狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
殺「承った。……マスターよ。大丈夫か?」
?なにがです?
殺「…………いや、気にするな。」
んー……?あ、今回の投票結果内訳はこんな感じになりますー
イ・プルーリバス・ウナム修正後に召喚するサーヴァントは?
(5) 槍兵、魔術師、剣士
(1) 剣士、剣士、魔術師
(0) 魔術師、槍兵、槍兵
第297話 狩人達の召喚はいつだって予想の上を行く
「ん……」
目が覚める。アメリカから帰ってきて3日。私はお兄ちゃんの部屋にいた。
「起きたか。そろそろ終わるぞ。」
「アレ、凄く手間かかるのね…」
「上手にできてない…これじゃお店に出せるようなものじゃ……」
お兄ちゃん、ナーちゃん、ジャルタさんがキッチンの方から出てくる。あの様子だと……
「うまくいかなかったんだ?」
「えぇ…ごめんなさい、手間がかかるのと難しいのが重なって現状だとどうにもならなかったわ……」
「私もです。…練習あるのみ、なのでしょうね。」
「当然だ。つーかそんな簡単に作られたら本職の職人が泣くだろ。」
「お兄ちゃんでも苦手だもんねー…“お菓子の城”。」
お菓子の城。名前の通り、お菓子でできたお城。とりあえず経緯としては、ナーちゃん達とお茶会してる時にジャルタさんが来て、“お菓子の城を作りたい”って言ってきたんだよね。それで、ナーちゃんも興味を持って三人一緒にお兄ちゃんの部屋に。で……今に至る。
「とりあえずどんな感じになったの?」
「…見てもらった方が早いわね。持ってきてくれる?」
ナーちゃんがそう言うと、トランプ兵がお菓子の乗ったカートを押してこっちに来た。
「……恥ずかしいのだけどね。あたしが一番酷かったわ…」
「仕方ないよ、最初だし……これ、お兄ちゃん?」
3つあるお菓子の城の中で、一番形がいいものを指して聞く。
「おう、よく分かったな」
「一応経験者だっていうのと……使ってるお菓子がね。」
「分かりやすかったか。」
「だってこれ、私達の高校の…お菓子専門特別講師が教えてるレシピと同じでしょ?」
「当たりだ。教えてもらってたのか。」
「作ってるの見たことあるから。」
あの人も元気かなぁ……
「それで、ジャルタさんとナーちゃんのだけど…」
私がそう言うと、ジャルタさんもナーちゃんも私の方を見つめた。…うぅ、なんかやりづらい。
「え、ええっと……とりあえずナーちゃんは普通のケーキから始めよう?いきなりお菓子の城は流石に無茶だよ。普通のケーキなら私も少しは教えられるから一緒に頑張ろう?」
「……お願いするわ…」
「ジャルタさんは……形はなんとなく出来てるけどちゃんと形になってない感じかな。多分土台が緩いのと……あと単純に変形ケーキへの不馴れ。土台となるケーキに関しては普段ふわふわなケーキを作っている分難しいんじゃないかな。ちょっと硬めで大丈夫。」
「…ケーキとはふわふわなものだと思うのですが…」
「そうでもないよ。ベイクドチーズケーキとか硬いし。っていうか、あの人のレシピって重いから土台となるケーキは硬めがいいんだよね…」
「あの人は相当デコるからなぁ…」
「……別の人の話してない?」
なんかそう感じたけど…
「ま、あの人の技術は俺には越えられる気がしないな。」
「…六花さんにそこまで言わせるその方、ぜひお会いしてみたいですね。」
「…あっちに帰ったとき、会いに行ってみるか。元気…にはしてるだろうが。」
「そうだね、元気にはしてるだろうけど…」
と、そんな時放送のスイッチが入った音がした。
〈おはようございます。本日、これより召喚の儀式を執り行います。職員の皆様方は管制室へお越しください。繰り返します……〉
この声は……美雪さんかな?あの人、一応“怨霊”ではあるのと、以前の黒ファンのイメージもあって恐ろしいイメージある人なんだけど、話してみると普通に優しい人(霊?)なんだよね。アドミスさんが“美雪さんの過去に近いもの”って言ってたからあの側面があるのは事実なんだろうけど……
「……どうして……あんな風になっちゃったんだろう。」
「リッカさん?」
あんなに優しい人が、あそこまで激しい邪気を放つようになるなんて。…光から闇に落ちるのは簡単で、闇から光に戻るのは難しいというけれど。彼女は何故闇に落ちて、どうやって光に戻ったのだろう。
「おーい、おいてくぞー。」
「…今行くー」
今は、いっか。とりあえず、管制室に行こう。
「…む、来たか。そら、ダ・ヴィンチ」
「あ、あぁ…リッカちゃん!朗報だよ!!」
「はぇ?」
朗報…?
「ロンドンから帰ってきた時に素材集めを頼んだのは覚えているだろう?その素材を使う“とあるもの”がついに完成したんだ!」
「とあるもの……?」
「いやぁ、ハンター達の世界の技術を再現するのは骨が折れるねぇ……武器防具と同じく彼らのよりその力は低いけれど、きっと特異点攻略の役に立ってくれるだろう!召喚が終わったら見せてあげよう!」
それは…楽しみ。
「呼符の準備はできているわ。今回もハンターのみんなを触媒とした召喚から終わらせてしまいましょう。」
「意外と僕たちも楽しみだからね。僕達が触媒となることで僕達の知り合いが現れるというのは。」
「まああまり巻き込みたくないのはあるけどねー…」
ルーパスちゃん達は凄く強いけど、マシュや私と同じ生身の人間。それと、現状ルーパスちゃん達の世界から私達の世界への一方通行になってるから帰る方法がない。あちら側の知り合いの人たちも心配してると思うから、なんとかして方法を見つけないと……
「さて。此度はどちらから触媒となる?」
「僕が先にやろう。あの宝具は使ったあとどうなるかが分からない。もしも予想通りなら……」
そこまで言ってから首を横に振った。
「……いや、なんでもない。予測だけしか立てられないならその予測で惑わすのはよくないだろう。」
ルーパスちゃんの……正確には屍套龍の指輪の方を見てたけど、視線を外して召喚サークルの前に立った。そのリューネちゃんの指に───サークルの光に照らされてキラリと光る指輪。
「…あ」
“天廻龍の指輪”。…だと思う。遠目からじゃよく分からないけれど。昨日、リューネちゃんがミラちゃんに何か頼んでたの見かけたから…多分。
「サークル展開───アカシックレコードへの接続、クリア。異世界への接続、クリア。守護英霊召喚システム・フェイト、及び異世界間管制システム・セプテントリオン、異世界間召喚システム・アルコルの正常起動を確認。」
「霊基検索開始───該当霊基確認。クラス・アーチャー。」
「アーチャー……」
「心当たりはあるか?」
「ない……わけでもないが、ヒノエ殿は既にいるし、あとは王国側だけだが…」
そんな話をしている間に、召喚が完了する。
「……む?ここはどこだ?」
「……………なんで」
ご老人……?
「…なんで貴方が……何をしてたら巻き込まれるのか……」
「む……そこにいるのは…琉音か。」
リューネちゃんを琉音って呼ぶということは……
「リューネちゃん。もしかしてあの人…カムラの里の?」
「…その予想で合ってるよ。偶然大社跡にでも出てたんですか?…“ハモン”さん」
ハモン───それが、この人の名前。
「お前のその予想通りだな。少々鉄鉱石が足りなくなったものでな。大社跡に採りに行っていたところに背後から、というところか。」
「ん~?なんか懐かしい気配する~。」
そんな時に、ルーナさんがひょっこり管制室に顔を出した。
「あれ?ハモンさん?」
「おぉ、瑠奈か。久しいな。」
「元気してました?」
「それなりにはな。…それで」
ハモンさんがルーパスちゃんの方を見た。
「───ふむ。目元など、瑠奈によく似ておる。そなたが、“
流歌…?
「……?私?」
「……違ったか?おい、瑠奈。この娘はお前の娘だろう?」
「そうだけど……あっ!?ごめん、ルーパス!私あなたのもう一つの名前教えるの忘れてた!!」
「「えー……」」
ルーナさん……
「ルーパスのもう一つの名前…舞華姓の方なんだけどね。“
「流歌……それが、私の…」
「瑠奈よ。お前が…いや、お前達姉妹が忘れっぽいのは昔からだが、娘に対してまでそれを発揮するな。」
「ごめんなさい~…」
「……そのような調子で、よもや金色の雌火竜のことをも忘れたわけではあるまいな?」
「っ…」
ハモンさんの言葉に、ルーナさんが詰まった。
「……ルルナのことは忘れてないよ。子供の頃からの相棒を、私がこの手で殺した親友を…忘れるわけ、ない。」
「……そのようだな。すまなかった。」
「お母さん…大丈夫?」
ルーパスちゃんが不安そうにルーナさんを見ていた。
「…ん、大丈夫。ありがとうね、心配してくれて。」
「言葉は分からぬが…よい娘を持った、か。…それでも心の傷は癒えぬ。そのようなものか、心の傷というものは。」
「とりあえず、ハモンさんは私が連れてくね~。」
「あ、お願いします…」
ハモンさんはルーナさんに連れられて管制室を出て行った。
「さて、次か……ルーパス、先にやってみるかい?」
「私?」
「とりあえず、どうなるか分からないが…まぁ、白き追い風に吹かれるままに。」
「なんか意味が違うような気がするけどなぁ…ま、いっか。」
そう言ってルーパスちゃんがサークルの前に立った。
「触媒変更。召喚システム再起動。霊基検索開始───該当霊基確認。クラス・キャスター。」
「キャスターかぁ…」
「ということは狩猟笛使いのハンターさんですかね、相棒。」
「かな?でも、狩猟笛使いの知り合いなんて───」
言い終わる寸前で、その人が顕現した。
「…あれ、ここ……」
「……“ソフィ”?」
「あれ、ルーパスさん…?他の人は見たことありませんし…大体、ここってアステラでもセリエナでもないような…」
「た、確かにここはセリエナじゃないしアステラでもない───」
「る、ルーパスちゃん!言葉!!」
「リッカ?」
ルーパスちゃんもしかして気がついてない…!?
「
「っ!?ソフィ、私の言葉分かる!?」
「へっ!?は、はい…」
「…!ほ、ほんとに日本語だ…」
これって……
「…ルーパス。確認だが…もしや、彼女は。」
「…
異世界のハンター───確か、ルーパスちゃん達の世界に干渉してくるハンター達の事。ルーパスちゃん達みたいにその世界で産まれ、その世界で育ち、その世界で死に至るわけではなく。突然現れて、突然消えていくハンター達。
「あ、あの…?」
「…ソフィ、後でゆっくり事情は話すから…嬢、とりあえず私の部屋に連れていってあげてくれる?」
「分かりました、相棒。ソフィさん、どうぞこちらへ。」
「あ、はい……」
そうして管制室を出て言った後、ルーパスちゃんが頭を押さえた。
「…私達やミラ達の世界からだけじゃなくて、ソフィ達の世界からも…頭が痛くなる…」
「…守るべきものが増えたな、ルーパス。」
「当然。私達の世界の人間ならともかく、ソフィ達異世界の人間は基本的に無力だって聞いたことがある。…絶対に、異世界のハンター達には被害を出さないようにしなきゃ。」
……別世界の人、かぁ…
「……アルコルが悪さしたか?いやでもな…コードが通常召喚なんだよな…」
「じゃあ、
「まぁ…多分な。」
よく分からないなぁ…
「んー……」
「……ルーパス、次を召喚するなら……」
「?」
「……気をつけてくれ、本当に。」
………リューネちゃんが何か気にしてる…?
「よく分からないけど……気を付ける?」
「召喚システム再起動。霊基検索開始───該当霊基確認。クラス……照合中」
照合中……?
「エクストラクラスか?」
「照合完了、クラス・キャスター顕現します」
「…違うか。いや、でも基本クラスで時間かかるか…?」
お兄ちゃんがそう呟いたところで、白い服を着た銀色のの髪の女の子……女の子?がサークル上に出現した。
「……?」
「……ルーパス、君の知り合いか?」
「いや、知らない人……」
その女の子?はまばたきをしながら、自分の手を見つめたり周りをキョロキョロと見渡したりしていた。
「眠いのかな?」
「あとなんでここにいるのか分かってないんだろうな」
そして、女の子?はルーパスちゃんに目線を合わせて口を小さく開いた。
「ぁ………ぁ……」
「……?私?」
「……」
「わっ…!」
不意に、女の子?がルーパスちゃんに抱きついた。
「…え、えっと……!?何事……!?なんでこの女の子私に…!?」
ルーパスちゃんも理解できてなくて困惑してる。っていうか…
「ルーパスちゃん、多分その子男の子……」
「えっ……」
恐らく。女の子じゃなくて男の娘だ。
「そう…なの?」
その子がぎこちなく頷く。…確定した。あの子は男の娘だ。
「え、えっと……貴方の名前は?」
その問いかけに対し、少し悩んで首を横に振った。
「え…じゃあ、どうしたら……」
「……ルーパスさん、ちょっといい?」
「へ?」
突然ミラちゃんがルーパスちゃんの手を取り、屍套龍の指輪を見た。
「…これ…この子に共鳴してる。…あなた。もしかして、あの時ルーパスさんが絶命させたヴァルハザク……?」
「えっ……」
「ミラちゃん、どういうこと?」
この子があの時のヴァルハザクって…?
「……言い伝えがあるの。想玉はもしも想玉の主が近くにいるとき、その主と共鳴する。想玉の主が想玉を産む前を覚えているのなら、共鳴は成る───」
「……本当、なの?あなたは……ヴァルハザク、なの?」
その問いに───ぎこちなく、しかし確かに頷いた。それに対して、ルーパスちゃんが息を飲む。
「なん……で…?」
「…転生、したか。」
リューネちゃん?
「あの時の僕の宝具は、霊を浄化すると共に転生の準備に入らさせるものだ。ヴァルハザクも対象だから、おかしくはない…が、龍から人に転生するとは。」
「……軽く調べてみたけど完全な人間じゃない。1割…もしくはそれ以下の範囲で龍の部分が残ってるみたい。多分瘴気放出とか龍翼展開とかは出来るんじゃないかな。」
「……待って、リューネ、ミラ。私理解追い付いてない」
ルーパスちゃんが頭を押さえてそう言う。
「…とりあえず、この子はあのヴァルハザクで間違いないの?」
「あの時の屍套龍の魂が検出されてるから間違いないよ。魂まで調べるのは普通に面倒なんだけど…」
「そっか。それだけ分かれば十分、かな。…
ルーパスちゃんの言葉にその子───ヴァルハザクの転生体が首を横に振る。
「私が持ってていいの?」
それに対して頷き。口を開くけど、少し躊躇うような表情。
「ぁ……ぁ……」
「……?」
「……声帯が適応してないのかな。急に人間になったわけだから、屍套龍だったときと今で声を出す感覚に戸惑ってるんだと思う。」
「そういうこと…?」
少し悩んでから頷く。それを見ながら、ミラちゃんが思い出したように口を開いた。
「あなた、確か名前ないのよね?」
それに対して頷くその子。それを見て、今度はルーパスちゃんの方を見た。
「ルーパスさん、名前付けてあげれば?」
「私が!?」
「この子は想玉を生成する程に貴女の事を想ってた。新たな生として人間となった以上、人間としての名前が必要でしょ?」
「関係なくない…?」
「あら、好きな人から名前を貰えるのはすごく嬉しいことよ?」
ナーちゃんが言うと説得力が……
「うー……わかったよー……どのみち名前ないと不便だもんね……ええっと……」
それを言うならアルもまだ無銘だから名前ないようなものだけど……
「………“ハク”。“
その問いかけに、彼は嬉しそうに笑った。
「とりあえずルーパスさんは彼が人間の言葉に慣れるまで付き合ってあげれば?」
「…ん、そうする。行こっか、ハク。」
そう言って2人は管制室を出ていった。
「……リッカさん。もしかしたら、あのふたり……」
「…どうだろうね。」
ナーちゃんの言いたいことはなんとなく分かったけど、どうなるかは分からない。だから、明言はしなかった。
「ルーパスさん行っちゃったし、リューネさんでいいんじゃない?」
「そうするとしようか。…やれやれ。恨まれても文句は言えないとは思うんだがね…ルーパスからは特になし、か。」
そういえばリューネちゃんの宝具であのヴァルハザクはあの姿になったわけなんだよね。…どれだけ強力なんだろう。
「触媒変更。システム再起動。霊基検索開始───該当霊基確認。クラス……照合中」
あ、今更だけど今回システム状況読み上げしてるのはフォータさん。以前から感情表現薄めだった気がするけど、事務的になるとホントに感情が希薄な印象。
「クラス・アルターエゴ。顕現します」
そう言って顕現したのは───金色の髪の美少女。服は紫色のワンピース。
「……」
「…ふむ。見覚えがないが………もしや」
「ぁ……!リューネだ…!」
「…っ!?言葉が、話せるのか…!?ミラ殿……!」
「ん、間違いない。天廻龍だよ、その子。」
「じゃあ……君は、ミツ…なのか。」
ミツ……?
「うん!また一緒にいられるようになってわたし、嬉しい!ありがとう、リューネ!」
「……何も、してない。私は、何も……ミツが、ここに来れる可能性だって、低かった。」
「でも、きっかけをくれたのは紛れもない事実!ありがとう!これからまた、仲良くしてね!あの時みたいに!もちろん、ルーパスもだよ!…今はここにいないっぽいけど。」
……よく分からないけど。とりあえず、リューネちゃん達にとって大切な子みたい。
「…うん。できたらいいね。…ところでミツ、あなたは人間としての名前ってあるの?」
「名前?ない…かな?…名前、くれるの?」
「…うん。あなたに名前をあげる。でも、私で…いいのかな?」
「うん!付けて付けてー!」
無邪気な子供…みたいな印象受けるけど。違うんだよね、多分。
「じゃあ……“ミツキ”。“
「みつき……かわいい名前!いいの!?」
「うん、ミツが可愛いのは私とルーパスが保証する。」
「……オスと比べて地味なのに?」
『…ミラちゃん、どういうこと?』
『タマミツネ種の雄個体は派手な姿してるけど雌個体は派手じゃない…って言えば分かる?』
あぁ……なるほど
「可愛いのは間違いないし。…これからもよろしくね、ミツ…じゃなくて、ミツキ。」
「こちらこそ!不束者ですが、よろしくお願いします!」
「待って、どこで知ったのそれ…」
「え?人間達が言ってたのを聞いて覚えたんだよー。確か番になるときに使うんだっけ?」
「知っててなんで…」
「だって、私リューネとルーパスのこと大好きだもん!前までだったら無理だったけど、人間の今なら!」
「ごめん、女の子同士だしそれは無理だと思う……無理、だよね……?」
最後は私に聞いてたけど……んと……本来なら、無理なんだけど。
「………どう、なんだろう?お兄ちゃん。」
そう、お兄ちゃんの存在。具体的には、お兄ちゃんが開発中の“性転換魔術”の存在。
「俺かよ……あー……いけるんじゃないかね。多分。」
そのお兄ちゃんの言葉に彼女───ミツキさんはパァッと花開くような笑顔を見せ、リューネちゃんはガックリと肩を落とした。
「やったー!」
「同性同士というのも通用しないのかな、この世界は……」
多様性……なんだろうなぁ…ひとまず、ハンター達の召喚はこれで終わりにすることになった。
「夜にリューネの部屋いくからねー!」
……堂々と夜這い宣言みたいなのされてリューネちゃんは頭を抱えてたけど。
浄化・転生宝具
リューネ・メリスの死した者に対して送る歌が宝具へと昇華したもの。その歌と音色、燃える炎と立ち昇る煙は彷徨う魂の道標となり、輪廻転生の輪へと誘う。浄化と共に転生までに本来かかる期間を飛ばして強制的に転生させるため、即座に新たな生を受ける可能性が高い。また、即座に生を受けなかったとしても本来の転生よりも速く生を受ける。さらに、この宝具によって転生した魂は“前世の記憶”として何かを覚えている可能性が非常に高い。難点として、魂と骸が分離していないと浄化できないのと浄化までに時間がかかる。たとえ不死者であろうと、魂と骸が分離してさえいれば、彼女自身が分離した魂を認識できてさえいれば強制的に浄化───即ち、殺すことが可能。
裁「……
裁「先日……香月さんが“稼働”と言ってたのですが……どういう、ことですか?」
裁「稼働…期間?」
裁「現実時間換算で…………え、待ってください!っていうことは
裁「……」
裁「歪んで……いるんですね。」
裁「でも…この世界に歪みなんて……」