狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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裁「……」

かなり強い観測体制に入ってる…まぁ、仕方ないか。

弓「……なるほど。」

ギル、鍵のルーラーのこと。少しの間任せる。

弓「任せよ。…もっとも、あやつに我の補助が必要かは知らんがな。」


地獄塔巡礼談 監獄塔に復讐鬼は哭く 巡礼完了
第221話 始まる異変、動き出すモノ


「はい。これで魔術回路の全移植は終わりよ。」

 

「…ありがと、マリー。」

 

マスターがオルガマリーさんにそう言った。

 

「ほんと…不思議な魔術回路してるわよね、リッカは。魔術回路の質はかなりのもので、魔力量もかなり多いのに…()()()使()()()()って。」

 

「う…」

 

「責めているわけじゃないから安心なさい。この異常にも何か理由はあるのでしょうけど…さて、ね。」

 

「お兄ちゃんが調べてくれてるらしいんだけど、まだよく分かってないらしいんだよね……たしか、アルの方でも調べてくれてるんだよね?」

 

その問いに頷く。正確には、璃々さんが調べてくれているのだが…

 

『…残念ながら、まだ特定できてません。』

 

「…そっか」

 

「大丈夫よ。今は魔術が使えないとはいっても、これから先ずっと使えないわけではないでしょうし。それに、魔術が使えなくとも貴女は私が認める最高のマスターよ。」

 

「マリー…」

 

「魔術が使えない、物理で戦う魔術師もいたっていいじゃない?」

 

「あはは…」

 

「何馬鹿を言ってるの、魔術師なんだから使えた方がいいに決まってるじゃない。」

 

そう言いながら部屋に入ってきたのはジャンヌ・オルタさん。

 

「マスターもはっきり言った方がいいと思いますよ?」

 

「…そっか。でも…私が魔術を起動できないのは本当のことだから。エルメロイ先生にも“君が何故出来ないのか私にも理解・解説ができん”って言われちゃったし…エミヤさんにも“才能がないというよりはもっと別の何かが作用して君の魔力を詰まらせているようだが…すまない、私にはその詰まりの解除が出来ない”って。」

 

「「「…」」」

 

「だから、私がもっと頑張らないと…って言ったら、“頑張るな”って言われちゃって…先生達曰く、頑張りすぎたことで何が起こるか分からないから…って。」

 

魔力の詰まり…か。

 

『魔力栓…血栓のように通りを悪くしているということかな。』

 

『そして、その魔力栓が大きすぎて魔術に向ける魔力が通らなくなっている…おかしいね、これ。サーヴァントの維持はできているのに。』

 

『血栓じゃなくて多分部分封鎖…鍵みたいに条件で閉じてるんじゃないかな。』

 

月さん、陽詩さん、星乃さんが私にだけ聞こえる声でそう呟く。…鍵、か。

 

「……?」

 

ふと、何かに気がついたかのようにマスターが顔を上げた。

 

「どうかした?」

 

「……あれ?なんだったんだろ、今の……」

 

「…顔色悪いですよ?大丈夫ですか?ケーキ食べられる?」

 

「大丈夫…だと思う。ありがと、マリー、ジャルタさん。」

 

「お話って終わっているかしら…?」

 

部屋にナーサリーさんが顔を出す。

 

「ええ、終わっているわよ。設備は簡易的だけど、お茶会の準備をしましょうか。」

 

『…』

 

『月さん?』

 

『…七虹、ちょっと気を付けて。なんか、嫌な予感がする。』

 

月さんからの言葉。それが、歴戦の戦士としての勘なのだとしたら警戒のレベルを引き上げた方がいいだろう。

 

『…一応聞きますが、根拠は何か?』

 

『…ん~…主婦の勘?』

 

『…月さんって主婦なんです?』

 

『違うけど。…ごめん、分からなかったかな。』

 

『そもそも月は18歳だもんね』

 

『というか私達って肉体年齢固定してるからそれもそこまで正確じゃないんだけど…』

 

そういえば今目覚めている人格の中で私と美雪さん以外は擬似的な不老不死だったか。私はただ不死なだけで、不老ではないらしいけれど。美雪さんはもう死んでいるという話だし。

 

「これは貴女の分ね。早く席に着きなさいな?」

 

「あ、はい!」

 

ジャンヌ・オルタさんの言葉に席に着く。

 

「ありがとう、ジャンヌ・オルタ。」

 

「いいわよ、別にやりたくてやっているわけだし。感想を聞かせてくれたらいいのだけどね。」

 

「……美味しい……」

 

「……いつも、マスターはこうなるから…」

 

「…あぁ。」

 

「それでも、美味しいのには変わりないのだからなっても仕方ないと思うけれど…」

 

ナーサリーさんの言う通りで、実際本当に美味しい。

 

『…っ、月!』

 

『え?…!!星乃、星海!』

 

『『もうやってる!!』』

 

『え…?』

 

突然、月さん達が慌て出す。

 

「───リッカ?リッカ!しっかりしなさい!!」

 

「マスター!聞こえる!?マスター!!」

 

「マスター!……っ、あたし、王様を呼んでくるわ!」

 

「お願い、ナーサリー!」

 

そんな、悲鳴に近い声。その声に、マスターの方に目を向けると───

 

「……マス、ター…?」

 

「─────」

 

反応なく、動きなく───植物状態のような状態のマスターが、そこに在った。




……

星見の観測者「始まった、か。」

うん。協力、お願いしても?

星見の観測者「いいのか?私が干渉しても。」

勘違いしないで。あなたに頼みたいのは補助。実質的な干渉は許さない。

星見の観測者「……了解した。」
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