狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
裁「いやあの、本気で大丈夫なのマスター…?」
1文どころか1文字も書き起こせない日がかなり続いてさ…気づいたらこんなに経ってました……大変申し訳ありません
「私はメイヴ。私の前に立つ貴女?名前を聞かせてくださる?」
魔神達を貫き、ホワイトハウスに辿り着いて。私の前に在る人、怪物、馬…その他諸々の傍らに立つ女性───女王からそう声をかけられた。
「私は───藤丸リッカ。…今はそれだけで、問題ない…でしょう?」
「…そうね。」
既に切り替わっていた“千本桜”の歌声が遠ざかる。代わりに流れ始める音楽───
馴れ合いは不要。あちらは大群、こちらは単騎───問題ない。変異泥を展開し、鎧として変質させる。イメージは……ミラちゃんから聞いた“神龍”と呼ばれる純白の龍。顔は口元が覆われているような構造になっている。
「さぁ───行きなさい、私の兵士達!」
「「「「「ぉぉぉぉ───!!!」」」」」
【───ォォォォォォォ!!!】
魔力を足元に固めて───炸裂させて突撃する。香月さん達から教わった、
【───シッ!!】
泥を鞭のように振るい、怪物を切り裂く。童子切を振り抜き、馬を薙ぐ。少し遠くから撃ってくる弓兵を察知して肉体を泥に分解、泥に潜んだままアルテミスの弓矢で射撃。安全が確認できたら再構成───なんか、“獣の権能”の使い方がわかった途端一気に化け物じみてる気がする、私…
「「「「女王に仇なす───」」」」
【邪魔…するなぁぁぁぁぁぁ!】
【
私のイメージに応え、槍のようになったそのヴォーパル・ストライクを構成した魔力は───私の前に立ち塞がった存在を一掃した。
「ギャォォォォォォン!!」
【…っ!
ドラゴン。炎を吐いてくるのを見てエリュシデータを削除、“試作型天文台和弓IV”を呼び出す。
【
お兄ちゃんが作ってくれた“
【集まって───貫け!!】
周囲の泥から弓を構成し、一点に向けて斉射。
【シァァァァッッ!!】
泥を童子切に纏わせて、振り上げと同時に泥を上空に滞留させる。
【現時点での思い付き───!泥濘の式陣・
滞留させた泥から、周囲の敵に向けて雨が降る。その雨はただの雨に非ず、我が認めし敵を焼く酸の雨───!
『気をつけて、リッカ!』
『まだ終わっていません!上です!』
ニキとお母さんの声に刀を上に掲げると、そこに衝突する戦車。魔力を足と腕に通し、強化する。
「…っ!凄まじい反応速度と怪力ね…!もう少しで轢き殺せたというのに!アナタ、本当に人間!?」
【残念だけどこれでも一応人間……そして、これが貴女の宝具…!】
「そう!“
【…!
接続数を多重化し、複製を準備する。それと同時に泥を周囲に滞空させ、自動的な防御機構としての面を持たせる。
「ほらほら、反撃してみなさいよ!それとも子供達には勝ててサーヴァントには勝てないのかしら!?」
【…!】
防御しながら相手を観察する。まずは相手の動きを観察すること。ゲームだと定番だけど、現実でやってもあまり意味はない……だけど。どこかに必ず、“癖”はあるから。
「女王としては負けよ。えぇ、軍を率いる女王がその軍を殲滅されればそれは負け!」
のし掛かってくる彼女の戦車を泥の壁で阻む。
「だけど───女としては負けてないはずよ!だから、聞かせなさい!」
【…っ】
「あのクーちゃんの姿!聖杯に願ったものでしょう───いったい貴女はどんな願いをかけたというの!!」
私が、かけた…願い?
「どうして、貴女が───彼を振り向かせられたの!!彼を振り向かせた貴女の願いって、一体なんなのよ!?」
……あぁ。そっか。…恋心、なんだ。
【……私の、願い…】
「さぁ、答えてちょうだい!貴女は一体何を願って───」
【……私の願いは、重い。…そう、思っていたし、クーも結構キツイって言ってた。…だけど、クーは最後に“最初キツイとは言ったがよくよく考えてみれば俺にとって当たり前だから気にすんな”って言ってた。】
筋力へと魔力を回し、彼女の戦車を押し戻す。
【私の願いは───】
鎧を変形させ顔を完全に露出させる。
【───世界に安寧が訪れるまで、味方を無事に守り抜き、誰にも負けない戦士であって欲しい!クーが参加したのならばどのような状況であれ、クーが戦において倒れることは赦さないし、またクーの味方が戦において倒れることも赦さない!即ち“戦闘と守護の両立”!それが私が願ったこと!!】
「───え……そんな、こと…?」
戦車の勢いが落ちる。刀を交差させ、防御を強固にする。
「…参考までに、聞いてもいい?どうして…そんな、ことを?」
…敵意が消えたわけじゃない。これは…興味?
【…聖杯戦争でのクーを見た。私に似た誰かに使役されてるクーを見た。神父さんに使役されてるクーを見た───サーヴァントだから仕方ないのかもだけど…そのどれもでクーは、あまりにも不憫な目に遭いすぎてた。】
自害させられ、生贄に使われ、外道麻婆を食べさせられ。…自分の力を発揮できてないと、私は思った。数日前に模擬戦したときも、明らかに違うことに気づいたし。
【あんなに強くて、あんなに優しくて、あんなに素敵なクーなのに───実力を発揮できた試しがなかったから!彼の全力全開を見てみたかったから!】
「………」
【───“
…以前、クーに言われたことでもあった。“番犬が主人よりも弱くちゃ意味がねぇ。お前さんが強くなれば比例して俺も強くなる。…番犬だからな、俺は。”…私がかけた
【英霊が私のもの?とんでもない!】
背中部分から魔力を放出して戦車の勢いを相殺する。
【“クーはクーのもの”!!私はごく少数を除いて英雄を自分の所有物だなんて思ったことはない!!】
勢いを相殺しきり、戦車が停止する。それを見て発動させるは召喚魔法───!
【
【来たれ!暴風神が化身、風を操りし神獣───“風牛ルドラ”よ───!】
魔法陣が展開、回転し牛が現れる───風神ルドラ。インド神話に在る神が一柱。香月さん曰く“ルドラ神は牛と強い関わりがあったからこうなった”のだそうな。事実、ルドラ神の伝承には牝牛プリシュニーとの間にマルト神群という息子達がいるというものがある。関わりは確かに在るけれど…いいや、深く考えるのはやめよう。
【今度は───こっちの番!】
「…!この私に、受けろってことね…!上等じゃない、やってやるわよ!」
【お願い、ルドラ!】
「ブルォォォォォッ!!」
「……っつ…!」
ザリザリッ、という後退するような音が聞こえる。ルドラが彼女がいた場所の付近にいる。私が放った直後より、私の位置より遠い───恐らく、一瞬ルドラの勢いに押し負けた。だけど───
「……わよ」
【……】
「ケルトの女……嘗めるんじゃないわよ!!」
徐々に押し戻されるルドラ。ケルトの女───女王メイヴ。当然、嘗めていた訳じゃない。…これくらい、想定内。
【だから───】
武器を全てしまい、ルドラに手のひらを向ける。変異泥を集める───魔力ブーストとして、放出する。
「……!ぁぁぁぁぁああああ!!」
【……!】
それを。彼女は押し戻して───私の近くまでルドラを迫らせた。片手だけじゃ足りない、もう片方の手も使ってブーストする。
「……の……嘗めんじゃないって……」
魔力のせめぎ合うなか、微かに彼女の声が聞こえる。
「言ってん……でしょうがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
彼女の近くまで行っていたルドラが一気に私寄りまで押し戻される。……この構図、何処かで見たような…
【……】
……あぁ、そっか。“スターアライズ”の、最終局面に…似てるんだ。私が破神で、彼女がカービィで。…色的にも、ぴったりだ。…立場は逆だけど。でも、それよりも───
【……やっと、本気になってくれた。】
魔力ブーストを泥に任せ、あのメガネをかける。ルドラから少し退き、胸の前で両腕をクロスさせる。
《Spell card system Standby.》
【───スペルカード発動】
機械音声と私の発声に応じて発動されるもの。“彗星”に似て非なるもの───!!
【───隕石“ブラステッドノヴァ”ァァァァァァァ!!!】
紅い光を振り撒きながらルドラに衝突する。これが今の私の奥の手の1つ、事実上の“ラストワード”!!!
「っ……!!」
【っ……!】
確実に押し込んではいる───けれど、彼女も負けてない。サーヴァントとしての力か、女王としての意地か…ううん、多分…“男を愛する女としてのプライド”、だと思う。彼女はそれをもって耐え続けている。
【……っ】
じゃあ…私は何のために耐えてる?私は何のために戦う?何のために彼女と戦っている?…“彼女の想いに応えるため”?そんなのは、ただの言い訳に過ぎないと思う。”世界を救うため“?…それも、ただの言い訳。第一、確実にしたいなら英雄の皆に頼んでいいはず。私が彼女と戦った、理由は……
パキッ
【……!】
何かの割れるような音。その音を聞いた刹那、香月さんとの会話がフラッシュバックした。
『私達の術式で喚び出す召喚獣のほとんどには耐久力…HPがあります。“風牛ルドラ”もそのうちの1体。HPを全損すると強制送還、もしくは魔力に還元されるんです。』
『強制送還…』
『えぇ。ルドラは魔力精製型術式での召喚なので魔力に還元されるタイプですが…その場から消滅すると考えていいです。召喚主は基本的に召喚獣のHPを見て動くのが基本ですが…言い方はちょっと悪いんですけど、ルドラみたいな魔力精製型術式での召喚獣はただの“物”なんですね。』
『…ホント言い方悪いね…でも、生きてるんでしょ?』
『いえ…なんというか……本当に単純なAIしかないので生きてると言えるか微妙で……だからといって使い潰すのはかなり抵抗あるんですけど…』
『……それで?』
『先程も言った通り、HPが0になると召喚獣は消滅します。特に“割れるような音”がしたらそれは消滅寸前、残りHP5%を切った状態です。ルドラの強化種である風牛ルドラならあまりHP全損にはならないと思いますけど…もしも全損させてしまったなら謝罪の気持ちを忘れずに。“ただの魔力”だなんて思わないであげてくださいね───』
咄嗟にルドラに視線を合わせる。
| 風牛ルドラ HP:0/10000 |
───あ………
「ブルォォ……」
パキン、と。ガラスのようにルドラが砕け散ったと同時に───
【「……っ……!!」】
強い衝撃と共に。
わたしの めのまえが まっしろ になった。
毛利 香月
緑髪の少女。2004/07/03生まれの(元いた世界での時間経過では)16歳。元いた世界では男性であり、元いた世界以外では基本的に緑髪の少女の姿で行動している(本人曰く“この姿が一番落ち着く”とのこと)。“風”を得意属性として持ち、混じりっ気のない純粋な魔力を用いることが得意。長い時間を元いた世界とは別の世界で過ごしていたため、実年齢は既に250歳を越えている。死に別れの妹がいるが、実際に(元の世界で)会った記憶はない。自身を含めた十二人の中で“
毛利 理紅
赤髪の少女。生年月日不明(元いた世界の時間経過で13歳と言うのは自己申告)。元いた世界では既に故人であり、姉(元いた世界では兄)である香月の守護霊となっていた。香月が世界を越えたのに引き摺られるように彼女も世界を越え、元の世界以外でのみ使える生きた肉体を得た。“火”を得意属性として持ち、姉同様混じりっ気のない純粋な魔力を用いることが得意。長い時間を元いた世界とは別の世界で過ごしていたため、実年齢は既に250歳を越えている。先述の通り彼女は本来故人であり、香月の守護霊として在った存在。しかし、その“霊格”と呼ばれるものはかなり高く、亡霊や怨霊、英霊を遥かに上回る“神霊”としての格を持っている。彼女本人はそんなに高い霊格を持つ心当たりがないとのこと。世界を越え、初めて香月と本当の意味で対面できたときは嬉しさのあまり抱きついたという。香月と理紅を含めた十二人の中で“
香月達の性質
実は香月達の性質に魔神柱達と非常に酷似しているものがある。それが、“いくついるのが正常でそれを保とうとする”というものだ。香月達は“十二人いることが正常”であり、正常な状態でないならば“正常な状態に戻そうとする”。その修正作用が機能して香月は心臓を失い、頭を失い、致死量の血を喪ってもなお生き続けていた。つまりは“理紅”という存在が“香月”の延命装置にもなっていたのだ。そしてそれは逆も同じ。“理紅”が瀕死になった場合、“香月”が生きてさえいれば“理紅”は生存する。現在特異点にいない十人に関しても全く同じことが言える。誰かが生き続ける限り致死の傷を負ったとしても生き続ける無限蘇生機構。奇しくも、人間である十二人の旅人達が七十二柱の魔神と同じような性質を持っている。
裁「そういえば香月さんって突然女の子になったとき驚かなかったのかな…?」
裁「な、なるほど……ところで
裁「…これ。香月さんと理紅さんの全貌じゃ…ない、ですよね。」
イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?
-
槍兵、魔術師、剣士
-
剣士、剣士、魔術師
-
魔術師、槍兵、槍兵