!!!』

 

オリオンは蝶に連れられて、フォウは駈け出てくる。

 

「なんでござる?あの小さいの…………小さい?」

 

その瞬間、全てを悟った黒髭とヘクトールが叫んだ。

 

「あぁそういうことかよ!チクショウ!」

「全員伏せろ!爆発するぞ!!」

 

「え───」

 

「爆発……!?」

 

直後轟音───船室が吹き飛び、黒煙が上がる。

 

「ダーリン、お疲れ様!フォウくんもお疲れ~!」

 

「し、死ぬかと……!」

 

「貴様ら───!!」

 

「アホやってる場合じゃねぇ!“本命”が来るぞ!!」

 

「本…命?」

 

「ヌルフフフフ!1度言ってみたかったんだよねぇ!───総員、ショック体勢を取れ!!」

 

黒髭の見つめる方向。速度を上げて突進してくる黄金の鹿───その先頭に立つ白髪の幼女と()()()()()()()()2()()()()───!

 

 

 

side リッカ

 

 

 

風の弾幕を炸裂させて速度を上げる。ミラちゃんはそう言った。事実、この船はかなりの速度を出せている。

 

「……さてと。それじゃあ皆さん」

 

ミラちゃんが振り向いた。

 

「まもなく激突します───それではご唱和ください!」

 

その言葉に赤いライオン───炎王龍“テオ・テスカトル”と青いライオン───炎妃龍“ナナ・テスカトリ”が飛ぶ。ナナ・テスカトリは青い炎を放ちテオ・テスカトルは赤い炎を放つ───2匹の絆を表すイチャイチャ行動。ミラちゃん曰く“王の星と妃の想は爆発する(ヘルスター・エクスプロード)”、またの名を───

 

「「「「「───“愛せしリア獣達が爆発する(カップリング・エクスプロージョン)”───!!!」」」」」

 

その叫びと共に衝角が船にぶつかり、テオナナ夫妻の爆発と一緒に反応術式に設定された“王の星と妃の想は爆発する(ヘルスター・エクスプロード)”が炸裂、大爆発を起こす。

 

「ったく、派手にやるねぇ……!」

 

テオナナ夫妻が爆発を終えてミラちゃんのもとに戻ったのをみて、私は声を張り上げる。

 

「ゴキゲンヨ、エドワード・ティーチ=サン!藤丸リッカです!」

 

「ドーモ、藤丸リッカ=サン!エドワード・ティーチです!やってきましたな、ある意味でライバルになりそうな同士が!」

 

「うん!大海賊にして世界一有名な黒髭=サン!今こそ私達のカルデア=ジツで貴方をサンズ・リバーまで吹き飛ばす!」

 

「ウカツ!やってみるでござるよ、このマジでヤバいカイゾク=クランに通じるならば!」

 

「ウカツは貴方!そもそも私は一人じゃない!」

 

「にゃに!?」

 

「アタシを忘れるなんていい度胸だ糞髭!リベンジ果たしに来てやったよ!!」

 

「げぇ、BBA!!」

 

「ハイクを詠むがいい!私がカイシャクしてあげよう!!」

 

「先輩!?先輩ー!?」

 

 

〈…ダメだこりゃ。完全にテンション限界突破してるわ。〉

 

「まぁよいではないか。見よ、マスターの光のなかった目に光があるように見える。それだけでもよいだろう。」

 

〈まぁなぁ…〉

 

「……貴方は行かないの?偉そうにしてたくせに。」

 

「我は出ることがないだろう。恐らくではあるが。」

 

「……ご機嫌よう、王女様?」

 

「……ご機嫌よう。さぁ、始めましょう?」

 

「えぇ───遠慮なく。」

 

船の各地で戦闘が動く───




星見の観測者「創り手よ。」

うん?

星見の観測者「君は私が嫌いなのか?」

なんで?

星見の観測者「ふと思っただけだ。」

…別に嫌いじゃないよ。

星見の観測者「ふむ。」

今まで関わり避けてたのは不定形な未来に干渉したくなかったから。私が、貴方が干渉したことで何かが変わるのはいやだもの。

星見の観測者「…そうか。」

オケアノス終了後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 騎兵、槍兵、弓兵
  • 弓兵、弓兵、弓兵
  • 暗殺者、裁定者、剣士
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