狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
やぁ読者のみんな。ハンターライフ、並びにマスターライフ、楽しんでいるかい?
この番組は何故か感知できるようになった前書き・後書きの場所にハッキングさせてお送りさせてもらってるよ♪
……って、それどころじゃないっ!ていうかハンターやマスターじゃなくてもどうでもいいしこんなパロってる余裕でもないだろうね!
さて、やってくれたよあの馬鹿!いや、馬鹿はボクもなんだけどさ!慢心して彼女達を奪われるなんて、英雄王のことを笑えないじゃないか!
魂を狙ってきた素材柱ども!監禁幽閉、同じビーストとしても恥ずかしいっての!まさかアイツ、緊縛趣味でもあったのか!?
でも、それは失策だっただろうね。無銘もミラも、無垢なのであって無知じゃない。思い通りに行くとは思えない……!
あぁ、それと───補足だ。ボクが、今さっき得た情報。
“無銘”と“ミラ・ルーティア・シュレイド”。
彼女達を一番見守り、保護していたのは誰だと思う?
ロマニ・アーキマン?───違う。
藤丸リッカ?───違う。
ギルガメッシュ?───違う。
ボク?───違う。
今挙げた3人とボクは“一番”ではない。
なら、一体誰か?
答えは既に、この物語の中に隠されていたのさ。
───覚悟しろよ、素材。お前達がした選択は、このボクと───
「……う」
頭が痛い。意識が覚醒する───自己認識確認。私の名は何か───“無銘”。今はまだ名の無き者。
「……」
自己定義確認。私は虹の力を受け継ぎ繋ぐ者。…目をあける。
「……ここは」
薄暗い部屋。そこに私は座っていた。妙な重みを感じて目を向けると、鎖に繋がれた鉄製の首輪と手枷足枷が私と傍にいるミラさんに付けられていた。同時に、私とミラさんの服装はいつものものではなく、薄汚れた布一枚。囚われのお姫様───という感じだろうか。もっとも、本当にお姫様であるミラさんはともかく、私はお姫様ではないのだろうけれど。それと、多少は動くことができそうだけれど、魔力がうまく回らないことから魔法を扱うことは難しそうだ。
「…ミラさん」
近くで気を失い、倒れているミラさんの身体を揺する。多少は動くことができるとはいえ、動きにくいのには変わり無い。それに、私よりも多い魔力を持つミラさんならこの状況をどうにかできるかもしれない。どちらにしろ、私だけが動けているよりも、2人で動けている方がいいはず。
「……ぅ」
しばらく揺すっていると、ミラさんが身動きし、目を開けた。気がついたようだ。
「……ここ…は……?おねえちゃん…だれ…?」
「───」
“おねえちゃん”。彼女は今、そう言ったのだろうか?ミラさんは私の名前を呼ぶとき、“無銘さん”と呼んでいたはず。それに、声がどことなく、幼い、よう、な……
「………!?」
声だけじゃない。彼女の顔もいつもより幼い気がする。いつもの彼女も9歳の頃で止まっているとはいえ、顔つき…その表情から現れる歴戦感、とでもいうのか…猛者のオーラとでもいうのか。そのようなものが一切感じられない、“純真無垢”───とも言えそうな表情。
「───私は、無銘。あなたの名前は?」
「わたしのなまえ?ミルティ、っていうの。」
“ミルティ”。それは、マスターに名乗った時にそう呼んでもいいと言った名前だと聞いた。それは、自分の名前ではなく略称、愛称であるはずだ。だが、今───自らの名であるはずの“ミラ”、とは名乗らなかった。彼女は彼女を見つめたままの私を不思議そうな目で、純粋な子供を思い起こさせるほど可愛らしく首を傾げた。
「どう……したの?」
「……なんでもない。ありがとう。」
分かったことがある。今ここにいるミラさんは戦力としての期待はできない。ならば、枷のせいで力が出なくとも、私が彼女を護るべきだろう。
「……」
意識を集中させる。先程から感じてはいたが、何かを“閲覧する”、とでもいうのか。私が夢の中で教えられ、自らの状態を確認するために使っていた力が、心なしか強まっている気がする。閲覧の感覚を自らの身体ではなく、この地へと広げる。───監獄塔シャトー・ディフ。魔神王ゲーティアの召喚した対象にして既に離反された復讐者、巌窟王が存在する地。私達は先程の魔神王の術によって肉体から魂を引き剥がされ、この場所へと放り込まれた。
「……」
魔神王ゲーティアとは。魔術王ソロモンを名乗った召喚式。ソロモンの遺体に巣くい、今こうして人理焼却のために動く偽りの冠位。その真はこの世界に獣を連鎖的に召喚する“原種”───
「……っ」
特異点にあった光帯は何か。あれは魔神王ゲーティアの第三宝具であるもの。その銘、“
『我等の総ては、お前達に意思を送ろう。』
不意に、声がした。そちらの方を向いたと同時に、ミラさんが怯えるような気配がした。
「…誰」
『我等は人間の不完全性を不要と断じたもの。我等は人間の愚かさを嘆くもの。我等は人間の無能さに失望したもの。銘を、72柱の魔神。自らを人理焼却式と定義せ真なるソロモン也。』
そこにいたのは、先程のソロモン。私はこの人に魂の保護を砕かれたのか───
「……?」
───待て。今、私は何か変なことを読み取ったような───
『我等はお前達を歓迎しよう。来たれ、無垢なる魂達よ。』
「…!?」
敵意は感じられない。殺意もない。
『お前達こそ、我等が理想、我等が指針。来たれ、我が下に。我等の最新の同胞として恭順を示せ、死を越えた者達よ。』
死を越えた───
「……死を……こえた?どういう…こと?」
ミラさんの声。その声に相手も反応する。
『決まっている。お前達は死の運命を乗り越えた魂だ。“不死”、“不老”、“転生”、“不変”の概念を持つ、悠久の時を生きる魂だ。』
「「……!」」
『お前達は死してもなお自我を保ち、その魂は決して死ぬことはない。肉体を持ちながらも定命の枷より解き放たれ、我等が命題“死の克服”を成した例だ。』
死してもなお───自我を保つ。
『生命には必ず終わりがある。』
当然だ。ありとあらゆる物質、それそのものに終わりがある。
『存在には終わりがある。時間には終わりがある。空間には終わりがある。希望には終わりがある。』
あらゆる理に終わりというものは存在する。この世界を観測する私の親達にだって終わりはあるはずだ───また、私の力が何かを読み取ったようだ。もういい。全て無視する。
『無意味、無意味、無意味、無意味。無価値、無価値、無価値、無価値。そんな“終わり”がある、終わりが定められた理に意味など、価値など無い。』
「「……ぁっ…!」」
その瞬間、叩きつけられる大量の情報。即座に負荷を軽くするために分割思考を用いて処理速度の上昇、及び五感を取り戻す。
悲劇を視た。
悲しみを視た。
存在の死を視た。
ありとあらゆる苦痛を視た。
くだらない。
この星に在るあらゆる事柄が下らない。
3,000年前より、人類は無意味な生と死を繰り返す。
我々は人理補正式・ゲーティアとしてその無意味な繰り返しを観測し続けた。
我々は仕えるべき主に問うた。
我々の求めた答えは得られなかった。
なぜ我々はこの不完全性を観測し続けなければいけないのかと議論した。
なぜ我々はこの不完全な生物に仕えなければいけないのかと議論した。
なぜ我々はこの不完全性を“正しい”と定義して廻らせなければいけないのかと議論した。
───結論を出した。
この世界は間違っていた。この理は間違っていた。
この世界は存在の定義を間違えた。この星は理の編み方を誤った。
ならば、その誤りは必要ない。この世界に必要性はない。
総てを焼き、もう一度初めから始める。
悲劇の無い、完全な世界を作り出す。
我々は自らを“人理焼却式”であると定義した。
人類史を焼き、完全な世界を創る燃料とする。
その燃料をもとに、完全なる生命を作り出す。
それこそが我等が偉業、我等が為すべき命題。
“逆行運河/創世光年”───我等総てが臨む46億年を初期化して創り直す事業である。
「「……」」
処理を、終える。分割思考を使っても処理速度が追い付かず、辛うじて五感を維持しているのが精一杯だったほどの情報量。恐らくいつもより弱体化してるであろうミラさんには私よりも辛かったはずだ。
『我等の総意は、我等の決議は正しく伝達されたと定義する。無垢なる魂達よ、肉体を捨て、新生せよ。』
確かに、それは伝わった。一度処理を終えた情報を再度処理をして、深いところまで読み取る。どうやら、私はそういう処理をした方がいいようだ。
『我等に連なる新たなる魔神。融合と誓約、不滅を励起する73番目の魔神“ノートリア”。及び記録と観測、適応を励起する74番目の魔神“レメゲトン”と呼称し、我等の偉業へと参列せよ。』
ノートリアというのはミラさんに言われたもの。レメゲトンというのは私に言われたもの───記録、観測、適応。なるほど、閲覧の力によって知りたいことを知れる私にはぴったりと言える。しかし───ミラさんの“融合”?
『世界を愛し、世界を慈しみ、存在を見守るならば。我等に招かれ、新生することこそが最善だと知れ。』
ゲーティア───“レメゲトン”の第一部。ソロモン王が使役したという72人の悪魔を呼び出して様々な願望をかなえる手順を記したもの。
ノートリア───“レメゲトン”の第五部。神がソロモンに───
『
──────あ゛?
「「………今、なんて言った?」」
隣にいるミラさんからも同じ言葉。しかしその声の質は先程のような幼さが明確にあるものではなく、聞くものが聞けば底冷えするような冷たさを孕んでいた。
『何?』
「この世界に価値はない───そう、聞こえたけど。それは確か?」
ミラさんの声。やはり、幼いような声は感じられず。いつもの彼女のような声に聞こえた。
『肯定しよう。この世界に価値はない。死や悲劇を乗り越えることのできぬ生命体に価値など感じられぬと、我等は結論付けた。』
「───ふざけるな」
『……何?』
「ふざけるな!!高々3000年程度しか生きていないお前達が人類を否定するな!!」
ミラさんの怒鳴り声に呼応してか、ミラさんの身体に紫色の稲妻が走る。
「人類に使役されなければ動くことのできない術式の分際で!人類の強さを識らない者共が!!人類の悪性だけを視て人類を判断するな!!」
『人類の、強さ…だと?』
「そうだ!記憶が統合された今だからこそ言える───あらゆる苦難に立ち会ったとしても、折れずにやり遂げる意思!手を変え、品を変え、戦い方を変え、自らよりも強大な敵を越えるその対応力!さらには嬉しいときには喜び、悲しいときには悲しみ、怒るときには怒り、楽しいと思うときは楽しむ正と負の入り乱れる多種多様な感情!それらは全て人類が持つ魅力の一欠片に過ぎない!古龍の巫女などではなく、総てを視る王の側に侍る后として告げよう!負の側面しか視ていない癖に、世界の総てを決定付けるなぁぁぁ!!」
『───龍妃の魂の励起、変容を確認。これは……』
「人間を舐めるな!人間が持つものは絶望だけじゃない!」
稲妻の強さがかなり上がり、ミラさんを稲妻が包む。
「龍は人類のその希望を臨む意思にこそ倒された!!龍は人類の希望を臨む意思に感服し力を貸した!!人類はいつだって龍の予想を、龍の新たなる技でさえも越えていく!!この世界の歴史はそんな予想外の繰り返しだ!!」
稲妻の中から現れるは───婚姻衣装のようなものを纏ったミラさん。
「そして───真理を告げよう!お前達は人類史を焼き、46億年前から理ごとやり直すと言った!」
『───そうだ。生命のいなかった46億年前から───』
「その46億年前というのが既に間違いだ!」
『───何だと?』
「この世界の理が本当に46億年前に定義されたものだと思っていたか?否だ!総てを視る王が知る限り、この理は少なくとも
『なん、だと……』
六兆年前。それは、このゲーティアが言った時間よりも遥かに前だ。
「……はぁ…はぁ……」
ミラさんは怒鳴り続けて少々疲れた模様だ。
『───お前も、同じ答えか。無銘の魂よ。』
私への問い。同じ、同じ…か。
「大体同じだよ。あなたは何故、悲劇しか観測しなかったの?72の眼を持ちながら、何故悲劇や苦痛、離別───そういった悲しみの感情にしか価値を見いだそうとしなかった?何故喜びの感情、楽しみの感情に眼を向けなかった?」
『───』
「喜怒哀楽───人間が持つ感情の総称。人間というものは正と負の表裏一体。あなた達はこの世界を観測し続けたと言った。ならばあなた達は観測者なのでしょう。」
『───そうだ。観測し、この世界に見切りをつけた。』
「───だけど。その、“見切りをつける”という行動は観測者のそれじゃない。」
『───何だと?』
「観測者とは、本来観測した事柄に事実以上の評価を付け加えたりはしない。観測し記録する───それが私の親の知り合いが行っているもの。あなた達は観測者としては───些か、人間的すぎると思う。」
『───我等が、人間だと?』
「そうは言っていないけれど。」
だけど───
「私の親よりも。私の親よりも外の領域でこの世界を視ている人達よりも。あなた達の観測は歪んでる。」
『……』
「厳密には、私の親よりも外の領域でこの世界を視ている人達は観測しているわけではないと思うけれど。それでも、あなたのように直接手を下してはいない。」
私の周囲から光が溢れる───気にしないで言葉を続ける。
「観測を行う私達がすることは世界を砕くことじゃない。世界を護ること。世界を観測し、観測された世界を固定化し、正しく廻し、世界が正しく動いているか見守ること。私のような端末を送り、
『───無銘の魂、励起を確認。還元を確認───無銘の魂よ。貴様は不死だが、我等を受け入れなければその不死を完全なものとすることはできないはずだ。』
「あなた達は私を不死と言った。───それは違う。私は寿命以外の外的要因では絶対に死なないだけだ。私達は全員、私達の原初の親───原点となる存在が死ねば死を迎える。原点となる存在が死ねば、もう私達に命を吹き込まれることはないだろう。…
私はゲーティアを強く見据えた。
「それがどうした!!生あらば死あり、それが原点が生きる世界の理だ!!生があれば死があるのは動物や植物といった生物だけじゃない!!鉄や銀、銅といった金属類、熱や電気、音といった環境情報、果ては私達のような物語の中に創られた存在や電子の海に存在する機械音声!あぁ、無生物は生物よりは確かに長命だろう!だが鉄が腐食するのは何故だ?発信源から離れれば次第に音が消えるのは何故だ?例え名作だと言われていたとしても、いずれ名も出されず記録の奥底に消えていくのは何故だ!!総て、“死んでいる”からじゃないのか!!」
『───!』
「神は人々に忘れられれば存在できないという。妖怪は人々に忘れられれば存在できないという。私達も同じだ!人々に忘れられれば明確な存在を維持できない!!生と死の理はいつだって私達と共に在る!それを理解していない結論なんて認めない!!」
私の周囲の光が私の身体に集まり、虹色の服を形成する───
『───二つの魂、完全に破滅より脱却。不可解───不可解なり。』
ミラさんも私も既に枷は外れている。服が構成されたとき、一緒に消滅したようだ。
「「私達は世界を護る!あなた達のような世界を破壊するものから!それが、私達の下した決断だ!!」」
私達の判断はそれだった。正しいかどうかは分からないけれど。
『やっと、見つけた───君達の虹と雷のお陰で見つけられた。』
「「───フォウ!?」」
声がした方向、そこにいたのはフォウだった。
『───比較』
『やってくれたね、ボクが護ると誓った者達に。本来なら八つ裂きにして燃やし尽くすとかしたいところだ。』
私でも分かる。キレてる。
『けれど、やめとこう。反則には反則で返す、その方がいいだろうし。…それに、彼女達に手を出した時点でお前達の運命は定まった。』
『何を……』
『何を?……ハッ。まだ気がつかないのか?お前達は怒らせてはいけないものを怒らせた。この世で最も恐ろしいものを怒らせた。そうさ、
ゴロゴロ、と雷鳴がした気がした。
『───
「シュィィィィ!!!」
直後、この場所に轟く咆哮。静か、然れど恐ろしい───そんな感情を湧かせる咆哮。
「この咆哮───
ミラさんがそう言ったと同時に、天井が崩れた。いや───壊された、が正しいか。そこから顔を覗かせていたのは白く赤い眼を持つ龍と───白と青のロングヘア、青色の眼。顔立ちは私と瓜二つで白のワンピースを着用し、剣を携えた少女。瓜二つ───当然だ。あれは、
「第四宝具───擬似的にだけど顕現したみたいだね。その衣装はまだ完全じゃないけれど。貴女を護るには十分だったんだね。」
そう言われ、私は
「ごめんなさい。貴女に辛い思いをさせて。もう、大丈夫だからね───」
それは───母のような気配を感じた。…いいや、彼女は私の母そのもの。
『誰だ───未想定の事態。誰だ、お前は。』
「───誰でもいいでしょう?じゃあ、私はちょっと行ってくるから───ここで待っててくれる?」
その言葉に頷くと、彼女は私の頭に手を置いて何かを早口で呟いたあと、その場から消え去った。
stella rebooting sequence...100%
complete reboot
復活!
裁「あ……マスター……正のアーチャーさん達が……」
現状は一応理解してる。ていうか、動画の方よりこっちの方が復帰遅いって何よ……回線の使いすぎ?まさかね…
ロンドン修正後に召喚するサーヴァントは?
-
魔術師、弓兵、暗殺者
-
魔術師、魔術師、魔術師
-
剣士、弓兵、狂戦士