狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
あと少しR18関係のことを示す言葉が入ってますけど、一応隠してますし大丈夫…ですよね?それから私は多分R18作品は書きません。
「これが…大聖杯。超抜級の魔術炉心じゃないのよ……なんで、極東の島国にこんなものがあるのよ……」
超抜級、っていうのがよくわからなかったけど、なんかすごそうなことは分かる。
「……まるで、“龍脈の収束地”。冥灯龍ゼノ・ジーヴァが生まれ落ちた場所。そんな感じがする…」
そのルーパスちゃんの言葉にジュリィさんとミラちゃんが頷いてた。
〈資料によると、製作はアインツベルンという錬金術の大家だそうです。魔術協会に属さない、人造人間だけで構成された一族の様ですが。〉
「悪いな、おしゃべりはそこまでだ。奴に気づかれたぜ。」
クー・フーリンさんの示す方向を向くと、確かにそこに黒い鎧を着た女性がいた。
「あれが…アーサー王…?」
〈間違いない。何か変質しているようだけど、彼女はブリテンの王、聖剣の担い手アーサーだ。〉
でも…私が知ってるのだと男性だったような。
〈伝記とは性別が違うけど、何か事情があってキャメロットでは男装をしていたんだろう。ほら、男子じゃないと王座にはつけないだろう?お家事情で男の振りをさせられてたんだよ、きっと。〉
「私の世界のシュレイド王国の方は女性である私が第一王位継承者な時点でお察しかな?お父さんに聞いた限りだと、王座に就くのはどっちの性別でもよくて、王族直系血族の一番年上の子供が第一王位継承者になるって言ってた。それが正妻・正夫の子でも側室の子でも、はたまた平民と結ばれて出来た子でも全く問題なし。その代の王と結ばれて出来た一番最初の子供が第一王位継承者なんだって。」
〈なんかすごいな……ということは一夫一妻制じゃなくてミラちゃんの世界のシュレイドは多夫多妻制なのか…〉
「ちょっと、子供になんて話してるのよ。」
〈考えてみればそうだ!?〉
「ちなみにその代の王の子供が王の退位直前になっても生まれなかった場合、王が王位継承者であった時の次の王位継承者の子供が王となる。もしも王位継承者が全員いなくなってしまった場合はとある儀式をした後、全国民の中から自薦と承諾済みの他薦、そしてその中から国民総出での投票によって新たな王が選ばれるらしいよ。」
〈ふむふむ……ちなみにとある儀式って?もしかして人柱とか?〉
ドクター、物騒だと思うそれ…
「えっと…少なくとも人身御供とかではないよ。」
あ、違うんだ…ってあれ?あのアーサー王、攻撃仕掛けてきたりしないと思ったらミラちゃんの言葉に聞き入ってる?
「んと…“誓約の泉巡り”、ってお父さんは言ってたかな。」
「誓約の泉…ですか?」
「“誓約の泉巡り”…世界各地にあると言われる魔法の泉。…なんだっけ、火属性を司る“火炎”、水属性を司る“水流”、雷属性を司る“雷電”、氷属性を司る“氷結”、龍属性を司る“龍気”の属性泉。それから場所を示す“天界”、“大地”、“冥界”の世界泉。それと……あぁ、そうそう、清らかであることを示す“純潔”、生命力を示す“再生”。最後に起源泉。全11個の泉を二人の男女と宮廷魔導師、もしくは巫女のたった3人で巡るの。」
「へぇ…巡るだけなの?」
「んと…確か最後の“起源の泉”で二人で一糸纏わぬ姿で泉の中に入って肌を重ねるとかなんとか……」
「「〈ぶっふ!?〉」」
ドクター、クー・フーリンさん、オルガマリーが吹いた。アーサー王も少し顔が険しくなってる?
「こ、子供になに教えてんだ!?てめぇの親は!?」
「いや、これ教えてくれたの古龍達……言っておくけど詳しいことは教えてくれなかったよ?私も興味なかったけど。」
それに対してドクター達の視線がネルギガンテに集まった。ネルギガンテは居心地が悪そうな感じだったけど。
「…って、なんで古龍がそんなこと知ってるんだ?」
〈た、確かに…なんでなんだい?〉
「その泉を司っているのが古龍達だから。」
ミラちゃんはそう簡潔に答えた。
「“火炎”の炎王龍“テオ・テスカトル”、“水流”の大海龍“ナバルデウス”、“雷電”の幻獣“キリン”、“氷結”の冰龍“イヴェルカーナ”、“龍気”の天彗龍“バルファルク”、“天界”の鋼龍“クシャルダオラ”、“大地”の煉黒龍“グラン・ミラオス”、“冥界”の屍套龍“ヴァルハザク”、“純潔”の黒龍“ミラボレアス”、“再生”の滅尽龍“ネルギガンテ”。…そして、“起源”の祖龍“ミラボレアス”。これら11古龍がその泉を司る象徴なの。」
〈ミラボレアスが…2体?〉
「…その話はまたいつか、かな。そろそろ進めないと。」
〈待ってくれ、その前に聞かせてくれ。〉
「…なに」
ミラちゃんが少し不機嫌そうだった。…なんか、ごめんね
〈その誓約の泉巡り…新たな王を決める儀式だと聞いたけど、それ以外にも何かあるのかい?〉
「…誓約の泉巡りはちょっと特殊な婚姻の儀でもあるの。真に愛する二人の男女とそれを見届ける見届け人の宮廷魔導師、もしくは巫女が一緒に泉を巡る。二人の愛が完全なものだと証明されて、初めて誓約の泉巡りは完全に終わりを迎える。次の王家を確定することができる…つまり王家を成立させることができる。もしも、二人の愛が完全でないならば、王家は確定せず、また誰かが誓約の泉巡りを行わなくてはならない。愛の完全な証明、すなわち“死訪れし刻まで共に在れ”。これを見定める古龍達は誓約の泉巡りをした夫婦の生涯を見ているからね…一度完全でないと判断を下したならば王家成立の証たる“王家の指輪”は破棄される。」
「…あぁ。そういうことかよ。っていうかなんでそんなことまで知ってるんだよ?」
「私が“古龍の巫女”だから。古龍達に泉巡りが行われることを伝え、それが見定めてもらうことを依頼する者だから。…本来は、王家の人間がなるものじゃないけど。次の王位は私じゃないし、お父様がこれからも王家に関われるようにって。…まぁ、民からは慕われてたし、私が王にならないって決まった時もすごく悲しまれたし……実際お父様に直談判しに行く人や私に謁見申し込んできて考え直してくれないかって言いに来る人いたけどね。」
「…ほう。貴様は民から慕われ、愛された王女だったのか。」
「なぁっ!?てめ、喋れたのかよ!?」
今まで声を発さなかったアーサー王が初めて声を発した。
「なに、何を語っても見られている故に案山子に徹していた。しかし…」
アーサー王がミラちゃんを見つめた。
「………………小さいな。」
「余計なお世話っ!!溜めて言うことじゃない!!」
「貴様幾つだ?見たところ6つくらいのようだが、そうではあるまい。若いならばまだ成長の兆しはあるだろう。」
「これでも16っ!!低身長の呪いみたいなのかかってる上に結構前から成長止まってるの何か悪い!?」
「……すまない」
「謝られるのがなんか腹立つし謝られると私怒れないんだけど……」
なんか落ち込んでたから頭撫でてあげたら気持ちよさそうな顔してた。猫かな?あとちょっと可愛いって思っちゃったのは悪くないと思いたい。
「すまない……本当にすまない」
「うるさーい!!」
なんだろう?なんでか“すまないさんの早期顕現”っていう言葉が思い浮かんだんだけど。“すまないさん”って誰だろ??
「…それにしても、だ。」
アーサー王がマシュの方を見た。
「構えるがいい、名も知れぬ娘。その守りが真実かどうか、この剣で確かめてやろう!」
「っ…嬢ちゃん、気を付けろよ。あれは筋肉じゃなく魔力放出で飛ぶ化け物だからな…!」
「っ…来ます、マスター!!」
「うん…負けないよ!」
「私もやる…少しだけだけど!!」
ミラちゃんがそう言って杖を振ると、ミラちゃんの周りに白色の……波紋?みたいなのが現れた。その数、5。
「…装填、解放。素にある属性は風、鋼の龍が用いし龍風。是なるはその力を秘めし魔弾!!」
〈詠唱か!?いやしかし、宝具の解放じゃなさそうだ!〉
「ただの射撃魔法だけどね…レーッ!!」
ミラちゃんがそう叫ぶと、波紋から30個程の風の塊が放たれた。
「ぬっ…!?」
「あれは…」
「鋼龍“クシャルダオラ”の…“龍風圧”か。」
龍風圧?…あ、そうだ
「ねぇ、ルーパスちゃん。」
「ん~?」
「もし…無事にカルデアの方に来れたら…その時は、ルーパスちゃんたちの世界の言葉を教えてくれないかな。」
「ん…いいよ」
「ありがとう。」
そう言って私達の視線は戦闘に戻った。
「まさか、キャスターの小娘がこれほどとは───!だが!――卑王鉄槌。極光は反転する――光を呑め!」
「…マシュッ!ネルルッ!!」
〈宝具だ、聖剣が来るぞ…!ミラちゃん離れて……ってそれなんだい!?〉
ドクターの言うとおり、ミラちゃんを黒い棘の生えた大きな翼が包み込んでいた。
「あ、あれネルギガンテだ。」
「ですね。あの黒棘はネルギガンテのものです。ならばあれは、ミラさんを守るための…!?」
「ミラさん、時間稼ぎありがとうございます…宝具、展開します…!」
「“
「“疑似展開
宝具と宝具の衝突。ネルギガンテに護られたミラちゃんはネルギガンテが圧力に耐えられなかったようでこっちに吹き飛んできた。
「ォォ、ォォォ……」
「ごめん、無理させて…」
「ミラちゃん、大丈夫…?」
「私の心配より彼女の心配。貴女の使い魔なんでしょ。」
その言葉を聞いて少し気分が落ち込んだ。私は、マシュを“使い魔”として。道具として見たくはなかったから。
「使い魔を失ってもいいの?それは、あなたの心に影を落とすんじゃない?」
ミラちゃんは少し辛そうに呟いた。
「…私は、使い魔をただの使い魔として、道具としてしか見ない人は嫌い。どんな生み出され方をしたとしても、その使い魔は生きてるんだから。……立香。貴女はそういう風にならないでほしい。」
「……ありがとう。」
…私からすればミラちゃんはサーヴァント召喚の先輩になるのかな。だったら、素直に忠告は聞いておいた方が良い気がする。それに、ミラちゃんは使い魔をちゃんと道具として見るようなことはせず、愛する人だってわかったから。
「あああぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
マシュの盾とアーサー王の聖剣の衝突。マシュが少し押されてる。
「……ふん!」
「…っ!?」
聖剣の出力が上がる。それで押され気味だったマシュはさらに押されやすくなった。
「……」
わたしは…
「……っ!」
もう……
「っ!?先輩!?」
「私は…もう……」
私はマシュの盾を支えていた。マシュは気づくの遅れたみたいだけど。
「なにやってるの!?」
「もう…いやなの。…私は………!」
「──!?」
はっきりと、アーサー王が驚愕した表情が見えた。それと同時に、私の手にある赤い紋様が二画、消える。
「もう…私は……!親しくなった人を……誰も失いたくないの…!!」
「聖剣が…押される…!?」
お兄ちゃん……みんな……力を貸して……!
「「……はぁぁぁぁぁああ!!」」
私の願いと共にマシュが持ち直し、聖剣を完全に押し返した。
「くっ…まさか、完全に受けきられ、反射までされるとはな…」
反…射…?
「聖杯を守り通すつもりだったが、己が執着に傾いた挙句、敗北した。結局、どう運命が変わろうと私一人では同じ末路を迎えるということか───」
そう言った後、アーサー王は私をじっと見つめた。
「マスターである娘。心しておくがいい。」
私…?
「グランドオーダー───聖杯を巡る戦いはまだ始まったばかりだということを。貴様もいずれ知るだろう、貴様に課せられた運命というものを───」
そう言ってアーサー王は消滅していった。
「私に課せられた…運命…?」
私はアーサー王の言葉を繰り返していた。
「…なんか、納得いかねぇ。が、俺はここまでか。後は頼むぜ、立香。それにルーパス達もな。」
その声にクー・フーリンさんの方を向くと、クー・フーリンさんも消滅しかけてた。ルーパスちゃん達は何も問題はない。
「え…なんで」
〈サーヴァントは聖杯戦争が終わると消滅する。それが普通なんだよ。もしかしたらルーパスちゃん達はこの聖杯戦争に呼ばれたわけじゃなかったのかもね。〉
「そうかもな。俺の記憶の限り、ルーパス達のような姿は見たことねぇしな。…もしも次があるなら、そん時はランサーとして呼んでくれや。」
そう言い残して彼は消滅した。
はてさて、一体どうなることでしょうか。
というか冬木もそろそろ終わりますね…私早くゲームのメインストーリー進めないとです…(未だキャメロット)