狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
……んぅ…?どーしたの、
……?へっ?“塔”?
……それに加えてゴア・マガラと…エスピナス?…えぇ~…今ただでさえ時間取れないのに……
うん…?
…………
※当作品初出現時期
ナルガクルガ希少種:第90話(投稿日:2021年5月17日)
シャガルマガラ:第21話(投稿日:2021年2月9日)
紅蓮滾るバゼルギウス:第144話(投稿日:2021年7月30日)
「させるかよ!!」
輝犬が狂犬を弾き飛ばす。輝犬はリッカ達のいる場所を背に、狂犬の前に立ちはだかる。
「通しやがれ、クソが…!」
「通すわけあるか、馬鹿。ここは俺の護りの領域だ。俺の後ろには行かせねぇよ。」
睨みあう輝犬と狂犬。狂犬が通ろうとしては輝犬が弾き飛ばす、そんな光景が続いていた。
「……だ」
「あ?」
「なんでだって、聞いてんだよ!!」
痺れを切らしたかのように狂犬が吠える。それに対して輝犬はため息をつく。
「吠えてるだけじゃ普通は分かんねぇよ。言葉にしてみやがれ、言葉に。いくら狂ってるったってその程度の狂化なら言葉くらい紡げるだろ。」
まぁ分かってるんだがな、と輝犬は口に出さずに思う。
「テメェ…サーヴァントじゃねぇのかよ。サーヴァントなら、テメェのマスターが心配じゃねぇのかよ!!」
「……」
「答えやがれ、クー・フーリン!!」
その言葉に輝犬はため息をつく。
「心配に決まってんだろが。…あんな爆発があった後だ、心配しねぇ方がおかしいだろ。それが好みの女ならなおさらな。」
だがな、と言葉を切って狂犬を見据える輝犬が次の言葉を放つ。
「信頼するマスターの指示に従わねぇサーヴァントってなんだよ?」
「……は?」
「“狂王クー・フーリンを絶対に私達の元に向かわせないで。”…それが、マスターの指示だ。俺はマスターが危険でない限り、この指示に従う。…それが、リッカの願いだからな。」
「……ちっ」
狂犬は舌打ちし、輝犬から距離を取る。
「俺の目が黒い限り、テメェはここから先に通さねぇ。テメェの攻撃も例外なくだ。俺はただ、あいつを信じるだけだ!!」
そう言い、狂犬に襲い掛かる輝犬。その姿は、言葉通り───
「“忠犬”、だな…!」
「ハッ、違いねぇ!!」
苦し紛れに輝犬の攻撃を捌く狂犬。獰猛な笑みを浮かべながらも、輝犬は違和感を覚える。
「…らぁっ!!」
「っ…!」
「側面、別展開───“縫い継ぐ不壊の槍”!」
時を縫わず、影を縫い付ける。“縫い継ぐ不壊の槍”の側面として与えられた“縫う”という概念が“影縫い”を起こした。
「……」
狂犬に高速で近づき、持っていた槍を狂犬を避けて地面に叩きつける。
「……おい」
輝犬が耐えかねたかのように口を開く。
「俺がさっき話したんだ、今度はテメェが聞かせろ。」
「…」
「あの爆発があってからずっと思っていた。テメェ…なんで
答える隙も与えずに言葉を紡ぐ。
「テメェが俺と同じように聖杯によって今の状態になったのは知っている。…知っているが、どうも腑に落ちねぇ。同じように聖杯を使ったにしては、
「…」
「…メイヴか?」
その言葉に、狂犬が顔を上げる。
「…図星か。」
「……」
「大方メイヴに惚れたってとこか。それなら、なんとなく分からなくもねぇが……惚れた相手が気になって物事に集中できないとか少女漫画とかの恋する乙女か、テメェはよ。…しかし」
沈黙する狂犬を見据え、疑問を口にする。
「お前も俺だと分かっている以上…解せねぇな。テメェ、メイヴのどこを好きになった?メイヴのどこに惚れたんだ、テメェ。」
「……」
「聞かせやがれ。俺としても興味がある。お前が惚れたメイヴに、俺が知らなかった俺の一面に、な。」
そこまで言っても狂犬はなにも答えなかった。その様子に輝犬はため息をつく。
「…わぁーったよ。」
槍を引き抜き、狂犬から離れる。その離れたところで、輝犬は狂犬に槍を向けた。
「言葉にできねぇってんなら───戦いで語れ。てめぇの愛の強さを、想いの強さを───戦いの中で証明してみろよ。」
「…ハッ」
鼻で笑い、立ち上がる狂犬。
「そいつぁ───」
跳躍───接近。輝犬はそれを難なく受け止める。
「分かりやすく、単純で助かるな…!」
「だろう?…かかってこいよ。証明しろ、オレに。テメェの愛を、テメェの想いの強さを───“この世界”で、なぁっ!!」
「っ…!」
輝犬は気づいていた。この世界の…否、“音”の持つ特性に。固有結界は特異点全域に振り撒かれた音を媒介として張られている、と説明されてはいるがそれとは別に音を使って“音の結界”が張られている。音の結界は固有結界を張るための基礎枠でもあるが、それと同時に“理をねじ曲げる”力を持っている。よりこの世界らしく言えば───“
「“
「“
少し間隔を開けて同じ構え───赤い槍が、同じ色の光で輝く。
「───
「───
投げ放たれた赤い槍はねじ曲げられた理によってブーストされ、激突し───相殺しあう。これが示すは1つの真実。
「はっ───テメェのメイヴへの愛相手に俺のリッカへの愛がほぼ互角とはな…!テメェの想いは本物だってことかよ!!」
「抜かせ!!」
そうして、2騎のクー・フーリンは再び激突する───
───一方その頃
「───っ、はっ!」
藤丸リッカは砂岩を登っていた。先の女王との戦いで、魔力をほぼ全て使いきってしまったからだ。更に、戦いの途中の爆発によって発生した障害物が彼女の行く手を遮っている。…それを、今現在に至るまでに鍛え上げた技術による“フリーランニング”と呼ばれるそれで軽々と踏破していっているのだ。最も、目的地が明確かつより素早い時間で向かおうとしているため、“パルクール”と呼んだ方がいいかもしれないが。
「飛べないのって、結構きつい…っ!」
爆発の余波は凄まじかったようで、ただの砂だったはずの物が固まり、“壁”や“岩”になってしまっている。先日の過剰負荷昏倒によって弱った状態の彼女に、魔力補強なしでのフリーランニングはかなりの無理を強いていることになるだろう。
「それとも───これも、彼女の遺した試練なのかな…っ!」
“女王の遺した試練”。即ち、“相手の下に行きたくば汝を阻む壁を越えてみせろ”───そう考えた彼女は回復し始めている魔力を一切使わず、足を強く踏み込むことで弾性を作り反発力で大きく跳ぶイメージを想い描く。彼女も既にクー・フーリンと同じように世界の特性に気づいており、自分の心意が世界の事象そのものにも作用することを理解していた。
「───っ!いた!」
一際大きい壁を越えたリッカの目の先。そこに、クー・フーリンの姿が───あった。しかし、彼女は既に直感で分かっていた。自らはあの戦いに必要ないと。自らが赴いても、戦いの結果は変わらないと。だが───例え必要なくとも、自らにはそれを見届ける義務がある。その一心で壁を完全に越え、落下の衝撃を殺し───息を大きく吸う。
再び戦場に戻れば───
輝犬は歯噛みしていた。自分の想いと相手の想いが互角故に、状況が進まないことに。
「せらぁっ!」
「遅いんだよ…!」
そしてもう1つ───輝犬は、躊躇っていた。同じ想いを、否定することに。想いと想いのぶつかり合いということは、相手の想いを否定することになる。普段なら気にしないところではあるが、それが“愛”ともなれば少し話は変わってくる。
「ちっ、埒があかねぇな…!」
「それはこっちの台詞だな…!」
何度目か、距離を取る2騎のクー・フーリン。クラスと姿が違えど、それは同じもの。力量は、やはりというか互角であった。
「…!」
そんな時。輝犬が音を捉えた。自分のものではない、足音。
「───来るんじゃねぇ!!」
その叫びに、足音が止まる。
「そこで見てろ、リッカ!」
その言葉通り、足音のした方向には藤丸リッカの姿があった。狂犬もその姿を認め、それと同時に───戦況に変化が起こる。
「───うぉぉぉぉぁぁぁぁ!!」
「…っ!?」
互角だったはずの戦況が、狂犬が赤い光を纏った瞬間に狂犬が有利な方向に傾く。
「…っでぇっ!!」
一撃撃ち合うだけで感じる重い衝撃。先程とはまるで違うと、即座に理解した。
「クソッ、なんだってんだ…!」
輝犬は───まだ、完全には理解していなかった。この結界の性質を。“想いの強い方が勝つ”、その意味を。
「───クー!!」
「…!来る───」
「聞いて!想いとは愛のみに非ず!」
「───」
「想いとは感情を指す!あらゆる感情は、あらゆる心意はこの結界にて明確な力となる!!」
「感、情───」
クー・フーリンは理解していなかったが───藤丸リッカは、それを理解していた。自身の直感と、女王との一戦によって。そしてそれが───勝利の鍵になることも。
「───らぁぁぁぁぁぁぁ!!」
輝犬の絶叫と共に青い光が輝犬を包む。その光の量は、狂犬の光の量よりも多く───また、強い。
「……っ!!“
狂犬は再び呪槍を使おうとする───が。その槍は、輝犬の光に消し飛ばされた。
「は───なん……!」
「何故か、だと?決まってんだろが…!」
輝犬の光が強まる。それを素手で抑えるが、狂犬の鎧に罅が入り始める。
「護るべきものを喪い…それを転換させたテメェの“怒り”なんぞに!」
「ぐ……っ!」
「護るべきものが後ろにいる俺の“守り”が!!負けるかよ!!」
そう言った時、狂犬の鎧が粉々に砕け散る。
「因果、反転……!テメェのその心臓、もらい受ける!!」
魔改造された赤き槍が、その姿を変える。魔改造される前の、その槍へと。
「“
その槍は、真に───狂犬の心臓を、貫いた。
「───オレの、勝ちだ!」
「───あぁ。オレの、敗けだ。」
狂犬は敗北を認め───力なく、地面に倒れた。槍を引き抜いた輝犬は、そのまま狂犬を見つめていた。
「……行けよ」
「…おう。……」
輝犬はそう言うが、狂犬に近づいた。
「…クー?」
「うおっと。…気配消すのうまくねぇか、リッカ。」
「そう?」
輝犬は藤丸リッカの肩に手を置いてから、狂犬の目の前に座った。
「……んだよ。」
「……なぁ、この際だから聞かせろよ。」
「何をだ。」
「さっきも聞いたが…テメェ、メイヴのどこに惚れた。」
「……」
狂犬は輝犬の目を真っ直ぐと見る。
「オレが理解できていないそれをテメェは見つけた。…それを、教えろ。」
「ハッ───教えるか、と言いたいところだがな。…オレは敗北者だ。勝利者に従うさ。」
「敗北者…?」
「クー、そのネタ使う場面違う。」
「…おう。」
「何やってんだか…こんなのにオレ負けたのかよ…」
狂犬に呆れられてしまう始末である。
「……はぁ。端的に言うか。オレは───あいつの、“オレを求める心”に惚れたのさ。」
「「……」」
「いくらオレを求めるからって、ただそれだけじゃ普通聖杯を使わねぇだろ。…だが、あいつは聖杯を使ってまでオレを求めた。それと…テメェという存在が現れてなお、オレを求めた。輝くテメェではなく、狂ったオレを。」
そこまで言ってから狂犬はため息をついた。
「単純だ、ガキのようだ……そう言われんのも別に構わねぇ。笑いたけりゃ笑えばいい───オレがそんなところに惚れちまったのは事実だからな。」
「…そうかよ。」
そう言って輝犬は立ち上がった。
「良いじゃねぇか。」
「…あん?」
「単純だろうがなんだろうが───本気で惚れたならそれで良いだろうよ。どうせ座に戻るだろうが、その心…最後まで大事にしやがれ。」
「───はっ。言われなくてもそうするさ。…おい、忠犬。それと…忠犬のマスター。」
「…?私も?」
藤丸リッカが首を傾げると、狂犬が頷く。
「あとは魔神どもと…それから、聖杯が勝手に喚んだ得体の知れない魔術師だけだ。魔神はともかくとして、魔術師の方には気をつけろ。…メイヴも奴を常に警戒してたからな。…まぁ。オレとメイヴを下したんだ、負けんじゃねぇぞ。」
「……分かった」
その言葉を聞いたと同時に、狂犬は完全に消滅した。
「…終わったか。」
「うん、終わった…でも、特異点はまだ終わってない。」
「おう。…うし、数分休んでから───」
休んでから仲間のもとに戻る。そう、輝犬が口にしようとしたときだった。
ギャィィィン!!!
「「……っ!!う、うる…!」」
突如、周囲に響く不協和音。その不協和音に、輝犬と藤丸リッカは耳を押さえた。
「……な、なんだ今の…!」
「わ、わかんない…でも。今の───」
「…あぁ。」
輝犬が発信源の方向を見る。…発信源、西側。仲間達の、いる方だ。
「ちっ、休憩はやめだ。リッカ、動けるか?」
「うん、すぐに戻るよ!!───みんなのもとに!」
輝犬は藤丸リッカと手を繋ぎ───音を越える速さで、共に大地を翔けた。
うー……
裁「……大丈夫?」
多分……
無理は…多分、してないと思うんだけどね……でも本当に最近申し訳ない……150人以上登録してくれてるのにさ……全く更新できてないんだもの……
…なくは、ないけど。それとこれとは多分関係ない───
……
…そう。…とりあえず。53,000UA突破、ありがとうございます……
イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?
-
槍兵、魔術師、剣士
-
剣士、剣士、魔術師
-
魔術師、槍兵、槍兵