狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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星見の観測者「創り手。」

ん?

星見の観測者「これを。」

……これ…

星見の観測者「君の着替えに用意したが…不満か?」

いや……ありがと、星見の観測者。

星見の観測者「別に構わない。」

……ただ、ドレスもらってもなぁ……使う可能性がちょっと…

星見の観測者「………そうか。」

でも、ありがと。


第137話 海賊と王女

「そらぁっ!!」

 

メアリーさんの攻撃───それを氷で作った剣で捌く。

 

「……」

 

「くっ…アン!!」

 

私が氷を侵食させてメアリーさんを止めた直後、アンさんの銃撃が私を襲う───

 

「……遅い」

 

でもそれは加速中の私には遅い。氷の剣を手放し、氷の剣を持っていた左手とは別の手に握った剣を銃弾に振り抜く。

 

「もう───滅茶苦茶ですわね!銃弾を斬るだなんて…!」

 

「ていうか…!刀身が見えない剣とか面倒すぎる!」

 

少し距離を取ったのをみて私は氷の剣を再生成する。左手に剣、右手にも剣───“二刀流”と言われるスタイル。左手の氷の剣はイヴェルカーナの尻尾と同じような形式で作られてる剣で、右手の刀身の見えない剣はオオナズチの素材を使って作られたロングソード“ファントムスライサー”。まだ最終強化じゃなくて、最終強化すると“幻想長剣ファンタジア”っていう銘になる。

 

「こんのぉ!!」

 

カトラス、って言ったっけ。それが私に叩きつけられて、それを右の剣で受けた直後に銃撃音。

 

「分解」

 

呟きに呼応して左の剣が破砕、私の近くに再び集まって氷の盾となる。

 

「あぁもう面倒くさいなぁ…!」

 

「手加減でもしているのです?気に入りませんわ、その余裕ぶり。」

 

「加減…か。」

 

正直な話、既に気力が抜け始めてるって言うのがあるけれど。加減…まぁ、制限かかっている状態がそもそも加減してるようなもの。出来るだけ魔力消費したくなかったんだけど…まぁ、いいか。

 

「開け、アイテムボックス───ロングソード“ファントムスライサー”を格納、杖“サモンロード・祖龍”を装備。流石に一気に行く。」

 

サモンロード───そもそもの話、これは武器の固有銘じゃない。“サモンロード”っていうのは私しか持っていない特殊な素材を使った武器のこと。武器を生産するときに他の獣魔の各素材を組み込むと素材が変質して別の性質を持つ武器として成立する特殊な武器群の一種。百竜強化と似ているけど、少し違う。この杖は、()()()()()()()()()()()()()()()()()するもの。素材組み込みのない、空っぽのサモンロードでも一応生産はできる。けど、問題は()()()()()()()()()()()()()()()()()()こと。私以外の魔力で常時適合魔力加工生産をすると、そのサモンロードは使い物にならない。以前、その素材を加工屋に提供して、他の召喚師用のサモンロードを作ってもらったことがあった。…結果は、どれも失敗。まるで素材自体が私の魔力以外を拒絶しているかのように使い物にならなくなった。それはまるで、御伽噺に出てくる龍の武器のように。御伽噺によれば、その龍は自らが認めたもの以外に自らの一部を使った武具を使われるのを拒んだという。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()───故に、その時担当してくれた加工屋の人と私、そしてギルド長はこの武具達にこんな名前をつけた。純白の龍の王が認めし者にのみ許された伝説。原初の王の力を秘め、原初の王そのものである武具───“ロードシリーズ”と。いつも使ってるのは泡狐竜のだけど、今回は祖龍ので行かせてもらう……!

 

「赤雷───召鳴!!!」

 

祖龍の赤雷───それがメアリーさんを襲う。

 

「うあぁぁぁっ!?」

 

「メアリー!」

 

「レーッ!!」

 

束縛術式でメアリーさんを縛り、赤雷を基礎として生成した赤雷弾がメアリーさんを襲う。

 

「この───メアリーを放しなさい!」

 

銃撃をかわし、杖を振ってメアリーさんをアンさんの方へ吹き飛ばす。

 

「貴女に私の射撃を見せてあげるよ。───展開、龍属性砲門120。」

 

私の式句にメアリーさんとアンさんを囲むように茶色の波紋が展開される。その数、120。

 

「「………!」」

 

「叛逆者にそこまで興味はないし、海賊にもそこまで興味はない。けど、敵として立ちはだかるなら別───全力ではないとしても、叩き潰すのにそこまで抵抗はない。」

 

私が杖を振ると、砲門から属性弾が放たれる。

 

「くっ……!」

 

それを見たアンさんは手負いのメアリーさんを庇う。

 

「………!うぁぁぁぁっ!!」

 

「アン!!」

 

弾幕が肉体を抉り、撃ち抜き、属性が肉体を侵す。周囲は血に塗れ、赤色に染め上げていく───

 

「……はぁ……はぁ………」

 

単発術式でセットしていた弾幕は役目を終えたものから消滅していき、そこには血塗れになったアンさんとメアリーさんが残る。

 

「……これが、私の力だよ。確かに戦術や地の利は貴女達にあるかもしれない。でも、私にはそれを真っ向から叩き潰す膨大な魔力量と状況に対応する応用がある。」

 

「……まさか、ここまで違うだなんて。」

 

「魔力量だけで押し込まれるとか───なんてバカ魔力だよ……!」

 

カトラスは刃が粉砕され、銃は発射機構が壊れてる。既に戦う方法は───ないに等しい。

 

「……1つ、聞いていいかな。」

 

「何さ……」

 

「貴女達は何故あの人に従うの?リューネさんが声を聞いた限り、かなり不満を持っているみたいだけど。」

 

気になっていた。不満を持っているというのに、あの黒髭さんに従う。不満なら───

 

「不満なら、裏切るとかする気もするけれど。貴女達の考えを聞かせてほしい。」

 

「……だってさ、アン。」

 

「そうですか……そんなもの、決まってますわ。」

 

アンさんが私を強く睨んだ。

 

「船長だから───私達が認め、彼の船に乗り込んだからこそ従う!彼も私達が命を預けた仲間なのです!」

 

「あぁそうさ!自由にやって自由に死ぬが海賊、だけどさ!自分が認めた仲間を裏切るなんてしたら仲間以下だ!自分達の信念として、そんなこと許すか!!」

 

「「知らないくせに、裏切るなんて───信じた仲間を愚弄するな、バカ王女!!」」

 

「……そう。」

 

バカ王女…か。

 

「そう、だよね。うん…そうだ。」

 

私はサモンロードを強く握りしめ、メアリーさん達に向けて構える。

 

「そうだった。叛逆者も、私達も───自分の信じた仲間についてきた。そんな仲間を貶すなんて、何しているんだろう、私は。」

 

私はメアリーさん達を強く見据えた。

 

「ありがとう、海賊達───私が忘れかけていたことを思い出させてくれて。お礼でもないけど、私の力を一段階引き上げる。せめて痛みなく、還してあげる───第一リミッター、解除。」

 

そう呟いたとたん、私の魔力が膨れ上がった。

 

「やってみなよ!アン!!」

 

「えぇ、メアリー!!」

 

メアリーさんがカトラスを拾い、アンさんは銃を拾う。

 

「せぁぁぁぁ!!」

 

「───そこぉっ!!」

 

その連携で、私へと向かう刃と弾。だけど───

 

「───“フレアスマッシャー・フルバースト”」

 

技名と共に放たれた砲撃に、彼女達は飲み込まれた。

 

「……」

 

砲撃が消えたとき、既にそこには誰もいなかった。

 

「お疲れ様」

 

私はリミッターをかけ直し、サモンロードをアイテムボックスに戻してエウリュアレさんのもとに戻った。




星見の観測者「創り手。」

うん?

星見の観測者「そういえば27,000UA越えているのではないか?」

あ……そうだった……

オケアノス終了後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 騎兵、槍兵、弓兵
  • 弓兵、弓兵、弓兵
  • 暗殺者、裁定者、剣士
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