狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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体力が抜けかけです

裁「いつもだね!?」


第213話 魔霧終息

キィ、という音がした。浅かった眠りから覚めて、音のした方向を見る。

 

「…あ。マスター…」

 

「……アル…?」

 

眠っていたアルが肩にフォウくんを乗せて扉を開けてこちらを見つめていた。両眼共に青色だったその眼は、右眼だけが赤色になり、REBORN!の六道眼のように文字を映し出している。今は、“一”。もしあれが骸さんの六道眼ならば“地獄道”。幻覚の可能性もある…けど。

 

「身体は…大丈夫なの?」

 

「……はい。マスターに心配をかけさせてしまって申し訳ありません。」

 

そう言うアルの顔色はいつもよりいい気がする。調子が悪いならこんな顔色ではないと思う。

 

「…そっか。どうしたの?」

 

「まだ…特異点は大丈夫…ですよね?」

 

「ギルが消滅までにはまだもう少しかかるって言ってたけど…」

 

「…分かりました。じゃあちょっと、キッチン使いますね。最後の晩餐…ってわけでもないですけど。」

 

「あ、うん…」

 

私が答えると、アルはキッチンがある方へと消えた。…そういえば、以前も作ってくれてたっけ…その時は確か、アップルパイとステーキ、小盛りのコーンにほうれん草の和え物。

 

「……」

 

立ち上がってキッチンに入る。そこでは、エプロンをつけたアルが赤いものを捏ねていた。

 

「…どうしました、マスター?」

 

「え…!?」

 

こっち振り向いてないのに、気付かれて……!?

 

「気配がしましたから声をかけてみましたけど…本当にいましたね。…どうしました?」

 

「えっと…何を作っているんだろう、って…」

 

「小さめですがハンバーグと…アイテムストレージの中にピザ生地があったのでピザを。」

 

そう言って開いたままのウインドウを操作していくつかのものを実体化させるアル。トマトソース、バジル、モッツァレラチーズ、デスソース、ベーコン、セサミ、ホールコーン、塩、ブラックペッパー───ん、ちょっと待った。今何かおかしいのが見えたような…気のせいかな?

 

「…どうしました?」

 

「あ、えっと…一緒に作ってもいい?」

 

「?いいですけど…何作ります?」

 

「ううん…材料って何があるの?」

 

「色々と…A5ランク松阪牛とかもありますけど……」

 

「それに関してはなんであるの……?」

 

「さぁ……?」

 

アル自身も分かっていないものが多いアルのアイテムストレージ。食材ばかりって話は聞いてたけど、まさかそんな高級なお肉まであるなんて思わないよ…

 

「ん~…餃子でも作ろうかな?」

 

「餃子…お肉は何使います?」

 

「豚肉と鶏肉かな?量は6:4で。」

 

「人数からして……これくらいで足りるでしょうか」

 

アルがそう言って挽き肉を出してくれた。

 

「……じゃあ、作っちゃいましょうか」

 

アルの言葉に頷いて私もキッチンに立つ。フォウくんは、それを静かに見守っていた。

 

 

 

しばらくして。

 

「ふぁ…あれ。ご飯を作ってくれているのかい?」

 

「あ、はい。」

 

キッチンにジキルさんが顔を出す。

 

「そっか…あ、フランとバベッジ教授の事。よろしく頼んでいいんだよね?」

 

フランさんはギルが…というか、ダ・ヴィンチさんがやった魔改造のせいでこの時代にいることができなくなっちゃった。この時代にいることが歪みになるから、カルデアにそのまま連れていくみたい。バベッジさんは、私が何かやっちゃったみたいなんだけど…預言書を使って聖杯の干渉を切ったとき、受肉しちゃったみたいで…ロボットみたいなバベッジさんがこの時代に生きてるのは歪みの原因になるってことで。バベッジさんもカルデアに連れていくことになった。

 

「はい…って私が言うのもおかしい気がするけど…ギルがなんとかするって言うから…」

 

「そっか。なら、大丈夫かな…彼を信じてる君たちを信じよう。…僕としては、寂しくなるけどさ。」

 

ジキルさんがそう言うのとほぼ同じところで餃子が放つ音が変わる。ちょうど出来上がったみたい。近くのお皿に盛り付けてキッチンから出る。

 

「ご飯ができました~!」

 

「メシ!?おっしゃ、食うぜ食うぜ~!」

 

モードレッドさんが一番に反応し、お母さんも私の方を向く。

 

「リッカさん。」

 

「はい?」

 

「…食事の前で言うのもどうかと思いますが…これを。」

 

そう言って私に近づいてきたお母さんが私に差し出したのは三振りの太刀。

 

「これ───」

 

「“童子切安綱”と“鬼切安綱”、“蜘蛛切丸”───私の持つ三振りです。」

 

その名前って…確か順に、酒呑童子の首を切り落とした刀、一条戻橋で鬼の腕を切った刀、土蜘蛛を切った刀───だったはず。

 

「これらを、貴女に。きっと、貴女の護り刀となるでしょう。」

 

「う、受け取れませんよ!これ、お母さんの大切な───」

 

「いいのです。」

 

そう言ってお母さんは私を抱き締めた。

 

「“愛しき我が子”を守護するならば。私はどんなものでも差し出しましょう。我が半身と言うまでに共にいた刀であろうとも、貴女に会うための楔として。」

 

「───」

 

「どうか、忘れないでくださいませ。”子を護る母は強い“───貴女が望むなら、そこが地獄であろうと私は駆けつけましょう。」

 

「───ありがとう、ございます。…大事にします、お母さん。」

 

「はい。」

 

アイテムポーチには入らない。だったら、背中に担ぐ。ハンターのみんなが納刀している時のように。

 

そこからは、瞬く間に時間が流れていった。




ちなみに特異点最後の写真は撮ってます

弓「というか松阪牛か…」

たまに変なの持ってるよ、あの子達。

ロンドン修正後に召喚するサーヴァントは?

  • 魔術師、弓兵、暗殺者
  • 魔術師、魔術師、魔術師
  • 剣士、弓兵、狂戦士
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