狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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殺「ふむ………」

「そーっ……」

殺「そこのオッサン、首を出せ。」

「くそっ、バレてやがる!!」


第298話 奇跡の結果

「さて、次々回すとするか。」

 

少し休憩を挟んでから、召喚を再開する。ルーパスちゃんとリューネちゃんはいない。さっき召喚した4人の相手してるから。

 

「呼符を置いて開始だな。さて、今回は何が出ることやら。」

 

「ガチャってワクワクするよねぇ。何が出るか分からないし、欲しいものが出たときは嬉しいし。…まぁ、ほどほどにしないとなんだけどね。」

 

「ガチャに注ぎすぎて破滅したらどうにもならないからねー。」

 

「うっ……気を付けるよ…」

 

別にドクターに言ったわけじゃないんだけどね…

 

「呼符確認。特定触媒召喚から汎用触媒召喚に変更───霊基検索開始。アカシックレコード、英霊の座を優先参照。」

 

預言書の奇跡……ちゃんと、機能してくれてるよね…?

 

「クラス・アーチャー、顕現します」

 

その読み上げと共に顕現したのは───女性。

 

「サーヴァント、ラーマの妻でございます。わたくしのような者がお役に立てるかどうかは、分かりませんが………精一杯、頑張りますね。」

 

そこまで言ってから迷うような表情をして。

 

「それで……その。わたくしがここにいるということは、本来ならば我が夫ラーマは……ということなのですが。……信じて、いいのでしょうか。」

 

迷いと、不安と、期待が入り雑じったような表情で、私に聞いてきた。

 

「……ごめんなさい、私もまだ分からないの。…預言書の奇跡、使ったの初めてだから。でも……」

 

言いながらシータさんとラーマさんのページを開く。

 

「…あなた達のメンタルマップに、“離別”のコードはもうない。解呪できてる…と思うんだけど。」

 

「……信じましょう。たとえ少しでも可能性があるのなら、わたくしはそれを信じます。」

 

「…ありがとう」

 

とはいえ……本当に出るかどうかが分からないのは辛い。…あ、でも……

 

「……詠唱召喚、か…」

 

詠唱召喚。本来のサーヴァント召喚と同じような方式。あれなら、ある程度は指定できる…と思う。ただ……欠点としては、マスターとして登録されるのが詠唱者になってしまうこと。つまり…ギルのマスターは私だし、エスナさんのマスターはミラちゃん。何が言いたいかというと、“マスターの令呪によって縛られる”ことが一番の欠点。以前、“人理修復後もカルデアに残る”っていう契約を交わしたギルだけど、あれはただの形式上のもので結局のところ最終的な決定権は私にあるまま。別に私はみんなの意思に任せるからいいんだけどさ……違和感は残るよね。

 

「うーん………」

 

「リッカ?大丈夫かしら?」

 

「大丈夫だけど……………あ、そっか」

 

マリーが話しかけてきたところで思い当たる。そういえばマリーは、聖杯を使って呼符にキーワードを刻んで召喚することで望みのサーヴァントを召喚してた。“言霊”を以て召喚対象を指定できるのなら……

 

「マリー、この呼符ちょっと弄ってもいい?」

 

「え?いいけれど…」

 

「ありがと。」

 

聖杯とは願望器。それに似たものが、私の手元にある。…試してみる価値は、あるはず。

 

「……創造開始(クリエイト・アクト)改変機構(モディフィケーション・ステージ)情報書換(コード・リライト)……」

 

まだ不馴れだけど、”創造“の権能を使って呼符の構造深部に干渉する。負荷がかかって頭痛はするけど、ラーマさんの時ほどじゃない。荒療治になったけどある程度預言書の力に慣れたのかな?

 

「言霊設定───“剣士”、“ヴィシュヌの転生体”、“男性”、“ブラフマーストラ”……こんな感じかな」

 

ここまでやれば流石に来てくれるでしょ…

 

「呼符確認。召喚シークエンス実行……霊基検索………該当。クラス・セイバー、顕現します」

 

「来なくても言霊追加するだけだからいいんだけど…」

 

「時々リッカって徹底的にやるよな…決まって自分のためにじゃなくて誰かのためによ。」

 

「相手の本当の望みなのなら、私は徹底的にやるよ?私の力が及ぶ範囲で、だけど。」

 

「リッカはたまに“本当の望み”を見抜くからなぁ…」

 

表情に表れてなくても声音や口調で分かるし……あ。

 

「サーヴァント、セイバー。偉大なるコサラの王、“ラーマ”だ。大丈夫だ、余に全て任せるがいい!それより───」

 

召喚されて名乗ったあと、ラーマさんはシータさんを見つけて笑顔になった。

 

「あぁ、シータ…!本当に……!」

 

「ラーマ様…!」

 

「いちゃつくなら部屋でやることだな、ラーマ、シータ。ちなみにこれが鍵だ。」

 

ギルの冷静な言葉に顔を赤くする二人。

 

「そ、そうさせてもらおう……ところで、リッカよ!」

 

「はぇ?」

 

「僕とシータを再び巡り会えるようにしてくれてありがとう!」

 

「わたくしからも、感謝します。ラーマ様とこのように出会えること。呪いがあるかぎり、不可能でした。」

 

「…そんな、お礼なんていいよ。愛し合う2人が会えないことほど……」

 

悲しいことってそうそうない。…そう言おうとしたとき、胸の奥がズキリと痛んだ。

 

「……?」

 

「…リッカ様?」

 

「……ううん、なんでもない。ともかく、会えないことほど悲しいことってそうそうないから。呪いで会えなかったぶん、思う存分いちゃついておくといいよ。…別の世界はともかく、この世界だと呪いは解けたままだろうからもしも座に帰ったとしてもまた会えると思うけど。」

 

「お、おぉ…!重ね重ねありがとう!…さて、部屋に行くとするか!」

 

そう言って鍵を受け取って、管制室から去っていった。

 

「……」

 

「リッカ?」

 

「……お兄ちゃん。あと、ナーちゃんもちょっと聞いてくれる?ちょっと前…ミラちゃんが来た頃からかな。さっきみたいな、“愛し合う者達が会えない”っていうことを聞くと胸の奥が痛むんだけど…なんでだろう。」

 

「………何か…心当たりは、あるのかしら?」

 

ナーちゃんの問いに首を横に振る。

 

「……胸の奥が痛い、モヤモヤする…みたいなのは、少女漫画とかでよくある表現だけどよ……なんだかなぁ。」

 

よく…分からない。

 

「…ひとまずおいておいて、召喚の続きやろう。」

 

「おう。…ロマン、あとで精密検査の準備しといてくれ。」

 

「胸の痛みの原因を調べるんだね?」

 

「心臓関連で何か起こってたらマジでヤバイからな。」

 

「それこそ人理修復以前の問題になりそうね……」

 

間違いはないから私に反対する意味はないかな…

 

「システム再起動。呼符確認。サークルの展開───霊基検索開始。」

 

「香月さん達来たりしないかなぁ…」

 

「あやつらに関しては“ない”と(るな)が断言していたぞ?」

 

「そうなの?」

 

「うむ。何故なのかは知らんがな。」

 

「大方、存在するだけで世界を壊しかねないからじゃねぇの?」

 

……あー。あり得そう。

 

「そんな馬鹿な、と言えないのがあやつらよな。」

 

「……にしても、遅いな。フォータ?」

 

検索に時間かかってる…?

 

「───霊基パターン照合、不能。未知の霊基パターンを検出。」

 

未知の霊基パターン…?

 

「サーヴァント・アンノウン、顕現します」

 

そうして、現れたのは───

 

「……あ?ここは…」

 

「…?あっ、リッカ!どこよここ!!」

 

狂王と……メイヴ?

 

「二重召喚…とな?いや、クラス違いか…マスター、コードスキャンしてみよ。」

 

言われるがままにコードスキャンして───詳細を開く。クラスはここだったはず…

 

「リッカ、なんてある?」

 

「メインクラスは………ええと、“ラバーズ”?」

 

「「「「ラバーズ(恋人)??」」」」

 

Lovers。“恋人”のクラス、って書いてある。本来単体では具現化せず、別のクラスに置き換えられて顕現するためこのクラスが顕現することは非常に稀…だって。

 

「…また、特徴としてどちらか片方が消滅してももう片方は消滅せず、強い悲しみと強い怒りによって本来のステータスよりも強力なサーヴァントと化す…だって。」

 

「扱いが難しそうだな、おい。……どうすんだ、これ…一応空間仕切りあるし同室で問題ないけどよ…」

 

一応各マイルームの鍵って7本くらい(うち1本原型キー)あるらしいんだけど、それ以外の鍵とかの管理が結構面倒らしい。あと…多分。

 

「ヒノエさんとミノトさんは同性同士だもんね。」

 

「そうなんだよなぁ…異性同士を完全同室にしてもいいものか。」

 

全マイルームの管理人だったりするからね、お兄ちゃん…やっぱりそこ悩むんだろうね。

 

「……とりあえず、あとで要望は聞いてやる。クー・フーリンはこっち、女王メイヴはこっちの鍵を使え。」

 

「お、おう…」

 

「……ま、いいわ。今はとりあえず素直に従ってあげる。リッカ、あとで一戦頼むわよ。」

 

「あ、うん…」

 

一戦、って言われても何する気なんだろうね…

 

「さ…次を回すか。」

 

「ん……お願いします」

 

「呼符確認。召喚陣展開開始───報告。強力な霊基反応。」

 

その言葉と共にサークルが虹色に輝く。

 

「む、これは……確定演出、とやらか?」

 

「ガチャだったらそうだと思うけど……」

 

「サーヴァント・ランサー。顕現します。」

 

その読み上げと共に、召喚が完了する───

 

「サーヴァント・ランサー、“エルキドゥ”。キミの呼び声で起動した。どうか自在に、無慈悲に使って欲しい───けれど。キミは、それを好かないかな?」

 

萌黄色の長髪、白を基調としたセーラーワンピース。目の色は緑で、緩やかな笑みを浮かべるその人。直感する───この人は、本来ならば男性でも女性でもない。

 

「………」

 

「───ほら、会えただろう?少しだけ時間がかかってしまったけど、本来よりも早く出会えたはずさ。」

 

「ふん、期待はしていなかったがな。」

 

エルキドゥ───というか、多分“エンキドゥ”。確か……神話上において、ギルガメシュの唯一の友とされる存在。シュメールの天空神アヌは、創造を司る女神アルルにギルガメシュを諌めるため彼と同等の力を持つ者を作るよう命じる。アルルは粘土をこねて山男を作り、知恵の神エンキよりエンキドゥという名を与えると、続いて軍神のニヌルタが強い力を授け、エンキドゥを静寂の中に置いた───つまり、エルキドゥさんは“人間”じゃなくて“人形”だ。

 

「…それよりも、だ。」

 

「うん?」

 

「その姿はなんだ?」

 

ギルがエルキドゥさんにそう問う。私は実際のエルキドゥさんを知らないからなんとも言えないけど、今ここにいるエルキドゥさんはなんというか…女子校生?みたいな感じ。

 

「これかい?キミが好きかと思って。」

 

「……」

 

あ、小さくため息をついた。

 

「…嫌だったかい?」

 

「…まぁ、よい。貴様は貴様がなりたい姿でいるがよい。我が気に入るか、などと気にするな。我は貴様が貴様であればいい。」

 

「……うん、ありがとう。じゃあ、鍵はもらっていくよ?」

 

「いつの間に持ってった……?」

 

あ、確かにお兄ちゃんの手元から鍵がなくなってる。

 

「またあとでね、ギル。」

 

そう言ってエルキドゥさんは管制室を去っていった。

 

「……さてと、一度休憩とするか。マスター達も少し息抜きしてくるがいい。」

 

「あ、うん…」

 

とりあえず一旦解散。さてと、何しようかな……ダ・ヴィンチさんの話聞くのは時間かかるだろうし。




裁「痛み…か」

リカさん?

裁「……ちょっと寝てきます。」

え?あ、うん…

香月「…さてと、そろそろ私もあの子達のところに戻ろうかな…」

あ、待って香月。

香月「んー?」

(るな)が言ってたこと、本当に頼んでいいの?

香月「問題ないよー。長い年月を生きてるからか、色々な方面への繋がりは広いからね、私。」

……ありがとうね、ホントに。

香月「気にしない気にしない。」


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