狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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裁「合掌。」

弓「ニトクリスか……ふむ。合掌。」


第314話 どうしてこうなった───by.女王ニトクリス

「……あ?」

 

砂嵐の吹く砂漠の中をバイクで走る私達。そんな中でお兄ちゃんが何かに気がついた。

 

「どうしたの、お兄ちゃん?」

 

「人面の獣……ありゃスフィンクスか?」

 

スフィンクスっていうと……

 

「謎かけで有名な神獣だよね?」

 

「おう、そうなんだが……まぁ、エジプト領だしいてもさほど不思議ではないか……んで、前方からサーヴァント反応が…3つ。」

 

「3つ……」

 

「1つは縛られてるが…戦闘になるかもな。とりあえず、結界内にいるマシュとサーヴァント達はいつでも出撃できるように準備しといてくれ。」

 

〈〈〈〈〈了解〉〉〉〉〉

 

そんな返事があったあと、お兄ちゃんが何かを考えてボタンを押した。“DIG”、“DIVE”───掘り、潜る?

 

「奇襲するか」

 

ガガガガガ、という音とともにバイクが砂に沈んでいく。…これ、なんか結界張ってあるっぽい…砂の中にいるのは事実なのに私の身体に砂がかからない。

 

「…このあたりか」

 

…今気づいたけど、普通のバイクのハンドルの他にゲームのコントローラーみたいな上下左右に動くハンドルがある。それを上に倒すとバイクが上に浮上していって───

 

「ブーストジャンプ」

 

宣言と共にボタンのランプが点灯、砂の中から勢いよく飛び出す。

 

「な、何奴───!?」

 

「───マシュ、お願い!」

 

「───はいっ!はぁぁぁっ!!」

 

私の声で姿を現したマシュが盾で地面を殴り付ける。

 

「続いてルルさん、スピリスさん!!」

 

「「任せるにゃ!」」

 

同時にアイルーの二匹が顕現し、捕らわれていた女性のサーヴァントの紐を切る。

 

「「撤退にゃ~!!!」」

 

「な、何ぃ!?」

 

スピリスさんがどこからか出した台車にその女性のサーヴァントを運び始めた。

 

〈スピリス、ネコタク持ってたんだ…〉

 

〈ともかく彼女はこれで1落ちだな。〉

 

〈わふっ。〉

 

〈報奨金保険もついてないと思うからあと1回運ばれたらあとがないねー。〉

 

ルーパスちゃん達は何の話をしているの…?

 

「手をとって、マシュさん!」

 

「…!はいっ!」

 

マシュはミラちゃんの手をとってバイクに復帰、私達はその場から一気に離れた。

 

「………」

 

……砂嵐の中、私達を見ていた人影がすごーく気になったけど。

 

 

「……よし、ここまでくればいいか。」

 

お兄ちゃんがそう言って停止したと同時に、スピリスさんとルルさんが運んでいた女性のサーヴァントを地面に転がした。それと同時にルーパスちゃんとリューネちゃんも外に出てくる。

 

「……雑じゃね?」

 

「……雑だね。」

 

「「こんなものじゃない?」」

「こんなものじゃないか?」

 

そうなの?

 

「う……」

 

「あ、起きた?」

 

「衝撃で起きたっぽいな。……嫌な予感もするが、大丈夫か?」

 

「…………」

 

…………嫌な予感、的中しちゃった?

 

「何者です、無礼者達!私をファラオ、“ニトクリス”と知っての狼藉ですか!!」

 

ニトクリス……!紀元前2000年以前の魔術女王!エジプト第6王朝最後のファラオ!!

 

「「「………誰?」」」

 

「「〈ですよねっ!!〉」」

 

そうだよね、知らないよね!こんな時でもルーパスちゃん達はいつも通りだ…!

 

「………っ!私を知らないなどと!!私を笑い者にするつもりですか!!」

 

「「「いや実際に知らないし……」」」

 

「っ、ともかく!私を薬で眠らせ神殿の外まで連れ出すなどという蛮行、見過ごせません!本来であれば太陽王の帰順を問うところですが、貴女達はまず蛮勇を以て女王ニトクリスの許しを得なければなりません!」

 

「…人の話聞かなさそうだな、こりゃ。…1度ぶっとばせば聞くようになるだろ。」

 

お兄ちゃんの言ったこと、物騒だけど多分それが一番なんだよね…

 

「っつーわけで峰打ち。」

 

「冥界の鏡よ、いでませぇい!この者達に我が恥辱を千倍増しで返してください!!」

 

「───相手(ニトクリス)は単なる八つ当たりな気もするけど峰打ちで頼む!!」

 

「うん、みんなお願い!!」

 

相手として現れたのはシャドウサーヴァントと───スフィンクス!?

 

〈わわわ、スフィンクスなんて神獣、神秘が強すぎて倒せるわけが───〉

 

「スフィンクスはルーパスちゃん達、やってみて!!」

 

「え!?」

 

「リッカ殿に考えがあるのだろう。やるぞ、ルーパス。」

 

「わ、わかった……ていうか特異点でまともに異世界の存在と戦うの久しぶりな気がするんだけど!?」

 

あ、確かに?

 

「相手の神秘が強いっていうなら───こんな武器はどう!?」

 

その言葉と共に手元に姿を現したのは青紫みたいな色の弓。

 

「応えて、アルカニス!」

 

「“煌黒弓アルカニス”───煌黒龍派生の最終強化!言わずもがな禁忌古龍武器です!」

 

「ふ、ならば───彼女のよりは緩いが、これでどうだい?」

 

そう言ってリューネちゃんが操虫棍を取り出した途端───スフィンクスが、()()()

 

「え……?」

 

その棍を怖れるかのように。その棍に恐怖を覚えたかのように。スフィンクスが、怯んだ。

 

「───唸れ、“()()()()”!!」

 

アヌビス───!?それって、エジプトの冥界神の名前!!道理で…!!

 

「呆けている時間なんて与えないぞ───鉄蟲糸技、“覚蟲撃”!!」

 

そう宣言すると同時に、リューネちゃんが猟虫を勢いよく飛ばして───

 

 

───バズンッ!!

 

 

「「「───はっ?」」」

 

……スフィンクスの身体に、巨大な穴を空けた。そして、そのスフィンクスは───

 

「な、消え……!?」

 

───消滅、した。リューネちゃんの……たった、()()で。

 

「あ、あわわわ……ファラオの神獣が……オジマンディアス様より預かった貴い神獣が……このように地上からいとも容易く、完全に消え去るなんて───!?い、一体なんだというのです───!!」

 

……ドクターと立てた仮説が立証された、かもしれない。それは、“ルーパスちゃん達の世界の神秘がこの世界の神代よりも遥かに古く、強いもの”だということ。だからこそルーパスちゃん達にとってはただの弓であってもサーヴァントにダメージを与えられる。…そしてそれは、たとえ神代の存在であっても同じ。

 

「えっと……すまない。悪気はなかった。」

 

「な、何故……神獣が……」

 

「……はて、どうしたらいいのだろうか。…それはそれとしてそこで見ている者、いい加減姿を現したらどうだろうか?」

 

リューネちゃんがそう言うと、砂嵐の中から白銀の鎧を身に付けた人が現れた。

 

〈……サー〉

 

『アルトリアさん?』

 

〈サー…ベディヴィエール……?〉

 

「───え。」

 

アルトリアさんとの通信は私にしか聞こえてないけど…ベディヴィエール……?

 

「申し訳ありません。機会を逃していたもので。…もしも止まらないようでしたら私が、とは思っていたのですが…まさか、スフィンクスを消滅させてしまうとは。」

 

〈何故、サー・ベディヴィエールがここに……?英霊の座に、彼は……〉

 

………!あの人……!

 

『アルトリアさん!あの人、()()()()()()()()()()()()!!』

 

〈なっ…!?〉

 

『何かで隠蔽されてサーヴァントに見せかけられてる!!そしてあの銀の腕───あれ()()()()()()()だよ!!』

 

〈エクスカリバー…?っ!まさか、彼は…!?生き続けているのですか!?私が亡くなってから、ずっと!!〉

 

多分───そうだ。生き続けて、生き続けて───この特異点に辿り着いた。…何が目的かは分からないけど。

 

「───ということで、彼等は貴女を義を以て救っただけに過ぎません。…些か謎な部分は多かったですが、救われた身としてその態度は失礼に当たるものでは…?」

 

「…はい、申し訳ありません、旅の方々……」

 

あ、お話……というかお説教?が終わったみたい?

 

「とりあえず、信じてもらえたようで何より……ところで、なんですけど。」

 

「は、はい」

 

「…これを」

 

そう言って私はニトクリスさんに1枚の羊皮紙を見せる。

 

「……?────」

 

あ、固まった。

 

「起きてくださーい…」

 

「───はうぁっ!?な、な、な───」

 

「……お分かりいただけましたか?」

 

「た、た、大変申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!」

 

わぁ、綺麗な土下座……

 

「な、何卒お許しを……!」

 

「許すも何もないとは思うんですけど……とりあえず、案内してもらっても…??」

 

「は、はい……」

 

……ちなみに、何を見せたかっていうとオジマンディアス王直筆の通行許可証。管制室を出る前に“持っていけ”って言われて持たされたやつ。

 

「…では、私はこれで───」

 

「あ、待って、ベディヴィエールさん!!」

 

去ろうとしたベディヴィエールさんの名前を呼ぶと肩を大きく震わせて立ち止まった。

 

「……何故、その名前を……?私は“ルキウス”としか名乗っていないはずですが?」

 

「あれ、そうだったの?マシュ。」

 

「は、はい。」

 

「……えーと……」

 

「───私が教えたのです、サー・ベディヴィエール。」

 

あ、アルトリアさんが出てきた。

 

「な───王…?」

 

「……貴方が何を急いでいるか、今は正確には分かりません。ですが、ゆっくり話してはくれませんか。…私は今、貴方を知りたい。」

 

「……は、はぁ…」

 

「……ひとまず、太陽王の神殿まで行きましょう。…ギル」

 

「うむ、その身体の修復もせねばな。だが、なによりもまずは一度落ち着くところからだ。」

 

……とりあえず、オジマンディアス王の神殿まで全員で行くことは確定した。……ところで。

 

 

リーン……コーン……

 

 

………特異点に来たときから聞こえるこの鈴とも鐘とも取れるこの音。一体なんだろう……




うー……難しいなー……正史から外れた展開が多そう。

(るな)「観測が難しいってことはそういうことだもんね…」

ん……


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