狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
正のアーチャー!!いる!?
正弓「…!?お母さん!?どこに行ってたの!?いつの間にかこの世界からいなくなってたし!」
詳しい話はあと!すぐに観測所に来て、リコレクションシステムの起動準備に入って!!
正弓「リ、リコレクションシステム……!?でもあれは、本人の了承がないと……!」
了承なら彼女の未来が顕現したときに既にもらってる!いいから早く、対象は藤丸リッカで時間は中学二年生の頃から!!
正弓「わ、分かった……!とりあえず観測所に向かわなきゃ………!」
正のランサー!正のセイバー!状態はどう!?
正槍「観測状態は良好だよ。世界同士の接続も良好、干渉はいつでもできる。」
正剣「時間流に異常なし。過去と現在の時間接続の状態良好───記録定義に劣化、変質無し。」
正槍「正直な話、あとは追憶空間を安定させて観測するだけ。」
ありがとう!
正弓「あとは…私、だよね。」
うん…
正弓「…気をつけてね、お母さん」
分かってる。
正弓「───リコレクションシステム稼動。記憶回路、魔力パス構築───接続完了。対象指定、藤丸リッカ。対象時間は指定された対象の中学二年生時。」
正槍「───お母さん!敵影出現、数200!!」
ギル!!
弓「任せよ!貴様らのことを守るなど容易い!」
裁「そう言って無茶するんだから……私も一緒に。マスター達はシステムの稼動を終わらせて。」
お願い!
正槍「リコレクションシステム稼動確認───敵影接近、来るよ!!」
正弓「我が声に答えよ汝が記憶───!!」
弓「ふん───行くぞ、塵芥。命の貯蔵は十分か───!!!」
私が彼を振ってからのことはまぁ、予測はつくと思う。
靴の中には画鋲。
外に出れば閉め出される。
教科書やノートは隠されて、たまにあったと思ったら落書きされてる。
藁人形に私の写真が貼ってあることもあった。当然だけど、釘は打たれてた。…
習い事のお陰か無駄に身体能力は高かったし、病気にならなくなったせいか痛みにも強かった。
そこまで苦だとは思っていなかったし、全く興味がなかった。
習い事は全てやめちゃっていたけれど、鍛練は続けていた。
一応当時の先生にも話してみたけど効果はない。むしろ悪化するなら相談する方が邪魔だった。
お母さん達にも相談してみたけれど。
「自分でなんとかできるだろう?」
「私達は忙しいの。」
…効果はなかった。私が弱かったせいでこうなったんだし、仕方ない。
特に辛いとは思ってなかったし、微かにでもそう思っていたのなら私の性質上それを受け入れて適応すると思う。
そんな日常になってから、一年が経っただろうか。
3年生になった頃、転機が訪れた。
「あー……今年度一年このクラスを受け持つことになった。今年度だけしかこの学校にいないから…まぁ、君達と一緒に卒業することになる。」
その人は…言葉の調子が少し、お兄ちゃんに似ていた。
「あっと…自己紹介だよな。……なんで白チョーク無いんだよ。まぁいいや、じゃあ口頭で。俺はひなた。“つきよみ ひなた”ってんだ。主に現国、古文、中文……じゃねぇ、国語教科を担当することになる。文字は……口頭で説明するのが面倒くさいんだが……」
このあたりで、クラスの人はつきよみ先生に対してだろうけどクスクスという笑い声を漏らしていた。
「月、っていう字は分かるよな。満月半月とかの月だ。詠む……魔法詠唱とかの詠がよみの部分にあたる。よって月詠。名前の方は……太陽の陽に、詩……詩を詠むって言葉あるだろ?それの詩だ。それで
可愛らしい名前に反して、少し乱暴な言い方。お兄ちゃんの名前も
「なんで俺なんかが“ひなた”なんて女性名に近いの名乗ってるか気になってる奴もいるんじゃねぇか?俺の家はほとんどが女性ばかりでよ。まぁ似た感じで育てられたわけだ。代々巫女一家だしな。んで、俺は巫女として育てられたわけなんだが…まぁ見ての通り女じゃねぇわけでな。別に反発はなかったが、最終的に俺は巫女になる道を選ばなかった。別に勘当されたわけでもねぇから安心しな…って、言ってもわからんか。俺の自己紹介はこのあたりで終わるが、最後に1つだけ言っておく。…女性名だろうがなんだろうが、俺はこの名前を気に入っている。以上だ。」
そこまで一気に話してから、先生は一呼吸置いた。
「遅くなったが、転校生を紹介する。入ってきてくれ。」
先生の言葉に、2人の女の子が入ってきた。
1人は背が高くて、薄紅色───R:240 G:144 B:141の色の髪をした女の子。
もう1人は背が低くて桃花色───R:225 G:152 B:180の色の髪をした女の子。黄色い星の形のアクセサリが印象的だった。
「自己紹介を。」
「……はじめまして。私はニキ。“
「“
第一印象的に、春風さんは元気。華紬さんは物静かな感じだった。
「うし、じゃあ席は……華紬は藤丸の隣。春風は藤丸の後ろ。藤丸ってのはそこにいる生徒な。」
「はい。」
「はーい───っ。」
その時、春風さんが私を見て変な反応をしていたのはよく覚えてる。
「どうした?春風。」
「な、なんでもないっ!」
春風さんは先生の言葉に答えて、花紬さんと一緒に私の方へと歩いてきた。
「……よろしくね、藤丸さん。」
「よろしく!えっと…藤丸さん!」
異口同音で言われた言葉に。
「……」
私はうなずくことしかできなかった。
思えば、この時点で気がつくべきだったのかもしれない。
月詠 陽詩。
華紬 ニキ。
春風 星羅。
この三人は、最初から───
事態が急転していったのは、それから数日した頃だった。
「突然のお声かけ、お許しくださいませフジマル様。」
挨拶とかじゃない───完全に私に声をかけてきた人がいた。
「───ぁ」
「まぁ!
「───ぅん」
長い間声を発さなかったからか、声がかすれる。
「ふむふむ…噂に違わない美少女ですわね…ですが大粒のダイヤモンドのような輝きが汚れで阻害されているかのようですわ。宝石は磨かなければその真価を発揮しませんの。全く嘆かわしいことこの上ないですわ。」
高圧的な話し方をするその女の子は……失礼だけどハッキリ言ってしまえば、ブスって言われるような感じだった。
丸く太った体、汗をかきやすいのか大量の汗。厚すぎてこちら側から彼女の瞳が見えないほどの瓶底眼鏡。
「学生生活の中、飽き飽きしているのではなくて?楽しくないと思い、ただただ時間が過ぎるのを待つだけ。いけませんわ、そんなのは。たった一度の貴女という意識の人生なのです!素敵な人生を、貴重な一生を無駄にしてはいけませんわ!」
でも───たまに見えるその瞳は、とても澄んでいて綺麗だった。
「どうでしょう?今日一日、私についてきては頂けませんか?あぁ、ですが私の姿では貴女としては不快でしょうか……」
「……いいよ、別に。ついていっても。」
「本当ですの!?」
別に…学校にいてもやることはなかったし。
私がいなくても、誰も気にしないと思うし。
「では参りましょう……と言いたいところですが。そこのお二方、出ていらっしゃったらどうですの?」
「え…」
彼女がみた視線の先を辿ると、確かに2人の影があった。どちらもピンクと言えるような髪色をした女の子───華紬さんと春風さんだった。
「私も行っても…いい、かな?貴女と…藤丸さんと仲良くなりたいの。」
「私も私も!…実は私達、貴女と仲良くなりたかったけど勇気が出せなかったの。」
嘘には感じなかった。嘘だったら、直感に反応するから。全く反応がなかったから、嘘じゃないと思う。
「……」
「私は構いませんわ。ですが、よろしいので?」
「えーと……先生がね。私と華紬さんを公欠?とかいう扱いにしてくれたの。今日転校予定のリナリアさんが藤丸さんの公欠願いも出してたらしいから、私達もついでにって。」
「私の…公欠?」
「私達、今さっきまで教室にいたの。春風さんと一緒に藤丸さんの事を見ていたら、月詠先生が入ってきて…“気になるんだったら公欠扱いにしてやるから藤丸達についていったらどうだ?拒絶されたんなら教室に戻ってくりゃいい。転校生の願いで、藤丸も公欠扱いになるからな。まぁ、藤丸が拒絶したなら藤丸のも取り下げだがな。”って。」
「先生が……」
私は私の在籍する教室をみた。カーテンはほとんど閉まってたけど、1ヶ所だけ開いてる場所から月詠先生が空を見つめているのが見えた。
「だめ…かな?」
「……いいよ。私なんかでいいなら。」
「本当!?ありがとう、藤丸さん!」
「ありがとう。」
「フフッ…では参りましょう!光りそうな宝石と宝石磨きになりそうな方々を労せず手に入れられるとは、私は運が良いですわ!」
宝石磨き…華紬さんも、春風さんも私なんかよりも遥かに可愛いのに、私に付き合うなんて…って、ちょっと思ってた。
警鐘は───鳴らなかった。
それから案内されたのは、立派なお屋敷だった。
「こちらですの!少し散らかっているかもしれませんが、どうぞお上がりくださいませ!」
「お、おっきい……!」
「本当…お城みたい。」
「……」
「うーん…フジマル様はそこまで反応がないですわね。これが塩対応というものでしょうか。」
驚きすぎて、反応ができていないだけだった。
「早めに上がりましょう。すぐにお茶とお茶菓子を用意いたしますわ。」
そう言って彼女は家の鍵を開けて私達を中に通した。
「「お、お邪魔します……」」
「……」
「ただいま帰りましたわ!」
「……おや。お帰りなさいませ、お嬢様。」
家の中から声。そのあと、一人の男の子が姿を現した。
「“アリウム”!帰っていたのですわね!」
「えぇ。ところで、そちらの方々は…」
アリウム、と呼ばれた彼…彼も、彼女に似て丸い体をしていた。
「皆さん、紹介しますわ。彼は私の執事をしています───」
「“アリウム”と申しますぞ。申し訳ない、拙者の容姿で不快に思われるでしょう。」
「は、はじめまして!春風 星羅です!」
「は、はじめまして。華紬 ニキです。」
「…藤丸 立香です。」
「ふむふむ……フジマル様がお嬢様の言っていた“薄汚れた宝石”ですな?」
「そうですわ!流石ですのね、話してもいないといいますのに!」
「拙者、お嬢様の専属執事でありますので。それではもてなしの準備をいたしましょう。」
「アリウム、お茶菓子などの準備は私が致しますわ。アレの用意をお願いします。」
「かしこまりました。それでは失礼致します。」
彼は私達に一礼してから、階段を上っていった。なんだか、とても洗練されている動きだな、と思った。
「さて、アリウムが来る前にリビングの方へご案内致しますわ。」
そう言った彼女に、私達は居間の方へと通された。居間、でいいと思う。建物自体は洋風なのに、その場所は和風だったから。
「日本の方ですから、こちらの方が良かったかと思われましたが…いかがでしょうか?」
「私こういう感じ好き!」
「私も…洋風もいいけど、こういうのも好きよ。」
「…うん。大丈夫。」
「そうですか…概ね好評なようで何よりですわ。」
彼女がそう言った時、トントンッ、と障子の戸が叩かれ、障子の戸が開かれた。
「お嬢様、例のものを…まだ少数ですが、お持ちしました。」
「ありがとう。でもよくここだとわかりましたわね。」
「お嬢様の考えは大体お見通しですぞ。」
「そうですのね。ええと……」
彼が持ってきたのは、段ボール2つ。彼女は段ボールの中身を確認し、頷いた。
「流石ですわ。欲しかったものが全てあります。さて。フジマル様にはこれからとある文化に触れていただきますわ。」
「……文化?」
「日本のサブカルチャー、というものをご存じですかな。よい文化ですぞ、あれは。サブカルチャーは時として人を救うのです。それは美少女たるフジマル様でも同じことなのですぞ。」
「ふぅん…」
「とりあえず……これは今日のノルマですわ。幸い、公欠扱いとなっていますから時間はたっぷりあるのです。」
そう言って置かれるDVDの山。涼宮ハルヒの憂鬱、ソードアート・オンライン、ケロロ軍曹、とっとこハム太郎、プリティーリズムオーロラドリーム───
「……アニメ?それにこっちは…ゲーム?」
「ご存じないですかな?そうなると人生の大半は損している可能性がありますぞ!」
「ここに置いてあるアニメは全てシリーズ最初の1巻だけなのですわ。最初は広く浅く、気に入ったものがあれば深くまで突き進むが私の信条なんですの!ゲームソフトは…ちょっと昔ですがファミリーコンピュータやゲームボーイのものを持ってきてもらいましたわ。」
「へぇ…」
アニメにゲーム……か。習い事とか多くて触れたことはなかったな、と思った。
「では早速……と言いたいのですが。」
「……?」
「フジマル様、顔色が酷いでござる。特に髪、髪が酷いのでござるよ。髪は女性の命とも言いますからな、そのように痛み、くすんだ色をした髪は見ていられないのですぞ。…というわけで、早急にお風呂に入られよ。」
「……いいの?」
「構いませんわ。そもそもこのお屋敷、私とアリウムの2人だけで住むには広すぎるのですの。日用品は買い揃えてありますからご自由にお使いなさいな。」
「……ありがとう。」
「私も後で行く。髪型のセットと服選びは私に任せてもらってもいいかな…?」
「……うん。」
「クローゼットはこちらですぞ、ハナツムギ様。ゲームのセッティングなどはこちらでやっておきますので、お気になさらぬよう。」
「ありがとう。」
……お風呂に入りながら。
何年ぶりだろう、と思った。
こんなにも多く、人と話したのって。
お風呂から上がって、華紬さんにコーディネートしてもらって…そうして居間に戻ったとき、リナリアさんは畳の上に正座して黙想していた。
「……?上がりましたわね。シャンプーのよい香りがしますわ。私達の匂いも消せないものかしら…」
「ありがとう。さっぱりした。華紬さんも、ありがとう。」
「大丈夫。私が好きでやってることだから。」
「そっか…」
「おかえり!どうだった?」
「何となく、落ち着いた。」
シャンプーやボディーソープが特注品だったのかもしれないけど、髪の荒れが元に戻ったり、身体の芯から暖まったりするのが感じられた。
「私達の匂いなどどうでもよいですわね。とりあえずアニメですわ。先程の山は一先ず置いておいて、こちらから見ていきましょう。」
「私…アニメもゲームもよく……」
「大丈夫ですわ!私が再厳選したものですもの!さぁ、始めましょう!」
慣れた手つきで彼女はリモコンを操作した。
それから見たのは、子供向けがほとんどだった。
アンパンマンにプリキュア、プリティーリズムや星のカービィ…プリティーリズムに関しては後でまた見るからってことで第三期…レインボーライブのお話だったけど、何もかもがわからないということはなかった。
強大な相手に対して力をあわせる。
共通の相手に対して、敵だったとしても一時的に力をあわせる。
平和なときは平和に遊ぶ───
それは、なんだか───
欠けていた何かを思い出させるような感じだった。
まだ小さい頃のことを。
無邪気に遊んでいたあの頃を───
気がつけば、私は涙を流していた。
…春風さんも泣いていたのは、よく分からなかったけど。私とは違う理由なんだろうな、とは直感で思った。
「どうです?」
「……うん」
「乾いた心に、サブカルチャーは染み渡るでしょう?」
「うん……」
「アニメ、よいでしょう?」
「うん…!」
それからしばらく、アニメを見漁った。再厳選したっていうのは大体見終わって、次は広く浅く。気がつけば夕方になっていて、ずいぶんと長い時間見ていたみたい。春風さんも、華紬さんも、ずっと一緒に見ていた。
「神……神の技ですわ。アニメーター、声優、シナリオライター……その他複数の神が集い、この作品は生まれたのですわ。」
「す、すご、凄かった……」
「よくその状態で結構普通に喋れますな……」
アリウムさんが少し呆れたように言ったあと、みんなは私が泣き止むまで待ってくれた。
「これ……どうして?」
「フジマル様用に厳選したのですわ。」
「え……」
「私の目からは、フジマル様は娯楽を知らないように見えたのですの。ならばまず、私達のアニメの原点を───子供達向けのアニメを主軸に置いたのですわ。時として、子供向けのアニメと言うのは中学生や高校生などにも刺さりますの。娯楽を、アニメを知らないならば初めて見るであろうもの、即ち原点から。そこから新しく道を開拓するのですわ。」
「新しい道…原点。」
「転校して初日ですが…それよりも前から貴女のことは観察させていただいたのです。学校見学の際に所々で聞こえた噂が気にかかりまして。それはまぁ散々な言われようでしたが、私自分で得た情報を最優先で信用するものですから。頭の片隅には置いておいて、貴女を観察させていただいたのですわ。」
観察……そういえば、何となく視線を感じる気はしてた。気のせいだと思ってたんだけど……
「そうしますと…気づいてしまったのですわ。闇に、虚無に飲まれかけた薄汚れた宝石ではないですか。言い換えてしまえばグリーフシードで浄化しなかったソウルジェム。フジマル様は魔女と化す寸前だったのですわ。まぁ、ソウルジェムはこの世界にはありませんが。気がつきましたわ。フジマル様に纏わる噂の数々は全てフジマル様に嫉妬した愚民が流した嘘だと。噂の真意を知るために観察していた折、フジマル様のお兄様もお見かけしましたが一目で分かりましたわ。彼は…とても優しい方ですの。たとえ言葉が少し乱暴でも、フジマル様のことを大切に思っていらっしゃるのですわ。」
お兄ちゃんが……
「でも。だからこそ。私はフジマル様が不当な評価を下されているのが我慢ならないのですわ。私が嫌いなもののは不当な評価と理不尽なのですの。ゲームの理不尽ならば構いませんわ、主にフロム。ゲームの理不尽は逆にどうやって攻略してやろうかと燃えますの。ですが…現実の理不尽はそうもいきません。理不尽を放置すれば理不尽なままです。そして、今にも魔女に変化しそうなソウルジェムを、一刻も早く浄化したかった。ですから、転校初日の朝、学校に生徒は誰もいないと思われる時間帯に声をかけたのですわ。…実際はハルカゼ様とハナツムギ様がいたのですが。」
「あ、あはは……なんか、家だと落ち着かなくて。」
「私も。なんでか分からないけど、学校の方が落ち着いていられるの。みんなが来る時間帯になると、落ち着かなくなるけど……みんながいない時間帯は、すごく…落ち着く。」
そういえば、少し前に月詠先生が言ってきたことがあった。“春風、華紬、藤丸はいつも早いな。今年度始まってからここまで早く、安定している生徒は他にいないぞ。”って。
「私共の企み、成功したでしょうか……?」
「……どうして?どうして……私のことを?」
ふと気になった。どうしてここまでしてくれるのかが。
「?当然ではありませんか?あのままではフジマル様は下を向いて生きていたと思いますわ。」
「…」
「良いですか?人の一生というのはあまりにも短いのです。短い人生を歪められたまま過ごすなど。やりたいことをできないまま過ごすなど、あまりにも酷とは思いませんか?」
「リナリアさん…」
「申し上げますが、フジマル様の価値は高いのですぞ。曇ったまま放置しているのはあまりにも勿体ない。自信を持つことを勧めるのでござる、フジマル様。」
「アリウムさん…でも、わたしなんて…」
「価値ある方ですわ。この私が断言いたしましょう。フジマル様も、ハルカゼ様も、ハナツムギ様も。ここにいる美少女三人組全員が高い価値を持つ方々ですわ。何故なら───このような姿の私や、アリウムを。一片たりとも避けようとせず、接してくれているではありませんか。」
「…それは」
「それと同じなのですわ。狭い視野で物事を見つめたらいけません。広く視野を持って、最初に触れるのは広く浅く。没頭するものができるのなら、深くまで突き進む。楽しいことに触れずにいるのは愚の骨頂なのです。せっかくの人生、楽しまなくちゃいけないのですわ!ですから───笑うのです、フジマル様。笑って、オシャレをして、遊びあって───この人生を楽しんでほしいのですわ!」
「…うん」
「それと…似合っておりますわよ、そのコーディネート。ハナツムギ様がコーディネートしたのですわよね?」
「うん。」
「フジマル様にぴったりの素敵なコーディネートだと思いますの。ハナツムギ様は才能があるのでしょうか。」
「そう…かな?」
私が着てるのは、キラキラとした装飾のあるワンピースだった。私としては多分似合わないと思っていたんだけど。
「この家のクローゼットに私の思い描く服があって助かったわ。藤丸さんになら、そういう服が合うってずっと思っていたの。」
「ずっと…?」
「えぇ。ずっと。学校に誰もいないときは、ずっとあなたに合うデザインを考えていたの。今の時点で行き着いたのが、その服だったのだけど。」
「…私に、似合う…」
「似合ってるよ、藤丸さん!」
「……ありがとう。」
「さて。今日はもう遅いのでござる。お嬢様、フジマル様たちをお送りしましょう。」
「そうですわね。…その服は、差し上げますわ。私には着られませんので。私が持っておくよりも着ることのできるフジマル様に持っていてもらったほうが、その服も喜ぶでしょう。」
「…うん!」
「それではまた。学校終わりにでも来てほしいのですぞ。もちろん全員一緒で、ですな。次はもっと深い部分に触れていきますぞ?」
これが───
中学三年生、序盤の時の思い出。
大切な友達ができた頃。
正弓「リコレクションシステムダウン!修復後再起動処理をします!!」
正槍「世界接続回路、今だ安定───敵影接近、数は───600!」
弓「ふん、軽いものよ。その程度で我らを阻めるとでも思ったか。」
裁「流石にちょっとやそっとでやられるつもりはないよ。」
頼もしい……!
正弓「修復、50%終了しました!引き続き処理は続けます!!」
オケアノス終了後に召喚するサーヴァントのクラスは?
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騎兵、槍兵、弓兵
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弓兵、弓兵、弓兵
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暗殺者、裁定者、剣士