狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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裁「…前回の書き起こし内で書かれてないけど、私って当時車椅子に乗ってたんだよね。ほら、解呪の負荷が酷くて身体をうまく動かせなかったから…致命の一撃に関してはあれくらいならなんとかなったからだね。一歩も動いてなかったし。」

あぁ…描写するのわすれてたね、そういえば。

裁「ちなみに当時の私の症状は大まかに言えば“下半身麻痺”。目覚めた直後は“全身麻痺”みたいな状態だったんだけどね。腕さえ動けば致命攻撃はできるし、コードキャストやマスタースキル、スペルカードも使えるからね。…まぁ、コードキャストは当時使えないけど。」


第266話 施術完了

「起きなさい。まだ施術は終わっていませんよ。」

 

〈終わってないのかい!?〉

 

〈私が言われたら発狂ものよ…コレ…〉

 

カルデアのみんなの言葉も聞こえてないというかのようにナイチンゲールはエジソンさんを引き起こす。

 

「な、ナイチンゲール女史…」

 

「貴方の不合理に現実を突きつけましょう」

 

「ふ、不合理…?」

 

「はい。貴方のやり方では、ケルトに勝つことはできません。」

 

その、恐らく彼が目を背けていたであろう現実を、事実を告げる。

 

「彼らケルトは生を受けてから死に至るまで戦いに明け暮れた怪物。頂点に立つクー・フーリンからも分かるように、この時代の人間は…いえ、もしかしたら未来の人間すらもスタート時点から引き離されている。ましてや相手が所有するは聖杯、あの兵士達は無限の資源から成り立っています。資源が無限ならばその資源で作成されるものも無限なのは道理、そんなものと有限が勝負したところで勝てない、勝てるわけがない。」

 

〈ま、そうだわな。無限のリソースがありゃ理論上はなんだってできる。万能の職人がいてそいつが無償で協力してくれるなら人件費もかからねぇだろ。〉

 

〈材料なく、製作にかかる人件費もなく…おまけに機材などの製作費用もなければ商人としては商売上がったりですねぇ…市場展開なめてるんですかの一言ですよ〉

 

あ…ミドラーシュのキャスターさんが怒ってる…

 

「ですが、貴方はその分野に対して負けるのは嫌だった。その“大量生産”という仕組みに対して負けを譲りたくはなかった。何故なら───“大量に生産する、より安価でより良いものを作る”、それが貴方の、トーマス・アルバ・エジソンの持つ天才性であるから。そしてそれが知らず知らずのうちに貴方の理性を奪い、“生産”することだけに集中してしまっていた。“自分の領域で負けてなるものか”という無意識な意地が故に、貴方は病に侵され、ドクター達を失望させてしまった。」

 

「なん、と…いや、しかし……否定できん……」

 

エジソンさんは愕然としながら呟く。

 

「確かに私は生産力に拘っていた。どれだけ資源を失っても、最終的には勝つからいいのだ、と…既に資源も尽きかけだというのに…」

 

「全くです。生産力だけで勝っても意味はありません。…そして。」

 

ナイチンゲールがエジソンさんの頭を鷲掴みにする。

 

「最大の過ちが貴方のこの肉体!サーヴァントとしての記憶からしても、歴史上トーマス・アルバ・エジソンが獅子の頭であったなどという記述はありません。さらに、いかに有名であろうと、発明王であろうと、貴方がこれほどの力を持っているはずもない。それには何か原因、別の力が働いているはず。貴方を“王であれ”とする欲望(ユメ)が。」

 

「それは…聖杯では?」

 

「違うわ。正確に言えば聖杯はただ“願いを叶える”ものであって、“願いを産み出すもの”ではないのよ。結果的に願いを産み出したのだとしても、それは聖杯が直接関わった訳じゃなくて聖杯と関わった何者かがその願いを持ったにすぎないわ。…“聖杯を手に入れたい”という願いを、ね。」

 

「えぇ、ドクター・ありすの言う通りです。大きい力は結果的に願いを産み出しやすいもの…ですが、そもそも聖杯は敵の手にあり、奪取するのはかなり難しい。ならば、聖杯よりも何よりも先に、貴方を補強した願いがあるはず。そして、その願い(それ)は貴方のものではありませんね?」

 

「……その通りだ。私はトーマス・アルバ・エジソン。この国の大統王。過去、現在、未来───このアメリカの大統領より力を与えられた者。何故ならば、それが合理的だからだ。」

 

エジソンさんの肉体の変化。その、理由…それが、大統領の集合体…

 

「彼らは自分達総てがサーヴァントになり、召喚されたとして、ケルトに対抗し、勝利することはできないと結論を出した。ならば、世界的に有名な英雄に力を結集し、アメリカという未来を私に託した。」

 

「───でも、それこそ病の根幹。」

 

静かに、一言告げて───車椅子を動かしてエジソンさんの近くに行く。

 

「私達にはアメリカだけじゃない。救わなければいけない世界がある。多数から一つへ(イ・プルーリバス・ウナム)───多数の民族から成立した国家であるエジソンさん達はあらゆる国家の子供であると等しいはず。だったら、エジソンさん達は世界を救う義務がある───それを無視して、自分の国(アメリカ)だけを救おうとするから、あなたは苦しむんじゃない?」

 

「ぬぐ…」

 

「ドクター・リッカの言う通り。そして、だからこそ───」

 

私が少し後ろに下がるとナイチンゲールがエジソンさんの胸に指先を当てる。

 

「そんなだから貴方に憧れた子供であるドクター達に失望され、同じ電力で勝負していた天才科学者ニコラ・テスラにも敗北するのです。」

 

〈おまけに私はバ美肉と相成った!本来の姿に戻ることも可能だが、お前のその可愛さとは遠い姿よりも人気は出るだろうさ、ヴァカメ!!〉

 

「GAohoooooooo!?」

 

……うわぁ。というかなんでテスラさんは管制室にいたんだろう。…それから“バ美肉”って“バーチャル美少女受肉”のことらしいけど、星乃さん曰く“あの姿のテスラさんは男性”ってことだからそれは“美少女”じゃなくて“美少年”らしいよ?

 

「…施術完了です、ドクター。」

 

「うん…かなり致命傷な気もするけど。これでなんとかなったんじゃないかな…」

 

なんとなくそんな気がする。

 

〈…マシュ、エジソンの脈を。〉

 

「…生きてます。生存を確認しました。」

 

うん、結構痙攣してるけど…生きてはいる。だから───私は、エジソンさんに近づく。

 

「…あなたは、どうしたい?」

 

「───ぬ、む…」

 

ゆっくりと立ち上がるエジソンさん。

 

「…そうだな。認めよう、君たちの言うことを。私は歴代の王達から力を託され、それでも合理的に勝利できないという事実を導き出し、自らの道をちょっとだけ踏み間違えた───」

 

「ちょっと?」

 

「…!お、大いに!!大いに踏み間違えた…愚かな思考の迷路で彷徨っていたようだ。」

 

〈ボクはリッカちゃんのその超静かな覇気が怖いんだけど…〉

 

〈腕さえ動けば致命攻撃できる時点で車いすに乗ってる現状でも“無力”ではねぇからな…やろうとすれば今の状態でも人一人殺せるだろ、リッカ。〉

 

「やろうとすればね…多分。」

 

やらないけど。

 

「迷ったとしてもかまいません。あなたは今、スタート地点に立ったのですから。」

 

「…そうか。此処まで市民を犠牲を強いておきながら、やっとスタート地点とは…厳しいな。…厳しい。私は一体、どうすればいいのか…」

 

「決まってるでしょ?なに、あなた分からないの?」

 

「ブラヴァツキー嬢…」

 

「挑戦するんでしょ。三千回目でダメなら三千一回目に挑戦する。何度失敗してもへこたれず、周りに苦労を強いてちゃっかり自分だけは立ち上がる。…それがあなたの人生で、子供たちが憧れた“エジソン”の姿じゃない?」

 

そのエレナさんの言葉に少し考えるエジソンさん。

 

「…煽てられているようにも貶されているようにも聞こえるが…ありがとう。キミはやはり私の友人だ。最終的に上回ればいい───それが、私の人生(結論)だった。しかし…私は負け猫だ。臆病者だ。告訴殴打。もう一度この国を導くなど、とても…」

 

「───間違えるなよ、エジソン。」

 

「カルナ君…?」

 

「お前は確かに道に迷いはしたが、お前が目指したものは正しい。正しいからこそ、彼女たちは再びここに姿を現した。名も知らぬ誰かを救うことも、闇の世界を光で照らそうとするのも、自身を持っていい願望だとオレが断言する。どれほど自らに負い目があり、屈折した自己嫌悪があり、時に昇進から悪事をなすことはあったとしても───お前の発明は、誰かを照らし、救ってきた。」

 

ならば、と言葉を切って私達の方を見るカルナさん。

 

「お前がここまでつないできた99%の努力は今こそ報われる時を迎えた。…そら、目の前に1%の閃きがある。掴み取らないでいいのか?」

 

「…エジソンさん」

 

私は手を差し出して言葉を紡ぐ。

 

「私達と一緒に、アメリカだけならず───世界を救いませんか?」

 

「………私は…」

 

〈マスター。少し私が話してもよろしいか。〉

 

「…うん。いいよ」

 

〈感謝する。…エジソン、我が心の友よ。聞こえるか?〉

 

「き、君───その声は、まさかバベッジ君か!?」

 

〈いかにも。よく聞け、その胸にこの言葉を刻め───〉

 

そんな言葉の後、蒸気音がする。

 

〈・・ / ・・・・ ・- ・・・- ・ -・ ・----・ - / ・-・・ --- ・・・ - / ・・- -・ - ・・ ・-・・ / ・・ / ・-- ・ -・ - / -・・・ ・- -・ -・- ・-・ ・・- ・--・ -〉

 

…モールス信号?ええと…I haven't lost until I went bankrupt…?

 

「───そうか。で、あるならば!!大統王は死なぬ、何度でも立ち上がらなくては!」

 

…“破産するまでは負けていない”…って。

 

「繁栄の世界の夢!ここに復活!カルナ君、ブラヴァツキー嬢、迷惑をかけたな!」

 

「いいのよ、友達でしょ?」

 

「…そうだな。差し出がましいが、ここまでくると友人か。」

 

「…ふ。私はいつも、いい友人に恵まれる。こればかりはあのすっとんきょうも及ぶまい。私だけの財産、というわけか。」

 

「一人友達がいれば世界に(いろ)がつく。二人いれば世界が広がる。それはこの世界の真理だよ。ね、マリー。」

 

〈…ええ、そうね。〉

 

〈精神的なものだな、それ…まぁ、確かに真理だな。友達がいなけりゃ、その心の世界ともいうべきものは無彩のままだろうさ。〉

 

〈でも、そこに愛も追加してほしいですね~!〉

 

〈ひ、否定はしないよ!?うん!〉

 

「私も愛を否定しないよ。…分からないけど。でも、“好き”っていう気持ちは世界を輝かせるんじゃないかな。」

 

〈「常に心にプリズムのきらめきを!…なんてね。」〉

 

あ、お兄ちゃんと言葉が被った。

 

「…そうだ。…レディ達。君達を失望させた不甲斐ない私であるにも関わらず、そんな私を見捨てず付き合ってくれた君達に感謝する。」

 

「別にいいわ。…あたしは、記録を見て思ったことを言っただけだもの。」

 

「私も別に大丈夫。…あとはミラちゃんだけど…ミラちゃんは異世界人だからエジソンさんのこと深く知らないんだよね…まぁ、“情けない”とは言ってたけど。」

 

「ぐっふ…」

 

「…でも、とりあえず。」

 

「あぁ───このトーマス・アルバ・エジソン、これよりこの時代の全アメリカ軍と共にカルデアへ全面協力する!!君達、全軍に伝えてきたまえ!」

 

「「「「「サー!」」」」」

 

傍らに控えていた兵士たちがエジソンさんの指示を受けて部屋を出ていく。

 

「あぁ、私はすっかり、大変な忘れ物をしていた。大統領の傍らには常に副大統領がいるものだ。時に、大統領自身よりも有能な副大統領が。」

 

そう言って私の手を取った。

 

「フレイムスピリットレディ・リッカ!君のサーヴァントとして私は世界を救う大発明を成し遂げよう!」

 

「───うん。よろしくお願いします、偉大なる発明王、“トーマス・アルバ・エジソン”。」

 

ここに───西部との契約は成った。




裁「そういえばありすさんの名前って原作じゃ設定されてないよね?」

んん~…平行世界だからかな?こっちでも色々調べてみるけど…

裁「…マスター、その関係で一つお願い」

ん?

裁「ありすさんの…血縁関係、調べてもらえる?」

……できるかどうかわからないけど、出来るだけやってみる

イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?

  • 槍兵、魔術師、剣士
  • 剣士、剣士、魔術師
  • 魔術師、槍兵、槍兵
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