狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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……ぁ。

裁「…マスター?」

あれ……私、何してた…?

裁「……何も、してないけど。どうかした?」

……記憶が途切れてる。…まさか……本体との接続が悪くなってる…?

裁「……?」


第274話 施しと授かり

「ごめんください。」

 

尋ねる者。カルデアに与する者達の拠点に訪れた者がいた。

 

「…すまない、待たせ───」

 

その者に応対したは施しの英雄、カルナ。姿を現した直後、言葉が止まる。

 

「……カルナ。やはり、いたか。」

 

「アル、ジュナ……」

 

授かりの英雄、アルジュナと対面したカルナは絞り出すかのように声を出した。

 

「……場所を変えるか。着いてこい、カルナ。」

 

「あぁ…いや、しかし…」

 

「行くがいい、施しの英雄」

 

カルナの背後から声がする。

 

「そやつからこちらを害する気配は感じられん。万が一害したとすれば月が黙っておらんだろう。貴様が一時的に席を外したとて特に問題はない。」

 

「…」

 

「こちらとしては貴様が何かに悩んでいるようなのが気がかりで仕方がない。休憩として旧知の存在と外で語りあってくるがいい。」

 

「……英雄王がそういうのならば、従おう。」

 

「…信頼していただき、感謝します。英雄王。」

 

「ふん、信頼というほどでもないがな。そら、さっさと行け。」

 

そう言うとギルガメッシュは姿を消した。

 

「…行くか」

 

「あぁ…」

 

そうして二人は言葉もなく、しばらくの間大地を翔けた。…言葉も何もなく、ただひたすらに。

 

「……いい加減、どこに行くのかくらい教えてくれないか。」

 

「…この辺りでいいか。」

 

「……目的地があったわけでもないのか、お前は…」

 

適当な岩場付近で停止し、岩場に寄りかかるアルジュナ。そんなアルジュナを見てため息をつくカルナはそのまま口を開いた。

 

「…それで、何故お前はここにいる?東部の勢力だっただろう、アルジュナ。」

 

「……2日前のことだ。」

 

 

 

2日前───

 

 

 

「解雇…ですか?」

 

東部にて。アルジュナはクー・フーリンに解雇を言い渡されていた。

 

「そうだ。俺もメイヴも死闘になるだろうからな。お前もフェルグスも自由にやれ。もう俺に従う必要はねぇよ。どこへなりとも行きやがれ。」

 

「……」

 

「行けよ、精々後悔しない旅にしろ。」

 

「…お世話になりました」

 

「世話なんざロクにしてねぇ」

 

それだけ告げてクー・フーリンはアルジュナの前から姿を消した。

 

 

 

「…ということだ。」

 

「…そうか。それで、オレを連れ出した理由はなんだ?」

 

「…数日前、夢を見た」

 

「夢?」

 

「あぁ。…宿敵であるお前と相容れるとは思えないが…お前と共に肩を並べ、共に生きるという道を。敵としてではなく、友として生きる道。…そんなものがあるとは思わないが、一度…たった一度だけでも、そんなことがあればと。…私が思うのもおかしいかもしれないが。」

 

そう言ってからアルジュナはカルナを見た。

 

「カルナ。私から一つ要求する。…この特異点が終わったとき、私と全力で戦え。今はできなくとも、いずれお前と共に戦えることを望んでみるとしよう。」

 

「……アルジュナ。なら…1つ教えよう」

 

「…なんだ」

 

「こちら側───カルデアは奇跡を起こしている。…かのラーマーヤナのラーマとシータが、共に肩を並べている。」

 

「…何?」

 

信じられない、というような声を上げるアルジュナ。

 

「彼らには奇跡を起こす術がある。…貴様が抱いた夢も、叶う可能性はあるぞ。」

 

「……そんな、ことが…」

 

「…“最新の最高神”。その者によって奇跡は起こせるはずだ。…いや、その者に頼らずとも、奇跡はきっと起こる。オレはそう信じている。」

 

そう告げたあと、カルナはアルジュナに背を向けた。

 

「お前の要求、受け入れよう。…ならばこちらからも1つ要求だ。ただの一度でいい、この特異点を終わらせる手伝いをしてほしい。」

 

「……こちらが先に要求したのだ、受け入れる他あるまい。」

 

「では、失礼する。」

 

そう言ってカルナは飛び立った。

 

「…奇跡、か。それが真実なのならば…可能性はあるか。」

 

そう呟いたアルジュナはカルナの飛び去った方向をずっと見つめていた。




月〈お母さんの状態がおかしい、ですか…〉

裁「心ここに在らず、というか…うまく言えないんですけど、まるでこの世界にいないかのような感じがして…」

月〈……この世界にいない…魂が抜けている感じですかね。〉

裁「私には分かりませんけど…」

月〈…それもそうか。分かりました、明日私達はそちらに戻ります。それでお母さんを詳しく診察しましょうか。〉

裁「お願いします、月さん。」

月〈……あー……っと…そうだ〉

裁「?」

月〈…リカさんにお願いしていいですか?システムコンソールからシステムログを取ってきて欲しいんです。〉

裁「システム…コンソール?」

月〈はい。私達の…いいえ、お母さんが精神内部に創り上げたその世界はほぼ総ての事柄が“システム”によって管理されています。ほぼ総ての事柄と言っても、管理されている大半は技術ですけどね。世界を管理し、安定させ、調整する…それがシステムの役割です。…ということは別にいいとして、私の情報でコンソールにログインしてログを私に送ってくれますか?〉

裁「ええと…どうすれば…いやそもそも、月さんのパス私知りません…」

月〈……そうだった。ええと…ひとまず指示に従ってくれれば大丈夫です。〉

イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?

  • 槍兵、魔術師、剣士
  • 剣士、剣士、魔術師
  • 魔術師、槍兵、槍兵
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