狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
裁「ふと思ったんですけど、マシュの自己暗示詠唱って少なからずルーパスちゃん達を意識してる気がします。」
裁「マシュの自己暗示詠唱って、“奮い起て、偽りの盾。偽りなれどもそれは礎に違わず。焔と光を目指し、古き龍の前に顕現せよ。”なんですけど…“偽りの盾”っていうのは
裁「でも、“焔と光を目指し、古き龍の前に顕現せよ。”って……よくよく考えると、焔ってリューネちゃんの“猛き炎”のことで、光ってルーパスちゃんの“導きの青い星”…つまりは“星の光”のことで。古き龍って“古龍”であるミラちゃんのことじゃないです?」
モンスター達を縛っていた不快な音が、消えた。そして人々を畏れさせていた龍の威圧もまた、消えた。
『今だ皆、相手を!!』
多分、これだけで伝わるだろう。モンスター達と英霊達の…死霊、って言ったかな?そちらは器が強すぎて魂を引きずり出す必要がある。他の死霊達は駄々漏れなため、このまま宝具を解放しても可能なんだが…
「…っと、僕も速く終わらせなくてはね。」
ロンドンの地にいた狂竜化したナルガクルガ。…恐らくは、このシャガルマガラの影響だろう。もしかしたら
「安らかに眠れ、天廻る龍よ。」
THEレクイエムを叩きつけ、シャガルマガラの動きを完全に停止させた。
「ミラ殿の話では“古龍としての回復機能を喪っているから普通に倒すだけで絶命自体はする”、とのことだったね。…ルーパスは大丈夫だろうか。」
気がかりなのはやはりルーパスのことだ。…どうやら、サーヴァントとなった僕の耳は集中すると魔力の流れや感情の揺れ動きを音として聞き取れるようで、ルーパスのいる方向からかなり荒れた感情を聞き取っている。
「……頼むから、自暴自棄にはならないでくれよ……相棒」
母さんが“永遠の別れというのは凄く辛い”と言っていた。事実、リオレウス希少種の姿を見たときに現した憤怒から見てもそれは事実だったのだろう。あの二匹、僕の見間違えでなければ、僕の家…カムラの里で父さんと母さんが共に暮らしている家に飾ってあった写真の中にあった若い頃の母さんと同じく若い頃のルーパスのお母さんが笑顔でリオレウス希少種とリオレイア希少種と映っている写真の個体と全く同じだ。…一度した永遠の別れを、もう一度繰り返されるなど。辛いに決まっている。…もっとも、僕が今から使おうとしている宝具は、今以上の苦痛を与えてしまうかもしれないが───
「───もしも、そうなったのなら。私は……」
……どんなに責められたとしても構わない。たとえどのような結果になろうとも、それを私は受け入れよう。
side ルーナ
リューネの声がしていた。ということは…これが二度目、か…
「たとえ苦しみから解き放たれても、私は貴女をまた殺めないといけないなんて。…辛い」
『瑠奈……でも』
「分かってる。…分かってるから。」
『…みたい、だね。』
ルルナと別れたあの日みたいに、構えを解いてる訳じゃないから。ルルナも私が理解してるのを察してくれたみたい。
『…瑠奈。』
「…何?」
『瑠奈の……瑠奈が誇れる、迅竜にも負けない速さ……もう一度。』
私の誇れる速さ……
「……わかった」
1つしかない。ナルガクルガにも負けない、なんていったら…それしか、ない。
「いくよ、ルルナ。…一瞬だよ。」
『うん……来て、瑠奈…!』
奥義───解放。
「“神速”の二つ名───その所以、目に映るか……!」
奥義で狙うは、その心臓。ただ、一点。
「───“
『』
感覚が引き伸ばされた中で、地を蹴ると同時に───私の太刀の刃は、ルルナの心臓を確かに貫いていた。
『………あぁ。昔より冴えてる……ね。』
「……そんなことない。全盛期の頃より、遥かに遅いよ。」
『……わたしは、それを…見られなかった、から……』
……あぁ、そうだった。ルルナは、知らないんだっけ。
『…ね……るな。』
「うん?」
『あの日……あの、とき。わたしが最後に言ったコト。…おぼえてる…?』
もう力も入らないのだろうけど。ルルナは翼を私の頬に添えた。…あの時も、こんな感じだったっけ。
『わた、し……生まれ変わったら、人間に…なりたい、な……るなや、そらとおなじ、にんげん、に……』
「…そこまでいいものじゃないよ、人間って。」
『それでも……いい。また、るなとそらと…いっしょに、旅することができるなら。それだけでわたしは、うれしいから……』
…恐らく
『でも……もし、ホントに叶うなら……』
「?」
ルルナの悩んでるような声。…どうしたんだろう。
「…言ってみて?…聞きたい。」
『……もし。もしも、ホントに願いが叶うのなら…わたしは……』
「……」
『わた、しは……るなの、こどもになりたい……!』
「え…?」
私の……子供?
『わたしは…瑠奈の、家族になりたい…!いっしょに笑ったり、同じ布団で眠ったり…人間と飛竜としてじゃなくて、同じ人間の家族として…!』
「ルルナ……」
『でも…わたしがここにいる以上…それは、難しいかもしれない……だから……』
それ以上言わせないように、私はルルナに抱きつく。
「───待ってる。今の生じゃなくてもいい、遠い時代のどこかででも…ルルナとまた廻り逢える日を。人間と竜としてじゃなくて、人間同士として。できることなら、同じ家族として逢える日を。」
『るな……あり、が…と……わたしと……であって、くれ、て……』
その言葉を最後に、ルルナの身体から力が抜けた。
「…無理矢理起こされた屍と魂だとしても、その肉体は金火竜そのもの……心臓を突いても人間みたいに即死しないなんて、ね……あはは…辛いね、やっぱ」
そう呟きながら空を見る。
「……消えては結び…猛き魂が還るべきは空に……ね、ルルナ。あなたはいま、私達を見ているのかな?」
返事は……無かった。
side 蒼空
『…さぁ、僕の呪縛は解かれた。…今度こそ頼むよ、蒼空。』
「分かってる……分かってるよ」
分かってる…けど。…手が震えて、動かない。身体がソルルを殺すことを拒絶してるんだ。
『…お互い、辛い道だね。…本当に。僕達は運が悪い。』
「そう…だね。昔から私達は運が悪かった。…今だって、そう。」
『あぁ……』
「……運命って、残酷だよね…それでも、最後の見届け人として私達を選んでくれたのは嬉しいって思うべきなのかな……」
『……ごめん、僕には分からない。…人間でないから、かもだけども。…はは。生まれ変われるのなら、次は人間になりたいものだね。…本当に。』
「……あの日も同じこと、言ってたね。…原状、3回目みたいな感じだから精神的に凄く辛いんだけど…」
『……すまない』
少しの沈黙の後、何も言わない私に対してもう一度口を開いた。
『怒っているかい?』
「…まぁ。本当なら、私達が老いてこの世から去るまで傍にいて欲しかったから。ルルナとソルルの寿命なら、それは可能だったはずでしょ?」
『…否定はしない。事実それは可能であったし、僕も妻も本来であればそのつもりだった。できるのなら、君達の子供をも護りたかった。…だけどね。自分勝手で悪いと思うが、辛かったんだ。かつて克服した僕達を蝕む病を、もう一度発症するのは。』
「…“狂竜化”」
『その通り。自分が自分でなくなってまで…そして、君達やその子供を危険に晒してまで僕達は傍にいたくはない。』
その言葉にため息をつく。…分かってる、私の言葉がただの我が儘でしかないことも。言ったところで、困らせるだけだということも。
『……そろそろ、終わらせた方がいいだろう。君の娘が待っているんだろう?』
静かに頷く。
『ならば、待たせるのも申し訳ない。……あ』
ふと思いついたようなその声に首を傾げる。
『蒼空。君のあの技を───かの祖龍でさえ畏れさせたあの技を、最後に見せてくれないかい?』
「……あったね、そんなこと。…いいよ、それで貴方を見送ってあげる…」
かつて───祖龍と対峙したとき。かの祖龍は、私の技を───奥義を、畏れた。それは、私の奥義が超膨大な龍属性の塊だからだ。……拒絶反応を示している自分の精神をねじふせる。手の震えは止まり、いつもの状態に戻る。
「“反撃”の二つ名───一切の攻撃を封印する!!」
私の奥義である“反撃”とは。“
「───“
龍属性を濃く纏った刃は、そのソルルの心臓に抵抗無く、深々と突き刺さった。
『ぐっ……!───あぁ、痛い……な…』
「痛いよ。本来であれば、超高濃度の龍属性が身体に存在する属性を蝕んで属性を消すんだから。…それは本来ならの話。今みたいに刺されっぱなしなら、身体全体を蝕む感覚があるんじゃない?」
『あぁ……言葉は発せるが、身体は動かないな……君の奥義が、これか…随分と、恐ろしい効果なものだ…』
君は凄く優しいのにね、と呟いて眼を閉じた。
「……本来の用途でいえば、相手の動きを止めるために編み出したものだから。じわじわと死に追いやるために編み出したわけじゃない。」
『……そうだね。君は優しい。それは今までの君を見ていれば分かることだ。』
そう呟き、眼を開くソルルが続けて呟いた。
『痛いが───これで、いい。大好きな君の集大成に包まれて眠ることができるのなら、それで本望だ。』
「……え。」
『…言ったことはなかったか。僕も妻も、君達の事が大好きだった。それこそ、君達と人間として生きたいと思うほど…君達の子供であれば良かったのに、と思うほどに。』
初耳だった───というか、困らせるだけだと思って言わなかったのだろう。…そんな感じがする。
『もし生まれ変われるのなら人間に。願うならば、瑠奈と蒼空の家族に。…それは、君達があの日、塔の頂へ来る前に妻と話したことだ。難しいだろうけどね。』
「……」
『だからこそ……僕達の一番の望みは。……どれだけ長い時間がかかっても、また瑠奈と蒼空と廻り逢うことなんだ。君達と廻り逢えて、妻とまた夫婦になれればそれはいいのだけど。いくつも望みを持っていては欲張りだろう?』
「……ホント、変なところで控えめというかなんというか。欲張るくらいがちょうどいいんじゃないの、ソルルは。…それと」
『それと?』
「昔から思ってたけど。ホントにルルナのこと大好きだよね。ルルナもソルルのこと大好きだし。私、そういう関係ホントに憧れてた。1人の女の子としてルルナが羨ましかった。……でも、今くらい“蒼空と夫婦になる”くらい言っても良かったんじゃない?」
どこか嫉妬に近い発言にソルルが苦笑いした。
『それは流石に望みすぎだろう…大体、僕は複数の女の子を幸せにできるほどの度量は持ち合わせていないし。中途半端になるのは、相手の女の子に失礼だろう。』
「…ふふっ。…ソルルらしいね。どの種族のどんな女の子を見ても、ルルナ一筋で。どんなに言い寄られても、自分の想いを貫き通す。そんなソルルだからこそ、“大好き”って言われてびっくりしたんだよ。」
『……参ったね。実を言うと───僕が生きてきた中で、妻以外を本気で好きになってしまったのは後にも先にも瑠奈と蒼空だけだ。君達の優しさが、僕の心を動かした。…だけど、幸せにできるとは思っていなかったからね。その想いは、ずっと奥底に秘めていたんだよ。』
「……新事実ばっかり。応えることができないけれど…でも、本当に生きていた頃に言ってほしかった、なぁ……」
本当に───生きていた頃にソルルの口から聞きたかった。“銀火竜の命玉”という形で、それを知りたくはなかったんだ。
『…泣かないでくれないか、蒼空。』
「ごめん…無理…っ!」
『おおっと……まぁ、仕方ないか。蒼空はあまりこういう感情を表に出さずに溜め込む方だし。……蒼空の気が済むまで泣くといい。僕も少しは耐えられるだろうから。』
「っ、ふぇぇぇぇん…!」
完全にバレてる。…そして、決壊したコレはしばらく止まらないんだ。既に身体中を蝕む龍属性で辛いだろうに、翼を動かして私を包み込んでくれたことでそれはさらに加速する───思考では冷静になれても、身体は言うことを聞いてくれない。
『……落ち着いたかい?』
「……うん、やっと。」
『それは……よか…った…』
「…ソルル」
やっと私が元に戻った頃には結構ギリギリの状態になっていた。
『そんな顔を……いや、いいか。……蒼空』
「?」
『天を…廻りて、戻り来よ。…天廻龍ではないが、いつの日か僕も戻ろう。君の元へと、いつか……たとえ、きみが……わすれて、いたとして…も……』
その言葉を最後に、ソルルの身体から力が抜けた。
「……天を廻りて戻り来よ。戻り来たりて、回帰せん。彷徨える魂は天に登り、永き時の果てに地に帰る───今度は、ちゃんと天に行けたのかな。」
答えはない。ソルルの身体から刃を抜くこともせず、私はその場に座り込んでいた。
side ルーパス
「……ッ!!!」
大きく距離を取って瘴気を避ける。伏せたのを見て矢を番え、そのまま頭部を狙って三連射。瘴気が薄くなったのを見計らって近づき、竜の千々矢───
「キュィィ…」
「わ、とっと!?」
伏せた状態からの瘴気ブレス。唐突すぎて反応が遅れ、私を少し掠めていった。
「そうでないと、ね…!」
そう呟いた後───
「───せぇぃぁぁぁぁぁっ!!」
瞬時に懐に入り、一閃。よろけて倒れそうになるところを踏ん張り、瘴気を吐こうと構えるヴァルハザク。それを目にしつつ、気刃突きからの駆け上がり───それを逃さないように、ブレスを放つ。
「効かないよっ!」
だが、ブレスとして放たれたその瘴気は、私の持つ指輪に吸い込まれる。ミラに手伝ってもらったお陰で指輪の力をうまく扱えるようになったからこそ、この方法が取れる。妨害を完全に無効化した私は、そのまま気刃兜割。そうして今度こそ倒れ込んだところに、丁度落ちてきた弓と矢を使って竜の千々矢。
「今の私の本気───この世界で身につけた、恐らくこの世界でしか使えない戦い方…!」
宝具である“
「でも、未完成だ───まだ、使えるのは限定されている。」
弓と太刀と、操虫棍と双剣…それからマグネットスパイク。本来であれば全武器種───即ち、大剣、片手剣、双剣、太刀、狩猟笛、
「っ………ぇぇぇぇい!」
弓と矢筒を精一杯の力を込めて上空へと投擲する。続けてマグネットスパイクも上空へと投擲し、操虫棍を背負い、太刀を構える。
「全力───行くよ、ヴァルハザク!」
そう言い放ち、ブレスを用意しようとするところに気刃突き。ヴァルハザクの身体を駆け上がり───
「!?」
驚きの表情───のようなもので止まったヴァルハザクを見据えたまま、操虫棍を構える。
「ヒュォォォォ……」
「残念───“咆哮は踏める”!!」
突進斬りからの舞踏跳躍によって高く飛ぶ。さらに、指輪から瘴気を噴射してさらに高所へ。そこに───打モードのマグネットスパイクが落ちてくる。それを手にして状態を確認する。
「磁界、よし───!」
磁力を起動させると、さらに高所へと引き付けられる。その目的は───
「これだけ高さがあれば───」
かなりの量の矢を放てる。
「───見てて、ヴァルハザク。これが今の───」
弓を構え、矢を番える。
「───私の全力全開!!!“精密”の二つ名───例え的が豆のように小さくとも!!」
集中する。落下感覚が遅くなる。周囲が静かになる。この世界で自分だけが、動いているように錯覚する。標的はただ1つ───屍套龍“ヴァルハザク”のみ。
「───“
距離、約5,000。標的、1。推定下全標的討伐所要矢数、4,200,000───はっきり言って、馬鹿げている。だが───
「───ッ!!!」
流石の私でも、長期クエスト個体相手に奥義を使ったことはない。5,000というそれなりに高い場所とはいえ、420万もの矢を放てるかどうかは未知数。
「いつもの速度じゃ絶対に足りないのは分かりきってる───もっと、もっと速く…!」
総射出数、6,000。残り距離、4,700。
「イメージするのは───」
総射出数、9,000。残り距離、4,550。
「───私が知るなかで最速の奥義」
総射出数、12,000。残り距離、4,475。
「お母さんの───“神速の閃き”!!」
総射出数、18,000。残り距離、4,425───浮遊感。弓を引き、矢を放つ時の反発力で起こる現象。それが、大量に放っているせいで滞空させるどころかもといた位置よりも上昇しそうになるほどの力を生み出している───
「イメージするのは───」
総射出数、24,000。残り距離、4,375。
「───私が知るなかで最も
総射出数、30,000。残り距離、4,365───確実な、浮遊感。いける。
「其はお父さんの───“飛翔の爆炎”ッ!!!」
私のお父さんは銃槍使い。その二つ名は───“飛翔”。普通のガンランス使いでも、砲撃の反動で一時的に飛ぶことはできる。だけど、お父さんの場合それを長時間───
「───!」
いつもと、違う感覚。いつもより───
「い───けっ!!」
50,000、70,000、90,000───どんどん放った矢の数は増えていく。残り距離を調べるのはやめた。強い反発力のせいでずっと同じ場所に滞空しているから。───鍛えていてよかった。神速のお母さんの娘でよかった。飛翔のお父さんの娘でよかった───普通なら、こんな速度で戦っていたらとっくに身体が壊れてる───!
「────!」
120,000、240,000、360,000───弓を魔力で強化しておいてよかった。普通なら絶対折れてる。
「───っ」
720,000、1,440,000、2,160,000───余計なことは考えず、ただ矢の数とヴァルハザクのことだけを考える。それだけで、私の手は加速する。そして───
「───これで、最後っ…!」
総射出数、4,199,999。高度、7,000。…自分のことながら、馬鹿げているって思う。最後の一矢は───これに、しよう
「宝具、展開───龍を送る送り火に。貴方への想いを、総て乗せて。一時なれど貴方の安寧を願う。」
手にしたのは
「───“
宝具の名を告げ、弓を引いた瞬間───
バキッ
「───!!」
嫌な音が、した。即座に魔力で補強し、矢を放つ。その矢を放った瞬間、私の加速も途切れる。故に───矢が、殺到する。
「───っとと」
体勢を崩しながらもなんとか着地する。空中でマグネットスパイクを出して色々制御したから足は問題ないし……矢の向かった先はというと。
「……うわぁ」
自分でやったことだけど……改めてドン引く。ヴァルハザクに突き刺さる大量の矢。そんなヴァルハザク自身は虫の息……というか、もう動くことはできなさそうだった。
「……これで、よかったんだよね。」
そう問いかけると───小さく頷いたのが見えた。
「…私は、お母さんみたいに声が聞こえるわけじゃないけど…でも、何が言いたいか大体分かったよ。…貴方の命玉を持ってるからかな?───“全力の君と一対一で戦いたい”、なんて。」
私はそれに応えただけだった。…思考の中、ぐちゃぐちゃだったけど。なんとかして、
「……ん?」
ヴァルハザクが動かなくなった中───それを、見つけた。
ありがとう、愛しき者。ルーパス・フェルト。
「……」
竜人語。の、文字。……少し、下手だけど。………あった場所は、ヴァルハザクの手元。
「…………あのさぁ…」
座り込み、動かなくなったヴァルハザクの身体に身を預けて独り呟く。
「ホント……堪えてるっていうのに泣かせようとしないでよ…!」
恐らくは、ヴァルハザクの筆跡。でも、古龍含めたモンスター達には基本的に“文字”の文化はないはず。だから、多分。私に伝えるためだけに。
「……遺された骸は地に還り、新たな命の苗床となる。命は廻り、命の種はまた苗床より芽吹く───またいつか、どこかで会おうね。ヴァルハザク。」
涙を堪えながらも、言葉を紡ぐ。いつかどこかでの再会を祈って。それから───
「……後は、お願いね。リューネ。」
リューネのやろうとしていることを、知っているから。私の本来の技が───“
「どんな結末になっても。私はリューネを恨まないよ。」
そう呟いて、ヴァルハザクの隣で瞼を閉じた。
その昔、病に侵された白銀の陽と黄金の
月陽は自ら死を望み、最愛の娘に命を絶たれた。
月陽が侵された病とは、狂い、自らではなくなる病。
それは天が振り撒く病である。
月陽を侵し、されど成る前にその命を絶たれた天はやがて●に目を付けた。
●は天と成り、天は再び病を振り撒く。
●の意思は残り、最愛の娘と相対せしとき抵抗無く命を絶たれたという。
また、地は命を奪い、命を廻すもの。
真ならば底に住まい、命を廻す。
されど異に応じ底より離れしとき、自らの危うさを危惧する。
故に地は、自ら望み最愛の娘に命を絶たれる。
四の竜と四の娘の御伽噺である。
?「ギィ~……」
ギィギ「ギィ!」
裁「……ねぇ、ギル」
弓「なんだ?」
裁「生前も思ったんだけど…
弓「……で、あろうな。
裁「あの子ね~…普段の粘液がサラサラしすぎてて服の表面繊維を掴めないんだって。で、ちょうど人体と同じ位の温度……36度前後の物体に触れると粘性が少しずつ強くなって、30分くらいでヌルヌルになるらしいよ。」
弓「ふむ……結構特殊だったりするのだな、あやつは。」
裁「私、ヌルヌルになったあの子に身体撫でられたことあるけどそれでも殺せんせーの粘液よりサラサラだったよ。温度によって粘性が変わるのと同時に、最大粘性でも通常と比べてサラサラな子なんだろうね、多分。」
弓「……………あのタコめ、我がマスターの身体をまさぐったというか……我ですら触れたことないというのに……」
裁「?なんか言った?」
弓「何も言っておらん。気にするな。」
裁「……?ならいいけど……生前も思ったけど、たまにギルっておかしくなるよね。主に私関連で。」
弓「む、そうか?」
裁「自覚ないんだ…」
イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?
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槍兵、魔術師、剣士
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剣士、剣士、魔術師
-
魔術師、槍兵、槍兵