狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
「…マスター」
ん…?
「藤丸立香、入ります」
私はそう言ってから管制室に入った。
「おはよう、立香ちゃん。…別にそんな硬いあいさつしないでいいのに。」
「いえ…」
「…さて。ブリーディングを始めようか。所長と君の兄はギルガメッシュ王とジュリィさんに呼ばれて不在だけどね。」
お兄ちゃん、何かしたの…?
「とりあえず、君たちにやってもらいたいことをもう一度説明しようか。」
一つ。特異点の調査及び修正。その時代における人類の決定的なターニングポイントの調査・解明し、これの修正を行う。
二つ。“聖杯”の調査。特異点に存在すると思われる聖杯の取得、もしくは破壊。
三つ。霊脈を探し出し召喚サークルの設置。
以上が特異点で行うこと。三つ目に関しては既にメインサーヴァントが11騎いるためにほとんど必要ないかもしれない、とは言われた……って、え?11?
「ドクター?先輩が直接契約しているサーヴァントは私を含めて10騎のはずですが。1騎、多くありませんか?」
「あぁ。それね。実は昨日の時点では10騎だったんだけど、今日見たら
「えっと…会ったような会ってないような」
「私の出番かい?」
そう言って出てきたのは“More Deban”って書かれた看板を持った美人な人。思わず吹いたんだけど。いやなんでそんなの持ってんの。
「紹介するよ、立香ちゃん。彼……いや、彼女……いや、ソレ……いや、ダレ……?」
……
「ええい!!ともかく、そこにいるのは我がカルデアが誇る技術部のトップ、レオナルド氏だ。見た目からわかる通り、普通の性格じゃない。当然、普通の人間でもない。というか説明したくない。」
ドクター、前も思ったけどたまに酷いこと言ってる自覚ある?
「なぜなら───」
「…サーヴァント、ですね。」
そういうのはアルちゃん。
「なんとなくですが、分かります…クラスはキャスター、ですね。」
「へぇ。記憶喪失でもわかるのか。いやそもそも記憶喪失自体おかしいんだけどね。」
「みたいだね。では改めて。カルデア技術局特別名誉顧問、レオナルドとは仮の名前。私こそルネサンスの誉れの高い、万能の発明家、“レオナルド・ダ・ヴィンチ”その人さ!」
あ、前にマイルームであった人。やっぱりレオナルド・ダ・ヴィンチさんだったんだ。
「気軽にダ・ヴィンチちゃんと呼ぶように。こんなきれいなお姉さん、そうそういないだろ?」
……どうかなぁ
「おかしいです。異常です、倒錯です!!だって、レオナルド・ダ・ヴィンチは男性───」
「重要なのかな、それ…ギルに聞いたけど実際性転換の薬とかあったらしいし…魔法使い…じゃなくて魔術師なんだっけ。高度な魔術師なら薬じゃなくても性別変換とかできるんじゃないかな…」
それに、と私は言葉をつづける。
「アーサー王だって男性と伝えられていたけど女性だったんだし。もしも創作だったとしても、本当の話だったとしても。実態といったものは過去のもの、その過去のことはその未来たる私達からは酷く曖昧なものだと思う。聖徳太子とかが女性の可能性とかもあるし。」
「それは…確かに」
「君の考えはいいかもね。私は美を追求するのさ。発明も芸術もそこは同じ、すべては理想を───美を体現するための私。そして私にとって理想の美とはモナ・リザだ。となれば───ほら。こうなるのは当然の帰結でしょう?」
ほら、って言われてもなぁ…
「フォウ…(意味わからん…)」
「いや、ボクも一応学者のはしくれだが、カレの持論はこれっぽっちも理解できなくてね……モナ・リザが好きだからって自分までモナ・リザにするとか、そんなねじ曲がった変態はカレぐらいさ。」
「自分の…現実の顔を、っていうのはわからないけど理想の顔を、理想の姿を自分に張り付けるっていうのはわかる…」
分かっちゃうんだよね…これでもMMD動画とそのモーション提供を主とした動画投稿者の端くれだからね。
「おっ!わかるのかい?そうだよねぇ…」
「立香ちゃん…なんでわかるんだい…そもそもレオナルド、キミいつの時代の英霊だい?」
「天才に時代は関係ないのだよ。覚えておくといい、立香。この先、何人もの芸術家系サーヴァントと出会うだろう。その誰もが例外なく、素晴らしい偏執者だと…!」
うん、実際ここまで見てきてこの人が変人だって分かったし。…ところで…
「1騎増えてる、ってどういうことなの、ドクター?」
「うん。とりあえず、今このカルデアにいるサーヴァントをクラスごとに確認しよう。」
セイバー
アルトリア・ペンドラゴン
アーチャー
エミヤ
ギルガメッシュ
ランサー
クー・フーリン
エリザベート・バートリー
ライダー
メドゥーサ
イスカンダル
キャスター
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ミラ・ルーティア・シュレイド
ジュリィ・セルティアル・ソルドミネ
メディア
ナーサリー・ライム
アサシン
(ガルシア)
佐々木小次郎
ジャック・ザ・リッパー
バーサーカー
ヘラクレス
「ここまでが基本七基といわれるクラスのサーヴァントだ。で、次からがエクストラ。」
アヴェンジャー
【未所属】
ルーラー
ジャンヌ・ダルク
鍵のルーラー
ムーンキャンサー
【未所属】
アルターエゴ
無銘
フォーリナー
(ミラ・ルーティア・シュレイド)
シールダー
マシュ・キリエライト
ハンター
リューネ・メリス
ガルシア
(ミラ・ルーティア・シュレイド)
スピリス
ルル
ルーパス・フェルト
(ジュリィ・セルティアル・ソルドミネ)
「…以上だ。気がついたかな。ルーラーに、“鍵のルーラー”なるサーヴァントが追加されているんだ。」
「鍵の…ルーラー。」
「恐らくは真名隠し。だったら、ルーラーであるジャンヌさんに看破してもらえばいいんだけど…そのサーヴァントがどこにいるのかがまるで分からない。敵なのか味方なのか、それすらも判明していないんだ。」
「もしかしたらアサシンに近いのかもしれないけどね。高度な気配遮断スキルを使えばこのカルデア内でも存在を消すことは容易だろうし。まぁ、この問題に関しては後に回そうか。」
「じゃあ私は失礼するよ。」
そう言ってダ・ヴィンチちゃんはどこかに行ってしまった。
「…とりあえず。さっそくレイシフトの用意をするが、いいかな?…所長達はまだ戻ってきてないが。」
「あ…はい!」
「心配しないでくれ、今回は立香ちゃん用のコフィンも用意してある。レイシフトは安全、かつ迅速に行われるはずだよ。観測された特異点は七つ、その中でも最も揺らぎの小さな時代を選んだ。」
「…ところで、その時代とは?」
「それは…っと」
言葉を発そうとしたときに、管制室の扉が開いた。
「すみません、遅くなりました。」
「ロマニ、もしかしてもう終わってるかしら?」
入ってきたのはギル、ジュリィさん、マリー、お兄ちゃん。お兄ちゃんは私の方を一瞬見てから管制室の席に着いた。
「うし、始められるぞ、ロマン。」
「分かった。」
「マスター、これを…」
ジュリィさんが指輪を差し出してきた。
「これは…?」
「詳しいことは後で話します。…今は」
「時間がないもんね…あと、立香でいいよ」
「…わかりました」
その会話を最後に私達はコフィンに入る。
「コフィン起動、観測開始……気ィ張れよ、立香!!」
「…うん!」
〈アンサモンプログラム スタート。霊子変換を開始します〉
冬木に行く前にも聞こえた声。でも、今回は強い決意と共に。
〈レイシフト開始まで あと3、2、1…〉
恐怖はあっていい。その恐怖に立ち向かう、勇気を持て。
〈全行程
それは冬木に行った時のように。私達を、光の輪が襲った。
「…何か、手伝えることとかある?」
……珍しいね、鍵のルーラー。貴女が手伝うなんて。
「…見守りたいから。」
…そう。あの子は、貴女に関わりの深い人だもんね。
「…」
…分かった。なら…
「うん。」
お願いね。可能性の果ての英霊───
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オルレアン修正後に召喚するサーヴァントのクラスは?
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剣士、魔術師
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騎兵、暗殺者
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槍兵、騎兵
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剣士、剣士
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狂戦士、魔術師