狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

194 / 372
正弓「…戦闘描写苦手すぎませんか、あの人。」

裁「どうしたの?」

正弓「これ書き起こし終わったの26日だそうですよ」

裁「……えぇ…」


第184話 屍套龍戦、開戦

{戦闘BGM:黄泉を統べる死を纏う者 ~ ヴァルハザク}

 

「先手必勝、ってな!くたばりやがれ!!」

 

咆哮の硬直が終わった私達の中でまず最初に飛び出したのはモードレッドさんだった。結界内は大勢で暴れまわれるように空間が広がっているからこの表現で正しいはず。

 

「あの……バカッ!」

 

鋭く怒号をあげてミラちゃんが飛び出す。続けてルーパスちゃんが笛を振るい、リューネちゃんが狙いをつける。

 

「おらぁぁぁぁ!」

 

 

ガキンッ!

 

 

硬質的な音。モードレッドさんのクラレントは確かに首のあたりを捉えているのに、その刃を首が通そうとしない。

 

「硬ってぇ……!!」

 

「………」

 

「やべっ───」

 

口を開いたヴァルハザクに焦るモードレッドさん。クラレントを抜こうとしても、抜けない。

 

「───間に合えっ!!」

 

ヴァルハザクがブレスを吐く寸前。ミラちゃんがモードレッドさんとヴァルハザクの間に割り込んで、そして───

 

「───かふっ!?」

「───でぇっ!!」

 

ミラちゃんはモードレッドさんもろとも私の方まで吹き飛ばされた。

 

「───けっほ、けほけほっ!───げほっ!!」

 

「おま───なんで」

 

恐らくブレスをろくな防御もしないで受けた反動だと思う。最後の咳き込みで血を吐いたあと、ミラちゃんがモードレッドさんを睨んだ。

 

「こんの───バカ!!支援も受けられていない、準備もままならない状況下で古龍に挑みかかるバカがどこにいる!!」

 

「あぁ!?」

 

「あんたは古龍の恐ろしさを分かってない!よく聞きなさい、今のは完全に()()()()()()()()()()()()!全力で相手をするといいながら全力を出していない───いいや、()()()()()()()()()んだ!!もしも今のが全力だったのなら私やハンター達はともかくあんたたちは確実に死んでいたぞ!!」

 

「「「「「───!!」」」」」

 

確実に死んでいた。その言葉が私達に重くのし掛かる。

 

「上位はおろか下位にすら至らない人間が1人で古龍と戦おうとするな!!これはサーヴァントでも例外じゃ───ごぼっ!」

 

再度ミラちゃんが血を吐く。それと同時に笛の音。ミラちゃんを緑色の光が包む。

 

「瘴気ブレスの直撃を防護強化なしで受けるのは危険だよ?ミラ。」

 

笛から口を放したルーパスちゃんがそう言った。

 

「…分かってる。回復ありがとう、ルーパスさん。」

 

「まだ長い時間はいないけどさ。ミラがあそこまで怒ったのは初めてみたよ。」

 

「古龍と戦うのは危険だから。大体、最大痛撃色が白でもこの世界の人達のは何故か3段階くらい落ちるから…」

 

「実質最大痛撃色黄、っていうね。遠距離系は問題ないけど。」

 

「それでも一撃一撃が弱いから…」

 

「異世界のハンター達は武器倍率が低いとか高いとか言ってたけどね…」

 

「……異世界のサマナーさんたちも言ってたなぁ」

 

一瞬のんびりした雰囲気が流れたかと思うと、一瞬で表情を変えて跳んだ。

 

「フリュゥゥゥゥゥ………!」

 

「全員散開!」

 

私の言葉で近くにいたサーヴァントのみんなが跳躍。私もジャルタさんに抱えられて跳ぶ。どうやら私達の足元に跳躍力強化の魔法陣が描かれてたみたいで、全員がかなりの高さまで上昇した。

 

 

ボシュゥゥゥゥゥ………

 

 

下に向けて吐く瘴気。それが私達がいたところにまで迫ってきていた。かなりの範囲があるブレスみたい。

 

「強化いくよ!」

 

そう叫んでから私は試作型天文台横笛を吹く。これに与えられている音色はルーパスちゃん達の世界の狩猟笛に存在してない音色。それはまぁ、カルデア試作、それも私専用だからなんだけど……一応、本当に狩猟笛として運用していくならルーパスちゃん達の世界にあるものと同じ音色構成になるって話。私が持つ笛のその音色は、漆黒薄紅桃花。その色は偶然なのか、陽菜ちゃん、ニキ、星羅の髪色と全く同一だった。漆黒漆黒漆黒桃花桃花薄紅薄紅薄紅薄紅の組み合わせで発動するその旋律効果は“他者強化”、“マスタースキル2発動”、“旋律効果倍加”。追加演奏して“はじかれ無効+体力回復【小】”、“マスタースキル2効果時間延長”、“旋律効果時間延長”。ちなみにこの旋律効果に関して“第1音色2連旋律の追加演奏が心眼効果発動なのは変わらないんだね”、ってルーパスちゃんから言われた。

 

「“鏡のアリス”!」

 

私が一声叫ぶとありすさんとナーちゃんが前に出る。“鏡のアリス”。それは、ありすさんとナーちゃん用に作った1つのコマンド。意味は───“二人同時に行動せよ”。

 

「「───コードキャスト」」

 

コードキャスト。ギルからその概要は聞いている。曰く、電脳空間で使用される簡易術式(プログラム)。月の聖杯戦争の参加者たる魔術師(ウィザード)達はコードを予め設計・製造しておき、これに魔力を通すことで起動させる。中には礼装に刻まれたものもあるみたいだけど…

 

「───“火吹きトカゲのフライパン”!」

「───“冬の野の白き時”!」

 

2人が放った魔術がヴァルハザクに襲いかかる。怯みはしてないけど、ダメージは通ってるみたい。

 

「…浅いわ、あたし(ありす)。」

 

「そうね、あたし(アリス)。」

 

でも二人からすると不満みたい。

 

「痛撃補助行くよ!」

「せぇぇい!!」

 

ミラちゃんの声と同時に気合の入った声。その方を見ると、ルーパスちゃんが狩猟笛を振りぬいていた。あ、確か狩猟笛ってまぁまぁ重いんだっけ?

 

「───適応完了!」

 

「鉄蟲糸技“飛翔にらみ撃ち”───見えた!」

 

リューネちゃんが接近、翔蟲で飛び上がって3射。そしてナイフをヴァルハザクに突き刺した後、2ステップでヴァルハザクから離れる。ヴァルハザクを狙ったままながら微妙そうな表情をしてた。

 

「……浅いな」

 

「浅い?」

 

「あぁ……なんというか、あまり痛手が与えられてない。無属性なのが悪いのか、僕の立ち回りが悪いのかは知らないが。例の強化もまだ確立できていないらしいからな……どうしたものか…ね!」

 

噛みつきにかかってきたヴァルハザクをどこからともなく取り出した小刀で斬りつけながら回避、矢……というかモヤっとボールみたいなのを放つと、それでヴァルハザクが一瞬怯む。

 

「傷つけ入れるよ!」

 

「援護する!」

 

「私も援護しよう。■■■■■───!!!」

 

ルーパスちゃんがクラッチクローでヴァルハザクの顔に飛び付き、ミラちゃんが麻痺弾(もう大体色でわかるようになった…)、ヘラクレスさんが武器の叩きつけで地面を揺らす。…一瞬バーサーカーに戻ったかと思ったけど、ヘラクレスさんの使ってる“神殿戦斧ヘラクレス”ってバーサーカーの時にも使ってたあれだもんね。

 

「傷つけ成───きゃっ!」

 

宙に浮き上がったルーパスちゃんが引っかかれる。それに対してちゃんと受け身を取って笛を吹く。適用されるは“響玉:体力継続回復”、“体力回復【小】”、“鋭利UP【大】”。そこから追加演奏で“響玉:体力継続回復”、“体力回復【小】”、“鋭利UP【特大】”。…いつの間に旋律そろえてたの?

 

「お前も行け!」

 

「俺を蹴るなぁぁぁ!!うおぉぉぉぉぁ!?」

 

イアソンさんがヴァルハザクに向けて蹴られ、噛みつきを回避していく。

 

「そら、そら!───メディア!」

 

「わかってるわよ!マキア・ヘカティック・グライアー!!」

 

「ちょっ、俺のことも考えろぉぉぉぉ!!」

 

「うるさいわよっ!ヘラクレス!!」

 

「承った。■■■■■───」

 

「えっ、ちょっ、まっ───」

 

「■■■■■───!!!!」

 

「やりやがったなへラクレスゥゥゥゥ!!」

 

あ、吹き飛ばされていった……

 

「悪は滅びた!」

 

「スッキリしたわ!」

 

「いや何してるの!?」

 

「私は滅びぬ!何度でも蘇るさ!」

 

「「滅びとけ!!」」

 

「うぐ…」

 

仲がいいなぁ…

 

「フリュゥゥゥゥゥゥ…………」

 

「あれは───吸引してる?」

 

「瘴気吸引…大団長!」

 

「瘴気侵蝕状態は解除してるぞ。」

 

「なら大丈夫!」

 

何が大丈夫なのかわからないけど…

 

「計算上はあと麻痺弾2発で麻痺入る」

 

「了解」

 

吸引を終えたところに結界内に何かが現れる。

 

〈報告!()()()()()()───使用可能です!〉

 

「…!」

 

ジュリィさんの声にルーパスちゃんが反応する。

 

「待って!?“魔術式撃龍槍”って何!?ていうか撃龍槍使えるの!?」

 

〈一応防衛クエストですから使えますけど…闘技場ではないのに撃龍槍をそのまま出すことはできませんから結界で組み上げた魔術式ですけど。ミラさんに協力お願いしてますから私たちの世界の物と同じ効果なのは確認済みですよ?〉

 

「えぇぇ…」

 

「ちなみに魔術式撃龍槍は私達の世界に実際にあるけど、ジュリィさんの撃龍槍より強いよ」

 

それは多分言っちゃだめなやつ…でも…

 

「…もう弱ってるんだよね。」

 

無言だったけど結構な猛攻だったからね。

 

「行きます───シールドバッシュ!!」

 

「……キュルォォォォォ…」

 

「……あ…?」

 

マシュの一撃が最後になったのか、ヴァルハザクが動かなくなった。

 

「あれ…先輩、私……?」

 

「……油断しないで、マシュ。」

 

音楽は止まった。だけど───クエストクリアの声が聞こえない。

 

「……来るよ」

 

ミラちゃんがそういったと同時に、ヴァルハザクがもう一度動き始めた。

 

「ォォォォォォォ……」

 

「こいつ───不死身か!?」

 

「違う。…討伐は一時的な行動停止に過ぎない。ヴァルハザクは、その行動停止時間を無理矢理短くして起き上がっただけに過ぎない。…さぁ、第二ラウンドを始めよう」

 

そういってミラちゃんが杖を構え、龍属性の砲門を20ほど展開した。




正弓「ちなみに情報開示。」


試作型天文台横笛III
攻撃力120
属性なし
会心率0%
最大斬れ味緑
音色 漆黒薄紅桃花
旋律情報
旋律旋律効果重ね掛け効果
漆黒漆黒他者強化はじかれ無効+体力回復【小】
漆黒薄紅桃花マスタースキル1発動マスタースキル1効果時間延長
漆黒薄紅薄紅桃花マスタースキル2発動マスタースキル2効果時間延長
漆黒桃花桃花薄紅マスタースキル3発動マスタースキル3効果時間延長
薄紅薄紅薄紅旋律効果倍加旋律効果時間延長
桃花漆黒桃花環境ダメージ無効体力回復【小】
響音桃花広域響周波【打】連音響周波【打】
響音薄紅響玉:体力回復【大】連音響玉

テキスト
人理継続保障機関フィニス・カルデアにて試作された狩猟笛の補助型。マスター専用というような性能をしている横笛。試作であり、未完成品であるためにその攻撃力は低いようだ。


正弓「補助に振り切ってますね…この性能。」

裁「確かに」

ロンドン修正後に召喚するサーヴァントは?

  • 魔術師、弓兵、暗殺者
  • 魔術師、魔術師、魔術師
  • 剣士、弓兵、狂戦士
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。