狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い   作:Luly

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裁「あー。」

どうしたの?

裁「……合掌」




第318話 太陽が欠ける

白亜の巨塔。聖都キャメロット───聖抜の儀が行われるという地に私達はやって来た。…もう夜だけど。

 

「聖抜…一体どういうものなのでしょうか。」

 

「……嫌な予感はしてるけどね。」

 

「あぁ……旧世界の王城に近い雰囲気を感じるぜ。傲慢、策略、横暴……人間、つーか王族の悪いものが渦巻く、そんな雰囲気だ。」

 

「なんか怖い…」

 

「殺意、のようなものも感じ取れますね。酷く静かですが。」

 

『………どう考えても良い方向に行くとは思えない』

 

精霊達も全員否定的な意見。…私の直感も嫌な予感を感じ取っているけど───

 

「…!」

 

突然、夜景だった空が明るくなった。太陽が昇り、昼と化した。ということは───

 

「───“不夜”の祝福(ギフト)…!」

 

「狂乱円卓が、顕れた───」

 

その昼になったのに気づいた難民達───ざっと100名。その人達もざわざわと騒ぎ出す。

 

「いつの間に日が昇ったんだ…?」

 

『───来るぞ』

 

お兄ちゃんの言葉の直後、声が響く。

 

「落ち着きなさい。これは獅子王のもたらした奇跡。“常に太陽の祝福あれ”と。私に与えたもう……た……?」

 

現れた男の人が言葉を発している最中に、()()()()()()()()()()

 

「なんだなんだ……?」

 

「また、暗く……?」

 

暗く……ううん、()()()。夜じゃないけど、どこか暗い。何故か───

 

「───っ!!!」

 

───周囲を見渡して、私は“それ”を見た。───()()()()()()、その光景を。

 

『───滅びの時間が近づいている。』

 

……滅び…

 

『……この世界はもうすぐ死ぬ。』

 

「───世界が滅ぶ前に、真に価値あるものを預言書に書き記すのです…!」

 

真に……価値のある、もの。

 

『本当に……価値あるものなんて。この世界にあるの?』

 

「「「……」」」

 

沈黙が降りる。…本当なら否定したい、けど。ネアキちゃんの言う通りだ。……私が預言書に記すべき“本当に価値あるもの”って、なんだろう?

 

「……皆さん。まずは、自ら聖地にお集まりいただけたこと、感謝します。」

 

その声で物思いに耽っていた私の意識が引き戻される。…いけない、太陽が欠けたことよりもまずは聖抜に集中しなきゃ。

 

「人間の時代は滅び、また、小さなこの世界も滅びようとしています。主の審判は下りました。もはや地上のいかなる場所にも、人の生きる余地はありません。…そう、この聖都キャメロットを除いて。」

 

『サー・ガウェイン…言っていることが滅茶苦茶だと思いますよ』

 

あれ“ガウェイン”さんなの……!?なるほど、道理で“不夜”を与えられるわけだ…!……なんだけど。

 

『……アルトリアさん。この状況であの人の能力……“太陽の出ている間は3倍に近い能力を発揮する”って効果を発揮するのかな?』

 

『…………………出落ち感がすごいですね、サー・ガウェイン。』

 

あ、やっぱり反応しないっぽい?すごく長い沈黙だった気がするけど。

 

「我らが聖都は完全、完璧なる純白の千年王国。この正門を抜けた先には理想の世界が待っています。いずれ落ちる偽りの太陽とは違うのです。」

 

いや、真の太陽落ちてるけど。偽りの太陽ってオジマンディアス王のことだろうけど───

 

『エジプト領のオジマンディアス王は無事?』

 

〈む、余には何ともないが?〉

 

……うん、“存命であれば常に輝く太陽(オジマンディアス)”とその比較対象“滅びの時間が近づき欠けた太陽(トゥルー・サン)”だとオジマンディアス王の方が優先順位高そうじゃない?

 

「我が王はあらゆる民を受け入れます。異民族であっても異教徒であっても例外なく。───ただ、その前に我が王から赦しが与えられれば、の話ですが。」

 

「幻想郷の劣化だな…」

 

お兄ちゃん、それ思っても言っちゃダメじゃないかなー…




弓「ガウェインめは涙目よな。当時は酷い出落ちを見たものよ。」

裁「そうだねー。…不夜のギフトを持ってて昼になっていたとしても、太陽が“欠けた”せいで太陽が“なくなってる”。太陽がないから“聖者の数字”が()()()()()んだよねー…ホント申し訳ないです、当時は敵ながら同情したよ。」

……聖者の数字かぁ…

裁「あれがなければちょっと強い騎士程度でしかないし。」

そう言いきれるのはリカだけじゃない?


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