狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
(4) 魔術師、魔術師、魔術師
(4) 剣士、弓兵、狂戦士
…選出お願いします~…
殺「任されよ」
「うーし、回すか…」
すごい隈を作った状態のお兄ちゃんがそう言った。
「……六花。貴様、寝ていないな?」
「…あぁ?……あぁ」
「寝て?」
「アドミスの治療が終わらん。」
「あ…やっぱり普通の治療じゃないの?」
「まーな…ほれ、サークルは展開するからサクサクやるぞ…」
覇気がない……これ、お兄ちゃんのためにも早めに終わらせないと…お兄ちゃんってこういうとき絶対退かないから早めに作業に入らせて作業を終わらさせた方がいいんだよね…
「…呼符認識確認、英霊召喚陣展開………該当霊基、キャスター。」
キャスター……何人か心当たりはあるけど。
「はぁい、ご指名ありがとうございます!今顕現においての御主人様、私貴女に一目惚れしてしまいましたのでどうかお側に居させてくださいな?そしてゆくゆくは…というのは一度置いておくことに致しまして、魔術師の英霊……英霊?まぁ、どうでもいいことですが…自他共に認める良妻サーヴァント、キャスター!天照大御神が分御霊たるこの私“玉藻の前”、ここに見!参!です!」
長めの台詞のあと現れたのは狐耳の人───ロンドンで出会った玉藻さんだった。
「来てくれたんだ…」
「はい!御主人様の気配があればそこが地獄であろうが冥府であろうが、世界の裏や虚数の海にでも参りましょう!」
「…よろしくね、玉藻さん」
玉藻さんは頷いてからどこかに去っていった。
「……さ、次やるか。」
『………マスター。六花がこんなに覇気がないこと、今まであったか?』
ギルの疑問も最もだと思う。少なくとも、私がカルデアに来てからは1度もないし……でも
『みんなで遊んでた頃はたまにあったかな…あの頃お兄ちゃんはAIの作成を重点的にやってたはずだけど…』
あの頃からアドミスさんとかいたのかなぁ…と思っていると英霊の召喚がなされる。
「はぁい、出ました~。ひとまずは、“ミドラーシュのキャスター”とお呼びくださいませ。英雄王、私もいてよろしいですかぁ?」
「よい。…しかしなんだ、今回は獣耳召喚か?」
それもそれでどうなの…?
「うふふっ、それではマスター?よろしくお願い致しますね?」
「よろしくお願いします」
私がそういうとミドラーシュのキャスターさんもどこかへ去っていった。
「…さて、次だ。六花が早く休むためにもさっさと回すぞ。」
「気にしねぇでいいんだがな…」
「たわけ。カルデアのスタッフの中でも貴様の業務はかなり異質だ。貴様でなくとも、人理修復の最中にカルデアのスタッフが1人でも欠けるなど我が許さん。」
「…へいへい」
そんな会話の最中も召喚サークルは回る。光が収まって、出てきたのは───
「サーヴァント、キャスター。“トーマス・アルバ・エジソン”である!顔のことは気にするな!これはアメリカの象徴であるからな!」
エジ…ソン…?
「……何でライオンなんだよ……」
あ、まだツッコミできる気力はあるみたい。
「む、これには少し事情があるが…まぁ、些細なことだろう!これからよろしく頼むぞ、マスター!」
「あ、はい…」
エジソンさん(?)はそう言って管制室を出ていった。
「…じゃ、次行くか……」
「それを最後にせよ。」
「へいへい…」
そんな言葉と共に召喚サークルが回り始める───
「……3騎一気に顕現すんぞ。」
え…?
「はいはーい!サーヴァントセイバー、“鈴鹿御前”!呼ばれて参上っしょ!」
「アルテミスです!会いたかった、リッカ!」
「おりべぇでーす…なんでアルテミスの触媒あるのに召喚に間が空いたんだろうな。アルテミスがくじ引いたからだけどよ。」
「あぁ?…ったく、なんでこんなとこに…“クー・フーリン”。召喚に応じ参上した。」
「……」
聞き取りきれなかったけど…うん。結構濃い人達が出た気がする。
「そら、早く退け。サークルを閉じられん。」
「……了解っしょ」
「…はぁい」
「あぁ」
全員が管制室から出ると同時にサークルが閉じて───一緒にドクターとダ・ヴィンチさんが入ってきた。
「あ…ごめんよ、六花。ずっと任せちゃって…」
「アドミスの容態は?」
「第一声がそれか…昨日よりは安定しているよ。ただ、見たところ全治2日かなぁ…AIの治療なんてしたことないから詳細は分からないけど、人間基準で言うなら全治2日だ。」
「そうか…」
「……む、ロマン、ダ・ヴィンチ。いいところに来た。」
「うん?」
「なんだい?」
「…っと、その前にだ。無銘、マスター。ここから先のことは時が来るまで他言無用だ。いいな?」
そのギルの言葉にアルと一緒に頷く。
「よし。そら、貴様らが求めていたものだ。」
ギルがダ・ヴィンチさんに投げ渡したのは……粘土板?
「?これは…」
「我程度では細やかだがな。人理修復後も我はここに残る、その契約書のようなものよ。その程度では不満か?」
「……」
ギルが……修復後も、いる…?
「ひゃっほぉぉぉぉ!!やったぜ。ロマニ、これでこれからは安泰だ!もう王がいなくなったらっていう可能性に怯えないで済むんだ!!」
「───うぇぇぇぇぇ!?嘘ぉ!?本当にいいのかい!?」
「よい。」
「嘘だろ、こんな奇跡───」
「───待って」
不意に、声。背後から。その声は、2日間ずっと聞いてなかった声。
「───私も、残る」
「ミラちゃん…?」
「みんなが、私を受け入れてくれたから…私は、それに応える。」
ミラちゃんが背後にいて。何かを投げるような仕草をしたかと思うと、ダ・ヴィンチさんの前に炎文字が現れた。その炎文字は一点に纏まっていき、やがて2つの指輪が重なったような連環になった。
「…それで、いい。私達は人間そのものであるのもあって、座に帰るとかはないと思うけど。みんなの旅路が続く限り、私は力を貸すと誓いましょう。」
体調悪そうだけど…大丈夫かな?
「やったぁぁぁ!!王妃様も残ってくれるとか何て奇跡だ!カルデアはこれで安泰だよ、ロマニ!」
「う、うん…!でも、どうして───」
「……意外だったかしら?
ミラちゃんの声の質が変わった。それに、今───
「───」
「いつまでも隠し通せると思わないことよ。我等が主が宿しているは“総てを見通す王”。森羅万象、あらゆる総てを見通すわ。アナタの隠し事も、人理焼却の元凶も、人理焼却の犯人とアナタの関係も。唯一見通せないのは未来だけね。」
ドクターが…ソロモン…?いや、でも…確かに、ロンドンで出会ったソロモンはなんとなく違和感を感じた。
「……君は、誰だい?」
「…ミラルーツ。ひとまずは、そう名乗っておきましょう。」
ミラルーツ。それは、祖龍のこと。
「真実を明かすのなら早い方がいいわよ?…遅くなれば遅くなるほど、手遅れに近づいていくのだから。」
「…ふん。ミラルーツの言っている通りよな。ロマニ、貴様に課題を課す。第5の特異点が発見されるよりも前に、カルデアのスタッフ共に真実を語れ。最重要なのはレイシフトメンバーとオルガマリーだ。…急げよ、ロマニ・アーキマン。もう、貴様に残された時間は少ないぞ。」
「…はは。…うん、分かったよ。ボクも、覚悟を決めないとかな…」
今回の召喚は───そんな状態で、幕を閉じる。
いつも選出ありがとうございます
殺「構わん。我が主は汝であることには変わりない。そこのオッサン───首を出せ」
「だからなんで俺なんすかねぇ!?」