狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
そうだね……
「よし、揃ったな。それでは概要を説明しよう。」
大量の武器を横目に、ギルが解説を始める。今回の特異点はアメリカ。西暦は1783年。神秘こそは薄いものの、人類史にとって重要な点。神秘は薄いとはいえ、アメリカの方では別の魔術系統が発達していたとも。
「実際、ボクらの世界でアメリカが無いなんて考えられないからね。人類史のポイントとしては強い意味を持つ───“アメリカ独立戦争”の時期だ。」
アメリカ独立戦争。1775年4月19日から1783年9月3日までの、イギリス本国と北アメリカ東部沿岸のイギリス領の13植民地との戦争のこと。簡単に言えばイギリスの支配から逃れ、“アメリカ合衆国”という1つの国として動けるようになるきっかけになったような戦争。
「…ていうか、ドクターはその姿なんだ。」
「もう隠す必要なんてないからさ。ボクもいつでも力を振るえるように頑張るよ。」
「…ありがとう」
ドクターの姿はソロモンとしての姿。…私は、今までのドクターの姿も好きだったんだけど。まぁ、本人がいいならいっか。
「んで?俺とアメリカが何の関係がある?」
「決まっていよう!狂った貴様が特異点にいるからだ!」
「────は?」
え?
「───お前、今何つった?」
「ええい、通じぬならもう一度言ってやるわ!聖杯にて狂った貴様が特異点にいるのだ!どこぞの馬鹿者のせいでな!我が財を何だと思っている!」
「……スカサハ師匠…は、絶対にねぇな。エメル…も、ない。モリガンもねぇだろ……あぁぁぁぁぁ!?」
クー・フーリンさんが頭を抱える。
「“
「え、えっと……?そんなに凄い人なの…?」
「あーと…マスターとは少し相容れないかもしれないけどなぁ…どうなんだろうな、分かんね。」
「───いやいやいやいや、待ってくれ!?クー・フーリンが聖杯で強化されただって!?」
「おい、マリー!しっかりしろ!」
「ご、ごめんなさい…ありがとう、六花。」
マリー…大丈夫かな…
「まずい…非常にまずいぞ…!クー・フーリンは多才すぎていくつものクラス分けがされるほどの大英雄だ!それが聖杯で強化されただって……!?それは本当なのかい!?」
「……本当です。月さんと陽詩さんが、観測しましたから。」
そう言ったのはアル。目の数字が“一”だからアル本人だ。
「……月さんの知り合いが、特異点にいるそうです。その人が、月さんに連絡してきたと。…映像を、送ってきたと。」
「連絡……」
「相手が使用してきたのは“ゲイ・ボルク”。変質しているのか色が変色しているようでしたが、相手は確かにそう言い放っていました。」
アルが心配そうな表情をしている。…多分、その月さんの知り合いの人のことが心配なんだと思うけど。
「マジか……まぁ、話は分かったぜ。その狂った俺を殺れってことだな?任せと───」
「これを見せられても同じことを言えるか?」
そうして見せられたのは───
〈令呪を以て命ずる。自害せよ、ランサー。〉
令呪によって自害するクー・フーリンさん。
〈ランサーが死んだ!〉
〈この人でなし!〉
ええと……なんか眼鏡をかけた人の宝具で自滅するクー・フーリンさん。
〈令呪を以て命ずる。紅洲宴歳館・泰山の麻婆豆腐を10皿、1分で完食してくるがいい。〉
〈ぬっ……!〉
……何処かで聞いたことあるような店名と表情を曇らせるギル。“紅洲宴歳館・泰山”……なんだっけ?
「このような醜態をさらしてなお、同じことを言うか?」
「別世界の話を持ってくんじゃねぇよ糞が。」
あ、クー・フーリンさんがギルに掴みかかった。
「クー・フーリン殿が死んだ…!」
「こ、この人でなし!」
リューネちゃんとルーパスちゃんがそう言う。……あの姿、私のようにも見えたんだけど…気のせい?
「第一、テメェも人間の坊主や聖杯の泥で死んでんだろうが。」
「ふん。それはアーチャーたる我だ。プレミアたる我には関係ないことだ。……で。」
ギルが聖杯を取り出す。
「特異点には貴様、ここにも貴様。ならば貴様を強化し、特異点の貴様にぶつけてやろうかと思ってな。」
「……は?」
「我、そしてヘラクレスが強化されているのだ。そら、同じ第五次のよしみとして強化してもよかろう?」
「……テメェ、自分が何言ってるか分かってんのか?」
「ルールブレイカー、であろう?」
「それは私の台詞なのだけど…まぁ、いいわ。どうせ───」
「我がルールだ!」
言いきった…ってあれ、メディアさん?
「既にメディアは呼んでおいた。レイシフトを始める前に新生を行うぞ。マスター!」
「は、はい!」
「聖杯を持て!ロマン、レイシフトを起こしておけ!すぐに終わらせるぞ!」
「準備はできているわ。…もう、私は諦めたもの。この男が何しても不思議じゃないものね…」
お、お疲れ様です……
「……なんだかなぁ。」
クー・フーリンさんは頭をかきながら私と一緒にメディアさんの指示に従った。
「これでよし、と……さぁ、リッカ?大体はヘラクレスの時と同じだけれど…令呪を使ってクー・フーリンに“
「
「できれば無茶なものがいいわね。ケルトの戦士は誓いが重ければ重いほど力を増すのよ。それと聖杯、そして月さん達の増幅術式を霊基の核にするわ。」
「増幅術式?」
私がアルを見ると、頷いて1つの弾丸を私に見せた。
「“古代ベルカ式カートリッジシステム”。なので実際私達の術式ってわけでもありません。出力を上げただけにすぎませんし。」
あ、やっぱりカートリッジシステムあったんだ…
「……うーん」
「あまり深く考えないでもいいぜ?“死ぬまで戦え”でもな。今更だが。」
「そういうわけにもいかないと思う……あっ。」
「…?」
それらしいものが浮かんだ。
「いくよ、クー・フーリンさん。」
「ん?おう。」
聖杯を掲げ───告げる。
「クー・フーリンに誓約を。───“世界に安寧が訪れるまで、味方を無事に守り抜き、誰にも負けない戦士であれ。汝が参じた戦ならばどのような状況であれ、汝が戦において倒れることは赦さず、また汝の味方が戦において倒れることも赦さぬ”。」
私が望んだのは───守護と戦闘の両立。令呪が三画消え、クー・フーリンさんを光が包む。
「───応!アルスターのクー・フーリンの名に懸けて!その誓いを受けるッ!!結構どギツイ誓約だが関係ねぇッ!」
武器が飲み込まれ、聖杯が飲み込まれ、弾丸が飲み込まれ───クー・フーリンさんだった光と融合を果たす。
「あぁ、ほんと───お前さん、いい女だぜ!」
その光が弾けて───中から、クー・フーリンさんが出てくる。
「……ちょいと装いは変わったみたいだが、紛れもなく俺だぜ、リッカ。」
「……うん」
「改めて───アルスターのクー・フーリン。リッカがかけた誓約に基づき、全力を振るうことを誓うぜ。」
「……ありがとう、クー・フーリンさん。」
「……そういえば、冬木で最初に出会った味方サーヴァントは彼だったわね…」
「……はい。今となっては懐かしくも感じます。」
私の言葉に、クー・フーリンさんは少し悩んだ顔をしていた。
「どうかした…?」
「いやよ、今もずっと“さん”で呼ばれてんのがむず痒くてよ……おし、リッカ。」
「…?」
「お前さん、俺のことを“クー”って呼んでみろ。“さん”なしでな。」
「クー?」
私が繰り返すと、満足そうに頷いた。
「思った通りか。あいつほど嫌じゃねぇ。これからはそう呼んでくれねぇか?」
「……分かった、クー。」
握手を交わしてから私達はコフィンに入る。
〈アンサモンプログラム スタート。霊子変換を開始します〉
いつものアナウンス。しばらく、聞いてなかった気もする。
〈レイシフト開始まで あと3、2、1…〉
「……行こう、未来を…取り戻す旅へ。」
〈全行程
眠い…
弓「しっかりするのだ、マスター。」
イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?
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槍兵、魔術師、剣士
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剣士、剣士、魔術師
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魔術師、槍兵、槍兵