狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
裁「……これで、色々維持してるのすごいと思う。」
弓「そうさな…」
「おかえり!ジキル!みんなが帰ったわ?」
ジキルさんのアパートに戻ってきて。フランさんが出迎えてくれた。
「私、スコーンが食べたいわ!」
「だ、そうだぞファンブル神。責任を取って食べさせるがいい。」
「オレかよ!!1回しかファンブルしてねぇだろ!?」
「私の中の何かが叫んでます…こういう人は一番重要な所でファンブルを起こすと……そして味方を殺すと……」
「くっくっく……とんだ評価になっているな、モードレッド?」
「味方殺しとかなんか重なるからやめろよ!?」
アルがかなり低い評価を言い放つのは少し珍しい気がする……
「騒いでいないで早く荷物を片付けますよ、モードレッド。」
「くっそ…」
「……荷物といえば、そこの筋肉ギリシャ女。」
「…誰だか瞬時に分かる私が悲しいんだけど……何?」
こっちに帰ってくるまでに出会ったエネミーはほとんど私が倒したし…ヘラクレスさんにも練習付き合ってもらってるって話をしてたからそういう評価になるのは分からなくもないんだけど……けど……私が今回使ってたのって中国拳法なんだよねぇ…もっと言うと八極拳、八卦掌、形意拳の三種類。
「俺の荷物を二階に運んでおいてほしい。頼めるか?」
「……いいけど、その“筋肉ギリシャ女”っていうのやめてほしい……」
「考えておこう。」
これは考えないパターンかなぁ…とりあえず、アンデルセンさんの荷物───トランク4つを持ち上げる。……流石に不安定なんだけど。
「……まさか、本当に持ち上げるとはな。プリキュアや特撮もののスーツアクターにでもなったらどうだ?」
「そこまで身軽かなぁ…あとプリキュアはたぶんスーツアクターじゃないと思う」
アニメーションって確か大量の絵を使ったパラパラ漫画だった気がする……あぁ、モーションアクターとかいたっけ?
「…まぁ、どれもいいよね。オールスターとかは描写するの大変そうだけど…シナリオライターの人とかよく頑張ってると思う。世界観を崩さずに色々作り出すから…」
「……現実が見えていても幻想は忘れない、といったところか?」
「現実ばかりだと視野が狭くなっちゃうから…同時に幻想ばかりだと視野が狭くなる。いいのは調和が取れていることだから。」
「……そうか。」
私はアンデルセンさんと一緒に2階に行って、荷物をおいた後、ジキルさんに使っていいと言われた部屋に入った。
「…ふぅ。」
ココアを用意して、ベッドに腰かけて一息。これだけでも結構落ち着く。
〈お疲れ、リッカ。〉
「……ん。」
〈……〉
「……」
〈……リッカ。少しいいか?〉
少しの沈黙の後お兄ちゃんが口を開いた。
「なぁに?」
〈…フォータも少し聞いてほしい。今はまだ先の話になるが───人理修復後のカルデアのことだ。受肉…っつったか。それをしていないサーヴァント達は恐らく英霊の座に帰還することになるだろう。“異世界から飛ばされた人間”と言うのが機能しているのか、ハンター達は受肉してるっぽいがな。人間でもカルデア↔特異点の召喚が可能なのは……まぁ、気にすんな。〉
なんだっけ……変換魔術で成立してるんだっけ?
〈それはともかくとして、人理修復…いや、2017年以降の未来を取り戻すというカルデアの使命が終わる以上、サーヴァントの常時顕現は認められないだろう。元々サーヴァントの行使はAチームのみ、それも最大7騎までしか許可されていなかった代物だ。だが今は50騎を軽く越える。視察なんか入った日には地獄だっての。…まぁ、その辺りはどうにかするつもりだけどな。正直レフのせいで大量殺人機関と取られてもおかしくねぇしよ…〉
「あ、あはは…」
お兄ちゃんの声が疲れてる…
〈もしも、の話にはなるが。もしも、ギルが人理修復後も残ってくれるのなら、カルデアはそのまま残り、俺の懸念事項であるセラフィックスは解体されることになる。〉
「セラフィックス?」
〈……説明してなかったな。“海洋油田基地セラフィックス”。カルデアの資金源の1つだ。前々から嫌な予感はしてたんだけどよ。カルデアを維持する重要な施設ってんでどうにも出来なかったんだ。…なんか知らんが、ネロ、エミヤ、タマモキャットも名称を聞いて少し微妙な表情をしてたしな。まぁ、ギルが支援してくれるなら資金問題も解決するわけだが……その辺りはギルの自由だからな。〉
「油田基地……」
そんな場所あったんだ…
〈うまく行けばセラフィックスは解体、そこの職員は次の職への就職支援。魔術協会の視察とかも回避できればいいんだが……それらが全部終わったとしても、必ず1つ問題が残る。〉
「問題?」
〈お前だ、リッカ。〉
私?
〈お前が一般枠で来たのは俺達も知っている。一般枠っていうのは魔術関係に触れていた奴ら以外、つまり一般人から選ばれた奴らのことを言う。…あいつらの話は聞いているが、本来お前はここにいるはずではなかったんだろう。記憶を消すとかはしないが…人理修復後、これまでの日常に戻るか否か。決めておいてくれ。〉
これまでの日常に戻るのか……それとも、カルデアに残るのか。お兄ちゃんの言ったそれは…いずれ必ず私に訪れる選択だった。
〈……まぁ。かなり早く修復が進んでいるとはいえ、本当に選択を迫られるのはまだ先だ。別に今答えを出さなくていい。じっくりと考えて、答えを出してくれな。〉
「…うん」
私が答えると、お兄ちゃんが深く溜め息をついた。
〈…っと。とりあえず業務報告…というか、まぁそれなりに重要な話はこれで終わりな。堅苦しい話は苦手なんだよなぁ…〉
お兄ちゃんらしい、と思う。自由、っていうか。柔軟、っていうか。…それが少し、羨ましいと私は思う。でもそれはお兄ちゃんも同じことで。お兄ちゃんは私の在り方が羨ましいって言う。…正直、私の何がいいのか分からないけど。
〈んじゃついでに1つ。リッカ、フォータ。頼んでいいか?〉
〈はい?〉
「どうしたの?」
〈俺が作ったAI1名。フォータが拠点としている指輪に転送する。アップデートついでにな。…そいつのこと、頼めるか?〉
唐突なお願い。何かあったのかな…?
〈正直なところ、フォータやアドミスは俺の魂の欠片を基礎として組み上げたSAOの人工フラクトライト達と同じ理論のAI達だ。完全にプログラムで構成されたAIをA.L.I.C.E.化する…それが、本来の目標だったからな。〉
〈マスター…〉
〈別にアドミスやフォータに不満がある訳じゃねぇ。だがな…アンデルセンが言った“ムーンセルの上級AI”。それが俺は妙に気に食わん。意地…みたいなもんなんだろうけどな。〉
だからというわけではないが、とお兄ちゃんは続ける。
〈俺の作り上げたAI、1名でいい…お前達の側においてやってくれ。…頼めるか?〉
〈……リッカさん。どうしますか?〉
私は……うん。
「フォータさんに任せるよ。私がよくてもフォータさんが嫌だったら…ね。」
〈……そう、ですか。…マスター。〉
〈ん?〉
〈その方の件……お受けします。〉
〈いいのか?〉
〈はい。〉
〈……わかった。仲良くしてやってくれ。〉
それと同時にキーボードを叩く音。
〈……ひぁっ!?データ量重いです!?〉
〈そりゃ、AI1名分だからな。だが───〉
〈〈このくらいこの端末にとってどうということはない……!〉〉
ハモった……
〈───解凍完了。少ししたら起動しますよ、リッカさん。〉
「…うん。」
どんな子なんだろう…
〈───Data Unzip. Check Stage. Reboot Start……Now Loading……Now Loading……〉
「………え?」
その、声は。
〈System AllGreen. System Data Unlock……Grand Master. Execute "System Code: Operation Authentication".〉
稼働認証。それって……
〈稼働許可。グランドマスター、藤丸六花の名において稼働を許可する。〉
〈…OK. Three…Two…One───〉
なんか不安にさせるアナウンスなんだけど……?
〈───Stand By Ready. Program Data IDentification: Prototype Number Three. Activate.〉
だけど。冷たい、機械的なアナウンスのその声は。紛れもなく───
〈───起動、確認しました。〉
「あな、たは……?」
〈───パーソナルデータの開示要求と認識。私は“Assistant System Management Program: Prototype-003”。通称“ASMP:P003”───
“リツ”。忘れるわけがない。去年、お兄ちゃんからの依頼で声のサンプリングをしたあの子。それに今、私のこと……
「覚えているの……?」
〈メモリー内部に会話をした記録が残っています。時間換算で1年近く前。そのため、お久しぶりと言った現状です。〉
……冷たさが、残ってる。フォータさんやアドミスさんみたいに人間みたいじゃない。恐らくこれは、定型文の組み合わせ。
〈…頼んだぞ、リッカ。〉
「…うん。分かった。」
〈よろしくお願いします〉
その後はしばらくお話をしてた。
弓「ふーむ。」
正弓「どうしました?」
弓「…いや、Fate/Grand Orderの言峰はどうなったのだったかと思ってな。」
正弓「あー……それどうなんでしょうね。私も知りませんし。ですが何故言峰さんを?」
弓「……八極拳といえば言峰くらいしか思い付かぬのだ」
正弓「……マジカル☆八極拳ですか」
ロンドン修正後に召喚するサーヴァントは?
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魔術師、弓兵、暗殺者
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魔術師、魔術師、魔術師
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剣士、弓兵、狂戦士