狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
…あ、
いや、特には……
………ねぇ、
“無意識下創造世界の観測”…って、わかる?
「あ、リッカお姉ちゃんー!マシュお姉ちゃんー!」
私とマシュがテントから出ると、ルシュドくんが私に駆け寄ってきた。
「おう、ぐっすり眠れたかい?…って言っても、アンタ達が来てからまだ日も越えてないけどな!」
「あ…アーラシュさん。…よくお世話になってます。」
「よせやい。俺なんてただの三流サーヴァントに過ぎねぇんだからよ。」
「弓兵の語源となった人───“アーラシュ・カマンガー”が何を言ってるんですか…」
「えー?お姉ちゃん何言ってるのー!アーラシュの兄ちゃんはあのアーラシュ・カマンガーとは別人だってー!」
ルシュドくんの言葉に苦笑いしてからルシュドくんの頭を撫でる。…サーヴァントとか知らないと本当だと思わないもんね。
「ルシュドくん。お姉ちゃん達は今からお兄ちゃん達と大事なお話があるから、サリアさんのところでおとなしく待っていられる?」
「うん!あ、お話終わったら遊んでねー!」
「遊ぶの…もしかしたら明日になっちゃうかもだけど、いい?」
「いいよー!頑張ってねー!」
そう言ってルシュドくんは離れていった。それを見届けて、私達は会議の場に急ぐ。…既に全員、揃ってた。
「お待たせしました。」
「そこまで待っておらん。」
「………ギル、本当に何したの…」
ギルの左頬に綺麗な
「…早く始めた方がいいんじゃない?」
「う、うむ…」
あとミラちゃんの圧なんか強くない?普通を装ってるけど声に少し怒りが滲んでる。
「いいや、もう。私が仕切る。───それでは、対策会議を始めます。主な議題は───“聖都の正門”と“獅子王の裁き”について。」
ミラちゃんが告げたとたん、周囲の空気が一変する。少しゆるりとしたものから、ピリッとしたものに。
「まずは聖都の正門についての調査報告。あの乱戦の中で調べに行ってたアルトリアさんから報告を。」
「はい、プリンセス。…あの正門は、かの城壁と同質のもの。ただ力強いだけ、ただ重いだけの攻撃では崩れない。英雄王の乖離剣のような世界を破壊する力を使わないのであれば、“神聖なる力”が必要になります。…ですが」
「我の乖離剣ですら半端な出力では崩れぬか。…以前のような改造も意味を成さぬであろうな。」
「とりあえずネルルの破棘滅尽旋・天とかも通さなそうだね。…神聖なる力、か。具体的には?」
「……そうですね。仏に仕える者の力。あるいは仏そのもの。悟りに至るような…そのようなものです。前提条件として、属性は“秩序・善”でなくてはいけないでしょう。」
「ということは私は無理だね。混沌属性だし。」
「私も無理だ……中立だし。」
秩序・善か……
「心の在り方を以て開かなければならない……かぁ。難しいね。」
「なんというか…ギャラハッドさんの在り方に似ています。」
あ、それは確かに。
「…ふむ。在り得ざる盾…飾莉殿と言いましたな。飾莉殿はいかがですかな?」
「残念だが中立属性だ。ついでに言うが、恐らく城門を破壊するには聖なる力だけじゃ足りん。例え俺に聖なる力があったとしても俺じゃ壊せねぇな。」
「吸収反射したら?」
「倍返しか。…無理だろうな。吸収して増幅している以上、俺の力が関わってくる。」
うーん……難しい
〈あの……お悩み中申し訳ありません、皆様。〉
通信側から声。見るとエスナさんが画面に映っていた。机の中央に翻訳機置いてるからこっちで聞く分には問題ない。
「どうしたの、エスナ?」
〈え、ええと……その。聖なる力の件なのですけど。私が何かお役に立てたりしませんでしょうか…?〉
「「「「「え??」」」」」
エスナさんが?…あれ、でも。
「そういえば、エスナさんって属性はなんだったの?」
〈私の属性は…“秩序・善 人”…ですね。〉
…………
〈それに…その。私の“天女”の起源因子も解放すれば破壊するだけであれば、恐らく…〉
「なんて、身近に解決策があったの……」
そういえばエスナさんって“聖女”なんだっけ。
〈とはいえ、私の力だけで砕けるかどうかも分かりませんので…他の策は考えておいた方がよろしいかと……〉
「……アルトリアさん、エスナの力はあの正門に通じる?一応これが映像だけど。」
ミラちゃんが杖で机を叩くと、ロンドンでの光景が立体映像として映し出される。
「通じはしますが……些か、出力が不足しているようにも感じます。レディ・エスティナ、これ以上の出力を出すことは可能でしょうか?」
〈問題ありません。あの時は全力にはなりませんでしたので。〉
……えっ?
「えっ、
〈起源解放第二段階はまだ全力ではありません。…時間がなく、パラケルスス様には申し訳無いことをしました。〉
〈エスティナさんのあの高速詠唱・高速祈祷でも時間が足りなかったのね…〉
「…エスナ。聞くけど、最大出力を引き出すためにどれくらいの準備期間が必要?」
最大出力を引き出すための時間。…確かに、重要。
〈……30分。今の私では、それ以上短くすることはできません、ミル姉様。〉
「30分か……円卓の騎士と粛正騎士相手に30分。その間エスナは無防備になるはずだからエスナを護る人が必要になる。今ここにいる全員が聖都を攻めるときにいられるとは限らないし…」
「…あの、プリンセス。1つよろしいですか。」
「うん?」
「神聖なる力は1人で出力しなくても問題ないかと。2人以上で同時に正門へ叩き込み、正門を砕くことも視野に入れるべきかと…」
「…それもそうなんだけど、そんな簡単に神聖なる力を扱えるサーヴァントがいるかどうか。」
あー…だからエスナさん単体で考えてたんだね、ミラちゃんは…
「…あー、でも聖杯が所謂“詰み”にはしないようにカウンターで召喚してくれてるんだっけ…フランスでのジークフリートとか。…簡単に見つかるものかなぁ。」
〈一応サーヴァント反応は山の翁や円卓の騎士達以外にもいくつか観測されている。彼らの中にいるかもしれないけど…〉
「……とりあえず今はエスナの技だけで破壊する方針で。不確定要素は後にする。個人的には防御に秀でたシールダーの2人をエスナの護衛に置きたい。それからリッカさんも護衛側に。…防御だけだと対処しきれなさそう。」
あー……物量で攻められたら押し潰されちゃうもんね。
「なら、もう1人攻撃側が欲しい。もしくは妨害。防御側は俺とマシュさんでいいだろうが、攻撃側がリッカさん1人だと負担がでかい。おまけに相手は粛正騎士、バフもデバフもなけりゃ結構硬いぜ、あいつら。」
「それなら、あたしが攻撃に回るわ。氷で足止めもできると思うもの。」
ナーちゃんがいれば結構安心かな?凍結鎖凄かったもんね。
「……絶対零度とかは流石にやめてね、七海さん。」
「流石にやらないわよ。…制御、できないもの。」
「了解。一先ずこれで聖都の正門に関してはなんとかなりそうかな。状況が変わればその時その時で補足する。…次、獅子王の裁き……といきたいところだけど、その前に各々の進捗について聞きたい。村の復興と万が一の時の村人達の逃亡ルート、私達の進軍ルートに関して。ジュリィさん、地図を。」
「はい。こちらが周辺の詳細地図となります。」
そう言ってジュリィさんが机に大きな羊皮紙を広げる。…これ、毎回毎回思うけどジュリィさんの手書きなのが凄いんだよねぇ。
「私達がいる隠れ村、東側の村がここ。聖都はこっち側で、太陽王の領地がこっち。この村自体が聖都側から見えにくい位置にあるけど、それはただ単に見えにくいだけ。相手は来るときは来るからね。…そして、それは呪腕さんから聞いた西の村も同じように。」
「相手側には直感スキル持ちのモードレッドがいます。魔術的な結界もない村ですから、すぐに場所は割れる───いえ、今にでも割れているでしょう。」
「今から行っても時間はかかる、けどこっち側でも準備が終わってない。…一応策はあるけど、できればあまり使いたくないし。正確な座標が把握できてないから転移魔法も危険だからね。」
あっ……(察し)
「アーラシュさんは今までどおり狼煙の警戒をお願い。こっちの準備が終わってなくても敵に見つかった報告が上がればすぐに行くから。」
「了解。万が一あっちが敵襲になった場合、乗り込むのは誰になる?」
「私と…あとルーパスさんとリューネさん。この3人なら多分耐えれるから。」
「「耐え……?」」
まぁ……アレだよね、多分。
「それは別にいいんだが、マスターのリッカはどうする?サーヴァントなんだからマスターの近くじゃねぇと本領出せないだろ。アーチャーでもないわけだしな。」
「私達ハンターのサーヴァントは“自立魔力”っていうスキルがあるから…リッカから離れても特に問題はないよ?」
「自立魔力?単独行動スキルみたいなもんか?詳細を教えてくれや。」
ええっと……
「マスターがいなくとも宝具の解放が可能で……聖杯からのサポートがなくても現界できるんだっけ。」
〈そうだね。単独行動スキルの魔強化…単独顕現スキルをちょっぴり弱体化したくらいのスキルかな?そのスキルを持つサーヴァントによっては聖杯なしでサーヴァントとの契約もできるっぽい…〉
「ふむふむ、なるほどなぁ……ってちょっと待て!!聖杯もなしにサーヴァントがサーヴァントと契約できるのはどう考えてもおかしいだろ!?」
「そんなこと言われても…」
〈でも普通に考えればおかしいわよ…第五次聖杯戦争の私の場合、山門をマスターとして小次郎を召喚しているのだもの。サーヴァント本人が聖杯を介さずマスターになれるのはおかしい以外の何物でもないわ。……常識的に考えれば、だけれど。〉
〈常識なんてとっくに捨て去ったさ!何せやることなすこと規格外だもんねぇ、ハンター達は!〉
「とりあえず常識は持ってた方がいいぞ、ダ・ヴィンチ。…生前から手遅れな気もするが」
〈あっはは!言うねぇ、六花!ようし、後で天才直々の鬼畜メニューを課してあげよう!カルデアに戻ってきたら覚悟するんだね!〉
「へいへい…天才の無茶振りは慣れたわ、マジで。」
慣れちゃダメだと思う…
〈レオナルドも楽しんでるんだろうね、キミに無茶振りするの。六花への無茶振りを考えるとき、凄く生き生きとしてるんだ。〉
「勘弁してくれよ……俺はただの凡人だっつーのに。」
〈…でも、レオナルド師匠が言っていたわよ?“六花は平凡ではなく非凡の域、天才に限りなく近いモノがある”って…〉
「それで封印指定されちゃ敵わん。」
〈君は既に封印指定域だがね…大方マリスビリーが君をカルデアに連れてくることで護ったのだろうが。人理が戻れば即座に封印指定かもしれんな。〉
「やめろ、マジで。つーか確か封印指定食らってた気がするんだよな……」
封印指定って確か……“魔術協会に所属する魔術師にとって最高級の名誉であると同時に厄介ごと”、だっけ?
「……個人的な質問で申し訳ないんだけど、封印指定って何?」
「あ?あー…封印指定ってのは魔術協会に所属する魔術師にとって最高級の名誉のことだ。…そして同時に、大きな厄介事でもある。当然だ、魔術師としては先を探求するものなのにその先を探求することを縛られるんだ。」
「というと?」
「大英博物館最奥───“橋の底”と呼ばれる場所には今も多くの魔術師が幽閉されている。その総てが封印指定を受けた魔術師で、希少な術式を扱える魔術師を保護…いや、“保存”してんだ。」
「……保存。…嫌な言い方するね。」
〈事実でしかないからな。あれは保護というよりも保存、標本採集と同じようなものだ。次の段階を求めるために魔術協会から失踪する魔術師も少なくないな。〉
〈…魔術協会も外道だから失踪したとしても放置することの方が多いわ。放置して魔術の成熟を待つの。…その方が魔術協会としては価値があるもの。一般人への被害なんて知ったことじゃないのよ。……今となっては、頭が痛くなる話だけれど。〉
「マリーって結構一般人側に染まってきてるよな。思考が。」
〈元々マリーは普通の魔術師よりも一般人寄りじゃ………痛い、痛い!強化した拳で殴らないで!!〉
何やってるんだろ、ドクターは……
「…とりあえず、封印指定に関しては置いておいて。話を進めるよ。…私の個人的な質問だったし。……村の復興状況について、呪腕さんからお願い。」
「承知。…とはいっても話せることなどそうありませんが。ギルガメッシュ殿やジュリィ殿の協力により、こちらの飢餓は総て解消。衛生環境もよくなったといえましょう。……気になるのが、最初のジュリィ殿の料理を食した者の力があり余っていたことですかな。サーヴァントまでとは行かずとも、人間離れした力を得ていたのは事実。…料理に何か盛ったのですかな?」
「……嬢?もしかして“ネコ飯”…鋭利上昇特化の“肉料理”振る舞った?」
心当たりがありそうなルーパスちゃんがジュリィさんに聞く。
「…不味かったでしょうか……」
「どうなんだろ……ハサン、何か問題起こった?」
「いいえ、特には。大体50分でその力は切れてしまったようですしのう。…ところで。ネコ飯、とはなんですかな?」
「クエストに行く前……戦いに行く前に食べる料理のことね。各地の料理によって効果は変わるけど…“食事スキル”って呼ばれるものが付与されるのは大体同じかな。嬢が振る舞ったのは恐らく新大陸の肉料理。鋭利上昇特化なんだよね。分かりやすく言えば攻撃特化。」
「ふむふむ。」
「普通のネコ飯の不思議なところは例え食べたとしても10分くらいでお腹が空くところだねー。長期クエスト用だと5時間くらいか。…というか嬢?嬢ってネコ飯じゃなくて普通の食事も作れなかった?」
「…相棒の言う通りです……新大陸に渡ってからの料理をする時の癖で“草食竜の卵”、“キングターキー”、“ワイルドチキン”、“壺漬け生肉”、“龍ノコハク酒”、“大吟醸・龍ころし”を入れてしまったもので……すみません」
だ、大吟醸……
「…花火師、我慢、目利きか。食事スキルはネコの射撃術、ネコの受け身術、ネコの解体の鉄人…日替わりがどうなってるかわからないけど。お酒も入ってるのはちょっと不味かったんじゃないかなぁ…」
私がお酒弱いのもあるかもだけど、ってルーパスちゃんは呟いてた。
「振る舞ってしまったのは仕方ないから、ジュリィさんは振る舞った人達が何か問題起こさないように、または何か異常を起こさないかよく経過観察すること。…大丈夫だとは思うけど。」
私達が食べたときとかあまり異常起こさなかったもんね…お酒は知らないけど。
「逃亡ルートだけど、リッカさん達が来る前に太陽王の方から銀嶺がこっちに来たから逃亡先を確保しておいてもらった。一応ルートとしては……」
ミラちゃんが地図に線を書き込む。…あれ、結構近い?
「結構近いですな?ここから遠く離れていませんぞ。」
「うん、結構近めの場所にしてもらったの。…こっちには子供達もいるし。長距離移動は難しいでしょ?」
「む…それは確かではあるのですがな…」
「巨獣“ガムート”はそもそも“不動の山神”とも呼ばれる存在。その老齢個体であり、強力な存在となったのが“銀嶺”───“世界最強峰”。山の神どころか山そのもの、そんな彼女は山において真の力を発揮する。」
「でもミラちゃん、あの日銀嶺さんって凄く傷だらけじゃなかった?」
「うん。別れた後で細かく診た感じ、宝具を何十発かもらったみたい。ガムートの生息地は雪山とか氷海とか…そういった寒いところが主なんだけど、あの銀嶺はしばらく太陽王の砂漠にいたんだろうね。…相性的にも概念的にも適合しない場所だからこそかなり弱体化してた。実際、山に来てからというもの急激に回復してるし力を増してるからね。」
ガムートさん……って氷属性なんだっけ?うろ覚えだけど。それだと確かに砂漠みたいな暑いところは辛いかも…
「“六花の大盾”───その存在の強さを、某はこの目でしかと見ましたぞ。あれが本気でないと言うのでしたら、我等が同胞を確かに護れそうですな。」
「…煙酔のが言うのであれば、間違いはないか。ミラ殿、銀嶺殿にお伝えくだされ。我等が同胞をよろしく頼みます、と。」
「伝えておく。…で、次は進軍ルートに関して。…なんだけど。」
ミラちゃんが困ったような表情になる。
「…ごめん、これに関してはまだ確立できてない。どれくらいの人数が動けるかによって変わってきちゃうから。」
あー……
「太陽王のところのも合わせてどれくらいの規模になるかが判明したら確立は出来そうだけど…」
「俺達だけだとは限らねぇもんな…」
「……一応、今この会議にいる人数だけだったらここに来たときに使ったルートが使えるとは言っておくね。」
そうなると少数精鋭…人数を絞らないとになっちゃうか…でもそれは避けないと。相手の数が未知数だし、私達はあの城を正面から叩き潰さないといけないから。…桶狭間の戦いとかみたいに、奇襲という方法がとれないから。
「…じゃあ、最後。───“獅子王の裁き”について。情報開示をお願い、飾莉さん。」
獅子王の裁き。その言葉に、空気がより一層張り詰める。今、私達が一番注意しないといけない問題。いつ起こるかが全くもって不明な、突然の奇襲攻撃。
「…あぁ。俺がここの特異点に来てから分かったこと程度でいいなら話すぜ。───あれは獅子王の持つ聖槍、ロンゴミニアドの一撃による局所的な無差別破壊だ。ここに来るまで何度かクレーターがあったのを見ただろうが、あれが裁きの痕跡。…だが、あれは恐らく脅しに過ぎない。既に聖槍を数回防いでる俺だが…脅しではない、全力の聖槍を撃たれて耐えられるかどうかだな。」
「そう…」
「一応1つ策はあるが、それを使った場合俺は役に立たなくなる可能性が高い。元より弱体化してるから、どうなるかが未知数だ。」
「……もしその策を使ったとして、勝算は?」
「五分……いや、8対2。その程度か?」
「正確には78%ほど?」
「さっきも言った通り未知数だ───だが、ある程度の予測は立てられてる。…
「耐えられないとしても俺の宝具で打ち消すことは出来るだろうからあまり気にしなくていいんじゃないか?」
アーラシュさんがそう言う。…うーん。
「できればアーラシュさんの宝具は使いたくないなぁ…」
「リッカに同意。できれば犠牲者は増やしたくない。人間にも、サーヴァントにもな。」
「やれやれ、困ったな……」
困ったような表情をするアーラシュさんにミラちゃんがため息をつく。
「自分の命は大事にしなさいな。……私達が言えることじゃないけど。」
「私が言うことじゃにゃいですけど、命は大切にした方がいいですにゃよ。」
「本当にルルが言うことではないな……」
「うっ…」
あー……たしかルルさんって全力で攻撃放つと身体壊すんだっけ…
「……一旦は飾莉さんの防御で防ぐ方針で。それでも足りなさそうなら私が多重防壁を組む。正直、確実性は低いけどアーラシュさんの命を使わない方法はこれくらいだと思う。…あとあるとしたら英雄王の乖離剣とかかな?」
「“終末剣エンキ”という弓もあるが…起こしておくのを忘れた故、出力が足りん。…先に名の出た銀嶺とやらの防御性能はどうなのだ?」
「どうだろ……“六花の大盾”って呼ばれるくらいだから防御性能そのものは高いんだけど。大分回復してるとはいえ負傷してるわけだから…勘だけど致命傷になる気がする。」
「ふむ………」
……私達は、どうしたらいいんだろう。結局のところ、裁きに対する対応策が定まりきらないまま、その会議は幕を閉じた。
そう。厳密には、観測・認識できてる時点で無意識下じゃないんだろうけど。“何をいれよう”、“何を作ろう”…そんなことを全く考えずに創造が行われる世界のことをそう呼んでる。
リッカさんの世界はまだ半意識下創造世界だから、調整が効きやすい。でも無意識下創造世界はその調整が全く効かない…そんな世界。私が知ったものがそのまま反映されるような世界だからなんとも。
…前回の夢の話。あれを聞いて、リッカさんの世界を改めて精査してみた。その世界と繋げた記憶はないし、繋がってたとしたらそれは無意識創造領域だからね。そしたら、見つかったよ。
…彼女に警告を送っておいて。共存している以上、何が起こるかわからない。並行世界じゃない以上、ふとした弾みで簡単に交わる。…それに、原作と大分違うみたいだし。
うん……何も起こらないといいけど、ひとまず解析は進めておく。…あっちは魔法、こっちは魔術───どちらも“魔”を扱う世界だから何が起こってもおかしくないからね。
流石にどっちを選択にするか決められなかった。ホント、申し訳ないけど。
お知らせ↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=289109&uid=316165
運命の選択 聖都の正門と獅子王の裁き
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どちらも原作通りにする
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聖都の正門への対処のみ原作通り
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獅子王の裁きへの対処のみ原作通り
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どちらも原作通りにしない