狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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裁「……何この眠気

月「さぁ…」


第254話 対談

「そもそもふざけすぎであろう…かの有名な発明王とされる存在が獅子の頭などと。」

 

「本当に私はトーマス・アルバ・エジソンなのだ!信じてくれはしないか、英雄王よ!」

 

「分かっている。」

 

「……えっと…失礼、絶句してしまいました。貴方がエジソン?発明王の?キメラなどではなく?」

 

ナイチンゲールがそう問いかける。ナイチンゲールはカルデアのナイチンゲールさんとは違うから知らないんだよね。

 

「如何にも。もっとも、今は大統王であるが。」

 

「……人間でなかったとは知りませんでした。」

 

「ジャパリパークにでも行ったんですか?」

 

「何を言う!私はまごうことなき人間である!人間とは理性と知性を持つ獣の上位存在であり、それは肌の色や顔の形で区別されるものではない!私の頭が獅子になっていたところでそれが変わるわけでもない!私が私の知性を持つならば、それはトーマス・アルバ・エジソンなのだ!」

 

まぁ、分からなくもない。吠える必要はなかったと思うけど。

 

「───さて、君の名は藤丸立香だったな。英雄王に龍の妃、クランの猛犬を駆る人類最後のマスター。」

 

……む。

 

「駆ってません。私は一緒に戦っているんです。」

 

駆る、とは───追いたてること。せきたてて追うこと。速く走らせること───私は弱いけど、隣で一緒に戦っている。上から指図するかのようにしているだけじゃないから。…別にギルのことを言ってるわけじゃないけど。

 

「単刀直入に言おう。四つの時代を修正したその力を活かし、我々と共にケルトを駆逐せぬか?」

 

「…知っているんですか?」

 

「……ある人物がわざわざ私に伝えに来たのだ。まぁ、それはいい。」

 

エジソンさんはため息をついてから言葉を続けた。

 

「言うまでもなく、ケルト人どもは時間を逆行している。アメリカ合衆国とは資本と合理が生み出した最先端の国家だ。この国は我々のものであり、知性あるもの達の住処。だというのに───奴らはプラナリアの如く増え続け、戦力の差でアメリカ軍は敗れ去ったのだ!」

 

「プラナリアかよ。言い得て妙だな、おい。…ホント、アイツはろくでもねぇな…」

 

「しかし!幸いなるかな、この国には英霊たる私が降臨した!私の発案せし新国家体制、新軍事体制によって戦線は回復し、戦況は互角となった!まさに野蛮人どもよ、大量生産において私と覇を競うなど愚の骨頂!いずれ我が機械化兵団は地を埋めつくし、憎っくきケルトどもを殲滅するだろう!」

 

…野蛮、か……

 

「だが───懸念事項はある!それは将、つまりはサーヴァントの数が!圧倒的に足りんのだ!統率された軍隊であろうと、一騎当千のエースがいないのだよ!兵達が得た拠点も1騎のサーヴァントによって奪われてしまうのだ!こちらのサーヴァントは私を含め3騎───つまりはいまここにいるサーヴァントしかいないのだ!他に召喚されたサーヴァントもいるようだが、こちらにつこうともしない!私に理性がなければ絶叫していることだろう!アメリカを救うべき英霊が敵を恐れて戦いを拒否するなど怠慢にもほどがあると───ガァァァ!!

 

……咆哮してるんだけど…大丈夫……では、なさそう。色々。勘だけど。

 

「お、落ち着いてください、ミスタ・プレジデント…!その…!世界を救うというのならば、私達が協力するのもやぶさかではありませんので…!」

 

「おぉ、君は話が分かる!」

 

「……だけど、本当にそれが“世界”を救うためならね。」

 

ミラちゃん…ミラちゃんも気づいてたっぽい。

 

「そうだね、ミラちゃん。それが本当に“世界”を救うためなのなら……」

 

私の直感が、警鐘を鳴らす理由がない。

 

「…そうですね、ドクター。…ミスタ・エジソン。2つ程、聞いてもよろしいでしょうか?」

 

「何かな。他ならぬナイチンゲール嬢の言葉だ、真摯に答えよう。紳士、真摯に答える───おぉ、エレガンティック!カルナ君、今のを大統王録に記しておいてくれたまえ!」

 

「くっくっく……」

 

「……相変わらずテメェのギャグセンスはよくわかんねぇわ。」

 

ギルの笑い声にクーが呆れてた。

 

「1つ。ここに来るまで、何度か機械化兵団を見ましたが…あれは貴方の発案なのですか?貴方の言う新体制が目指すところだと?」

 

「うむ、その通りだ!この国難を脱するため、私は1つの結論に達した!国家団結、市民一群…いや、一軍となっての新生!老若男女、分け隔てのない国家への奉仕!いずれ、全ての国民が機械化兵団となってケルトを、侵略者を討つだろう!無論、その為には大量生産ラインを維持しなくてはならない。各地に散らばった労働力を確保、一日二十時間労働、休むことのない監視体制。福利厚生も最上級のものを用意する。娯楽なくして労働なしだからな。」

 

……

 

「我々は常人の三倍遊び、三倍働き、三倍勝ち続ける!これが私の目指す新しいアメリカの姿である!!」

 

そう言って拳を上げるエジソンさんの姿が。…私には、ただの異常者に見えた。

 

〈…無理だろ、そんなの。娯楽にだって限度がある。人間の耐久性知らねぇのかよ。人間だけじゃねぇ、どんなものだって限界越えたら壊れるに決まってんだろが……!!〉

 

〈〈〈〈〈お前が言うか〉〉〉〉〉

 

〈うおいっ!?〉

 

お兄ちゃんは素で無理をするからなぁ…

 

「……そんなところに拘っているのですか」

 

「うん?いま、なんと?」

 

「…いえ、ただの独り言です。それでは2つ目───どのように世界を救うつもりなのですか?」

 

「あぁ、それでしたら聖杯を確保すれば達成されます。」

 

解説はマシュに任せた方がいいかな。

 

「ケルト軍を打ち倒して聖杯を手に入れ、時代を修正する。ケルト軍の誰が所有しているかは不明ですが、聖杯を入手できればあとは私達が。」

 

「まぁ、十中八九メイヴだろうけどな。あとは…聖杯で反転した俺か。」

 

クーがそう言った。

 

「……いいや、時代を修正する必要はない。」

 

『………!』

 

「…やはり、ですか。」

 

ネアキちゃんとウルさんが姿を現す。

 

「…トーマス・アルバ・エジソン。貴方は───“アメリカ”だけが残ればいいと考えているでしょう?」

 

「……如何にも、その通りだ。黄色き精霊よ。」

 

ウルさんの言葉に頷くエジソンさん。

 

「……ふむ。聞き捨てならん言葉が聞こえたな、獅子頭。“アメリカ”のみを救うとはどういうことだ?」

 

そのギルの声は───明らかに、怒気を孕んでいる。

 

「時代を修正する必要はない。聖杯があれば、私が改良することで時代の焼却を防ぐこともできよう。」

 

「…ほう?」

 

「まだ、ナイチンゲール」

 

「……」

 

ホルスターに手を掛けた気がするから言っておく。

 

「まだ把握しきれてないよ。待って。」

 

「…分かりました。」

 

ナイチンゲールが動いたところで続きを促す。

 

「そうして時代の焼却を防げば、他の時代とは全く違う時間軸にこのアメリカという世界が誕生することになる。」

 

「そ、そんなことが可能なのですか!?」

 

「十分に可能だという結論が出た。」

 

『創世の扉…それを擬似的に再現するか。』

 

ネアキちゃんも少しだけ怒っているような心の声になってた。

 

「……他の時代はどうなるんですか」

 

私が問う。…正直、この世界を滅ぼす書の主である私が言ってはいけないのだろうけれど。それでも、私はこの世界を…この世界にいた人達を、守りたいから。

 

「───滅びるだろうな」

 

「…それじゃあ、意味がないわ。」

 

「左様、話にならぬな。王でありながら別の王の所有物に頼り、それを改造してすら最善を目指さぬとは。それとも何か?王を名乗りながらただの雑種にしか過ぎんのか、貴様とこのアメリカという国は。目先の絶望から目を逸らし、妥協点で満足するか?」

 

「……ぐ、ぬぅ、ぬぅ……」

 

……見えた。何かに苦しむ、そこに。

 

「……何を言う。これほど素晴らしい意味があろうか。」

 

でも、すぐにそれは見えなくなった。…でも。

 

「このアメリカを永遠に残すのだ。私の発明が、アメリカを作り直すのだ。そして、ただ増え続け、戦い続けるだけのケルト人どもに示してくれる!私の発明こそが人類の光、文明の力なのだと!」

 

「……変わんねぇな」

 

「何?」

 

姿を現したレンポ君の声にエジソンさんが反応する。

 

「おまえの考え方……いや、おまえの策。ケルトって奴らと同じ……違うな、ケルトって奴らよりもよっぽど悪いんじゃねぇのか?」

 

「…何を言うか、赤き精霊。」

 

「クー・フーリンに聞いた限り、メイヴって奴は自分の体液から兵士を生み出しているらしいな。んで、おまえは自分の国民を兵士に仕立て上げている。若い奴も老いた奴も、男も女も関係なくな。あっちは兵士を切り捨てることができるが、こっちはできねぇ。兵士を切り捨てることが戦力の低下に繋がるからな。“使い切り”じゃねぇ、ってことは…言い方は悪いが“再利用”するってことだ。さて……どっちがよっぽど悪いか、気がつくか?」

 

「それは……ぐっ…!うぐぐ…」

 

「…ビーコン、セット」

 

小さく呟く。自己暗示、のようなものだけど。

 

「文明の力だと示す───その為に、戦線を拡げるのですか。戦いで命を落とす兵士達を切り捨てて。」

 

「わ、わた、私とて、う、ぐ、切り捨てたくて切り捨てているのではない、が───」

 

「落ち着いて、エジソン。みんなの言葉はただの意見よ。告発じゃないわ。」

 

「……承知している。今のはいつもの頭痛だ。気にしなくていい。今の我々…私にとってはこの国が全てだ。王たるもの、まず何より自国を守護する責務がある。」

 

「だけどそれは他の王の力をもって行うことじゃない。自分と民の力で国は守護しないと。その時点で貴方は王失格だと思うけれど?…そもそも」

 

ミラちゃん───じゃない、ミラルーツさんが言葉を繋ぐ。…いつの間に入れ替わってたんだろ。

 

「貴方達は英雄でしょう?そして既に過去の存在で、本来今を生きる存在の邪魔をしてはいけない存在。自分よりも自分の国よりも、まずは“今を生きる者”の道を切り開くのが貴方達の仕事じゃないのかしら?」

 

「…今の私ですら、理性の隅でそう考えることがあります。ミスターエジソン。それを否定するのなら、貴方はただの愛国者です。」

 

「そうだとも。王たる私が愛国者で何が悪い?」

 

「……そうですか。」

 

ナイチンゲールがため息をついた。

 

「知っていますよ、その目を。」

 

「何?」

 

「そういう目をした長は、必ず全てを破滅に導きます。そして最後に、無責任にも宣うのです───“こんなはずではなかった”と。」

 

「───ふむ。藤丸立香、君はどう思う?我々と共闘してケルトを殲滅するべきではないかね?」

 

私の答えは決まっている。

 

「不可。共闘はできません。」

 

バッサリと、告げる。




遅くなりました…

月「眠い」

イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?

  • 槍兵、魔術師、剣士
  • 剣士、剣士、魔術師
  • 魔術師、槍兵、槍兵
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