狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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裁「………っ!」

正弓「そこです!」

裁「あっ!」

正弓「……勝負あり、ですね」

裁「…ありがとうございます」


第202話 魔術師B

シティエリアの中心部。そこに、その存在は在った。

 

「聞け。聞け。聞け。我が名は蒸気王。有り得た未来を掴むこと叶わず、仮初めとして消え果てた、儚き空想世界の王である。」

 

「こんなとこにいやがったか。」

 

モードレッドさんは結構傷だらけになってるけど。…まぁ、ほとんど私がお願いしたことだからなんともいえないけど……

 

「我は貴様達に魔術師Bと知られる者である。───左様。この都市を覆う“魔霧計画”の首魁が1人である。」

 

そう言ってその人はその単眼で───機械の単眼で私を見た。

 

「その異常なまでの神性───人の身でありながらかなり高位の神霊を宿した者と認定する。恐らくは祖神などと同等───相違ないか。」

 

そう言われても…少し、困る。祖神、ってことは世界を創った者。確かに預言書は世界を創る書だけど、私自身はこの世界を創った者じゃないから。

 

「ふん、またも固有結界か。ナーサリーの場合は眠りだったが、貴様の場合は霧か。」

 

「…その真実を見抜く眼、その身に宿す神性。英雄王ギルガメッシュと認定する。───善なるものに寄り添ったか。」

 

「さて、な。我にも気紛れというものはある。唐突に裏切るかもしれんぞ?」

 

「しないね」

 

「しないな」

 

「しないと思う」

 

あ、ルーパスちゃん、リューネちゃん、ミラちゃんに一斉に否定されてた…

 

「ほう?自身ありげではないか。根拠を聞かせよ。」

 

「「「勘。」」」

 

勘だった。それを見ていた魔術師Bが蒸気音を発した。

 

「我が真名は“チャールズ・バベッジ”。帝国首都の魔霧より現れ出でた英霊が一騎。…Pの言っていた善なるものよ、我を打倒しにきたか。空想世界の王であるこの私を。」

 

「御託は別にいい。いいか、鉄屑───」

 

「……先生」

 

「……!?」

 

フランさんからの声に、バベッジさんの眼に揺らぎが現れた。恐らくは───“驚愕”。

 

「お前の知り合いの娘が、お前を止めにきた。…そいつの話を聞け。大義も御託も関係ねぇ、話を聞くことがお前の最優先事項だ。」

 

「……先生。バベッジ先生。聞こえて…る?」

 

「…おぉ。その姿、忘れるはずもない。その姿、見間違えようもない。紛う事なき、ヴィクターの───娘。言葉を、得たか。」

 

「酷い有り様であったのでな。肉体と叡知をくれてやったのだ。精神は、まぁ…悪魔の妹のような状態にはなったが。」

 

あ、やっぱりフランさんの精神基礎って東方projectの…?

 

「バベッジ先生。私は先生を止めたい。偉大なる碩学である先生は、こんなことをする人じゃない。」

 

「……」

 

「私に色々なことを教えてくれた先生は、人類のことを考えていて、自分が出来ることを考えて。自分の発明が人の幸せの源にならないと分かってもそれをねじ曲げようとせずに認めた素敵な人よ。そして、私を“ヴィクターの娘”と呼んでくれた優しい人。」

 

言葉が足らなくても、自分の伝えたいことを。一応そう伝えておいたから、大丈夫…だとは思うんだけど。…なんだろう。胸騒ぎがする───

 

『……リッカ。いつでも動けるようにしておいて。』

 

ネアキちゃんが私にだけ通じる念話でそう言った。ネアキちゃんの枷は首。“話す”ことを封じられた氷の精霊。それが、ネアキちゃん。枷を解除して話せるようになると綺麗な声で話してくれるんだけどね……

 

「先生、止まって!先生は“滅亡”なんて考えていないわ!人類の“発展”を考える、立派な人よ!人類の発展の鍵となる、重要な機関を作った偉大な人だもの!!」

 

「───おぉ、おぉ。ヴィクターの娘よ。お前の言葉は私の心によく響いた。それはお前自身の言葉で、お前が私を本当に思っているからか。…あぁ、そうとも。」

 

駆動音が強くなる。

 

「私はチャールズ・バベッジ。蒸気王にして人類史における碩学が1人。ならば、私は、我等は、碩学たる責務を果たさねば。故にこそ、私は求めたのだ。空想世界を。夢の新時代を。しかしそれは───」

 

「“人類を滅ぼすものであってはならぬ”…!」

 

「そうだ。ヴィクターの娘。私はお前に語った。それは人々を豊かにするものでなくてはならぬ。人類を滅ぼすものであってはならぬと。」

 

直後───私の直感が危険を報せる。多少無理矢理だけど、フランさんを引っ張ってバベッジさんから引き離す。

 

「グ……!?」

 

「先生!?」

 

突如苦しみ始めるバベッジさんにフランさんが驚愕の声を漏らす。

 

「これは───アングルボダの介入か…!Mめ、この私すらも……!」

 

〈別地点からの強制介入だ!恐らく───〉

 

聖杯。出力が上がって行くのが分かる。恐らくは、暴走状態まで到達する……!

 

「ヴィクターの、娘……!逃げ、ろ……!!」

 

「先生…!」

 

「───グォォォォ!!!」

 

「…もういい、フラン。お前はよく話したし、あいつもそれに応えた。だが、こうやってどうにもならないときだってある。」

 

「…」

 

「どうする、フラン。恩師の暴走に終止符を打つのは貴様か、我らか。貴様が決めよ。」

 

「……私がやるわ。全力で───暴走に終止符を打つ。だから───時間を作ってくれる?」

 

「そうか。…して、精霊。何か言いたげだが?」

 

「…いいのか?この雰囲気ぶち壊しそうだが。」

 

レンポ君…?

 

「よい。」

 

「…そうか。リッカ。」

 

「?」

 

「…お前に、覚悟はあるか?あの機械を止めるために、命を懸ける覚悟は。」

 

え……?

 

「預言書を持つお前なら、()()()()()()()()()()()()()。だが、未だ預言書が不調な以上、対象に直接打ち込まないといけねぇ。…どうする、リッカ。」

 

私は───




正弓「ちょっ……この特異点2度目の運命の選択ですか!?」

裁「あ……そういえば確かに……」

正弓「そしてまた平日中とかタイミング悪いですねあの人……!」

ロンドン修正後に召喚するサーヴァントは?

  • 魔術師、弓兵、暗殺者
  • 魔術師、魔術師、魔術師
  • 剣士、弓兵、狂戦士
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