狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
正殺「…魂構成フォーマット…拡張子の違いを無視した強制融合による魂の自己崩壊、か…99%崩壊が進んでいる状況下で1%でも魂を残せたのは奇跡かな。流石、“原初の2人”。お母さんと強く共鳴できるだけはあるのかな。」
正弓「…」
正殺「…それで、どうなのかだっけ。正直言って状態は最悪。魂の大部分が崩壊、欠損してるからね。やっては見るけれど、成功するかは分からないよ。」
正弓「……わかった。」
正殺「…それと、もう1つ報告ね。」
正弓「?」
正殺「お母さんだけど、なんというか…波長が不安定なの。もしかしたら復帰予定日に復帰できないかもしれない。」
正弓「…分かった。鍵のルーラーさんにもそう伝えておく。」
正殺「ん。」
「…さて。全員揃ってはいるな?次何があるか分からん、さっさと話を進めよう。」
ジキルさんのアパルトメントに戻ってきて。開口一番、アンデルセンさんがそう言った。
「……と、その前にだが……リッカと無銘。お前達は休んでいないで大丈夫なのか?」
「うん。ほぼ全身筋肉痛で車椅子から動けないけど、聞かないとダメだと思うから。」
「同じく…問題ありません。」
ギルが用意してくれた車椅子に乗っている私とアルがそう言うと、アンデルセンさんが頭を押さえた。私が暴走して超高速戦闘してたみたいだけど、肉体の損傷自体はアルが…というか、虹架さんが私を治癒しながら戦ってくれてたみたいだから全くといっていいほどない。それでも、首から下は臓器周辺を除いて筋肉痛で動かすとかなり痛いけど。
「だといいんだが…二人とも一刻も早く安静になるべきだろう。さて、俺が気になったものは、そもそもの“英霊”と“サーヴァント”の関係だ。」
英霊とサーヴァントの関係…?
「“英霊”とは人類史における記録、成果。実在のものであろうとなかろうと、人類があるかぎり常に存在し続けるものだ。一方で、“サーヴァント”は違う。これは英霊を現実に“在る”ものとして扱うもの───もともと在るかどうか判らないものにクラスという器を与えて“現実のもの”にした使い魔だ。だが……オルガマリーと言ったな。そんなことが人間の、魔術師の力で可能なのか?」
えっと……?
「英霊を使い魔にする───なるほど、これは確かに強力だ。最強の召喚術といってもいいだろう。それは今のマスターであるリッカならば判っているはずだな。だが…それは人間だけの力で扱える術式ではないはずだ。可能だとしたら、それは───」
〈人間以上の存在。世界、あるいは神と呼ばれる存在が行う権能───そう、言いたいのですか?〉
「そうだ。英霊召喚は、人間だけの力では行えない。そこには何か、必ず別の理由があるはずだ。」
「───それが、聖杯なんだろ?」
『聖杯の魔力が後押しとなってサーヴァントが召喚できるようになる。それが、サーヴァント召喚の原理。』
「本来の英霊召喚とは、全く別のものですね。」
……この話し方、ウルさん多分知ってそう……
「そうか。やはり違うか。…そもそも聖杯戦争というのはなんなのか。このあたりはそのあたりに詳しい奴らに聞いた。いくつかの派生はあるようだが…一番ノーマルな聖杯戦争は七騎の英霊を喚び出し、競わせて聖杯を手に入れる戦いだそうだ。…俺が知っているのとは違うな。」
「オレが知ってるのも7VS7の聖杯大戦だったしなぁ。」
「…月の表側で起こったのも128人によるトーナメントとやらだったらしいな。月の裏側は……面倒だから答えん。というかあれは聖杯戦争と言っていいのか…」
「いくつかの派生パターンがあるからな。だが、聖杯戦争の原型は7騎のサーヴァントを競い合わせるので間違いない。」
月の表側……月の裏側……?それに、聖杯大戦……?
ザリッ
「っ───」
不意に、視界にノイズが走った───ような気がした。手を上げようとして筋肉痛で痛みが走る。それと同時に、微かな声と……どことなく軽快、だけどどこか恐怖を覚えるような音楽。それから映像───
≪BB~~チャンネル~♪≫
“BBチャンネル”。それだけは、はっきりと聞こえた。映像の中のモニターに映るのは紫色の髪にリボンをつけ、黒いマントのようなものを羽織っている少女。モニター以外に見えるのはカルデアスとシバ。それに私とマリー、ドクター、マシュ───そして何騎かのサーヴァント達と何人かの見覚えのない人達。
≪───≫
モニターの少女が何かを話している。読唇術の準備なんてしてなかったから分からない、けど───急に彼女が土下座した。
「……ぃ。おい!」
「いづっ…!」
「あ、すまん…聞こえているか、リッカ。」
アンデルセンさんに肩を触れられた痛みで幻視も消える。首から上は動くから小さくではあるけど頷く。
「…何か、考え込んでいたようだが。どうした、マスター。」
「……ねぇ、ギル。“BBチャンネル”、って何か分かる?」
そう聞いた直後、ギルが表情を曇らせた。
「……BB、か。」
そして、大きなため息までついた。えぇ……?
「あぁ、あのAIか。今度はどんな厄介事を持ち込んだんだ?」
「知らん。大方BBチャンネルと称してマスターの視覚と聴覚をハッキングしたんだろうが……まぁ、不安定だったのかは知らんが童話作家からの刺激で解除されたようだな。それで、そのBBがどうした?」
「えっと……そのBBさんなのか分からないけど…なんか、土下座してたんだけど……」
「「……は?」」
ギルとアンデルセンさんが同じ言葉を上げる。
「……あの女がか?…あり得ぬな。」
「あぁ、あり得んだろう。例え天地がひっくり返ってもあり得んだろうさ。逆に、そうなったならば見てみたいな!」
「あり得るとしたらアルターエゴ共の誰かだろうが…マスター、その女の特徴は言えるか?」
「……紫色の髪に赤いリボン、黒いマントみたいなのを羽織ってて…えっと…その……軽くだけど見えてた……」
何となく気にしそうだったから小声で言うと、ギルが写真を出してくれた。
「この女か?」
そこに映っていたのは紛れもなく私が見た彼女。えっと…うん。視線低いと見えると思う。その…スカートの中。いや、スカートだから低いところから見たら中が見えるのは当然なんだけど。彼女、ミニスカートだから…うん。まぁ、私の
「……完全にBBではないか。やれやれ、一体何を
「…話が脱線したな。すまんが強制的に戻させてもらう。俺はこの聖杯戦争のシステム自体に違和感を覚えた。英霊を召喚してまでやることが“戦わせて競わせる”だけか?なるほど、人間の性質上競わせて優位性を証明するというのはあるだろう。だがそれを、願いが叶うとは言えど
…確かに。聖杯戦争の原型で言うなら、聖杯は言ってしまえば運動会の優勝カップ。“願いが叶う”という違いはあったとしても、それをサーヴァントを使役してやる必要はないと思う。代理戦争───と言っていいのかは知らないけれど、令呪があると言っても制限をかけなければマスターを殺して、もしくは自害して座に帰る……というのが英霊だと思う。特にバーサーカーなんかはそうだと思うし。そんな危険を侵してまで、英霊を使う必要は……
「ギルガメッシュ。聖杯の起動条件は7騎のサーヴァントの魂だと聞いているが…間違いないな?」
「うむ。聖杯戦争のアレは魔術師6名と英霊7騎の魂を聖杯にくべることで真の願望器として機能するようになるのだ。自らのサーヴァントも含めた、な。やれやれ、所詮使い魔とは言えどこのような仕打ちを受ける謂れはないであろうに。」
「まぁ、これが英霊の魂を使う理由なのだろうな。…とはいえ、違和感は消えん。そう考え、魔術協会で書物を探った。」
「解答を言え、さっさと。」
「急かすな。結論から言うと、俺達サーヴァントは“格落ち”だ。本来の力を何段階も落とし、人間の手で扱えるようにしたモノ。それが俺達だ。」
「な───オレ達が格落ちだってのか!?」
「声を荒げるな。だいたい、人間の手で扱える時点でごく小さなものだとは分かりきっている。そもそもの話、“降霊儀式・英霊召喚”とは7つの力を1つにぶつける儀式だそうだ。つまり、決して英霊同士を競わせるものなどではない。“儀式・英霊召喚”と“儀式・聖杯戦争”は同じシステムでありながら別のジャンル。“聖杯戦争”は人間が利己的にアレンジしたものなのだろうさ。」
アレンジ…か。
「勘違いすることがないように言っておくが、俺達が格落ちというのはあくまで“霊基”の話だ。英霊の格はその霊基に関係はない。……話を戻すぞ。一方で、元となった“英霊召喚”はというとだ。“7つの大きな力”を“1つの強大な敵”に対して投入するための儀式だった。人間が英霊を扱う儀式が“聖杯戦争”なら、世界が英霊を扱う儀式が“英霊召喚”。理解するのが難しいなら、聖杯戦争の元となったシステム───一次創作に当たるものがあると考えればいい。」
〈聖杯戦争の原型……ですか。申し訳ありません、その観点はこちらも予想外でした。私達カルデアも冬木の聖杯戦争をもとに英霊召喚システムを作り上げたものですから、その大本があるとまでは考えていませんでした。お見事です、ミスター・アンデルセン。〉
「ふん。…だが、気になるのは。俺達が格落ちの霊基であるとするならば、その大本となったものは一体どれほどの霊基を与えられていたのかだな。…さて、俺から話せそうなことは以上だ。……解答はこれでいいか、英雄王。」
そう聞かれたギルは少し考えてから口を開いた。
「…ふむ。75点というところか?やはり貴様の観察眼は本物だな、童話作家。さて、答えを望むなら話さんでもないがどうする?」
「頼めるか。解答を持つ者がいるなら答え合わせをするのが基本だろう。」
「承った。さて…どこから話すか。…そうだな、童話作家の補足からでもいいが、まずはクラスについて話すとしよう。」
クラスについて……?
「マスターはもちろん、既にここにいる者達は全てではないにしろサーヴァントのクラスは知っているな?マスター、思い浮かぶクラスを答えてみよ。」
「えっと…セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、アサシン、キャスター、バーサーカー…それからエクストラクラスとしてシールダー、ハンター、ルーラー、アヴェンジャー、アルターエゴ、フォーリナー、プレミア、アングラー…だよね?」
「……
「え?エミヤさんが釣りしてるときに“今だけは真名もクラスも棚上げし、こう名乗らせてもらおう。我がクラスはアングラーだと……!”って言ってたけど……」
「何をしているのだ贋作者……」
あ、ギルが頭を押さえた。
「まぁいい。聖杯戦争に喚ばれるサーヴァントは基本的に7種類に分類される。その分類は───
セイバー───剣士。剣術に長けた英霊。
アーチャー───弓兵。弓術に長けた英霊。
ランサー───槍兵。槍術に長けた英霊。
ライダー───騎兵。騎乗に長けた英霊。
アサシン───暗殺者。暗殺に長けた英霊。
キャスター───魔術師。魔術に長けた英霊。
バーサーカー───狂戦士。狂化した英霊。
以上7種だ。しかし、ごく稀に
ルーラー───裁定者。聖杯戦争の管理者と言ってもいいであろう英霊。
アヴェンジャー───復讐者。何者かに復讐心を持つ英霊。
ムーンキャンサー───月の癌。童話作家が言った“1つの強大な敵”に似た存在。
アルターエゴ───別人格/別側面。1つの霊基に複数の霊基の欠片が混ざりあった存在。
フォーリナー───降臨者。外宇宙、別次元などから来た存在。
プリテンダー───詐称者。自らの霊基すらも騙せる英霊。
ボイジャー───航海者。長きに渡って漂流した存在…で、いいだろう。
セイヴァー───救世主。その名の通り救世主と崇められた者、というところか。
ウォッチャー───門番。…そのままだな。
フェイカー───偽物。なんらかの偽物の英霊。
ハンター───狩人。あらゆる武器を用い、奥義を編み出すまでに到達した英霊、というところか。
そして最後に、シールダー───盾兵。盾の扱いに長けた英霊。
以上が、我が把握できていて、かつ人間に召喚することができているエクストラクラスだ。もっとも、
ギルに話を聞かれてミラちゃんが考えこんだ。
「……多分、ルー…ミラルーツの力の影響だと思う。あの子、空間の歪みを開いて転移できるから。」
「ふむ…まぁいい。ともかく、これら19種のクラスが基本的には存在する。…そして。ここからが答え合わせ、もとい補足だ。“1つの敵”に対する“7つの力”。この2つが何かを話してやる。」
「知ってんのか、成金野郎!?」
「当然だ。まずは“7つの力”。これは人類最強の7騎と言っていい。7つの力になるには資格が必要だがな。世界そのものが、いや人間の悪性が産み出す悪が形となる人間を滅ぼす“悪”。それに立ち向かう7騎───これを、“
「……」
「この冠位こそが人間を滅ぼす自業自得の
「───“人類悪”。またの名を“
「───ほう?」
「フォー…」
レンポ君がギルの言葉を遮って声を発した。それによって全員の視線がレンポ君に向く。
「人間が人間でいる限り、決して切り離すことのできねぇ悪性の塊。人間の獣性から産み出された大災害。人類と人類の文明を滅ぼす破滅の化身。文明より生まれ、文明を食らう災厄の獣。人類の原罪が生む自業自得の死の要因。…それが、人類悪だ。」
「…レンポ……」
「…辛いならば代わりましょうか?」
「…いや、いい。オレが伝える。…起動したときからいた、オレが伝えるべきだ。」
そう言ってレンポ君は私の方を向いた。
「リッカ。オレは…いや、オレ達はお前に伝えねぇといけねぇことがある。」
「伝えなくちゃ…いけないこと……?」
「……そうだ。以前に四精霊全員が揃ったら話す、と言ってたのは覚えてるな?」
「他の精霊達について…だっけ。」
フランスの特異点で言ってたこと。“他の精霊たちに関しては、四精霊全員が揃ったときにでも話してやるよ”って言われた覚えがある。
「……そう、言ったんだったな。悪いが他の精霊に関しては後だ。…オレが今から話すのは、預言書の真実だ。」
「預言書の……真実?」
「……あぁ。…今まで何も話さなくて悪い。」
……?
「オレは……オレ達は。ルーラーのサーヴァント“預言書”というものの実態は───」
──────え?
「驚くのも無理はねぇよ。ティアが亡くなって契約が解除されてからオレ達に与えられたものだからな。ティアがまだいた頃は、人類悪だとか冠位だとか、全くなかった。」
「どういう、こと……?」
「……オレは、説明がウルよりも下手だからな。理解するのが難しいかもしれないが、なんとか理解してくれ。人類悪……ビーストと呼ばれる存在は、さっきもオレが言った通り人類と人類の文明を滅ぼす破滅の化身であり、また文明より生まれ、文明を食らう災厄の獣のことだ。…本来、オレ達はこれに当てはまらないはずだ。文明から生まれる存在でもないし、人間から生まれる存在でもねぇ。…その、はずだった。」
「……」
「だが、なんの因果か───オレ達はそれに当てはまった。オレ達が───預言書が当てはめられた人間の業は“創造”と“破壊”だ。ビースト
「フォウ…」
「───ビースト
ワールドクリエイト・キー……創世の鍵……?
「そして…オレ達はリッカに謝らねぇといけねぇ。」
「謝る…?」
「預言書は、契約者が現れたとき自らのほぼ全ての能力を契約者に譲り渡す。炎の精霊、森の精霊、氷の精霊、雷の精霊…それから創造能力と事象改変能力、
「自らの……クラス?」
どういう、ことだろう。
「そうだ。自らのクラス───即ち、
そこまで言って、レンポ君が頭を下げた。
「すまねぇ、リッカ。オレ達は、人類を救うはずのお前を……人類の希望となっているお前を。人類史の敵───
私が───人類悪…?
「ふむ…答えよ、精霊。それが分かっていて、何故今まで黙っていた?そして何故、分かっていて今もこうして契約を切らないでいる?…返答によっては、この場で本もろとも切り捨てるぞ。」
ギルが低くそう言った。
「黙っていたのは、話す必要がないと思っていたからだ。だが、人類悪が関わってくる以上、オレ達も黙っているわけにはいかねぇ。ビーストIの顕現に、オレ達の顕現が関わってくるわけでもないがな。必要ないことまで喋ってお前達を混乱させるのも面倒だったしな。」
「ふむ。まぁまぁ納得のいく返答ではある。ならば契約の方は何故だ?」
「……切れねぇんだ。」
「……何?」
レンポ君がギルをまっすぐと見つめて口を開く。
「契約を切ることができねぇんだ。預言書の契約は、他のサーヴァントのそれとは話が違う。魔術回路…というか、魔力があれば成立するのが普通のサーヴァントだ。」
「ほう?我を前にして“普通”か。」
「あぁ、オレ達からすれば普通だ。…契約方法はな。性能は知らん。オレ達の契約、それはかなり異常だ。本来のサーヴァント契約はさっき言った通り魔力しか必要としない。だが、オレ達は。契約者の魔力、魔術回路、魂、肉体、存在───
えっと……?
「…つまり、オレ達とリッカの契約解除の方法は
「「「「「〈〈〈〈〈………!〉〉〉〉〉」」」」」
「さらに、預言書が現れた段階で世界の滅亡は決定されている。新たな世界が確定していない状態でその契約者が死ぬということは、世界が完全に消えるということだ。…どんな皮肉なんだろうな。人類が滅すべき人類悪でありながら、
「───まて。待て。人類悪とは“愛”がなければなりえん。人類愛が暴走した結果が人類悪だ。お前達は自分を人類悪と言ったが、本が人類に対し愛など持つのか?」
ギルがそう聞く。確かにおかしい…かもしれない。
「それか。…簡単な話だ。魔術協会に行ったやつには軽く話したと思うが、オレ達は前の世界での契約者であったティアに恋をした。…あぁ、そうだ。その、ティアに対する恋、ティアに対する愛こそが人類愛となり、人類悪となり得た原因だ。」
「……何だと?」
「旧世界の預言書の主、ティア。旧世界の人間の少女であったティアは、新世界において“最初の人類の女”と言っても過言じゃねぇ。一度人類が完全に滅亡したとは言えど、その情報が残って人類が再構築されたというのなら、それはティアとアイツの子供達だと考えることができる。暴論といえば暴論だが、あらゆる英雄、あらゆる人間達がティアの子孫。オレ達は
「───なんという、暴論か。」
「あぁ、オレだって分かっているさ。これが暴論だってのはな。だが、そう考えると綺麗に収まるのさ。オレ達の“愛”が“ティアから産まれ、子を残してきた人類達を守る”なのだとしたら、オレ達の“本性”は“
……理論は、何となくだけど合うかもしれない。最初の人間の男女として有名なのはアダムとイヴだけど、以前にネアキちゃんが139億年前にアモルフェスが倒されたって言ってたはず。139億年前っていうのは確か今の宇宙がまだ無かった時代。今の宇宙の前に別の宇宙が存在したのなら……そして、その宇宙の情報が今の宇宙に混ざっているのなら。それはティアさんが人類最初の女性で、そのティアさんの彼氏さん…なのかは分からないけど、ウルさんに問われたときにティアさんが言っていた“彼”が人類最初の男性になる…のかもしれない。そして、もしもそうなのだとしたら私達人類は全員ティアさんと“彼”の子孫になるのだろう。
「預言書の運命は“正しき日”が来るまで終わらねぇ。オレ達は、ティアがこの世界を創り、139億年もの月日が流れたことで正しき日が訪れ、役目が終わったものだと思い込んでいた。…それが、今になってまた顕現するなんてな。ティアが亡くなり、オレ達はルーラーとして英霊の座に登録され───そして、同時にビーストOとして割り振られた。最初はオレ達も困惑してたがな。英霊の座なんざ、ティアが創ったものじゃねぇ。当然、クレルヴォがそんなもん創るわけがねぇ。ティアとクレルヴォ以外の預言書の主はほとんど覚えていねぇが、英霊の座なんてものを創ってたって記録はねぇ。いつの間にかあった独立地点。それが、オレ達の感覚での“英霊の座”だ。」
「…ふむ。貴様らでも英霊の座は不明なのか。」
「あぁ。初代の時もそんなん知覚できなかったからな。知覚できなかったのか、あるいは存在していなかったのか。それは判らんがな。ウル、お前はあるかどうか判ったか?」
その問いに、ウルさんは静かに首を横に振った。
「私でも知覚できませんでした。英霊の座は過去と未来を見通す目を持ち、万物を見通す力を持つ私ですら見通すことのできない未知の領域です。最初に知覚できたのはティアとの契約が切れたときですから。」
「……そうか。」
ギルはそれを聞いてため息をついた。
「1つ聞こう。例えば貴様らをここで斬ったならば、マスターとの契約解除はされるのか?」
「されはするだろうが、この世界が滅亡すると言う事実だけは変わらねぇ。今契約が切れればただ滅亡するだけで、あるかもしれない人類存続の可能性も完全に途絶えるぜ。」
「……そうか。ならば倒すことはできぬな。」
「…正直な話、オレ達自身は人類に敵対する意思なんざねぇから人類の敵に振り分けられても困るんだがな…」
あ……四精霊全員すごく困った表情してる……
「…オレの話はこれで終わりだ。四精霊とは他の精霊に関しては…後で話してやる。」
「ふむ。さて、真実も大分明らかになったことだ。今宵はこれでお開きとするのがよかろう。」
「…まさか、答えどころか真相まで教えられるとはな。人類愛が転じて人類悪になる、か。愛するがゆえに憎いと同じようなものか……」
「どんなやつなんだろうな、オレ達以外の人類悪ってのは。オレ達も全部を理解してる訳じゃねぇし…な。」
「さて、な。」
レンポ君はギルの言葉を聞いてから私に向き直った。
「……んじゃ、とりあえず改めて。サーヴァント・ルーラー兼サーヴァント・ビースト。真名“預言書”。人類悪という立場ではあるが、人類史を護るために力を貸すことを約束する。…滅亡を約束され、総てを創り直す呪われた神話。矛盾してもいるが…少しでも長くこの世界を存続させるため、この神話に力を貸してくれるか。リッカ。」
「……うん。私でよければ。筋肉痛で握手するのも辛いけど…ふつつかものですが、これからもよろしくお願いします。」
「……リッカ。この状況でその発言はちょっとおかしいと思うよ、私。」
『ティアもアイツに同じことを言っていた……』
「一応“未熟者ですが”という意味ですから、間違ってはいませんよ、ミエリ、ネアキ。」
「……そうなんだけど。ティアの時の発言が印象強く残っちゃってるから……」
『ここまで強く記憶が残っているのは歴代の主でもティアしかいない…』
そのやり取りに、私は思わずクスッと笑った。
裁「…そう、ですか。」
正弓「はい。見立てでは1ヶ月遅れるかどうか。2ヶ月以上遅れることは絶対にないそうです。」
裁「……分かり、ました。私は…待ちます。マスターが戻ってくるのを。」
正弓「…そうしてください。お母さんもきっと喜びます。」
ロンドン修正後に召喚するサーヴァントは?
-
魔術師、弓兵、暗殺者
-
魔術師、魔術師、魔術師
-
剣士、弓兵、狂戦士