狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
裁「いいんじゃないの?おか───じゃない、マスター。」
……今、“お母さん”って言いかけたでしょ
裁「う……ごめんなさい…」
別にいいんだけど…
裁「……そういえばその
またギィギだと思うよ?そもそもあの子、オーガや屈強な男性、それからバーサーカーのサーヴァントの大群に不意打ちで襲われたところで返り討ちにできるほど強いからね。
裁「…………え、
強いよ?…こっちの
裁「それに?」
あの子───ギィギも普通に強いし。
裁「…………え。」
「…そろそろこの特異点も終わりかな。香月さん、理紅さん、禁じ手の準備…できてます?」
〈全て問題なく。〉
〈出力が足りなければ…ですよね?〉
「そうです。それではよろしくお願いしますね。」
「フォーウ…」
「……女王は潰え、狂王もまた闇へ。雪花は新たな決意を胸に、秘子は自らの道を見いだす……って感じでいいのかな…どう思います、フォウさん。」
『…さぁ。ボクにはわからないね。』
『フォウ…』
『……にしても、長いような長くないような。君達のせいか中々に濃い特異点だったけど、もう終わりか…そう考えると、少し寂しいものがある気がするね。』
『ふぅん。なら、ここでお目通りといこうかな。』
『…!?』
私達以外の───声。男性。声のした方向を見ると、白い髪の男性が立っていた。
『げ───』
『あなたは…?』
「こんにちは。皆が頼る楽園のお兄さん───もっとも、最近は価値が低くなってそうだけども。…此度はお目通りさせてもらえて光栄。純粋なる者、虹架 七虹。そしてそれを守護する
「マーリン、シスベシッッッ!!フォォォォォォウ!!!」
「のわぁぁぁぁ!?」
『フォウ!?』
フォウがいきなり男性に襲いかかった。
「…七色の守護者、か…今はまだ、一色足りないけど。」
side リッカ
【はぁ……はぁ……】
呼吸を建て直す。変異泥を纏い、万全の状態に戻す。
【やっぱり……貴女は、貴女である方がいい。】
「ふん、当然でしょう?…とはいえ、結構ギリギリね。貴女が怒るのも無理はないわ、これ。脆すぎるもの。」
私の言葉に応えたのは───女王メイヴ。あの死霊魔術師の術が解けて、意識を取り戻した。私は、彼女自身の願いで一合交えていた。
「まさかこんなに脆いなんてね。…朽ちかけてるのだから、仕方ないのかしら。」
ため息をついて、彼女は私を見つめた。
「もういいわ。…さっさと殺しなさい。この身体じゃ、全力なんて振るえたものじゃないもの。」
【……】
言ったきり、その場に寝転がった。分かっていた。どこか、加減していること。恐らくは、加減しないと身体が耐えきれないんだ。
【…女王。……いいえ、メイヴ】
「───何よ」
一瞬、反応が遅れた。私が名を呼んだことが想定外だったのかな。わざわざ身体を起こしてまで、私の目を見た。
【これから、私は貴女を消滅させる。…だけど、その前に……】
1つの念話を、ある人に送る。その後、メイヴを見つめて言葉を紡ぐ。
【…ごめん。ただの八つ当たりだって、分かってるけど───あの女のせいで溜まったこの怒り、ぶつけさせて。そうでもしないと、おかしくなりそう…!】
「いいわよ」
断られるかと思っていたのに───ほぼ、即答だった。
「貴女の怒り、この私があっちまで持っていくわ。…で、私は何をすればいいのかしら?」
【立ってるだけでいいの。…それだけで、大丈夫。】
「そう?」
私が言った通りに、彼女はその場で立った。
【……レンポくん、少し手伝って】
「おう。…どうすりゃいい?」
【私の炎を制御してほしいの。…いい?】
「…?おう…?」
レンポくんが分かってないような表情を浮かべた。
【…行くよ】
「来なさい。」
───集中。
【すー……はー……】
深呼吸。
【───私のこの手が真っ赤に燃える!勝利を掴めと轟き叫ぶ!!】
複製するは───再現するはあの技。
【ばぁぁぁぁくねつぅぅ───!!!】
紅く炎を纏った私の右手が、強い存在感を放つ。それをレンポくんが制御してるのが、何となく分かる。
【───ゴォォォッド、フィンガァァァァァ!!!】
「がふっ───!!?」
彼女の腹部に。私のゴッドフィンガーはそのまま炸裂した。───でも。
【これで───終わり!!】
“ゴッドフィンガー”という技は、ここで終わりじゃない。
【───ヒィィト・エンドッ!!!】
瞬間───爆発。彼女は
【……ふぅ。…なんとかなった。】
ていうかゴッドフィンガー再現できるんだ……“複製”って結構チートじゃない?……いや、“創造”使える時点で、か……
【…さてと】
変異泥を変化させて翼に変える。そのまま翼を操り、彼女が吹き飛ばされた方向に飛んだ。
side 三人称
「───ラァッ!!」
「チッ───!」
英霊である輝犬。死骸である狂犬。その耐久力は雲泥の差。だが───狂犬は輝犬に食らいついていた。
「はっ、腐敗してようが俺は俺───
「そう見えるかよ…こちとらテメェについていくだけで必死だ…!!」
「ハッ、恨むならそんな身体にしたあの女を恨むこった!!」
「身体のスペックなんざ関係ねぇ関係あんのは感情だろ……!」
「違いねぇ、な…!」
実をいうと、例の結界の効果はほとんど切れている。故に、狂犬が輝犬に食らいつけるのは狂犬自身の力だ───それに気付いていた輝犬は、それをあえて口にしなかった。
「“
いくら“王”でも、それが骸であるならば。少しばかりの時間稼ぎはできると、“
「邪魔なん───」
「“
「……!?テメェ、それは───」
輝犬が持っていたもの。それは、
「テメェの槍はデカすぎんだよ……!」
「───なっ」
「行けよ、“
それを“改造”することも、また。ちなみにこれを聞いたエミヤは泣いた。
「ぐっ……!」
「雑に吹っ飛べ、“
追撃として、“竜騎槍ゲイボルグ”で狂犬を吹き飛ばす。
「チッ…!あの───のぁっ!?」
「きゃっ!」
その、吹き飛ばされた先で。同じく吹き飛ばされてきた何かと、ぶつかった。
「ってて……なんだ…」
「ぁぁん!ちょっと!」
「………メイヴ?」
「何よ───ってクーちゃん!?」
吹き飛ばされてきた何か。それは、藤丸リッカと戦ってたはずの女王メイヴ───の、骸。意識は、あるものの。
「お前、こんなとこで何やって……」
「クーちゃんこそ、こんなところで……?」
二騎が困惑しているところを、輝犬は遠目から見ていた。
「おーおー、いちゃついてら。…そんなのを邪魔するのは悪いんだが、な……馬に蹴られなきゃいいが。」
【クー!】
輝犬がぼやいた直後、輝犬のあだ名を呼ぶ声がする。その声の方向に、藤丸リッカが飛んでいた。
「おう、リッカ。念話の通りにしてみたが…あんな感じでよかったか?」
【うん、ありがと。…にしても、いちゃついてるね。】
「やりづれぇ…」
【うん……】
会話からも分かる通り───藤丸リッカが送っていた念話は輝犬に向けてのものだった。内容は───“狂王を消滅させないように、指定した場所に吹き飛ばす”こと。その指示に従い、輝犬は指定された場所に狂犬を吹き飛ばしたのだ。
「……さ、やるか。」
【うん。掴まって、クー。】
輝犬は藤丸リッカの手に掴まり、空中へと。ある程度の高度まで来ると、手を離して自分で飛んだ。
【───“
「“
「【───
器物創造、概念複製、空想具現───3つの力が混ざり、練られ───1振りの輝く槍を構築する。
「行くぜ、リッカ!」
【うん、クー───勝つよ!!】
その宣言と同時に、藤丸リッカの令呪が全画使用される。それによって、強大なブーストがかかる。
「さぁて、あの女が消えるより前から準備してた大仕掛け───今こそ御披露目、ってなぁ!リッカ!」
【うん!ちょっと久しぶりな気もするけど───
「掴まえろ、ウィッカーマン!燃えなくていい───ただ捕らえるだけだ!」
【
「逃がすつもりなんてねぇ───“
【預言書より偽装宣言───“
ルーンによる大結界で動きを封じる輝犬。対象の身体活動を低下させる指向性の呪いをメイヴに放つリッカ。ウィッカーマンにより、メイヴと狂犬を捕らえる輝犬。複製の連鎖により、“レストリクトロック”、“ライトニングバインド”、“チェーンバインド”を再現し、輝犬とメイヴを縛るリッカ。縫いつける力により、狂犬を大地に縫い付ける輝犬。気紛れで星乃が見せた劣化宝具を偽装宣言し、動きを封じるリッカ。それはまるで───
「あいつら……用意してやがったか…!」
予め用意していたように。…だが、それは間違いだ。予め用意などしていない、リッカの念話をきっかけに構造を組み立てただけだ。
「身体が崩れてない…ってことは!むかつく…!手加減されてたっていうの…!?」
女王が睨むが───それも少し間違いだ。リッカは、確かに本気でゴットフィンガーを放った。それが、“非殺傷設定”であっただけだ。なお、リッカ本人はその非殺傷設定に気付いておらず、複製精度が甘かったと思っているが。
「この一撃、リッカと共にテメェらに捧げる!!2人仲良くあの世に逝きやがれ!!」
【あなた達の───永遠の幸せを願って!この一投に!!】
変異した泥が形を作り、煌めく粒子が姿を成し、無数の礎材が威を放つ。交差する力は槍の鋳型に流し込まれた金属のように望まれている造形へと、概念へと、神威へと変化し、この現実へと現出する。
【“
「“
同じ槍を手にしながら、別の詠唱。
【
「
今自らの出せる、全ての魔力を注ぎ。
「【
放たれたのは、超高温の槍。高温ゆえに火がなくとも発火するほどの熱を帯びた槍。アラドヴァル───太陽神ルーが持つ槍のうちの一振りである。
「───チ」
「───!」
その、人間の領域を遥かに超える力で放たれた槍は。周囲の雲を吹き飛ばし、周囲の地面を融かし、
「クッソ…がよ……2度も、負けるとはな。」
「クー、ちゃん……」
「……喋んな、メイヴ。…寝てろ」
「……うん」
女王は目を閉じ、狂犬はリッカ達の方へ視線を向けた。
「……オレの完敗だ、陽のクー・フーリン。護るものが側にいてすら勝てねぇのは完敗でしかねぇ。」
「ま、そうだろうな。…やけに素直じゃねぇか」
「否定すんのも面倒だ。……あとは魔神どもだけか。」
ため息をつき、リッカに視線を送る。
「テメェらが正しくて、オレ達が間違っていた……か。世界なんてのはそういうもんだ。勝った方が正しくて、負けた方が誤っている。…分かりやすくていいけどな。……嬢ちゃん」
【……?】
「疲労困憊じゃねぇか……まぁいい。…聖杯が歪ませたこの世界もあと少しだ。気張れよ。」
リッカはその言葉に小さく頷いた。
「行けよ。…俺達はもう動けねぇ。さっさとこの世界を
【…行こう、クー。】
「…おう。…いいのか?」
【…うん。……】
背を向け、歩き出そうとして動きを止めるリッカ。
【…狂王】
「あ?」
【女王に……メイヴに伝えておいて。…“いつか、また戦ろう”───って。】
「…ふん」
肯定と見なしたか、リッカと輝犬は飛んでいった。残されたのは、狂犬と女王のみ。
「……行ったか。…聞いてたか、メイヴ」
「…えぇ、聞いてたわ。」
「…そうか」
その場に沈黙が降りる。身体を縫い止められているのもあり、その場から動くことはできない。その場所から、龍が色とりどりの光で倒される様を、見ていた。
「…メイヴ」
「…何?クーちゃん」
「……好きだ」
「……そう。わたしもよ。」
たったそれだけ。…それだけ言葉を交わし、あとは何も言わなかった。
side 無銘
『不器用かよ!!!!』
『フォウ…?』
マーリンさんに強烈な蹴りを入れたしばらく経って、いきなりキレたフォウに困惑の視線。
『あぁ…ごめん、ナナコ。いきなりでビックリさせたね。…ホント不器用すぎんだろあいつら……』
『…????』
何を言っているのか全く分からないけど…
『まぁいいや。…さて、これで全部の死霊を倒したんじゃないかなぁ。…リューネは何をするつもりなんだろうね?』
それは確かに気になるところ。リューネさんはというと……リオレイアに乗って上空待機してるけども……
裁「ギィギさんが強いってどういうこと…?」
まだ詳しくは分かってないんだけどね。主人に対する敵対意思、敵対行動に対して自身の粘液を変換した魔力を用いて反撃をするみたいなの。その根元的な属性は“吸収・増幅”───簡単に言えば、“強制呪詛返し”。呪詛返し自体はあなたもよく知ってるでしょ?
裁「呪詛返し───自身にかけられた呪詛を術者本人に返すもの。その呪詛は、自分がかけた呪詛のおおよそ2倍。」
そ。…それを、宝具詠唱すらなしでギィギは行う。“
裁「それは……確かに強いかも…?」
イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?
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槍兵、魔術師、剣士
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剣士、剣士、魔術師
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魔術師、槍兵、槍兵