狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
槍「いや……今の俺じゃ無理だ。お前さんといたときのようにあの霊基だったら喚べたんだがな……」
裁「そっか……」
槍「……こっちの世界の座の中で、お前さんとの記憶を持っているやつは俺以外にもいる。それでも、当時の力そのままで召喚することはできねぇ。…あの英雄王ですら、それだけは変わらねぇからな。」
裁「…そっか。」
「……ということなんですけど…どうしたら話を聞いてくれますか、ナイチンゲールさん。」
〈そうですね……〉
私はカルデアとの通信でナイチンゲールさんと話していた。
〈まず第一に清潔に。〉
「はい。」
〈看護中は邪魔をしないように。〉
「はい。」
〈大声を出さないように。患者の身体に響きます。〉
「あー……」
多分骨の方に音が響いて痛みが大きくなるとかかな……
〈あとは……そうですね。病原を伝える、でしょうか。〉
病原…
「……ナイチンゲールさんって本当にバーサーカーなんです?」
〈バーサーカーですよ。こちらでは環境もあって……すみません、急患です。そちらに召喚された私と話すならば絶対に清潔にするのを忘れずに。〉
「あ、うん…」
なんかあっちで起こったみたい……とりあえず清潔にしておけばいいのかな。
「…あの、先輩。ここは私に任せてもらってもいいですか…?」
「マシュ?」
「…先輩の在り方を見習いたいのです。失敗するかもしれませんが……いいですか?」
「……」
マシュの頭を撫でる。
「いいよ。何事も経験、失敗しないと分からないことだってある……失敗から学べることだって多いんだから。最初のうちは失敗して、次に活かさないとね。いってらっしゃい、マシュ。」
「……はい、行ってきます。」
そう言ってマシュはキャンプの方に向かっていった。
〈大丈夫かなぁ、マシュ……〉
「…多分、失敗するわね。」
〈えっ。〉
ナーちゃんの言葉に私も頷く。
「リッカさんの在り方は見様見真似でなんとかなるものじゃないわよ。」
「直感で失敗するって分かっちゃった……マシュを信用してないわけじゃないんだけど……」
あっ、テントの中に入っていった。
「失礼します…私は───ひゃぁっ!?」
銃声。
「それ以上踏み込んだら撃ちます。」
「ふ、踏み込んでいませんよ…!?それ以前に撃ちましたよね!?」
「目が踏み込んでいました。」
「目!?…というか───あれ?」
うん?
「あ、あの!あそこにいるのは───」
「何か。患者は平等です。それが二等兵であろうと将軍であろうと───ましてや
「話を聞いて───」
「出ていきなさい!菌を持ち込むというのなら皮膚を引き裂いてでも退室させます!」
「は、はいっ…!し、失礼しました……!」
慌ててマシュがテントから出てきた。
「……申し訳ありません、失敗しました……」
「大丈夫、ありがとうね、マシュ。」
……人ならざるモノ。さっき、そう聞こえた。…もしかしたら。
「ミラちゃん」
「うん?」
「一緒についてきてくれる?」
「え?いいけど…」
〈大丈夫なの?カルデアのナイチンゲールさんは環境が整っているから比較的大人しいけれど、戦場真っ只中のナイチンゲールさんは…〉
〈絶対荒れてるよなぁ……〉
「多分なんとかなる。」
〈えぇ、なんとか………なるの!?〉
「うん、マシュやナイチンゲールさんのお陰で鍵は見えたし。あとは錠前に入れて答えを合わせるだけだよ。」
そう告げて私とミラちゃんはナイチンゲールさんのいるテントに向かった。
「失礼します、ミス・ナイチンゲール。」
「───何か。」
「私は藤丸リッカといいます。こっちは…」
「ミラ・ルーティア・シュレイドです。」
私達の言葉を聞いてから口を開く。
「貴女は…“退院者”ですか。そして、貴女は……いえ、なんでもありません。退院者の方は元気なようで何より、顔を見せていただけたのは嬉しいですが───」
「ミス・ナイチンゲール。私達には救いたい存在がいます。」
「───急患ですか」
「…全身をくまなく焼かれ、意識が途切れそうになりながらもなんとか生きている存在が、います。」
「……!なんですって!?」
より強大な急患を示す。予想通りというかなんというか、ナイチンゲールさんは私の言葉に強く反応した。
「すぐに治療しなくては!運び込みなさい!」
「……いいえ、運ぶ必要はありません。その患者は、すでに私達のそばに。」
「……どういう、ことです?」
ナイチンゲールさんの疑問に答えを返す。
「“世界”。そして、“未来”。それが、患者の名前です。この2名の患者を治さない限り、このような人達は増え続けます。」
「───何を、言っているのですか?」
「ミラちゃん。」
ミラちゃんが頷くと同時に、周囲の風景が変わる。
「……!?患者達は……いえ、これは───!?」
「……これが、世界の現状。2015年の、カルデアの外。」
そこにあったのは───火。全てが燃え盛る地上の風景。
「これは私の記憶から抽出して具現化した結界。患者達は無事だよ。」
「……これは、本当の事なのですか」
ミラちゃんが頷く。
「ミス・ナイチンゲール。私達は旅をしています。この患者を治すための旅を。そのためには、病原体となっているものを潰さなくては。そうでなくては、貴女がいくら奮闘し続けても患者は増え続けるだけです。」
火の風景は消え、テントに戻る。
「…このような方々が、増え続けると?」
「はい。…ですので」
私は手を差し出す。
「力を貸してくださいませんか、ミス・ナイチンゲール。病原体を把握し、その大本を潰す。私達は医者で貴女は看護師───力を合わせられない理由はないはずでしょう。」
「……貴女方は、医師だと?」
「はい……っと、ミラちゃん?」
私の服をミラちゃんが引っ張った。その、ミラちゃんが指差す方向に───傷ついた黒っぽい翼を持つ竜。
「ワイバーン……?」
「……レイ、ギエナ……それも、特殊な…」
レイギエナ?
「あれがどうかしましたか?」
「……」
ミラちゃんがレイギエナに近づく。
「……ひどい。傷が結構深い……ううん、その前に……どうしてこんなことに……?」
「……キェァァァァ」
「喋らないでいいよ。…辛いと思うから。ごめんね、もっと早くに見つけてあげられなくて───」
そう言ったあと、ミラちゃんとレイギエナの身体を緑色の光が包む。
「……」
「…ミラちゃんはほとんど獣魔専門の医師です。獣医、というところですか。私は世界専門の医師、といったところですか。…一緒に来てくれますか、ミス・ナイチンゲール。私が執り行うこの“世界治癒術式”に。」
一呼吸おいてから言葉を紡ぐ。
「私達には貴女が必要です。」
「……分かりました。貴女に同行しましょう、リッカ医師。」
そう言ってる間にレイギエナの治療が終わったようで、ミラちゃんがレイギエナから離れた。
「キェ……」
「咆哮しちゃダメ。休んでいる人もいるから、静かに。もう少しの間、休んでてね。その間は私達がここを守るから。」
ミラちゃんのその言葉にレイギエナは咆哮をやめ、しっかりと頷いた。
「“凍て刺すレイギエナ”の治療は終わったよ。」
「助かりました、ミラ医師。私でも正確な対処はできなかったものですから。」
「ん、仕方ないよ。だってレイギエナはこの世界の存在じゃないし。…それで?」
話はどうなったのか、という問い。その問いに頷く。
「協力してくれるみたい。あ、じゃあ…ミス・ナイチンゲール。私達は少し待ちますので、ここの医者の方に対処方法について教えてあげてください。」
「はい。…ドクター・リッカ」
「?」
「世界を救う……本来なら、精神病患者と定義する物言いですが。貴女は私と同類ですね。ならば、ついていくことに異論はありません。」
「…そうですか。」
「それと、ナイチンゲールで構いません。…では、少しばかりお時間頂きます。」
「私もここで待ってるね。レギーナの状態見なきゃだから。」
私は頷いてテントをあとにする。
「おつかれさん、リッカ。」
「何かあった?クー。」
「あぁ───敵がこっちに向かってきてる。サーヴァントが2、雑魚が3000ってとこか?」
「……ここに来るの?そんなに?ここ、私達以外は負傷者しかいないよ?」
「連中にそんな区別つかねぇだろうさ。…で、どうする?」
区別がつかない、か…
「距離は?」
「結構あるね…」
「だがまぁ、大体20分程度じゃないか?」
ルーパスちゃんとリューネちゃんがそう言う。
「どうする、我らがマスターよ。」
「殲滅。」
一言。それだけで指示は完結できる。
「怪我人ばかりの場所に大勢で来る奴らに遠慮なんて要らない。全力で一掃して。」
「おぉ…かなり強気な方針ですね。…しかし、作戦はどうしますか?」
「……ルーパスちゃん、奥義の射程は?」
「距離的な意味なら矢が届くならどこでも。範囲的な意味なら私の視界に入る全て。制約としては私が空中にいないといけないくらい。」
「…なるほど。ナーちゃん、爆発範囲は?」
「“恋する乙女のカウントダウン”のことよね?ええと…100mくらいかしら。ストリアの補助があればもっと上がるかもだけれど。」
……ふむ。
「ルーパスちゃんとギルはサーヴァント以外の一掃。ナーちゃんとリューネちゃん、マシュ、コンラくんはここを守っていて。アルとクーは私と一緒にサーヴァントのもとに。各オトモ達は自分の旦那さんと一緒に。」
「「「「「了解」」」」」
「みんな───5分で終わらせるよ!」
私がそう言うと同時に全員が動き出す。
今週も頑張りました……
裁「そういえばマスター、キャプチャーボードの調子はどうなの?」
結構不調かもしれない……
イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?
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槍兵、魔術師、剣士
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剣士、剣士、魔術師
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魔術師、槍兵、槍兵