狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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正弓「ふむ…」

裁「…あの、正のアーチャーさん。」

正弓「…!どうしました?」

裁「部屋の扉を開いたらすぐここに着いたんですけど…」

正弓「あぁ…少し世界を弄りましたから。」

裁「…やっていいんですか、それ。」

正弓「いいんですよ。とりあえずこれを公開しましょうか。」


【挿絵表示】


裁「…これ」

正弓「ミラ・ルーティア・シュレイドさんですね。少し前に現実のご本人から届きました。描き手は前回の藤丸 六花さんと同じく“チル姐”さんですね。」

裁「…そっか。」


第144話 クズと幽霊船

「失礼します、マスター。」

 

黄金の鹿とは別の船。そこに、何騎かのサーヴァントがいた。

 

「おぉ、私の愛しい君よ。首尾はどうだい?」

 

「はい。ヘクトールさまから連絡がありました。エウリュアレの確保に失敗、こちらに帰還するそうです。」

 

「そうかそうか!失敗したか────失敗?」

 

男の表情が歪んだ。

 

「メディア。どういうことだ?失敗───いま、そう言ったか?」

 

「はい。ヘクトールさまは撤退、こちらにてすぐに合流するとのことで───」

 

「言い訳などいい。どう言うことだと聞いている。たかが屑共から女神一匹何故奪えない!ヘクトールはいったい何をしていた!!」

 

「ヘクトールさまを阻んだ英雄がいたようです。人類最古の英雄王、王女であるが歴戦の戦士、そして銘無き者───」

 

そこまで言ったところで男はメディアと呼ばれた少女に平手打ちをする。

 

「“銘無き者”、だと?たかが名無しにヘクトールが負けたのか!?人類最古?歴戦の戦士?知るか!古いだけが取り柄のゴミと祀り上げられたゴミ!そして名すらないゴミカスに!このアルゴノーツの一員が遅れを取ったというのか!どうなんだ、メディア!!」

 

「大丈夫ですわ。我らアルゴノーツのメンバーは絶対不敗の英雄達。そして、その長であるあなたは最高の、無敵の英雄ですわ。いくらでも奪還のチャンスはあります。心配する必要などありません。」

 

乱暴に扱われながら笑顔で応じた少女、メディア。その言葉に落ち着いたのか、男はメディアを起こした。

 

「…そうだ。そうだとも…私は王。無敵の英雄だ……寄せ集めのゴミ共に負けるはずはない。ヘクトールがしくじっただけで私に落ち度はない……そうだね?私のメディア。」

 

「はい!アルゴノーツ船長───イアソン様に敵はいません!」

 

うっとりとしたような視線でイアソンを見るメディア。それは───他の者が見れば、異常とも言えるものだろう。

 

「そうだ…そうだとも。あぁ、すまないねメディア。ひどいことをして悪かった。少しやすむかい?君は長時間船の動力源になっているんだ。疲れているだろう?」

 

「大丈夫です。そのお気持ちだけで頑張れます!」

 

「あぁ───そうだ。君はそうでなくちゃ。素直で可愛い、私の妻になる(ひと)よ。…さて。ヘクトールを迎えにいくとしようか。どいつもこいつも俺の足を引っ張りやがって……人類最古の英雄王に王女であるが歴戦の戦士だって?馬鹿馬鹿しい。俺以外の王など、ゴミカスにも劣るというのに。」

 

その呟きのあと、アルゴノーツは動き出した。

 

 

 

side リッカ

 

 

 

「姐御っ!このままじゃ船が持ちませんで!!」

 

「うっさい黙れ!ええと風向きはこうでこうなるから……」

 

「本当に防壁展開しなくて良かったの!?」

 

「いいのさ、こういうのも楽しむのが海賊ってもんだよ!!」

 

「私たまに貴女のことが分からない!!」

 

「アタシからしちゃ技術顧問サマの方がわけわかんないけどねぇ!」

 

現状。嵐に見舞われてます。全員クリアさんの鎖かアルのチェーンバインドに掴まって耐えてるけど。

 

「ダーリーン!!胸に飛び込んできていいよー!」

 

「リッカちゃん~!抱き締めてぇ!」

 

「真・呼吸投げ!」

 

「はであっ!?」

 

「あ、ありがと~?恋愛運高めておいてあげるね~!」

 

〈なんで真・呼吸投げ出来るんだよ…アルテミスも困惑してんじゃねぇか。〉

 

「知らない……」

 

なんかいつの間にか出来るようになってたんだよね。

 

〈つーか本来俺らより上のサーヴァント相手に効くのがおかしいんだよ。なんだそれ。〉

 

「さぁ……ギル!そっちは大丈夫!?」

 

「む?問題ない。嵐に揺られ、飲む酒というのも良いものよ。」

 

〈待ちなさい、ギルガメッシュ。何故今酒を飲んでいるのです?〉

 

「愉しいからに決まっておろう。そら、アルトリアもこちらに出て飲むか?」

 

〈お断りです。…これで大分まともなのが余計質が悪いです。〉

 

〈まぁ、嵐の中の酒っていうのが結構気分いいのは分かるな。〉

 

「ほう。アスラージ、分かるか。」

 

〈アマツマガツチとか出てくるとその辺りは嵐だからな……酒でも飲んでねぇとやってられねぇっていうか。まぁ、その辺りはルーパスやリューネの方が詳しいんじゃないか?〉

 

「ふむ…今度誘ってみるか。」

 

〈やめとけやめとけ。あいつ、酒苦手だからよ。俺の相棒のメシ場に行くときも滅多に酒は頼まねぇって話だからな。〉

 

「ふむ…」

 

ルーパスちゃんのところって大変なんだなぁ…

 

「よし決まった!総督!良い知らせと悪い知らせ、どっちが聞きたい!」

 

船長の声が聞こえた。

 

「ふむ。悪い知らせから告げるがいい。」

 

「あいよ───リューネの地図があるとはいえ、速度的にあっちのヘクトールの方が早い!今ここで見失い、ペイントボールとやらの効力が切れたら追い付けなくなっちまう!」

 

「で、あろうな。その程度が悪い知らせなら問題はあるまい。して、良い知らせとはなんだ。」

 

「これに関しては───技術顧問サマ!頼んだよ!」

 

「航海開始からずっと懸念事項だった大海龍“ナバルデウス”───それが少し前に発見された。発見した後、コンタクトを取ったところ。既に話が通っていたのか分からないけど、こちらへの協力姿勢を示してくれた。」

 

「…ほう?」

 

「実質───海の神が私達側についた。これで速度に関しては問題はない。そして、もう一つ。」

 

ミラちゃんが船に銃を撃った───傷は、ない。

 

「魔力調質が92%まで完了した。やろうとすれば今よりも加速できる。」

 

「ほう…そうか。そうか!!」

 

「てことで───この嵐の中、突っ切るよ!!」

 

「待てい!?それがいい知らせってか!?」

 

十分いい知らせだと思うけど。

 

「さぁて野郎共、突っ切るよ!!」

 

「「「「「「おうっ!!やっぱ運に関しては姐御にかなう者はいねぇぜ!!」」」」」」

 

「なんだいそりゃあ!?今言ったやつ船から吊るしてやるから前に出な!!」

 

「さて…我は遠見をするか。…む。」

 

ギル?

 

「ドレイク。幽霊船があるぞ。対処するがいい。」

 

「またその目で見たってのかい。脅かそうったって、そうはいかないよ!」

 

「そら。証拠よ。」

 

ホログラム投影機で幽霊みたいなのが現れた。

 

「ひゃぁっ!?」

「ひぅっ…!」

 

…………うん?

 

「い、今姐御が変な声出したぞ!?」

 

「生娘みたいな声出した!ついでにリューネも!」

 

リューネちゃんの方を見ると、少し震えていた。

 

「…あれ?リューネちゃん?」

 

「…な、なに…?」

 

女の子の声に戻ってる…?

 

「……あ~…」

 

「…そういえば、旦にゃさんって幽霊系苦手でしたにゃ。」

 

「…え?」

 

「い、言わないでぇ…」

 

「言わないでもにゃにも、既にバレてますにゃ。気を張っとかにゃかったんですにゃ?」

 

「だ、だってぇ……いきなり出てくるなんて思わないもん…」

 

…え~っと。

 

「リューネちゃん…もしかして…お化け、ダメなの?」

 

その問いに、リューネちゃんが小さくうなずいた。

 

〈…マジか。意外だな。〉

 

「結構意外…」

 

「だ、ダメなの…?」

 

「ダメじゃないけど…ちょっと意外すぎて…」

 

「マガイマガドとかどうしてたの?」

 

「えっと…キャンプ出る前に強く気を張っておいたら何とかなった…」

 

「あ、そう…」

 

「でも初めて見た時腰抜かすギリギリだったの知ってますにゃよ」

 

「言わないでっ!?気にしてるんだから…それに私もずっと気を張ってるわけじゃないもん…クエスト終わった後とか百竜夜行終わった後とかは普通に気を張ってるの解いてるもの…」

 

…えっと、つまり。

 

「タイミングが悪かったのかな。」

 

〈だろうな…〉

 

その時、リューネちゃんが顔を上げた。

 

「…?今、声が…」

 

「声?」

 

「声、というか咆哮…」

 

そういったと同時に、件の幽霊船が爆発した。

 

「「「「「「!!??」」」」」」

 

それに驚愕する私達。だけど、その爆風が雲を切り裂いて先を照らす。

 

「見えたぞ!そら行け、ゴージャス・ハイド!」

 

「久しぶりに聞いたね、それ。」

 

〈…そういえば。マスター。〉

 

 

〈キルケーが何やら妙なことを言っていました。“羽が全部抜ける気がする”、とかなんとか。〉

 

何その地獄…

 

「総督───!!!あんたマジで覚えときなよ!!」

 

「私からもとりあえず後で全力で震打叩き込む!!」

 

「ふははははは!!」

 

そんな感じで、黄金の鹿号は進んでいった。




正弓「そういえば追憶中に28,000UA突破しているんですよね…」

裁「…そうだった」

弓「忘れ去ったのかと思ったぞ」

正弓「そこまで余裕がないので言い忘れることは多いみたいですけど。あとすごく遅いんですけどやっと召喚クラス決めたそうで。」

弓「…終盤ではないか」

正弓「たまに判断遅いところありますからね、お母さん…」

オケアノス終了後に召喚するサーヴァントのクラスは?

  • 騎兵、槍兵、弓兵
  • 弓兵、弓兵、弓兵
  • 暗殺者、裁定者、剣士
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