狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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(るな)「さてと……そろそろ昔話の続きでもしましょうかね。」

裁「そろそろ忘れかけてたんですけど…」

(るな)「それは多分読者の方々もだと思いますよ。…そういう私もですが。」

裁「それもこれもマスターが悪い…」

(るな)「そうですね、お母さんが悪いです。」

弓「…話している最中すまぬ、(るな)よ。」

(るな)「……?どうかしましたか?」

弓「その…だな。」


第288話 刃の形

超加速から。限界加速を超え、臨界加速を超え、異常加速に至る。そこから更に加速して───理外加速へと。

 

「───シッ!!!」

 

「ぶっ!!?」

 

異常加速中でも一瞬の出来事。そんな一瞬に私はルシャに蹴りを入れ、等速まで減速した。

 

「───ごほっ、ごほっ……まさか、アナタがソレを使うなんて…ねぇ?」

 

第一の刃は打ち込んだ。後はここからどう展開させるか。

 

「仮にも友達の身体相手に。無茶苦茶するわねぇ…?」

 

「…私だってやりたくてやってる訳じゃない。」

 

「そうよねぇ?アナタはすごく、すご~く、友達想いだものねぇ?」

 

「…それを利用して相手に躊躇わせるあなたはただの外道でしょ。」

 

あぁ、もう───イライラする。

 

『───落ち着いて。そこで暴走したらルシャの思う壺だよ。』

 

声のおかげで落ち着きを取り戻す。声は、ルシャの方から聞こえていた。この声は、彼女の───身体の本来の持ち主の声だ。

 

『……良いんですよね?』

 

『うん。…ちょっと……ううん、かなり悲しい、けど。でも、こうなったらそれしか方法がないから。…一思いにお願い、香月。』

 

『……分かりました』

 

数瞬の会話の後、片手剣を構える。彼女の言葉通りにするにしても、ほぼ万全の状態のルシャにあの技を当てるのは難しい。だからこそ。

 

「第二の刃」

 

「させ───」

 

強制的なリミッターのせいで全力は振るえないとはいえ。理紅から力を返して貰うどころか貸してもらってる今の状態なら。ルシャが何かするよりも私の方が早い。

 

「“穿時遡”」

 

宣言と共に一瞬───たかが一瞬、されど一瞬。私の攻撃は、時間を───超えた。

 

「カ───ハッ」

 

彼女の意識が存在する以上、あまり彼女の身体をボロボロにしたくない。それ故に少し加減しているのは確かにある。……とはいえ、それですら今のルシャは先ほどよりも弱い。その原因は───

 

「死霊魔術式の同時使用と死霊支配の無効化」

 

私がそう呟くとルシャがピクリと反応した。

 

「そうでしょう?いくら有名な、いくら伝説といわれ不死のような長い時間を持つあなたでも、自らの魂に課せられた制約には抗えない。同時使用している数が多いほど。支配を無効化されその支配していた対象からの抵抗力が強ければ強いほど。あなたの出力は落ちていく。それはまるで“抵抗器”の如く。」

 

「……」

 

「故に───私を一度打倒し、慢心したあなたは9つの死霊魔術を展開した。そして、その全ての魔術において抵抗され、2つは完全に支配を破られ。あなたへの強制リミッターとして戻ってきている。」

 

でも……それで五分、もしくは私の方が少しだけ不利だ。たまたま感知外だったから、たまたま私が早かったから攻撃が当たったにすぎない。あまり認めたくないけど───この女は、強い。伝説であるその名は伊達ではない。

 

「……流石は……永い年月を生きているだけはあるわねぇ?私の異常すら見破られるのは初めてよぉ。」

 

「……」

 

「流石は英雄───“数多の世界を救う真名なき者”ねぇ?」

 

「……その名で私を呼ぶな」

 

声を低くしてそう呟く。…この女のことだ、こう言ったとしても面白がるだけだが。

 

「……第三の刃」

 

この女は、自分の方が遥かに強いと自覚しているから。異常程度で私が追い付くはずがないと油断しているから。私の力が理紅に返して貰ったのと貸してもらったのが影響して大部分戻っていることを知らないから。だからこそ、そこに浸け入る隙がある。

 

『ユナさん!!』

 

『まっかせなさい!!』

 

「『“怨嗟響鳴”───』」

 

その隙を活かせるのは恐らくあと数撃。活かせなくなった時用にユナさんの協力のもと───ユナさんが歌う“Delete”に乗せた怨念を周囲に集めておく。これで、万が一何処かへ飛ばされたとしても私に怨念がついてくる。

 

「第四の刃───」

 

とりあえず、準備は整った。

 

「一歩、理外…」

 

へらへら笑うルシャのその顔。

 

「二歩、裏斬」

 

その顔が───やっと、曇った。今さら気づいても、もう遅い……!

 

「お前…!?」

 

「三歩、怨恨───!!」

 

強く踏み込むと同時に───一気に、跳ぶ。

 

「至天───“夢幻大象歪落とし(むげんたいしょうゆがみおとし)”!!!」

 

一撃にて発生した空間の歪みにルシャを縫い留め───様々な攻撃がルシャに殺到する。しかしそれら総ては夢幻。それが“攻撃である”と認識しなければ攻撃にすらならない偽物。…だが。矢を向けられ、実際に射出され───それが“攻撃である”と認識しないというのは、かなり難しい。たとえそれは、ルシャであっても例外ではない。

 

『相変わらず香月の幻覚は凄いなぁ…』

 

『そんなことないです。私より強い幻覚を使える人は他にもいますから。』

 

『それはそうなんだけど……ほんと、香月って自己評価が低いというか……』

 

彼女の呆れたという雰囲気の声を聞いているうちに、幻覚が吹き飛んだ。

 

「…油断、したわぁ……全部、偽物なんてねぇ?……もう、油断はしないわよぉ?」

 

「……遥か古の誓約と───」

 

「───させるわけ、ないでしょう?」

 

召喚式句を唱えている最中に、ルシャに接近される。

 

「墜ちなさい───生ける者など存在しない死の世界!!虚空へと!!」

 

ルシャの言葉の直後、周囲が歪み───濃紫で塗りつぶされた世界に放り込まれた。…ルシャと共に。

 

「ハハハッ!これであなたは何も出来ないでしょう!?」

 

剣を弾かれ、手元に残るは“音叉”のみ。端から見れば、絶望的な状況。だが───

 

「───汝と結びし盟約により、応えるならば。」

 

「───!?」

 

()()()()()()()()()。自身が魔方陣を展開できずとも、纏った怨念によって魔方陣を描けば───!

 

「我、毛利香月の名において汝の姿をここに乞う」

 

「は、ははは…ハッタリね?この場所で陣を描けもしないのに───」

 

「汝、怨念を纏いしもの。我、汝と契約せしもの。悠久の時を経て我と汝の絆未だ失われず在し、汝我に力を貸すならば───」

 

「耳障りな詠唱をやめなさい?足掻いたって無駄なのよ?即座に止めて楽になった方がいいわよ?」

 

「───今こそ応えよ。」

 

怨念によって描いた陣が───妖しく、発光する。

 

「なっ……!?」

 

「応えよ。我が声、我が魂、我が名に対し汝の声、汝の魂、汝の身体応えるならば───!!」

 

術式が───完成する。

 

「境界の門を潜り我が前に姿を顕せ、()()()()よ───!!!」

 

「───ヴォォォォォッッッ!!」

 

咆哮と共に姿を顕すは“怨嗟響めくマガイマガド”。以前、何故か懐かれてなし崩し的に盟約を結んだ存在。

 

「怨恨連鳴───響け、怨嗟に染まりし禍ツ琵琶!汝が調べ、浄化と共に…!」

 

手元の音叉が姿を変える。その姿は琵琶。“鎧怨鬼琵琶ウラザボグ”───周囲の怨念が総て琵琶とマガイマガドに飲み込まれる。

 

「喰らい───尽くせ!!」

 

「───ヴォォォォォッッッ!!」

 

「ちぃ………うぁぁぁぁぁっ!!!」

 

『む、無茶苦茶するね…!?』

 

彼女の声が聞こえる。……まぁ、マガイマガドに噛みつかれ、牙のような形を持った無数の怨念に噛み砕かれ、万力ばさみのような形をした音の塊に噛み潰されてるのをみればそれは…まぁ。

 

『これ、私の身体ボロボロになるよ……最期くらい綺麗な姿でお別れしたかったんだけどな……』

 

「……なんか、すみません」

 

『いいよ。…どうせ私は屍。内部的には朽ちてるんだからもとより綺麗なんかじゃないよ。…それより』

 

彼女がそう呟いたとき、マガイマガドの姿が消える。…それだけではない。無数の怨念と音の塊も、また。

 

「怨気切れたね…そして、どこにもいないと。」

 

『ふ……アハハハハハッ!!生きるものも何もないその世界で静かに朽ち果てるがいいわ!!』

 

姿は見えずに声だけが聞こえる。…元の軸に戻ったみたい。

 

「……」

 

誰もいない───暗く、落ち続ける感覚。…()()()と、似てるものの。相違点は目的地がないことか。

 

「まったく、何言ってるんだか───」

 

剣もない。魔法も使えない。今できるのはただ落ち続けるだけ───

 

 

───本当にそうか?

 

 

「……」

 

 

───本当に今の汝は無力か?

 

 

虚空の中で、静かに響く声。

 

 

───否。否、否。汝には我がいる。我が名を、我らが名を忘れるな。

 

 

「……分かってるよ」

 

 

───ならば。ならば立て。汝が戦いはここで終わらず。

 

 

「全く。ほんと───」

 

 

───さぁ。剣を持て。剣を執れ。

 

 

 

───剣を持て、絆結びし者よ!!

 

 

「分かったよ、やればいいんでしょう───!!」

 

 

私は虚空の───私が向いている方向に手を伸ばす。

 

 

───我らが名は───!!!

 

 

 

「───“トウヤ”ッッッ!!!!」

 

 

 

叫んだ、瞬間───虚空に、2つの稲光が走り。その稲光は、私の手に収まる。

 

「全く───少し切り替える時間くらいくれたっていいでしょ……」

 

片や紫の刀身を持つ刀。その紫は、虚空と同化するかのように深い。片や、鈍色の刀身を持つ刀。その輝きは使い込まれた業物と見て取れる。奇しくも、どちらも“刀也”という銘の刀だ。

 

「主を叩き起こしたんだから、多少の無茶くらい覚悟しなさいよ!!」

 

体勢を正常に戻した後、左手に握った紫の刀を振りかぶる。

 

「空間支配能力者を舐めるな!!───“虚空花咲(こくうはなざき)”!!!」

 

そのまま刀を振り抜くと───虚空が、裂けた。

 

「なっ……!?」

 

声のする方には驚愕の表情を浮かべるルシャがいた。

 

「何故……!!」

 

「甘くみすぎでしょ、ほんと……確かにあなたは強い。だけど───無策で倒れるほど私達は弱くない!!」

 

驚愕の隙にルシャの懐に入り込む。

 

「絆の式刀───!」

 

「ち───!」

 

「───“絆貫(きずなぬき)”!!!」

 

右手の刀也でルシャの身体、その心臓部分を一度貫き、そのまま縦一文字に裂く。

 

「ぐぅっ…!死霊共!こいつを、殺せ!!」

 

ルシャの指示に従い、周囲に湧いてくる死霊。───あぁ、本当に不愉快だ。だからこそ。

 

「絆の式刀───」

 

総て───蹴散らす。

 

「───“潤い羽(うるいばね)”!!!」

 

絆貫が純粋な光属性単体標的技なら、潤い羽は水属性・風属性混合の範囲標的技。

 

「ひっ…化け物…!」

 

「───化け物?…あなたがそれを言うか。」

 

「に、逃げ───逃げられない……!?何故……!!」

 

ルシャが困惑しているのを見て、ルシャの背後を見る。

 

『───やって!私達が止めるから!』

 

『───総て終わらせて、香月!』

 

「……お二人とも…」

 

ルシャの動きを止めていたのは、二人。……あぁ…

 

「貴様ら……ただの死霊の分際で…!!!」

 

『『迷うな───一思いに()()()()()!!』』

 

その言葉を聞いて、目を閉じる。…想い出は、心の中に。

 

「───宝具、解錠」

 

終の刃を───開こう。

 

界、総無話(かい、すべてなきはなし)時、総無還(とき、すべてむにかえす)間、総無消(はざま、すべてむにきえゆ)。」

 

『……』

 

刃、受者(やいば、うけしもの)史一切合切抹消(しよりいっさいがっさいまっしょうされん)。」

 

『……ごめんなさい』

 

彼女の、声。詠唱途中に顔を上げる。

 

『あなたにとって辛いことだって、分かってる。あなたに酷なことを言ってるって分かってる。…本当に、ごめんなさい。』

 

「……」

 

『私は…こんな状態で、あなたに会いたくない。…本当は、あなたともっと一緒に生きたかった。…だけど、もう叶わない。利用され続けて、あなたの辛い表情をこの先何度も見るようなら。私はあなたの手で最期を迎えたい。』

 

「………応えよ。総て無に還し、総てを喰らい、総てを零へと回帰させる怪物よ。」

 

『………お願いします。私達を、殺してください。』

 

「っ……」

 

死霊とは。その魂が存在し、転生を果たさなければ不死の存在だ。だからこそルシャもあんな無茶な運用ができる。逆を言えば、その不死性を何とかしなければ何度でも生き返ってしまうということ。私達のような下道死霊魔術師(バッドネクロマンサー)は概念の死をも利用できるため、たとえ転生したとしても過去の情報から利用することも可能だ。…無論、特殊な保護がかかっていなければの話だが。

 

「……分かってますよ。…そのために、私はここにいるんだ。」

 

死霊が“自分を殺せ”というのは。“死霊魔術師に喚び出されないようにしろ”、という意味だ。先述の保護は、私にはできない。…だから、別の方法を使うしかない。

 

「消えよ、総て。世界の歴史、汝の記憶、汝の歩み───一切合切闇に葬り()()()()()()()()

 

『……あはは…怖いな…』

 

「───“全記憶抹消(オールメモリー・デリート)”」

 

その宣言と共に───私はルシャと共に二人を突き刺す。

 

「…っ!?から、身体が……消え……!?も、戻れ!戻りなさい!!」

 

ルシャが慌てるが身体は戻らない。…当然だ。

 

『……あはは。ありがとう、香月。』

 

「……」

 

『これで……やっと安心して眠れる。…とはいっても…』

 

彼女が悲しそうに笑った。

 

『……ううん、なんでもない。これ以上言っても、香月を悲しませるだけだもんね。』

 

そういう彼女も───緩やかに、発光し始めている。

 

『……ほんと……何話していいか分からないや。話したいこと、いっぱいあるはずなのに……残ってる時間はもう、少ない。』

 

「……そう、ですね。」

 

『……だから、最期に……告白させて?』

 

「…?」

 

『わたし…香月と話してる時間が好きだった。死霊魔術師として、女の子として、人として……どんな話だったとしても、香月と話してるのが好きだった。』

 

「……鳥の話とかもですか。」

 

『そう。…発端は偶然だったけど、この世界でわたしは色々なことを知った。色々なものをみた。そしてそれらは、わたしにとって力となってた。でもこれ、全部香月が教えてくれた。…あなたがわたしの光だったんだよ。』

 

「……光、ですか。」

 

『うん……香月は好きな人がいるし、迷惑だと思うけど……この世界で忌み子だとされていたわたしを、不自由無く動けるようにしてくれた香月が、わたしは好きでした。』

 

「……そっか」

 

ということは、私は───()()、私を好いてくれている人を手にかけた、ということか。

 

『……もう、時間。……ありがとう。…そして。』

 

「『永遠にさようなら───』」

 

もう私が彼女と会うことは絶対に無い。元の世界で会う可能性はあるが、それは()()()()()()()()()()()()()のだから。そんな意味も込めているのを知っている彼女は、言葉のあとに消え去った。

 

「……あなたもですね。」

 

『……うん……ねぇ、香月。1つ聞いてもいーい?興味というかなんというかー…って感じだけど。』

 

「…どうぞ?」

 

『……気分悪くしたらごめんだけど……友達を斬るのってやっぱり…辛い?』

 

「……ええ。」

 

『……そっかー…ごめんね…』

 

「流石に慣れることができるようなものじゃないですね……」

 

『そうだよねー……ごめんね、嫌なこと聞いちゃって。』

 

もう一人の霊魂。彼女も私の一撃を受けたことから、既に。

 

『うわー……“存在の抹消”ってこんな感じなんだね……ぞわぞわするっていうかなんていうか……』

 

存在の抹消。この世界の歴史という歴史から。人々の記憶という記憶から。“その存在がいた”という事実を消し去る。…というよりは、だ。

 

「消去してる、っていうよりは“最初からいなかった”という情報に上書きされる感じですけどね…」

 

『なんか表現嫌だねー……功績とかはどうなるの?』

 

「すべて私の功績になります。……けど、そんなので獲た功績なんて何の価値もないです。」

 

“抹消された存在の功績がすべて自分のものになる”。これはそんないいものではない。“本来持つべき者が存在しないから埋め合わせで持たされている”というもの。つまりはただ“押し付けられた”だけなのだ。

 

『そっかー…あ。私もそろそろみたい。』

 

「……すみませんね、あの人とばかり長く話してて。」

 

『ううん。…むしろ、今回の被害者はあの子の方じゃん?私はただのおまけだよ?』

 

「…おまけ、だなんて。そんなこと言わないでくださいよ。」

 

『あははっ、そうだねー。…じゃあ…さようなら。新しい私ともどうかよろしくね?そんでもって、ちゃんと生きてね?』

 

私が頷くと同時に彼女の姿は消えた。…この世界から、存在を抹消されたのだ。

 

「……さて」

 

あと残る問題は───

 

「どうするの?」

 

『この───クソ餓鬼め……!!あれほど良い器はなかったというのに…!!』

 

ルシャが私に怒りを向ける。…はぁ。

 

「───それはこっちの台詞でもあんだよ、クソ女。他人の友達を道具のように使いやがって。」

 

『あんたに関係───』

 

「おい」

 

魂だけの状態になっているルシャを地面に叩き落とす。

 

『が……っ!!』

 

()にとって俺が友人だと認識したもの総てが守る対象だ。その総てが俺の縄張りだ。それを土足で踏み荒してんだ、悪魔共々俺の逆鱗に触れやすいのは分かってるよなぁ?」

 

『……っ!』

 

「今回は既に分が悪い、ここで終いにするがよ……次は無いと思え、ルシャ・ネクリス・ラプラーシア。」

 

そこまで言ってルシャを解放する。

 

『……っ!!覚えてなさい、クソ餓鬼……!!』

 

そんな捨て台詞を吐いてルシャはこの特異点から消えた。

 

「───っ、はぁ…」

 

それを見て、私はその場に座り込む。

 

「……あ、はは……やっぱり…堪えるなぁ……」

 

何度同じ場面に遭遇したとしても、堪える。時には生きているの人間から抹消を望まれたことだってある。そして、抹消された人間は───()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

「……っ」

 

今だやることは残る、が……1つの敵の元凶を絶った代わりに2人の友達を喪ったんだ、少しくらい泣かせてほしい。




理外加速(りがいかそく)
あらゆる理から外れる程の加速───つまり、“世界の理”という絶対の掟を置き去りにする程の思考行動加速状態。加速倍率は“計測不可能”で、その倍率がおかしい加速状態である影響か万全な状態の香月達ですら術者主観で10秒保たせるのが精一杯(異常加速の場合は世界主観で5分)。もっとも時間停止に近い加速状態で、時間を司る“神陽の力”の使い手曰く、“最も時間神に近い加速術。もはや人の領域どころか現人神の領域をも超え、神の領域に至るほどのもの。”とのこと。


穿時遡(せんじそ)
同じ空間の時間軸の“過去”を穿つ。“時穿剣・裏斬”と同じく過去に対策していなければ防ぐことが出来ない。“時穿剣・裏斬”と違う点は“遡れる時間の制限”が存在しないこと。


怨嗟響鳴(えんさきょうめい)
周囲に存在する怨念等の“怨み”に類する感情を音叉に集め、具現化する。


弓「…前々から思っていたが、毛利香月は本当に人間なのか?」

(るな)「人間ですよ。…香月さんは創詠の系譜の中でも人一倍規格外なんです。」

弓「だが……世界の理を外れるほどとなると規格外にも程があるぞ?」

(るな)「それ10秒しか保てませんけどねー…そもそも創詠の系譜は空間を操る術に長けているんです。なので時間を操るのはどちらかというと不得意な方ですね。…時間を操る術に長けている雨照の系譜ならもっと長く保たせられるかもしれませんが…」

弓「それをリスクなしで使えるか……とんだチートではないか。」

(るな)「……?誰がリスクなしだと言いました?」

弓「……何だと?」

イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?

  • 槍兵、魔術師、剣士
  • 剣士、剣士、魔術師
  • 魔術師、槍兵、槍兵
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