狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
正殺「仕方ないよ、結構ボロボロだったし。…それにしても、使いまわし…」
正弓「放っておいてあげよっか。」
フランさんをアパルトメントに送って、バベッジさんが目覚めるのを見届けたあと。私達はロンドンの地下にきていた。
「……ロンディニウムの地下…地下鉄のさらに下に霧の元凶、聖杯を埋め込みし巨大蒸気機関アングルボダは存在する、でしたね。」
「…うん。」
「ところで……身体は、大丈夫なのですか。リッカ。」
アルトリアさんの言葉に頷く。一瞬だけならそこまで身体に負荷はかからない。これでも結構鍛えてるから…流石に暴走状態の時のアレは身体がもたないけど。
「大丈夫ならよいのですが…無理はなさらぬよう。」
「ありがとう、アルトリアさん。」
「……しかしよ。下に行くごとにどんどん霧が濃くなってねぇか?つーかルーパスを中心に霧が渦巻いてる気がするんだが……」
確かにこの地下に入ってから…いや、バベッジさんと戦っているときからそうだった。霧と蒸気をルーパスちゃんが吸い込んでいる、っていうか。
「あぁ、それ……多分命玉を用いた装飾品のせいだね。」
命玉を用いた装飾品……そういえば、ルーパスちゃんはアパルトメントを出る前から何か指輪をしてるけど。いつもの護石とは違う感じがする。
「“屍套龍の指輪・命”。シンプルな名前だけどね。スキルも何もつけない加工をしたはずなんだけど…何かのスキルが発動してるみたい。恐らくは瘴気吸収、もしくは瘴気活性…多分そのあたり?私達も全部を理解してるわけじゃないからなんとも言えないかな。」
そうなんだ……と、話している間に異質な場所に出た。
「……なんだ、こりゃ…?」
「この魔力量は……冬木の大聖杯のあった場所に似ています。ロンドンの地下に、こんなものが───」
〈こちらでも観測できているわ。魔霧の発生源は間違いなくそこの動力機関でしょう。〉
存在した巨大機械。そこから溢れる蒸気が、瘴気が。この場所には溢れ、それは片っ端からルーパスちゃんの指輪に吸い込まれていく。
〈……その指輪、どうなってるのよ…〉
あ、マリーが呆れてる……
「驚いてるところ悪いのだが───そら、最後の親玉が出てくるようだぞ。」
ギルの言葉に機械の前に誰かがいるのに気がついた。
「───奇しくも。奇しくもパラケルススの言葉通りとなったか。悪逆は善を成す者によって阻まれなければならぬ、と。バベッジは敗れ、消滅には至っていないようだがこちらでは既に制御が効かぬ。まぁ、ここまでよくやったと誉めておくか。」
「───ワカメの系譜か?ワカメに似ていなくもないが…愉悦部の自称特別顧問にも見える。ふむ……」
わ、ワカメ…?あと愉悦部って……
「……ワカメはともかく、あやつも引き入れられればいいのだがな。愉悦部の適正は低いがあやつの気概は我好み故な…しかしこの世界にあやつがいるか……?それにしても自称特別顧問の若き頃にも見えるがアレは一体…」
「───だが、ここでお前達の道行きは終わりだ。巨大蒸気機関アングルボダ。これは我らの悪逆の形ではあるが希望でもある。善は今、我が悪逆によって駆逐されるだろう。」
「…ふん。此度の敵共は語るのが好きな連中よな。名を名乗れ、道化。貴様にも名くらいあろう。」
「───我が名は“マキリ・ゾォルケン”。この魔霧計画に於ける最初の主導者にして魔術師Mと認識されている者。」
「……やはりワカメ───シンジの系譜か。マキリの魔霧……ふむ。考えるのをやめるとしよう。して、名乗ったのならばこちらも名乗るのが礼儀と言うもの。我は英雄王ギルガメッシュ。万物を納める王にして今はただこのマスターに力を貸すサーヴァントである。」
「…英雄王、ギルガメッシュか。万物の裁定者たるお前が善に味方するとは。やはり、悪逆は討ち果たされるが道理か。」
「さて、な。そもそも我がこうして協力しているのもただの気紛れにすぎん。我がこうして力を貸すときはほとんどが気紛れだと覚えておくがいい。…で?貴様らの目的とやらを聞かせるがいい。」
「……いいだろう。」
マキリと名乗った人は表情を変えずに言葉を繋いだ。
「我々の目的。それはこの時代───第四の特異点を完全破壊するため、魔霧による英国全土の浸食。そして、この時代を完全に破壊することで人理定礎を消去する。それこそが、我らが王の望みであり、我らが諦念の果てに掴むしかなかった行動でもある。」
「はっ!大方黒幕に
「……いいだろう。アングルボダは既に暴走状態。都市に充満した魔霧を真に活性化させるに足る強力な英霊はじきに現界するだろう。人類神話の終幕に相応しき、星の開拓者が一人。或いは星の輝きの如し英霊が現れ、すべてに終焉が充ちるまでの間。私が相手をするとしよう。」
そう言ってその人は私達に手を向けて───
「現れよ、“翅刃蟲”」
現れるは───虫の大群。……虫の大群?
「───い」
「…しまった!」
「…っ!まずい!耳栓を───」
「いやぁぁぁぁぁ!!?」
ルーパスちゃんの悲鳴が周囲に響く。そうだった、ルーパスちゃんは大の虫嫌い……!!その悲鳴に呼応してか、ルーパスちゃんの指輪が輝く───え?
『全員伏せて!!指輪が溜め込んだ瘴気が放出される!!』
ミラちゃんの念話に反射的に伏せると、巨大な瘴気の塊が私達の頭上を通過していった。
「なにっ!?───ぐぁぁぁ!!?」
どうやら直撃したらしく、見ると虫は全滅、ルーパスちゃんは軽く気絶してた。いち早く復帰したミラちゃんがルーパスちゃんに近寄って軽く手をかざす。
「心的ショックと瘴気を放出した衝撃による気絶状態。命に別状はないよ。」
その言葉にほっとする。改めてマキリと名乗った人の方を見ると、ふらふらになりながらも立ち上がっていた。
「…我が蟲を、一瞬で消すか。まぁいい。最後の英霊を目にすることなく、お前たちは死ぬ。それは明らかだ。破滅の空より来たれ、我らが魔神───」
〈魔力が上がっていく───いや、変質していくぞ!これは───いつものアレだ!!〉
いつものアレって…ドクター…言葉にする前に、それは現れた。
「七十二柱の魔神が一柱。魔神バルバトス───これが、我が悪逆のかたちでである。高貴なる4つの魂を以て、バルバトス───現界せよ。」
バルバトス───確か、序列8番。それを見て、アルトリアさんが前に出た。
「そこまで時間もないことです。…早めに決めましょう、マスター。」
「…うん。お願い、アルトリアさん。」
アルトリアさんが頷き、手に持っているのは───槍。
「…ところで英雄王。どこでこの槍を?」
「さて、な。」
「…まぁ、いいとしましょうか。」
「…令呪1画、起動。アルトリアさんに。」
私の手から令呪が一画消え失せる。
「感謝します。」
〈我が固有結界の一───“
お兄ちゃんのその言葉で、周囲が変化する───花畑。妖精らしき小人たちが飛んでいる───
「…これは」
〈アヴァロンっぽくしてみた。実物はこんなんじゃないだろうけどな。〉
「いや、これどうしたの?」
〈固有結界の改造…っていうか、固有結界を通常の結界にランクダウンさせ、ランクダウンさせた結界を改造したのがこれだ。単なる暇つぶしだし、耐久力は固有結界よりも落ちるが…まぁ、聖剣・聖槍の一撃に耐えられるかどうかだな。〉
「…そう、ですか。」
「全てを知るがゆえに───」
「…っと。時間をかけている暇はありませんね。」
アルトリアさんの持つ槍が光を放つ。
「───霊基、疑似変質。此処に穿つは光の楔。最果てに根差す輝く塔が一柱。裏と表を分かち、人界の全てを見守るもの───」
〈な───なんて魔力量だ!?いや、ていうか!あれは───〉
「フォウ、キャーウ!!」
「
聖槍。それは、確か───
「───“ロンの槍”」
「オレを殺した槍…!?」
「全てを嘆くのだ…焼却式───」
「“
「───バルバトス」
「───
バルバトスの焼却式。アルトリアさんのロンゴミニアドから放出された光が激突する。
「───この、光は───耐久、回避、可能性───皆無。消滅、確定事項と判断。転移───不可。統括局に報告する。カルデアが障害となる可能性、あまりにも───」
そこまでつぶやいたところで、バルバトスとアルトリアさんの拮抗が崩れ───
「シロウ!!」
「───“
バルバトスさんを貫いた光は、エミヤさんが防いでくれた。
正弓「そういえば。彼女の修復は?」
正殺「難航中。」
正弓「…そう。難しいよね、やっぱり。」
正殺「まぁ…なんとかするよ」
ロンドン修正後に召喚するサーヴァントは?
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魔術師、弓兵、暗殺者
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魔術師、魔術師、魔術師
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剣士、弓兵、狂戦士