狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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正弓「さぁ、観測を始めましょう。」

弓「しかし…できるのか?」

正弓「元々観測の機構は動いています。そして、今の私はお母さんから全権限を譲渡された状態。観測くらいできますよ。」

裁「そういうことじゃなくて…」

正弓「…まぁ、実際。すごくメタい話をすると。」

裁「……?」
弓「……?」

正弓「こちら側の作者のアバターが行動を停止しただけで、現実に生きる本人は普通に生きてますから、創作の執筆は可能なんですよね」

裁「メタいメタい…」
弓「メタいメタい…」


第142話 牙を剥く槍

「ふん。ようやく尻尾を見せおったか。そしてマスターよ、落ち着くがよい。」

 

ギルがそう呟いて私の側に来て、私の肩に手を置いた。

 

「でも……!」

 

「落ち着くがよい。今はその時ではないぞ───案ずるな、致命傷ではあるが完全に砕かれてはおらぬ。」

 

致命傷って……

 

「……ようやっと隙を見せてくれたよな、船長。余裕ぶってる割にいつだって銃から手を放しゃしねぇ。天才を演じてる馬鹿より馬鹿を演じる天才の方がよっぽど厄介だ。」

 

「ヌフ、ヌルフフフ…先生に誉められ感激の至り……ですが。このような場所で裏切りとは、アホなのでござるか?───ヘクトール氏は。」

 

ヘク、トール……?

 

〈“ヘクトール”……!?まさか、トロイア戦争最強の戦士───兜きらめくヘクトールだって言うの!?〉

 

「正解、ってね。いやぁ、これはオジサンなりに勝算あっての事なんだがね。ひとまず船長、あんたの聖杯はもらってくぜ。」

 

「舐めんじゃ…ねぇっ!」

 

「エドワード!」

 

船長と黒髭さんの反撃。それをヘクトールさんは軽く避ける。

 

「残念、外れ───聖杯、獲った!」

 

そうして露出する聖杯を手に取り、黄金の鹿号に飛び乗った。

 

『マスター、リューネ!今だ、黒髭の元へ翔けよ!』

 

その指示に、リューネちゃんが私を軽く抱えて、紫色の爆発と共に疾翔けした。

 

『ぐっ…痛いな、結構』

 

『今の……?』

 

『マガイマガドの移動を真似たんだが…やはり無理があるか……?』

 

リューネちゃん曰く、鬼火状態になったあと爆発する5F前くらいで疾翔けして実現させてるみたい。もっとも、異世界のハンターさん達は使ったところ見たことがないらしいからもしかしたら異世界のハンターさん達は使えない技なのかもって話。

 

「……っ!」

 

黒髭さんの元に辿り着いて、即座にコードスキャン。開かれたページ、そこにあったのは───“瀕死の黒髭 エドワード・ティーチ”の文字と、“傷”のコード。

 

「ヌ、ヌルフフ……何を、したで、ござる…か?」

 

「喋らないで!傷に障るから!」

 

“傷”の解除は通り名を“瀕死の”から“活ける”に変更する───つまり活性の通り名を付ければいい。必要なコードは、“光”と“望み”。望みは元々あるし、あとは必要の無いコードを抜いて光のコードを追加するだけ───なんだけど。

 

「なんで……どうして…!!」

 

コードを書き替えるために必要なメンタルマップが開かない。開こうとしても弾かれる。

 

「どうして……開いて…開いてよ……!」

 

「英雄王。あんたにしちゃ、らしくない判断ミスだったんじゃないかい?マスター可愛さに此方をおろそかにするなんてさ。」

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

「っと。悪いが、バーサーカー程度に遅れを取るほどなまっちゃいない。」

 

「アステリオス!」

 

私がメンタルマップを開こうとしている間にも状況はどんどん進んでいく。

 

「聖杯もだが、オジサンの本命は女神様でねぇ。んじゃ、手薄になったことですし?かっさらわせてもらいますかねぇ。」

 

「ぁ───」

 

「フッ、たわけ。」

 

顔を上げた途端、ギルの声が聞こえた。

 

「忘れてもらっては困るな。こちらのサーヴァントは貴様らよりも量が上よ。我一人離れたところで警備は変わらん。そして、それは貴様を死地へと誘う罠だと知れ!!」

 

「───何っ!?」

 

その瞬間、何本かの鎖がヘクトールさんを縛り上げた。

 

「え……」

 

「「……」」

 

「無銘……それに、クリア……?」

 

「…お下がりください。」

 

「チェーンバインド───再現、成功。」

 

そこにいたのは鎖鎌を構えたクリアさんと魔法陣を展開したアルだった。

 

「……どういうことだ?召喚するにしても早すぎる。霊体化してる気配もなかった!大体、マスターから間に合う距離じゃ───まさか!?」

 

「……私は()()()()()()()()()()。彼女を守るために、英雄王の命を受けて。仮契約のマスターをミラさんとし、私と無銘さんを隠してもらっていたのです。」

 

「サーヴァントによるサーヴァント契約…だと?あり得ねぇ、なんで聖杯も使わずそんなことができる!なんで聖杯も使わずサーヴァントがマスターになれる!?」

 

「さぁ、ね。私にも分からないし分かっていたところで教えるつもりもない。」

 

「…さて。敵が隙を見せればそこを突くのが貴様というものだ。故に我とミルドが隙を見せたならば、貴様は嬉々として狙いに行くだろう。故に我はあえて隙を見せ、ミルドは貴様をあえて主な標的から外したのよ。まぁ、結果はこの様だが。」

 

「……!」

 

「策を張り巡らせ、自らが我らより上だと慢心でもしたか?たわけ。我は王として。ミルドは王女ではあるが歴戦の戦士としてこの程度予測済みよ。策にはめるならば相手をよく理解することよな。」

 

「…こりゃ参った。アキレウス以上の難敵だったか。あんた達は仲悪いみたいだし、英雄王は神様苦手だしで見逃してもらえると思ったんだがねぇ。」

 

「ふっ、神嫌いなどある程度は克服しておるわ。ある程度はな。」

 

「実際英雄王のことは好きじゃないけどその采配や力に関しては認めてるからね。指示を聞いたり同じ行動をしたりするのに異論はないよ。」

 

ミラちゃんが言い放ち、何かの術式を発動する。

 

「……リッカ殿。ありがとう、でござる」

 

「お礼ならリューネちゃん達に言って…主に回復してくれたのはリューネちゃん達だから」

 

私がメンタルマップをどうにか動かせないか試行錯誤しながら少し回復魔術をかけている間、リューネちゃん、ルルさん、スピリスさんが笛を吹いて黒髭さんを大幅に回復させてくれていた。

 

「……少し、肩を貸してほしい…ですな……届かなかろうが……せめて、一撃」

 

「……分かった」

 

私は預言書から手を放し、黒髭さんに手を貸した。

 

「……!」

 

発砲。それと同時に現れた複数の銃弾───違う、黒髭さんが撃ったもの以外は全部()()()()()()()───?

 

「っ…!まだ、息があるんですかい?船長。」

 

「ヌフ、ヌルフフフフ!拙者とリッカ殿の共同作業!さらにそこにミラ殿のサポートが加われば、止まっている相手に当てるなど造作もないのですぞ!!」

 

「喋るんじゃない、馬鹿者!傷が開くだろう!」

 

リューネちゃんが一瞬演奏を止めて怒る。それと同時に黒髭さんの力が抜けて、私も一緒に崩れ落ちる。

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「仕方ない、退散するとしますか。命あっての物種ってね…!」

 

「そうするがよい。この海の上では貴様はそうすることしかできないであろう。」

 

「へいへい───全く最悪の負け戦だ!」

 

鎖を引いて、クリアさんとアルを引き寄せようとする───けど、クリアさんは引き寄せられてもアルは術式を発動させているだけだから引き寄せられない。クリアさんもエウリュアレさんに離れないように少し転びかけたところで鎖を解除したのが見えた。

 

「あっ!あいつ、船用意してやがった!」

 

「追い掛けようか、ダーリン。私達ならきっと…」

 

「ダメだ。本体のお前ならともかく、今のお前は格を限りなく落としてる。今のお前は(オリオン)としているんだってこと、忘れんな。こっち側で失ったもんは……まぁ、ありそうだけどよ。」

 

「……むぅ。」

 

「さて、ヘクトールめは逃げ去った……あとの問題は」

 

私の方。そう言いたげにこっちを見た。




正弓「…まぁ、作者のアバターが行動を停止したことで、少しだけ不安要素はありますが……大丈夫でしょう。」

裁「不安要素……?」

正弓「えぇ……まぁ、お気になさらず。」

オケアノス終了後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 騎兵、槍兵、弓兵
  • 弓兵、弓兵、弓兵
  • 暗殺者、裁定者、剣士
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