狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
なにさ……
「「「「「ふ───」」」」」
それは───
「「「ふざけるなっ!!!」」」
「「ふざけんなっ!!」」
ルーパスちゃん達だけでなく、私の口からも出た言葉だと、気づくのに数瞬要した。
「───っ」
暴走しかける感覚を抑える。多分憤怒を知ったからだと思う、それが何となく分かった。抑えたことで───頭が、冴える。
「ふざけんな───
「許さない…!私達とあの子達の関係を侮辱するようなそんなこと、絶対に許さない!!」
クーとルーナさんが怒鳴る。そうだ。現れたのは───
雷神龍“ナルハタタヒメ”
風神龍“イブシマキヒコ”
天廻龍“シャガルマガラ”
金火竜“リオレイア希少種”
銀火竜“リオレウス希少種”
屍套龍“ヴァルハザク”
狂王クー・フーリン
女王メイヴ
計、9体。
「───ほう。」
背後から聞こえた、ギルの声。その声は、いつもの声とはまるで違う───冷えきった、声だった。
「雑種風情が───我の友を道具として喚ぶか。余程死にたいと見える。」
ギルの───友。それって、つまり。あの人は───“
「そのような愚弄、本来ならばエアで特異点ごと引き裂いてやるところだ……が。」
ちらりと私達の方を見たのが分かった。
「───よい、赦す。その怒り、総てをもって───全力で暴れてくるがいい、お前達。我が友は我が相手取ろう。」
その言葉を、聞いた途端───私達は、地を蹴った。それぞれ自分が相手にすべき死霊のもとへ───!!
side ルーナ
「───ぁぁぁぁぁぁぁぁあああっっ!!」
感情のまま、愛刀たる“飛竜刀【黄金】”を振るう。これは昔、現在の“飛竜刀【月】”の製法が発案されていなかった頃。私が工房に無理を言って作ってもらった試作品。
「………」
目の前のリオレイア希少種の双眸が私を射抜く───あぁ、そうだ。この武器は……目の前の彼女を狩猟し、その素材で作り上げてもらった武器だ。
「桜花───気刃っ!!」
練気を練り上げ、刀身に纏うオーラを赤から銅、銀、金───そして、虹へと変える。
「七虹斬っっ!!!!」
“桜花気刃七虹斬”───練気を最大の赤状態からさらに無理矢理練り上げて放つ桜花気刃斬。赤状態よりも高い威力が期待できるけど、無理矢理練り上げてる反動でその後数分の間練気を練れなくなる。
「……づっ!」
当然、身体にもそれ相応の負荷がかかる。私の奥義と比べたら、ってよく言われるけど……私の奥義はただ早く動いているだけに過ぎなくて、練気を強制的に練り上げるのとはまた別の負荷のかかり方。完全に現役時代ならまだしも、今の状態で放つとなるとかなり辛い。
「それでも───」
練気を練られなくなったとはいえ、彼女を見据える。その彼女の眼に──涙。
「苦しんであの世にいったルルナとソルルの事を侮辱するようなこんな所業、絶対に許さないっ…!」
悲鳴が聞こえる。“助けて”という
「───あぅっ…!」
ルルナの尻尾で吹き飛ばされる───棘のある部分を使われなかったからだろう、毒にはなってない。……練気を練れない太刀使いはあまり役に立たない。それに、“七虹練気”は使い手に莫大な負荷と莫大なスタミナを要求する。しばらくは、動きにくくなる───けれど、そのまま立ち上がる。一刻でも早く、彼らをもう一度安らかに眠らせるために。何故なら───
「ルルナとソルルが、苦しんでる……!」
この現実に、引きずりだされてからずっと、ルルナとソルルが苦しんでいる声が聞こえていたから。ずっと昔から───私は、“希少種”と呼ばれるモンスター達の声が聞こえた。今も、そう───彼女達に止めを差したあの時と同じ、“お願い、私と夫を助けて!瑠奈、蒼空…!”っていう声が聞こえてる……!
「───はぁっっ!!!」
練気が練れない太刀使いは役立たず───それがなんだ!練気が練れないなんて関係あるか!!練気が練れなければ斬れないものでもない、斬れさえすれば戦える!!
「次の一刀で───終わらせるよ、ルルナ!」
咆哮はない。…抑えつけられてるんだ。あのルシャっていう娘の魔術で。
『おね…がい、瑠奈』
「……!…うん」
練気は、練れない。狩技は───ギリギリ……ううん、この刀じゃ羅刹でも足りない。なら───
「───忌刀」
羅刹よりも───さらに、危険な技。発動直後、視界が歪む。
『瑠…奈……?』
「大丈夫……だから」
意識が朦朧とする。視界が揺れる。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い───
「───しっかり、しろ……舞華、瑠奈…!!」
声に出して、持っていかれそうな意識を引き留める。その名を、呼ぶ───
「───“
正常に発動した途端───
「…っ、ごぶっ…!」
『瑠奈…!無理、しないで…!』
この忌刀───否、“
「約束、したんだ……」
『……?』
「ルルナと、約束したんだ…!ルルナを眠らせたあと、私はちゃんと生きるって……ルルナに胸を張って、空の上で会えるように生きるって……!!」
『……!!瑠奈……それって…!』
「だから……!今こそ解き放つ───!!」
赤黒いオーラを纏った刀をルルナに振り下ろす。凄まじく痛そうな音と、顔を抉られたルルナの姿があった。
「……はぁ……はぁ……」
カラン、という音を立てて私の手から飛竜刀【黄金】が地面に落ちる。倒れかける身体をどうにか支える。
「……っ。うっ…!」
吐きそうになるのをどうにか抑える。……かつて、親友を斬ったこの手に、再びその罪が深く刻み込まれたことに。強い嫌悪感を覚えながら、飛竜刀【黄金】を拾い上げた。…今夜からまた、より一層濃い悪夢になりそうだった。
side 蒼空
「───っ!」
リオレウス希少種の───ソルルの火球を避ける。
「…はは」
力なく───笑う。また、ソルルとルルナに会えるなんて思わなかったのは事実。かつて、狂竜症……否、狂竜化に2度罹患して泣きながら懇願してきた2匹が。夢に出るほど私と姉さんのトラウマでもある2匹が。私達の前にまた、現れるなんて思わなかった。
「まるで…悪夢だ。もう、この現実そのものが、悪夢。そうは思わない?…ソルル。」
『思……う』
ソルルの声が聞こえる。…昔から私は、リオス種と呼ばれるリオレイアとリオレウスの声が聞こえた。それも由来してか、私達はリオス種と比較的仲がよかった。
『君の手で…僕は、最後を迎えて。それで、幸せだったというのに。また、僕と妻は君達の前に引きずり出された。……君達と戦うのは、もう嫌だ。』
「……そう。」
『……君達に、また辛い思いをさせてしまうのは分かっている。だが、分かるんだ。僕達はただ生かされているだけで、用がなくなればすぐに殺される身だと。今の僕達は、身体を動かすこともできない。身体が、別の何かに支配されているんだ。』
その言葉を聞いて歯軋りをする。愛剣である“煌鱗王剣白銀”が込められた力で音を立てる。姉さんの“飛竜刀【黄金】”と同じく、無理を言って作ってもらった試作品だ。
『…酷な願いと、分かっている。できることなら、もう一度こんなことは君達に言いたくはなかった───他の何者かによって僕達の命が潰えさせられるくらいなら、君達が僕達の命を終わらせてほしい。』
「……っ」
かつての、記憶。彼らに止めを差したときの、彼らの懇願。……同じ、ものだった。
『……頼む。愛しき娘、蒼空。』
「……夢にさ」
不意に口を開く。
「出るんだよ……いつも。旅した記憶と、遊んだ記憶。そして…あなたを狩猟した記憶。起きた後はいつも、辛い。…今のこれが、夢であったならいいのに。」
『………』
「楽しかった記憶を見るたびに───いつも、これが夢じゃなかったら、って思う。でも、今は違う───これが夢であれと、これほど願ったことはない……っ!」
煌鱗王剣白銀、剣モード!ビン圧縮解放───高出力状態移行!
「目覚めよ、“
忌器が1つ。忌器とは───かつて存在した、存在を喰らう呪われた武器だという。
「苦しませたくないから───一撃で終わらせる!!」
忌器は使い手の身体をも蝕む。発動させたならば即座にでも解き放つべきだ。
「───ぁぁぁぁぁぁぁぁあああっっ!!」
縦振り一閃───それだけで、ソルルの頭が潰れる。
『───すま、ない…』
「……っ、ううっ……!!」
その親友を斬った感触は、やっぱり慣れなくて。煌鱗王剣白銀を納刀直後、その場で嘔吐してしまった。
『蒼空、大変なんだろうけどごめん!』
「………?」
姉さん……?
『気をつけて!ルルナとソルル……っ!!』
そんな声が聞こえたと同時に───音。
「……う、そ…」
先の一撃で地に伏したはずのソルルが───立っていた。
「な…なんで……!古龍じゃないのに、どうして………っ!!」
あり得ない!!古龍種以外は狩猟されればそのまま力尽きる!!そして、その亡骸はそのまま朽ちるかその場で消える!それは希少種であるソルルも例外じゃない!!そんなの、蘇らせることが出来なければ───
「───!」
あの女……っ!!!どこまで私達を愚弄する気だ!!!
side ミラ
〈クソッ、どうなってやがる……!!〉
結界内に突然現れた死霊の軍勢。それと、新たに喚ばれた獣魔達とサーヴァント達。不可解な出来事に困惑してる六花さんの声が聞こえる。
〈───人よ。人よ。〉
「…?」
〈対と共に眠らせよ。例え対と逢い見えようとも、我らこのような道望まず。〉
〈ヒノエ…?〉
今の…ヒノエさんの声?でも、何かおかしかったような……
〈───人よ。人よ。〉
「……」
〈対と共に眠らせよ。望まぬ逢着、望まぬ回帰───我ら龍への愚弄と同義なり……!〉
〈ミノト……?おい、誰かフゲンを呼んでくれ!!〉
言葉から感じる、怒り。それは
「……共鳴、か」
確かに、私やエスナのいた世界でもカムラの里にいた竜人であるヒノエ・ミノト姉妹は風神龍・雷神龍と共鳴…簡単に言えば、声を聞くことができた。
「なら───あなた達が思っていることだよね。雷神、風神。」
彼女達は、私が今ここで対峙している雷神龍と風神龍と共鳴したということだ。
〈───姫よ。姫よ。嗚呼、赦したまえ。我等生きて汝が力になれぬこと。我が身滅びてなお汝の敵に回ること。赦したまえ。〉
〈───姫よ。姫よ。赦したまえ。既に滅びたこの身を汝が前に晒すこと。生きて汝が使いになれぬこと。嗚呼、赦したまえ。〉
「……やっぱり、私達の世界のか。」
確証があったわけではないけれどなんとなくそんな気はしてたから。既に滅び、生きてないというと───
「……それは、いいか。ともかく、あの2人のお母さん達の報告から今ここで絶命させるのは得策じゃない。だから───」
非殺傷無属性砲門、展開。
「
砲門増設───累計、150門。
「───来なさい、風神龍イブシマキヒコ、雷神龍ナルハタタヒメ!!あなた達の憤怒、あなた達の後悔、あなた達の怨恨───総てこの私が受け止めてあげる!!」
咆哮は、ない。それでも、静かに───私と彼らは、激突する。
side リューネ
「……!」
シャガルマガラの手を狩猟笛“THEレクイエム”の先端で払う。
「……やれやれ、君も災難だな。」
姿を見た瞬間こそ声を荒げたものの、母さん達からの報告で既に落ち着きを取り戻していた僕は相対するシャガルマガラに声をかける。
「その力を持ったが故に、他の存在から忌避され───死してなお、その力を利用され続ける。残念ながら僕には君の声は聞こえないし、君の心中が分かるわけでもないが……こちらとしてもそちらとしても、迷惑な力であることには変わりないだろう?」
シャガルマガラは答えない。僕ができるのはモンスターのその行動から意思を読み取るくらいだが……参ったな、あの魔女に操られてる影響だろう、全く読み取ることができない。…そういえば。
「……君が僕を想っていたことは知っている。僕が君の命玉を持っていることからも。だが、何故?君は何故、僕を選んだ?」
“天廻龍の命玉”。何故か僕はこの素材を得た。シャガルマガラとの関係は無いに等しいはずであるのに。……考えられるとすれば、だが。
「もしも考えられるとするならば───君がシャガルマガラになる前。僕と何らかの関係があり、君がそれを覚えている可能性、だが。」
思えば、このシャガルマガラが生きていた頃。どこか、僕達に攻撃するのを躊躇っていたような気がしていた。シャガルマガラの時だけではない、ゴア・マガラの時もだ。そしてそれは、僕達にとって不思議であったのをよく覚えている。
「………」
完全絶命する前、シャガルマガラはこちらに対して手を伸ばしてきていた。だが、城塞高地にて出会ったシャガルマガラはそんなことはしなかった。強い違和感───城塞高地で…いや、狂竜化事件の後に現れているシャガルマガラと狂竜化事件の際に現れているこのシャガルマガラを比較するとやはり強い違和感は拭えない。
「やれやれ、今になって気になるとはね。…もし、君が何か僕と深い関係があるのなら…本当に申し訳ないと思う。」
シャガルマガラの攻撃を避けながらも宝具の準備をする。
「期が来たなら───せめて、安らかに眠れるように。」
それまでは…時間を稼ぐとしよう。
裁「ちなみにモンスター達はルシャに操られてる影響でブレスと咆哮が使えないそうな。香月さんが言ってました。」
あ、そうだったんだ…
裁「うん……でも、ブレスに影響しない能力…リオス種の毒やシャガルマガラの狂竜ウイルス、ヴァルハザクの瘴気、イブシマキヒコの風にナルハタタヒメの雷なんかは使えてるんだって…」
へぇ……あ、さすがにちょっと長くなりすぎる気がしたので一度区切ります
イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?
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槍兵、魔術師、剣士
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剣士、剣士、魔術師
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魔術師、槍兵、槍兵