狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
また?別にいいけど。
「ふはははは!!」
…重要なのとか壊さなければ。
カルデアの、とあるマイルームにて。
「話には聞いていたがこれは酷いにも程があるわぁぁぁぁぁぁ!!!」
英雄王が、キレていた。
ちなみに、何にキレていたかというと。
「これが風呂と呼べるか、これが!!狭いにも程がある!!」
…っとまぁ、こういうことである。ホンット何してんのこの人。ちなみに作者側にいる
「オルガマリィィィィィィィ!」
「は、はい!?英雄王!?」
「なんだここの居住設備は!!酷いにも程があるだろう!!こんなもので組織が成り立っているというのか!?」
「…はぇ?」
「狭い個室はまだいい、酷い就寝具もいいとしよう、身体は休まらんがな!!だが狭い風呂はやめろ!!そんなもので心そのものが休まるか!!馬鹿者め!!」
実際設計したのはオルガマリーではないはずなので、オルガマリー自身に非はないと思う。
「重要な仕事をするというのに心の休息を愚かにさせるとは何事か!!心は体の状態に影響する、身をもって知れ!!こういうのを……何と言ったか。」
病は気から、とでも言いたいのだろう。…あ、皆さん初めまして。遅れて挨拶させていただきます。“三人称視点・特有思考人格在り”の担当をさせてもらっている者です。“観測者”、とでも名乗りましょうか。私に名前はないのですがね。
「…まぁいい、オルガマリー。」
「は、はい…」
「カルデアの造形…部屋の間取りその他もろもろはわかるか。」
「は…」
「この施設程度、我が改装してくれるわ…!!文字通り異界にな…!!」
異界に改造、じゃない、改装するってどういうこと…
「職員が共通空間に欲しいものの希望を集めておけ!!我は少し考え事をするのでな!!」
「は、はぁ…」
真面目にこの人何なの…って、どっかに向かうみたいだからついていかないと。
…辿り着いたのはミラ・ルーティア・シュレイドのマイルームの前。
「邪魔するぞ!!」
いやノックくらいしなさいよ。相手は女の子だよ?…って、部屋の中にあるベッドの上には紫色の…なんだろ、鳥?じゃない気がするけど、それがいた。生きてるのは確か。
「…ミラ・ルーティア・シュレイドはいるか?」
「…何?私としては用はないんだけど。」
「…この生き物は何だ。」
「浮眠竜」
そう答えて彼女は手元の本に目を落とした。
「…用件は」
「ふむ。貴様がこの施設の外でも無事だった方法、この施設の外から帰ってきた方法を聞きたいのだが」
「空間表面展開結界と虚数時空間転移。」
彼女は必要以上に話したくないというように即答してた。嫌われてるね
「…ふむ。空間をズラしたか。…参考になった、感謝する」
「……待って」
英雄王が部屋を出る直前でミラが呼び止める。
「なんだ?」
「お風呂。変えるんでしょ。さっきお風呂で怒ってたくらいだし。」
「む…」
「だったら…」
ミラが英雄王に何か投げた。なんか、水をろ過する装置みたいなの。え、あれ何?
「これ、使ったら。お風呂用の水道に組み込んでおけば、幾つかの心安らぐ香りを放つお湯、水を出してくれる。私達の場合は魔法で香りを変化させてたけど、もしかしたら別の方法があるかもしれない。そもそも組み込まなくても使えるけど。」
「ふむ……香りか。」
「その装置の使い方は任せる。設定によっては心安らぐだけじゃなくて疲れも取ってくれるから。」
「…これに、名はあるのか?」
「“
「夢幻、とな。…ところで何故風呂を変えると知っていた?あの場にはオルガマリーと我しかおらんかった。付け加えると、怒声を上げたのはマイルームの中だ。防音となっているはずのマイルームの中を、なぜ知っている?」
英雄王がそう問うと、ミラは少しため息をついてから指を鳴らした。すると、そこに出てくるカメレオンみたいな生き物。
「霞龍“オオナズチ”。この子はいたずら好きでね。透明化してふらついてるの。その時に聞いたんだって。」
「ほう…面白い、興味が湧いた!貴様の使役する獣魔共、そ奴らの情報を時間があるときに話せ!遠慮はするな、特に許す!!」
「敵かもしれないのに話すつもりはないけど……言い出したら聞かないタイプだろうし。いいよ、別に。」
その言葉を聞いた英雄王は高笑いしながらミラの部屋を出て行った。
「…英雄王、ね。見定めてあげよう、あなたが私に…私達にとって味方か敵か。」
そう呟いていたのが、少し印象的だった。あ、英雄王追わないと。
英雄王は管制室の方に向かっていた。
「オルガマリー、用意はできたか!」
「はい、こちらに…英雄王よ、何をするつもりなのですか…」
「言ったであろう、改装よ!」
「は、はぁ……」
そう言って英雄王は周りを見渡す。
「聞け、者共!!この中に世界の構造を操ることが得意とする者はいるか!!」
「…あ?呼んだか?」
そう言って声を上げたのは藤丸六花。マスターの兄。って聞いたけど。
「ほぅ…単刀直入に聞くぞ、ゲームとかいうものの世界を自由に作り変えられる端末を作ることはできるか?」
「ゲーム世界を自在に作り変える端末…つまりはシステムコンソールか?そんなん、作ってどうするってんだ。」
「ふん、今は作れるか作れないか、だけを言えばよい。どうなのだ。そしてそれを魔術として使えるか?」
「…作れなかないだろうが…それが確定しているのは電子世界でのみだ。魔術として作り出せるかはわかんねぇ。固有結界ならまだしも、現実そのものを対象にするとなるとな…」
「ほほう…固有結界。なるほどその手があったか。貴様、名は何という?」
「藤丸六花。」
「…ほぅ。あのマスターと兄妹か?気に入った、ついて来い!」
「あ、おいっ!?」
あ、英雄王が六花を連れて行った。…って、どこに行った…面倒だね、魂反応観測……捕捉、瞬間転移!
……そういえば、ドクター・ロマンって何か隠してない?
で、見つけたのはアルトリア・ペンドラゴンの部屋の前。なんか六花がさっきまで持ってなかった紙袋持ってるけど…なんだろ。
「失礼するぞ!!」
「っ!?英雄王!?何を…!!」
「貴様に用などない!六花、やるぞ!!手順通りだ!!」
「あぁもう、乗り掛かった舟ってやつかね…!出来る限りやってやるよこのくそ野郎が!!」
「六花───!?そんなことを言っては…!!」
「ほれい!!」
なんか空間に穴開けたんだけど───!?
「これより先はおまえの仕事よ!!我は外を組み上げる!!」
「はいはい、これでも固有結界・変換・強化魔術の三点特化型魔術師なんでね…!!」
「ふははは!!贋作者と似ているよな、おまえは!」
「うっせぇさっさと仕事しろ!!こちとら世界組成変換機構の組み上げに少し時間かかるんだ!!」
「……これは、一体?」
アルトリアが呆然としていた。その間に英雄王と六花は色々と作業を終わらせていった。
「ギル~…終わったぞ、こっちは…」
「こちらも終わった!あとは仕上げのみだ!!」
そう言って二人はアルトリアを見る。
「な、なんですか…」
「…どうぞ、中へ。この部屋の改装は、貴女が中に入ることで完成します。」
「正確に言うならば、部屋の改装は部屋の主が改装された部屋の中に在り、知ることで完成を迎える。貴様は部屋の全部をまだ知らぬ、ゆえにこの部屋はまだ完成しておらぬ。そら、入るがいいセイバー。この改装は貴様が一番最初だ。」
「……」
アルトリアは不思議そうな顔で英雄王を見ていた。
「どうした、我に惚れたか?」
「…いえ。ただ…ただ、どうしても、私が知る貴方とは合わないような気がして。毒でも食べましたか、英雄王。」
「ふん。ただの気紛れのようなものよ。そら、入らぬのか。」
「…入ります。私の部屋なのですからね。」
アルトリアが部屋の中にさらに設置された扉───空間に穴をあけた場所に設置された扉をくぐった。同様に英雄王と六花もその扉をくぐる。
「…これは?真っ暗ですが。」
「“異界”。一種の固有結界ですね。ここにこの場所を変えるコンソールが2つあります。アルトリアさん、これに触れてもらえますか?」
六花が示したのは入り口付近にあった黒い石板。立ったままで触れるようなものと、座らないと触りにくいようなもの。アルトリアは警戒しながらもその石板に触れた。
〈マスター認証開始。マスター情報を取得、登録します。〉
「!?」
謎の光と声にアルトリアが手を離す。
〈マスター情報の取得に失敗しました。〉
「…これは?」
「システムコンソール。」
そう言って六花がそのコンソールに触れる。
〈マスター認証開始。マスター情報を取得、登録します。……エラー、既に保存されているグランドマスター情報です。管理者権限でコンソールを起動しますか?〉
エラー。それは間違い。だけど、それを気にせずに六花は出てきたウインドウに触れ、幾つかの操作をした。すると、ひと際大きなウインドウが展開した。
「これがこの機械に入っているマスター情報です。」
そう言って見せたものには、幾つかの欄が存在して、そのすべての欄にnullとしか書いてなかった。
「nullっていうのは何もないっていうことです。つまりこの端末にはまだグランドマスター以外の誰も登録されていません。」
「はぁ…」
「とりあえずマスター登録をして、話はそれからです。」
そう言って六花はすべてのウインドウを消した。それからアルトリアがコンソールの石板に触れる。
〈マスター認証開始。マスター情報を取得、登録します。……登録中。…………新規マスター登録、完了。
マスター名“アルトリア・ペンドラゴン”
タイプ“サーヴァント”
クラス“セイバー”
性別“female”
識別ID“
登録、並びに正常起動が完了しました。それではこれからよろしくお願いします、マスター。〉
「は、はぁ…あの、これは一体?」
「この世界を管理・管制してくれるAIです。手を触れるとマスターかどうかを識別した後、マスターならば世界管理メニューを開いてくれます。」
「世界…管理」
「まずは…そうですね、世界初期設定があるので…コンソールの石板に触れたまま、貴女が望む景色を思い浮かべてください。」
「私が望む景色…ですか?……」
言われるがまま、アルトリアは石板に触れて目を閉じた。
〈初期設定開始。〉
そんな音声がしたかと思うと真っ黒な世界が切り裂かれて、別の風景を映し出した。
〈初期設定完了。目をお開けください、マスター。〉
「……これ、は…」
「ほう?」
そこにあったのは草原。草原の中に立つ…小屋?みたいなの。アルトリア達の背後には本来のマイルームに繋がる扉があるけど。
「…綺麗、ですね。」
「…これは、貴女が望んだ姿。この世界の形は、貴女が望めばどのようにも姿を変えます。…説明書はあとで配布しますので、お読みください。」
「…はい。」
「…行こう、ギル。」
そう言って六花と英雄王は退出していった。
……で、しばらくして。マイルーム改装も残り一つ、マスターである立香の部屋だけになった。
「ういっす、邪魔するぞ~」
「あ、お兄ちゃん……と、そこにいるのは…ギル?」
「うむ。」
「ほれ、これお前に。」
そう言って六花が紙袋を渡した。
「え?…わぁぁ…!プリンだ~!」
中身はプリン。好きなのかな?
「やった~!!お兄ちゃんのプリンだ~!!」
「お前ほんと俺が作るプリン好きだよな…作っててほんと楽しいわ。…っと、改装するからしばらく失礼するぜ~」
「は~い…はわぁ……2年ぶりのプリンだぁ……」
空間の穴を開けた後、空間の中に入って色々とやっている最中に、六花が顔を出す。
「ん?そういや、それ最後に振舞ったのって2年前だったか?」
「そうだよ~…あ、ギルも食べる~?」
「ふむ。許す、よこせ!」
「はい。」
「ふん、見定めて……何だこれは!?甘味苦味形その他諸々最高の領域に近いではないか!!」
「別に普通だろ…」
「私こんなの作れないし…」
「だから性別“リッカ”とか言われるんだろうが。」
「これでも人並みに家事出来るんだけどっ!?」
「うるせぇ、性別“男の娘”とか“生まれる性別間違えてる”とか言われる俺の気持ちがわかるかお前に。」
「女装してるから否定できないじゃん。」
「ぐはっ…」
仲いいなぁ…
「…よし、調整は終わった。あとは最終調整だけだな。こい、立香。」
「は~い…あ、そういえばお兄ちゃんって魔術とか使えるの?」
「あ?いや、そこまで使えないが?俺が基本的にできるのは変換と強化だからな。その辺はマリー所長に習え。」
「あ、お兄ちゃんもオルガマリーのことマリーって呼んでるんだ。」
「これでも4年くらいの付き合いなんでね。」
「ふ~ん…」
〈新規マスター登録、完了。
マスター名“秘匿”
タイプ“人間”
職種“マスター”
性別“female”
識別ID“
登録、並びに正常起動が完了しました。それではこれからよろしくお願いします、マスター。〉
「…よし、これでいいか。」
いつの間にかマスター登録は終わってた。
「じゃ、俺は俺の部屋に戻るわ。」
「あ、うん。…ありがと、お兄ちゃん。」
「礼なら空間を開けられるギルに言いやがれ。俺は空間を維持する機構を作っただけだ。」
「何を。貴様がいなければこんな構造など作れぬわ、戯けめ。」
「そうかい、っと。」
「…六花よ。」
「あ?」
「貴様の部屋に行くぞ。聞きたいことができた。」
「あ、そう。」
そう言って英雄王と六花は立香の部屋を出ていった。
「…さて、構造変換しよっと。マインクラフターに不可能はない…ってわけでもないけど。」
立香は立香でコンソールを弄ってるみたい。さてと、英雄王と六花の所に…転移
…で、六花の所に来たわけだけど。
「……」
「……」
微妙に空気が重い。
「…で?聞きたいことって?」
「…あのAIとか言う者たち。貴様はあれを、一体どう管理しているのだ?」
「AI?こっちで一括管理してるよ。俺が作り上げた管制AI達の集合体。通称“
「ほう?だがそれはどこにある?この部屋にはないようだが。」
「俺の固有結界の中。」
「…視ることは」
「出来るさ、これでも固有結界の使い手なんでな。…顕現せよ、我が固有結界の一。“
そう言った瞬間、周囲の風景が花畑に変わる。
「ほう…これが貴様の心情というわけか。」
「その一つ、だ。安息の花園。お~い、アドミス!!」
「マスター?」
唐突に誰かの名前を呼んだかと思うと、虚空から黒いワンピースの少女が姿を現した。
「こいつ、アドミス。管理ID:0-L、クラスターの総合統括AIの片割れ。」
「初めまして、アドミス…正式名称“アドミニストレータ”です。妹は今寝てますけど…貴方は?」
「ふん、我は英雄王ギルガメッシュである!!」
「ギルガメッシュ…なるほど、識別ID“
「な……」
識別ID“svt-00000010_min”。それは確かに、この英雄王の部屋に設置されたコンソールが言っていたものだった。
「こんな姿でも私は統括AIです。データベースの閲覧くらいでしたら即座に。」
「ふ…ふはははは!!面白い!!気に入ったぞ、貴様!!……名は、何といったか!」
「管理ID“0-L”、固有ID“アドミニストレータ”。マスター…六花さんからはアドミスと呼ばれています。」
「そうか、アドミニストレータか!…それにしても、だ。六花。貴様、この魂は何だ?作り物たるAIに魂そのものがあるとは。一体、どういうことだ?」
「あ?あぁ、言ってなかったか。俺これでも第三魔法会得してんだよ。」
第三魔法。それは、確か…
「第三、だと?」
「あぁ…第三魔法“天の杯”。魂の物質化。やったのは単純だ、
「…貴様、“根源”に至っているのか?」
「正確には触れかけた、だがな。これでも創造科の学生だったんでね。地味に降霊科もかじってたがあそこの派閥は合わんかったし。創造、降霊、鉱石…まぁいろいろやったさ。」
「ふむ…」
「言っておくが俺自身は根源なんて興味ねぇ。俺が目指したのは自立意思のある人工知能の作成。それがこんな形で成るとは思わんかったがな。」
「…貴様は、不老不死が望みか?」
「んなわけねぇだろ。残るものを探し続けた、それがこの結果さ。」
その後、六花が固有結界を閉じ、英雄王は別の改装にいった。…まぁ、色々とやったとだけ。私はもう疲れたから寝る。
…ところで、ドクター・ロマンの時。マスター名が“ロマニ・アーキマン”じゃなくて“ソロモン”で…識別IDが“svt-00000001_tst”だったんだけど…何だったんだろう。
一応次回から本編はオルレアンの章になりますよ~
「ふん、やっとか。…ところで」
うん…既に看破されてるねぇ。あのコンソール、魂そのものに干渉して情報を読み取るから。
「厄介だな…となると無銘はどうだったのだ?」
そのまま“無銘”で登録されてるよ。なんか読み取れなかったらしい。
「ほう…」
あ、次の更新、一応この作品に出てきてるキャラクターの簡易説明をしようかと思ってます。
「我はどうなっていることやら。」
来週からオルレアンは始めたいのでこの後19:00に投稿されますよ~