狩人達と魔術師達の運命、それからあらゆる奇跡の出会い 作:Luly
裁「サーヴァント?」
んー
裁「…えーと」
「さてと、砦付近に着いたわけだが…こっからどうするよ?」
お兄ちゃんが地中でバイクのエンジンを止めて私達に聞く。
「うーん……円卓の騎士は無効化したとしても他の兵士達はいるよね?」
〈そうですな。〉
〈……物騒だけど簡単な方法はあるよー?〉
「簡単な方法…ねぇ。ちなみに聞くがそれはどんな方法だ?」
〈んー?全部殺して奪い取る。〉
……やっぱり、っていうかほぼ確実に星乃さんってまともに見えて狂ってる?だって笑顔で言ってるもの。
「…まぁ簡単と言えば簡単だわな。……うちの戦力なら十分できることだろうし。だがまぁ、それは却下で。」
〈物騒だもんねー。…となると不殺……風がよければ麻痺毒・睡眠薬散布とか早いんだけどねー……〉
だから割と物騒なんだってば…いやさっきの第一案よりは良いけど。
「お兄ちゃん、兵士達の分布って分かる?」
「ん?…サーチいれるか。」
お兄ちゃんがバイクのスイッチを弄ると青色のホロウインドウが出てきた。
「……あー。哨戒兵士が外壁に10人、城壁上に10人……」
〈それからサーヴァント反応が地下に3つ。……3つ……?〉
「救い出しておいて損はないんじゃないかな。…なんとなくそんな気がする。」
うーんと……
「百貌さん、煙酔さん、お二人の力で警護兵士達の無力化ってできます?」
〈それはできるが……呪腕はいいのか?〉
「とりあえず呪腕さんは残ってもらって、次の場所に備えてもらいます。なるべく早めに終わらせたいんだけど……ドクター、砦地下の構造は?」
〈とりあえず六花のバイクの方に情報は送ったよ。〉
「ん……これなら5分あれば行けるな。…問題は地下牢の壁か。」
「うーん……とりあえず目標は5分。百貌さんと煙酔さんは5分経ったら撤退。5分で救い出せなかったら……まぁ、何とかする。」
マシュとナーちゃんいるし…なんとかなるんじゃないかな。…精神的に。
「それじゃあ…お兄ちゃん」
「ほいほい。潜行中の上部ゲート解放、上部圧縮解放型高速輸送ラインを7mに設定……割と車の方がこの辺の設定楽だったのかもな…」
……どうなんだろう?
「準備できたぞ。…百貌、煙酔」
〈〈む?〉〉
「行くなら気を付けろ───酔うぞ」
〈〈は───〉〉
ボゴン、って音がした。その音の方を見ると百貌さんと煙酔さんが上に吸い上げられていくのが見えた。マリオシリーズのとうめい土管みたいな感じかな?
「…さ、行くか」
「あれって良いの、お兄ちゃん?」
「まぁ、問題なかろうよ。……多分。」
大丈夫かなぁ……
「リッカが直感で気になったアトラス院の方はこうも行かないだろうから…割と魔力バッテリーが消耗激しいんだよな……」
「……それ、大丈夫なの?」
「レイシフト用のバッテリーは別途用意してあるから問題ねぇな。…基本機能とレイシフトに関わる機能以外の機構を動かす、つまりは今の潜行とか掘削とかが結構怖くなってくるとこだ。」
〈予備バッテリーとか準備しなかったのかい?〉
「用意してたんだが思ったより消耗激しいんだわ、これが。神秘の問題かねぇ。今後は時代に合わせて考える必要があるな。」
そんなことをお兄ちゃんが言っていたらガツン、となにかがぶつかる音と衝撃がした。
「っと壁か。……まぁなんとかなるな」
“SILENT AREA”と“SHAVE”のボタンを押すとゴリゴリと何かを削るような音がした。…というか、実際に削ってる。
〈それ、音って大丈夫なのかしら?〉
「音はできるだけ消してるが…ま、とりあえず完全に大丈夫とは思ってねぇよ。だからこそ…早めにやらんとな。シャーブモードはディグモードと違って結構物理的な破壊だし。」
あー……ドリルで削ってる感じするもんね。
「……ナーちゃん、呪腕さん、動ける準備だけはしておいて。場所は地下牢、護衛兵がいてもおかしくないのと……あと、地下牢で亡くなった人の怨念が襲ってくる可能性もあるから。」
〈えぇ、分かったわ。〉
〈承知。〉
「マシュとアル、ギルはそのまま待機。アトラス院の方で動いてもらうから力を温存しておいて。」
〈〈分かりました。〉〉
〈承った。〉
その回答の後、削る音が消えた。それと同時に声。
「な、ななななな、何よ……!?壁からへんな音がすると思ったらなんか突き出てきたんだけど!?」
「落ち着け三蔵、もしかすれば味方かもしれぬであろう?」
「前門の幽霊、後門のおかしな機械!ちょっと意味違うけどなんだって言うのー!!」
「三蔵様、少し落ち着かれては……」
……これは早く出ていった方がいいね。…と。
「呪腕さん、一応聞くけどあの褐色の女の子が───」
〈然り。“静謐のハサン”───その身に宿す猛毒によって相手を毒殺せしハサンでございます。〉
……それは確か
「───“毒の娘”」
〈……ご存知なのですね〉
毒の娘───自らの体液が全て猛毒となった少女。紀元前にはこの話が在ったとか。何気にカルデアの図書室にもこの情報があったの覚えてる。…ジュリィさんによれば“劇毒には普通の毒耐性じゃ効かない”って話。でも、気休め程度だろうけどここに来た全員に新大陸型製造法の“耐毒の護石III”持たせてよかったかな。ジュリィさんには無理させちゃったけど……
「…えーと」
アイテムポーチの中を探ってあの3種類があることを確認する。実際、ただの保険ではあるけど……ん、あるね。
「…よっと。」
バイクから降りて耳を澄ます。……近づいてくるような人間の足音はない、けどさっき“前門の幽霊”って言ってたよね?
「む、来るぞ!」
武士みたいな人が扉の方に向けて弓を構える。それを見て私とお兄ちゃんもCOMPを構える。
「「「「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛───」」」」
「「“マハンマ”!!!」」
幽霊の姿を捉えた瞬間に私とお兄ちゃんで同時に
「……即死入るのかよ」
「みたい……だね?」
「……これってハマの多重展開でよかったんじゃないかしら」
≪どのみちゴースト15はいたみたいだからハマやハマオンの連打よりもマハンマの方が魔力コストは安かったんじゃない?≫
星乃さんの言う通り……なのかな?…とりあえず。
「ひとまず、捕らえられていたお三方はその乗り物の後部から結界内部に入っていてください。…こちらは少しだけまだ時間がかかりそうですので。」
私の言葉に静謐さんと弓の人、それから…法師さん?が頷いてバイクの結界内部に入る。
「お兄ちゃんは出発準備。アルはお兄ちゃんを手伝ってあげて。…来て、“ジャアクフロスト”。ナーちゃん、一緒に戦ってくれる?」
「えぇ、任せて。」
───そう、近づいてくる人間の足音はない。
「……」
「……なんだっけ、この石造巨人。」
〈“スプリガン”ね。カルデアの仮想エネミーにもいたはずよ?〉
そうだっけ……と思いながらスプリガン3体と1人ずつ向き合う。
「煙酔さんと百貌さんが撤退するまであと3分…気づかれる前に終わらせるよ、2人とも」
「わかったホー」
「えぇ」
2人の言葉を聞いてすぐに私は正面のスプリガンに接近する。
「ウ゛ォ゛ォ゛ォ゛」
【
変異泥を纏い、複製を準備し、スプリガンの剣を弾く。複製するもののイメージは既に出来上がっていたために、準備はすぐに終わる。
【───来なよ】
私の挑発に乗ったスプリガンが殴りかかってくる。それを私は───右手の4本の指で受け止める。
【───“北斗鋼裂把”】
宣言と共にその拳を破壊する。…複製精度が甘いからか、やっぱり一撃必殺には至らない───ならば重ねるだけ。表面とはいえ砕いたことで殺傷能力が上がってそうな拳で更に私に殴りかかろうとするのを───避ける
【“北斗断骨筋”】
「───!ア゛───ア゛、ア゛ヴェジィィィィ!」
【あ、言うんだ】
断末魔をあげながら崩壊していくスプリガン。ちょっと…いや、かなり?濁ってたけど。…それにしても。
【……頭痛いな、これ…】
北斗神拳と南斗聖拳……やっぱり複製にかかる負荷が大きい。…うーん……
「これでとどめー!“黒龍撃”!」
「静かに、安らかにお眠りなさいっ!“眠れる森の可憐な調べ”!!」
ジャアクフロストが
「……ふぅ。きっかり3分、終わらせたわ。リッカさん。」
「こっちも終わったホー。」
その言葉に頷き、お兄ちゃんのバイクに再び乗った私達は地下牢を後にした。
構成もうまく行かない……(´・ω・`)
星乃「どうしたものだろうねー。」
…そだ、星乃。虹架さんの様子は?
星乃「割といい感じにはなってきてるけど……人格が目覚めてくれるかどうか…」