狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
| 名 | 二文字 |
|---|---|
| ファントム・オブ・ジ・オペラ | 怪人 |
| フェルグス・マック・ロイ | 剛漢 |
| フルフル | 白影 |
| 触手 | 異形 |
| ジル・ド・レェ | 堕騎 |
| ジャンヌ・ダルク | 聖女 |
| ナーサリー・ライム | 童話 |
| 亡月 美雪(別型) | 異聞 |
| イビルジョー | 大食 |
| 創詠 月(別型) | 悪食 |
| 天草四郎時貞 | 正義 |
| プレイヤー | 脳死 |
| 虚無と複製の獣 | 悪塊 |
とまぁこんな感じですね。
月「…お母さん。あの私ってやっぱり…」
だろうねぇ…恐らくは未来の月。何かに絶望した月なんだろうね。
月「……だよね。」
【アアアア───!】
その形ない、私から生まれ落ちたモノは、なんともいえない声で咆哮した。
「行くぞ、童話。出るべきモノは出た。今こそ完全に滅する時だ!」
「けれど……!」
「マスターを信じておけ!その女はこの地獄において、ただの一度も希望を捨てなかった女だぞ!!」
「……」
その言葉を聞いて、少し悩んでからナーちゃんが立ち上がったのが分かった。
「…ストリア」
《
「リッカさんのこと、お願いするわ。」
《
「分かっているわ。…リッカさん。あたしはあなたを信じてるから。…食い止めて、くるわ。」
それだけ言って、ナーちゃんが地面を蹴ったのが分かった。…私は……
「…」
「リッカさん、しっかり…!」
「流石に、つらい…かな。総てを際限なく飲み込む……か」
月さんが私を殺しにくるのも分かる。監獄塔の性質とかを抜きにしても、そんなもの危険すぎて放置していられないだろう。…声が、聞こえる。
「何よ、これ───全然攻撃が通らないわ!」
「お前もか、童話!」
「えぇ、これじゃあ止めることなんて───」
───それは、そうだろう。なぜなら───
「アレの特性は端的に言えば“飲み込む”ことだ。普通にやっただけで勝てるわけがない。…どれ、私も少し手を貸そう。不本意だが、世界が無抵抗に壊れるのを見るよりはいい。」
月さんがそう言った直後、周囲に何か張られた気がした。
「……はは」
「あぁ、生きる気力がどんどん萎えて……!」
メルセデスさんの慌てた声が聞こえる。
「…ごめんなさい。私は───いるべきではなかったんだ……」
《
即座に否定の声が返ってきた。
《
「ストリアさん…」
《
…それは、確かに嫌かもしれない。
《
私とは…違う?
《
「この世界に生きる私は…私だけ。」
アレは私ではない…か。
「キリがないわ…!!」
「避けろ、童話!!」
「え───きゃあっ!」
その悲鳴にナーちゃんが吹き飛ばされるのが見えた。
「…う」
起き上がろうとし、そのまま崩れ落ちる。それを見逃さず、黒いスライムが上から覆い被さる。
「……っ、離れ、なさいよ…!!」
「ナーちゃん…」
抵抗するナーちゃん。火が、水が、木が、土が、風が、雷が、氷が、金属が───黒いスライムに襲い掛かる。…けれど、微動だにしない。
「離れなさい…!離れてよ…っ!!」
「…些か、分が悪いか。」
「何?」
「拒絶の力が弱い。あちらに有効打を与えられていないようだ。」
魔力切れなのか、ナーちゃんの放つ属性が弱まっていく。
「………間違ったのかしら。あたし…あたしが来たのは、間違っていたのかしら…」
微かだけど。そんな、声が聞こえた。
「あたしが来たから、こうなったのかしら───」
〈───馬鹿者!!〉
突如、そんな怒号が響いた。
「…その、声は…」
〈何故諦めようとする。お前は何のためにその場所に行った!お前が諦めては、ギルガメッシュがお前が行く事を認めた意味がなくなるだろうが!!〉
「…アンデルセン───」
通信が…復活した?
〈お前の決意はそんなに脆いものだったのか?マスターを救うというお前の意思はそんなものだったか!!ならば最初から救いに行こうなどとするな、馬鹿者!!〉
「…っ」
〈既に俺達はお前に任せる他道が無い!そのような、最終局面に至って諦めるなど許すものか!!〉
「───仕方ないじゃない!あたしはキャスター、耐久も筋力も、他のサーヴァントよりは弱いのよ!?あたしよりも適任なんているでしょう!?」
〈それでもだ!お前はそれでも、マスターを助ける道を選んだ!他ならぬ、お前が、マスターを助けるという道を!その意思を認め、ギルガメッシュはお前をそこに行くことを認めたのだろうが!!キャスターだから無理だと?寝言は寝て言え!!キャスターだろうが何だろうが、その意思を貫いてみせろ!!〉
「…どうしろ、っていうのよ…!力はもう…!」
〈力が足りないだと?…ハッ!舐めるなよ、童話。お前は童話、俺は作家。俺が何故態々書斎から出てきて何故お前に声をかけたと思っている!〉
「…?」
〈力が足りないなら貸してやる───いいや、力が足りないのならお前を強くしようじゃないか!他ならぬ、俺の手によってな!!〉
「え…?」
〈たった六日───そんな時間では本来俺も満足なものは書けん!だがな!お前の奮闘は俺の創作意欲を強く搔き立てた!さぁ、いまこそ真価を発揮させようじゃないか!!〉
パラパラと紙をめくるような音がする。
〈さぁ、皆様お立会い。これよりアンデルセンが語りますは1人の意志持つ童話の物語。童話の物語、というのもおかしいような気はしますがそこは無視いたしましょう。名の無い本であり、わらべ歌の総称を真名として与えられた、子供達の英雄。童話の名はナーサリー・ライム。自らを示す概念である“子供達の英雄”であることを捨て、“愛する主の為の英雄”であることを自らを示す概念とした童話。愛する主より与えられた名は有栖ヶ藤 七海。相手取るは愛する主の内に潜んでいた強大なる悪。自らの定義から外れ、愛する主1人の為に動き出した絵本。自らの意志の下、愛する主の元に馳せ参じる決断の行方。今宵地獄と決断に決着がつくでしょう。その結末、どうかお見逃しの無きように───!!!〉
そう言い終わった途端。ナーちゃんに覆い被さっていた黒いスライムが吹き飛んだ。
「……力が、湧いてくるわ。今までよりも、さらに。…これは、貴方の…」
〈ふん。“
「…そう、ね。貴方はバッドエンド向きだもの。あたし向きのものは時間がかかるはずよ。…でも───」
ナーちゃんが火の大剣を出現させる。
「ありがとう、アンデルセン。あたしはまだ戦えるって理解させてくれて───!!」
そう言い、ナーちゃんが強く踏み込む───高く、跳躍する。
「───っ!!」
その場にあった空間を蹴るかのように方向を変える。ナーちゃんを見ていると、肩を掴まれて引き寄せられた。
「───施術危険と判断、緊急治療を施します。」
「はえ?」
直後───私はメルセデスさんの平手で吹き飛びかけた。
「一応攻撃は通っていそうね…へ?」
少しふらふらする思考の中でナーちゃんの困惑する声が聞こえた。
「え?え?」
「目が覚めましたか、リッカ」
「……ええ?」
「まだ目が覚めませんか、それではもう一撃───」
「あ、大丈夫です、覚めてるので…ええっと?」
「…なら、良いのですが。」
………What is this?
「患者の精神状態に治療、治癒の傾向は左右されます。先程の状態は不適格。通常の状態を維持しておくように。」
「え…あ、はい。」
「よろしい。」
「クハハハ!!そら、役者は揃った!マスター、乗り越える時だ!」
…まだ、ちょっと困惑しているけれど。
《Grand Master.》
「…うん」
ストリアさんを手に取る。
《Closed Active.》
その言葉の後、ストリアさんが形を変える。
「さぁ、マスター!やってしまって!」
「うん───ありがとう」
ナーちゃんの言葉に、ストリアさんを構える。
あーう、時間が…
裁「眠い…」