狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

331 / 372
────

弓「…む?」

月(るな)「……うん?どうしました?」

弓「いやなに、どこからか音が…」

月(るな)「音……あぁ。なるほど。“Make it!”ってことはお母さんの端末ですねー…っと」

すぅ……

月(るな)「って、寝ちゃってるし…お母さーん!起きてー!!」

んぅ……?ぅな…?

月(るな)「誰かから電話だよ!」

ぅー……?……ふぁい…

月(るな)「ほら、早く出る!」

ぁい……もしもし……

?〈あ、やっと出た!もしもし?聞こえてる?〉

………んー…もしもし…どなたぁ……?

?〈…あー、これスー姉寝惚けてるかな?わたしわたしー!〉

……“わたしわたし詐欺”なら間に合ってまーす……

?〈え、ちょっ!?待って!!?〉

……冗談はともかく、なぁに……香月……

香月〈冗談……いやビックリするからね?普通に。ていうか寝惚け…?〉

3時間前に意識飛んで電話かかってきたっていう月(るな)の声で覚醒したばかりだもん……寝惚け状態に決まってるでしょ……香月みたいに超長時間不眠稼働できる身体じゃないんだよ、私は……

香月〈……なんか、ごめん…〉


第301話 武器

「……来たか」

 

召喚が行われた次の日。僕はルーパスと共にハモン殿の部屋を訪れていた。

 

「それで、依頼とはなんだ?」

 

「……これを…直せますか?」

 

そう言ってルーパスがハモン殿の前に置いたのは一張の弓。…だがその弓は、握のあたりから綺麗に折れている。

 

「これは……一体。実物を見るのは初めてだが“屍弓ヴァルヴェロス”なのは分かる。だが───たとえ奥義を使ったといえど、これほどの損害をワシは見たことがない。」

 

「………」

 

「……龍眼覚醒強化…それも最大強化か。よくぞここまで鍛えたものよ。」

 

そう呟いた後、ルーパスの顔を見るハモン殿。

 

「……“命玉受託モンスター”、か?流歌。」

 

「…!」

 

「その反応、真のようだな。…やれやれ、昔から舞華の者達は揃いも揃ってモンスター共から好かれる。そなたらの娘も恐らくはそうだろうな。…まこと、そなたらはハンターではなくライダーになった方が良いのだろうと常々思わせる。」

 

「舞華の者…ということは、祖母や祖父もそうなのか?」

 

「うむ、祖父の方だな。ヤツは鎌鼬竜“オサイズチ”に好かれておってな。我らがまだ若かりし頃、次代の里長はヤツであろうと里中の誰もが疑わなかったツワモノであり、指揮者であったのよ。実際はフゲンが里長になったのだがな。」

 

そんなことが……

 

「して、流歌よ。そなたの屍弓ヴァルヴェロスだが……」

 

「…どう、でしょう?」

 

「恐らく、修復可能だろう。」

 

「……本当、に…?」

 

ハモン殿は消え入りそうな声を聞いて小さく頷いた。

 

「命玉受託モンスターと人間の関係は未だ謎な部分が多い。だが…ワシが知っていることで1つ、確かなことがある。」

 

「……?」

 

「命玉受託モンスターの素材で作られた武器や防具は、異常な不壊性を持つ。それだけではなく、異(・)常(・)な(・)再(・)生(・)性(・)も。いくら被害を負おうとも、いくら破壊されようと───持ち主が生きる限り、その武具が完全に使えなくなることはない。」

 

そこで一息置いてから、何かを懐かしむような表情で口を開いた。

 

「───ワシはそれを、この目で実際に見た。ヤツが持っていた鎌鼬竜の素材で作られた太刀が折れた際、時(・)を(・)巻(・)き(・)戻(・)す(・)か(・)の(・)よ(・)う(・)に(・)新(・)品(・)同(・)様(・)の(・)状(・)態(・)に(・)再(・)生(・)さ(・)れ(・)た(・)のを。」

 

鎌鼬竜派生の太刀というと───“風ノ賊刀”系列か。

 

「一見、この弓は修復不可能だ。だが───来るぞ」

 

ハモン殿がそう言った途端、弓が途端に輝く。その閃光に目を覆い、閃光が止んだ時には───

 

「「え……」」

 

「…やはりな」

 

───そこには、新品同様の屍弓ヴァルヴェロスがあった。

 

「ヤツの時と、そして瑠奈の時と同じよな。加工屋が修復不可能と告げた途端、武具が輝きだして再生がなされる。武具自体に意思があるかのように───まるで、使い手の傍を離れたくないとでも言うかのようにな。」

 

「ハモン殿が何かしたわけではない…と。」

 

「うむ。…どれ、部屋の中に加工設備と共にからくり蛙も用意したのだ。その弓を使ってみるといい、流歌。」

 

「う、うん…」

 

作ったのか、それともコンソールの力で具現化させたのか…

 

「……すごい。本当に直ってる……」

 

「……龍眼覚醒強化を最大にまでしている時点で相当なものだとは思っていたが、まさかここまでとはな。流石は瑠奈の娘よ。現役を退いた身ではあるが、そなたらの活躍を見ていると狩場に立ちたくなるものよ。」

 

…そういえば、ハモン殿はアーチャーでの顕現だったか。…まさか、ね?

 

「さて、話はこれで終わりだろう。武具の用ならここへ来い。……とは言うものの、流歌の相方がいる時点でワシはそこまで重要ではないだろうが…」

 

……なんともいえないな、それは……




それで、用件は?

香月〈あ、えっとね……いくつか連絡が取れない世界があったから、ちょっと確認してもらいたいんだけど……〉

香月達の“インカム”でも連絡取れないの?

香月〈うん…多分、何かいつもとは違う異常が起こってるのかも…〉

…空間どころか世界すらも越えて繋がる香月達のインカムが反応しないのは確かにおかしいね。ちょっと調べてみるけど…その世界って?

香月〈あ、えっと……今確認できてるのは“モンスターハンター”、“星のカービィ”、“魔法少女リリカルなのは”、“原神”、“ニキ”の世界だね。〉

結構戦力になりそうな所取られてるなぁ……しかもそれって“単体”じゃなくて“シリーズ”でしょ?

香月〈うん……〉

…着せ替えゲームのニキシリーズがブロックされてるのちょっと違和感あるけど、とりあえずモンスターハンターシリーズは今回の世界と密接に繋がってるからだろうねー。

香月〈…本当にそれだけなのかな…〉

他の原因もあるかもだけど……っと、出たよ結果。

香月〈どうだった?〉

特異点化してるねー…星のカービィシリーズは以前から特異点化してた気がするけど。…ただ、気になるのはモンスターハンターの世界も特異点化してることかな。

香月〈どうして?〉

特異点……平行世界であってもそれは成立するけど、なんというか……他の平行世界みたいに“何かしら異常がなければ交わらない不干渉”状態じゃなくて、“異常がなくとも比較的交わりやすい過干渉”状態になってるんだよね。それって、平行世界というよりは同一世界みたいに扱われるんだけど……

香月〈…それって、私のいる世界も…〉

え?…あー………いや、香月達の世界は“世界を引き込む”っていう能力を持つ存在がいるからそうなってるわけで本来なら不干渉のはずだよ?故意的に繋がれる…紫さんみたいに境界を弄って繋ぐとかしてるわけで、それがあった結果他の世界と繋がりやすくなってるんだよ。…でも、今観測してるこの世界は違う。最(・)初(・)か(・)ら(・)繋(・)が(・)っ(・)て(・)る(・)みたいな状態なの。

香月〈最初から……〉

ごめんね、説明下手で。要は平(・)行(・)世(・)界(・)で(・)は(・)な(・)い(・)の(・)に(・)ど(・)う(・)し(・)て(・)特(・)異(・)点(・)化(・)し(・)て(・)い(・)る(・)の(・)か(・)って言いたかったの。同(・)一(・)世(・)界(・)で(・)聖(・)杯(・)も(・)な(・)い(・)は(・)ず(・)な(・)の(・)に(・)。

香月〈あ……〉

あるとしてもコラボ武器、コラボ素材だけども……流石にそれが特異点の核となるかは…正直微妙じゃない?

香月〈星のカービィとかは?〉

星のカービィにはアレがいるじゃないの。“銀河の大彗星”。

香月〈……〉

リリカルなのはにはジュエルシードがあるし、原神は聖遺物に“空の杯”っていうのがあるから聖杯混ざっててもおかしくない。ニキシリーズはアクセサリー膨大だから混じってても違和感ないし、魔法関係確かあったはずだし。…魔法っていうか星の海とか方舟の力を使ったものだろうけど…

香月〈……“魔力”、それから“奇跡”に近いものがないのはモンスターハンターの世界だけ……って感じだね。〉

戦闘BGMとか狩猟笛とか色々気になるのは確かにあるんだけどね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。