狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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構成組むのに時間がかかりました。


第19話 集合、そして起動せよ冠位指定(グランドオーダー)

 

「…ん」

 

私がミラちゃんから借りた本を読んでいたら、隣のベッドから声がした。

 

「……ここ、は」

 

「あ、オルガマリー!起きたの!?」

 

「立…香?」

 

オルガマリーが目を覚まし、体を起こしていた。

 

「…あ、れ?私…カルデアスに…死んだはずじゃ……」

 

「ううん、死んでないよ。私もよくわかってないけど、ジュリィさんが助けてくれたみたい…」

 

「ジュリィが…?」

 

オルガマリーがそう言ったとき、部屋のドアが開く音がした。

 

「あ、起きましたか?」

 

「…え、えぇ」

 

「体の不調とか、あります?」

 

「いえ…ないわ。」

 

「…ならよかったです。ひとまず、お風呂とかは入らないようにしてくださいね。入っても魂自体は大丈夫ですが。」

 

ジュリィさんがそんなことを言った。お風呂がダメ…?

 

「ねぇ、なんでお風呂がダメなの?」

 

「え?あぁ、オルガマリーさんの身体が、()()()()()()からですよ。」

 

「「え?」」

 

オルガマリーの身体が…紙で出来てる?

 

「オルガマリーさん。貴女はどこまで覚えていますか?」

 

「えっと…一応レフに冬木で殺されかけたところまでは。その先は…ちょっと曖昧ね。」

 

「ん、大体覚えていますか。でしたら…」

 

ジュリィさんはジュリィさんとミラちゃんがしたことを説明した。曰く、ミラちゃんがオルガマリーの存在そのものを世界に見失わせ、見失った隙にジュリィさんがそのオルガマリーの魂を情報として定義して本の中に吸い込んだんだって。オルガマリーの存在そのものは今もジュリィさんの持つ本の中にあって、今ここにいるオルガマリーはその欠片。サーヴァントと座の関係性みたいなのを再現した、みたい。私にはよくわからなかったけど。

 

「紙を顕現媒体として構成したので、しばらく不自由だと思いますけど大丈夫ですか?」

 

「え、えぇ…生き残れただけでも嬉しい、と思っておいた方が良いわね。」

 

「他によさそうな媒体があるといいんですけど…私の力だけじゃ完全蘇生はできなくて…すみません。」

 

「……まぁ、しばらくは我慢するわ。それより、助けてくれてありがとう。」

 

「いえ…とりあえず、起きたのでしたら行きましょうか。」

 

そう言ったのを聞いて思い出した。オルガマリーが起きたらブリーディングだって。

 

「行こう、オルガマリー。ブリーディングだよ。」

 

「えぇ……あの、立香。」

 

「うん?」

 

「そのオルガマリーっていうの、なんとかならない…?呼びにくいでしょう?」

 

「ん~……」

 

まぁ確かに呼びにくいっていうのはあったかもしれない。そこまで気にしてなかったのもあるけど…

 

「…じゃあ、マリー…って呼んでいいかな?」

 

実は“オルマ”っていうのもちょっと考えてたんだけどね。なんか呼びにくいような…

 

「…えぇ、是非。」

 

「じゃあ、マリー。一緒に行こう?」

 

「…えぇ。」

 

その後、マシュやさっき召喚したルーパスちゃん達と合流して管制室に入った。

 

「入ります。」

 

「やぁ、来たね。」

 

「あ、マリー!」

 

「えっ、きゃぁっ!」

 

私の隣にいるマリーに突進してきた人がいた。マリーはそのまま地面に倒れたけど。

 

「…あぁ…よかった……ちゃんと生きてる…」

 

「ちょっ、セリア…!離れて!?」

 

「…あ、ごめん、お姉ちゃん。」

 

「「お姉ちゃん!?」」

 

あ、マシュも驚いてるから知らなかったみたい。

 

「…とりあえず離れて。動けないから。」

 

「しょ、所長…?その方は…一体?」

 

「…私の妹よ。ほら、自己紹介」

 

「初めまして、“ルナセリア・アニムスフィア”です!お姉ちゃん…マリーからは“セリア”って呼ばれています!」

 

「よ、よろしくお願いします…?」

 

その人…ルナセリアさんはマリーの服のオレンジ色の部分を薄い紫色にしたような服を着ていた。

 

「私が使えるのは主に治癒魔術ですね。アニムスフィアの魔術も使えますがマリーほどじゃありません。」

 

へぇ…って思ってドクターの声がした方向を見ると、見覚えのある人影が見えた。私が首を傾げて見続けていると、その人物が不意にこちらを向いた。

 

「……え?」

 

確かに、最近帰ってこなかったけど、ここにいるなんて思わない。けど、その顔は私がよく知ってる顔。

 

「……お兄…ちゃん…?」

 

「…あぁ。名前を見たとき、まさかとは思ったんだが…やっぱり、お前だったんだな。立香。」

 

私のお兄ちゃん。名前は、“藤丸(ふじまる) 六花(むつか)”。女の子みたいな名前だけど、れっきとした男性。もう会えないと思っていたお兄ちゃんが、そこにいた。

 

「どうして…ここに。もしかして、私みたいに…?」

 

「いや…俺にマスター適性はない。レイシフト適性もほぼほぼない。俺はここに機械のメンテや食堂の管理に呼ばれたんだ。」

 

「…そっか。」

 

お兄ちゃんは死んでない。そう分かっただけでも、私の気持ちは落ち着いた。

 

「…あぁ。やっぱり、兄妹だったのね。同じ“藤丸”だったから、気にはなっていたのよ。」

 

「まさか、兄妹そろってカルデアに来るなんて。何が起こるかわからないね、お姉ちゃん。」

 

マリーとルナセリアさんは知ってたみたい。

 

「…ん゛ん゛。…感動の再会中すまないが、ブリーディングを始めたい。所長、情報は所長が眠っている間に纏めたので、お願いできますか。」

 

「…え、えぇ。でもいいのかしら?私で。」

 

「所長だからお願いするんですよ。僕なんかより所長の方が気も引き締まるでしょう。」

 

「…わかったわ。」

 

マリーはドクターから書類を受け取って一読してから私達の前に立った。…って、一読しただけでドクターに返したんだけど…

 

「…まずは、カルデアの所長としてお礼を言います。あなたたちのおかげで、特異点Fは消滅したわ。ありがとう、マシュ、立香、そして異世界のサーヴァントたち。」

 

「私達は特に何も…ねぇ、リューネ?」

 

「あぁ…そこまでやったことはないしな…」

 

「それでも、みんな頑張ったからだと思うな…ね、マシュ。」

 

「はい。先輩の言う通りです。」

 

「私のことも救ってもらったし…っと、脱線するのはいけないわね…ロマニ。ついさっき、シバを復興させてカルデアスをもう一度見てみたそうね。それを見せてくれる?」

 

「はい、こちらに。」

 

ドクターの言葉の後、管制室のカルデアスが真っ赤になって浮かび上がった。

 

「…信じたくなかったけれど、本当のことだったのね。」

 

「うん…」

 

「カルデアスの状態から見るに、レフの言葉は真実だ。外との連絡も取れないし。このカルデアだけが、通常の時間軸にない状態なんだろう。崩壊前の時間に留まっている、っていうか。」

 

「時のズレ。でも、それは永遠じゃない。ここも時間が動いている以上、いつかその時間に追いついてしまう…」

 

「ミラちゃんの言う通り。このカルデアは宇宙空間に存在するコロニーのようなものだ。外の世界は死の世界。この状況を抜けられなければ、だけど。」

 

その言い方、何か方法があるように聞こえた。

 

「…それで?それを言うためだけにここに呼んだわけじゃないよね、ロマン?」

 

「あぁ。復興させたシバで、もう一度地球をスキャンしてみたんだ。ただ、未来のじゃなくて、過去の…ね。その結果が、これだ。」

 

ドクターの言葉と共に映し出されたのは青い地球。…だけど、すごく歪んでる。

 

曰く、“この戦争が終わらなかったら”。“この航海が成功しなかったら”。“この発明が間違っていたら”。“この国が独立できなかったら”。そういった人類における重要点が、改変された。

 

これらの事象は、改変されると過去改変が起こされても働くはずの修正力もうまく効かないらしい。…それが、7つ。

 

「…こうなってしまった以上、私は貴女に聞かなくてはならないわ。」

 

マリーはそう言って私に向き直った。

 

「マスター適性者48番、藤丸立香。貴女には、この人類史と戦う決意はあるかしら?特異点とは言えど、これは紛れもない人類史そのもの。貴女に人類の。カルデアの未来を、背負う覚悟はあるかしら。曖昧な返答は許さないわ、今ここで返答しなさい。」

 

マリーの目をみて真剣に言っていることが分かる。というか、見る前にもこれは現実だってわかっていたけど。なら、私の出す返答は一つ。

 

「私なんかでいいのなら…ううん、違う。やるよ。またみんなで、こんな時じゃなくても…笑い合いたいから。」

 

その言葉を発した時、マリーは少し泣きそうな顔をしてた。けど、すぐにその表情を元に戻した。

 

「…そう。ロマニ、聞いたわね!」

 

「えぇ、もちろん!では、これよりカルデアはオルガマリー所長の下、新体制に入る!」

 

それを聞いてお兄ちゃんたちの気配が引き締まったのが感じられた。

 

「目的は人類史の保護、及び奪還。探索対象は各年代と、原因と思われる聖遺物たる聖杯。私達が戦うのは先も言ったように人類史、つまり今までの歴史そのものよ。私達の前に立ちはだかるのは多くの英霊、英雄よ。それは挑戦であると同時に、過去に弓を引く冒涜になるわ。私達は人類を守るために、人類史に立ち向かわなくてはなりません。」

 

言葉にされて思ったけど、結構矛盾してるよね、これって。人類を守るために人類の歴史に刃を向ける、って。

 

「けれど、生き残るにはこれしかない。…いいえ、未来を取り戻すにはこれしかないわ。これらをもって、作戦名をファーストオーダーから改めます。」

 

そして、マリーはその言葉を発した。

 

「カルデア最後にして原初の使命。人理守護指定・G(グランド).O(オーダー)。魔術世界における最高位の使命をもって、私達は未来を取り戻す!」

 

 

「「「「「「…了解!」」」」」」

 

 

私達の旅は、ここから始まる。

 

「立香、明日は英霊召喚をするわよ。」

 

「ちょ、まだ召喚するんですか!?今七基…」

 

「残念だけど、今ここにいる異世界の住人たるサーヴァントたちは全員直接立香をマスターとしているサーヴァントよ。資料を見る限り()()()()()()()()使()()()()()()()ようだし。カルデア所属のサーヴァントでこちらから自由に動かせるのはマシュが立香をマスターとしている以上、ダ・ヴィンチしかいないわ。」

 

「え…ってことは、七基のサーヴァントを立香ちゃん一人で維持しているのかい!?」

 

「えぇ、そうよ。」

 

それを聞いたけどよく意味が分からなかった。

 

「いいわね、立香?」

 

「あ…うん!多分必要なことだと思うから…」

 

「よろしい。では今日はこれで解散とします。」

 

マリーがそう言うと、全員が管制室の外に出ていった。

 

「…どうする、立香。」

 

「ん…どうしよっか、お兄ちゃん。」

 

「ゲームでもするか?」

 

「え、あるの?」

 

「あぁ。俺の部屋に置いてある。」

 

結構久しぶりの兄妹交流なのにそれでいいの?って言われそうだし、たまに言われたけどいいの。これが私達の兄妹の形の一つだから。

 

「…あ、そうだ、お兄ちゃん。」

 

「ん?」

 

「“テオ・テスカトル”、って聞いたことある?ミラちゃんが言ってたの聞いてからどこかで聞いたことのある名前だと思ってたんだけど。」

 

ゲーム関係に関しても、アニメ関係に関してもお兄ちゃんの方が詳しい。私が勝てるのなんてライトノベルとかマンガとかその辺だから…

 

「テオ・テスカトル?それ、“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?結構戦うのめんどい炎王龍だよな?」

 

「……あっ。」

 

確かにそうだ。あのゲーム好きなのに何で忘れてたんだろう……

 

「テオがどうかしたのか?」

 

「えっと…もしかしたら、私…モンスターサマナーの世界の人間を召喚したかもしれない……」

 

「は…?…ともかく、俺の部屋で詳しく聞かせてくれ。」

 

そのあと私達はお兄ちゃんの部屋に移動してしばらく話をした。

 




冬木の章はこれで終わりです。一応次からは今現在で設定できている分+公開してもネタバレにならないレベルのルーパス達の情報公開です。実は完全に設定できてるわけじゃないので今後変更されることがあると思います。あと基本的にモンスターハンターの方のキャラクター達はコピー&ペーストで量産したステータスです。召喚が終わったら簡易的な人物紹介も書きますね。
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